勘当された少年と不思議な少女

レイシール

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 第3章 ロベルタ店

第43話 確認2

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 あの後……レオンと会った。

「ラン、アリー。ちょっといいか?」

 声をかけられた瞬間、なんとなく話の内容が予想できて、思わず背筋が伸びた。

「は、はい。大丈夫ですが……」

 ビクビクしながら返事をすると、レオンは俺たちを少し離れた場所に連れていった。

「……エルザに昨日の朝、俺と会ったことを伝えたのか?」

「は、はい……。すみません。もしかしたらエルザさん、俺たちが『一週間の依頼』って知らないかもしれないと思って……」

「あー……そうか」

 俺の答えに、レオンは小さく頷いた。少し困ったような、けれど納得したような表情。

「昨日、エルザさん……もしかしたら依頼期間の確認、ちゃんと見てなかったかもと思って……」

 そう続けると、レオンはふっと小さく息を吐いた。

「……確かに。だから昨日、『いつまで働くか』の確認をしたんだな」

 肩の力が抜けたようにため息をついて、ゆっくりと納得した様子を見せる。

「で……エルザは、やっぱり知らなかったんだな?」

「はい……。確認のつもりだったんですが、思ったより驚いてて……」

 アリーが申し訳なさそうに答え、俺もその後を引き継いだ。

「まさか本当に知らなかったとは思いませんでした。ちょっと、こっちがびっくりするくらいで……」

 レオンはしばらく黙ったあと、静かに言った。

「……言ってくれて助かったよ。あの人、そういうところ抜けてるからな。お前たちが教えなかったら、俺が怒られてたかもしれん」

 冗談めかして笑ったレオンに、俺とアリーは思わず顔を見合わせて、ほっと息をついた。

「そもそもの原因は、受付から依頼書をちゃんと受け取らなかったエルザが悪いんだが……」

「あ、あの……後ろ……」

 アリーの震える声にレオンが眉をひそめて振り向くと……

「悪かったな、ちゃんと見てなくて」

 低く静かな声が、背後から響いた。

 レオンは一瞬何を言われたのか理解できなかったのか、固まったように動かなくなった。

「エ、エルザ……」

 ようやく絞り出したその声は、さっきまでの余裕が嘘のように震えていた。そして次の瞬間、顔から汗がだらだらと流れ落ちる。

「す、すいません……」

「別にいいよ……。本当のことだし……」

 エルザは笑みを浮かべている……ように見えたが、その目はまったく笑っていなかった。空気が張り詰めていく。

 
ピリピリしてきて……その場の雰囲気に圧されながら、俺たちはどう動いていいか分からず顔を見合わせた。

「エ、エルザさん……目が笑ってなくて怖い……」

 アリーは震えながら、聞き取れるかどうかの小さな声で俺にだけ囁いた。

「ア、アリー……落ち着いて、深呼吸して……スーハー……スーハー……」

 俺も一緒に呼吸を整えながら、アリーをなだめる。

「アリー、落ち着いた?」

「う、うん……ラン、ありがとう」
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