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第4章 馬車
第66話 馬車引き
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その話が一段落したころ…… 俺たちは荷物をまとめ、すぐに宿を出た。
俺とアリーは先に馬車乗り場に着いたが、すでに馬車は到着していた。
「はぁ、はぁ……すみません、もう出発しますか?」
俺が馬車引きの男に声をかけると、男はちらりと空を見て答えた。
「ああ、あと少しで出るところだよ」
「実は、あと三人来るので少し待ってもらえませんか?」
そう頼んだちょうどそのとき、後ろから足音が近づく。振り返れば、ディーンたちが駆け足でこちらに向かっていた。
馬車引きも彼らに気づいたらしく、
「あいつらか?」
「は、はい。そうです」
「……なら、あいつらが来るまで待ってやる。その代わり、料金は少し上乗せだ」
「だいたい……どれくらいですか?」
「銅貨3枚、ってところだな」
そう言っている間に、ディーンたちが息を切らせて到着した。
「ま、間に合ったか?」
ディーンが尋ねると、馬車引きは肩をすくめて言う。
「予定は過ぎてるさ。だが、こいつらが『待ってくれ』って言うからな。代金増しでな」
それを聞いて、ルネサスが目を伏せてつぶやいた。
「俺たちのために……待たなくてもよかったのに……。なんで……?」
その言葉に、アリーが少し照れたように答える。
「えっと……ルネサスさんたちと、まだ話したかったから、かな」
「……まぁいい。とにかく、早く乗ってくれ」
馬車引きの促しに、ディーンたちはやや戸惑いつつも乗り込んだ。 結局、乗客は俺たち五人だけのようだった。
カラン、カラン……。
馬車がゆっくりと走り出す。車輪の音が心地よく響く中、車内には少しの緊張感と、少しの気まずさがあった。
そんな中、マックが不満げに切り出した。
「……で? なんでわざわざ待ってまで、同じ馬車に?」
「さっきも言いましたけど……。俺たち、ディーンさんたちと、もう少し一緒にいたかったんです。それに……聞きたいことも、たくさんあったので」
そう言うと、マックがやや不機嫌そうに顔をしかめる。
「なんだよ。聞きたいことって……」
「ほら……俺、一応『元・貴族』だったから、平民の常識とか、全然分からなくて……。だから、ルネサスさんたちから色々教えてもらえたらって……」
言ってる途中でちょっと恥ずかしくなり、最後の方は声が小さくなる。
そのとき、ルネサスがふと何かを思い出したように言った。
「ああ……そういえば、俺が『常識』教えるって話、してたな……」
「確かに……僕たち、すっかり忘れてたよね」
とディーンも苦笑しながら頷いた。
「それで? 何が聞きたい?」
ルネサスが前のめりに尋ねてくる。 俺は少し迷ってから、ふと思い出したことを口にした。
「えっと……平民にも、『ハズレスキル』ってあるんですか?」
「あるよ。例えば……『鑑定』、『算術』、『戦術』とか。平民視点では、あまり役に立たないって扱われてるな」
ルネサスの答えに、俺は自然と口に出してしまった。
「……それ、貴族だったら『当たりスキル』ですよね?」
すると、アリーがぽつりとつぶやいた。
「ねぇ、それって……貴族と平民のスキルが逆なら、『当たり外れ』も変わるってことだよね。……私のスキルも、貴族だったら『当たり』って思われたのかな……」
少し寂しそうなその言葉に、馬車の中が一瞬、静かになった……。
俺とアリーは先に馬車乗り場に着いたが、すでに馬車は到着していた。
「はぁ、はぁ……すみません、もう出発しますか?」
俺が馬車引きの男に声をかけると、男はちらりと空を見て答えた。
「ああ、あと少しで出るところだよ」
「実は、あと三人来るので少し待ってもらえませんか?」
そう頼んだちょうどそのとき、後ろから足音が近づく。振り返れば、ディーンたちが駆け足でこちらに向かっていた。
馬車引きも彼らに気づいたらしく、
「あいつらか?」
「は、はい。そうです」
「……なら、あいつらが来るまで待ってやる。その代わり、料金は少し上乗せだ」
「だいたい……どれくらいですか?」
「銅貨3枚、ってところだな」
そう言っている間に、ディーンたちが息を切らせて到着した。
「ま、間に合ったか?」
ディーンが尋ねると、馬車引きは肩をすくめて言う。
「予定は過ぎてるさ。だが、こいつらが『待ってくれ』って言うからな。代金増しでな」
それを聞いて、ルネサスが目を伏せてつぶやいた。
「俺たちのために……待たなくてもよかったのに……。なんで……?」
その言葉に、アリーが少し照れたように答える。
「えっと……ルネサスさんたちと、まだ話したかったから、かな」
「……まぁいい。とにかく、早く乗ってくれ」
馬車引きの促しに、ディーンたちはやや戸惑いつつも乗り込んだ。 結局、乗客は俺たち五人だけのようだった。
カラン、カラン……。
馬車がゆっくりと走り出す。車輪の音が心地よく響く中、車内には少しの緊張感と、少しの気まずさがあった。
そんな中、マックが不満げに切り出した。
「……で? なんでわざわざ待ってまで、同じ馬車に?」
「さっきも言いましたけど……。俺たち、ディーンさんたちと、もう少し一緒にいたかったんです。それに……聞きたいことも、たくさんあったので」
そう言うと、マックがやや不機嫌そうに顔をしかめる。
「なんだよ。聞きたいことって……」
「ほら……俺、一応『元・貴族』だったから、平民の常識とか、全然分からなくて……。だから、ルネサスさんたちから色々教えてもらえたらって……」
言ってる途中でちょっと恥ずかしくなり、最後の方は声が小さくなる。
そのとき、ルネサスがふと何かを思い出したように言った。
「ああ……そういえば、俺が『常識』教えるって話、してたな……」
「確かに……僕たち、すっかり忘れてたよね」
とディーンも苦笑しながら頷いた。
「それで? 何が聞きたい?」
ルネサスが前のめりに尋ねてくる。 俺は少し迷ってから、ふと思い出したことを口にした。
「えっと……平民にも、『ハズレスキル』ってあるんですか?」
「あるよ。例えば……『鑑定』、『算術』、『戦術』とか。平民視点では、あまり役に立たないって扱われてるな」
ルネサスの答えに、俺は自然と口に出してしまった。
「……それ、貴族だったら『当たりスキル』ですよね?」
すると、アリーがぽつりとつぶやいた。
「ねぇ、それって……貴族と平民のスキルが逆なら、『当たり外れ』も変わるってことだよね。……私のスキルも、貴族だったら『当たり』って思われたのかな……」
少し寂しそうなその言葉に、馬車の中が一瞬、静かになった……。
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