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蜜月
年越し完了
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一回ガッツリとヤっても寝落ちしなかったオレは『去年までのオレとは違う!』と調子に乗って二回戦目に挑戦し、見事に意識を吹っ飛ばした。
腕を上げるのも気怠い体は、いつもの事ながら、汚れた気持ち悪さは一切なく、服までしっかり着込んでいる。オレの服ではなく、先輩のを借りているようで、袖が長くて指先しか見えないが、目覚めた気配はしっかり届き、手招きするより早く先輩は気が付いた。
「セイシュン、大丈夫か」
先輩もこの状況に慣れてきたのか、声に焦りも不安も感じられなかった。ただ、ただ、優しい響きが心地良い。
「だいじょーぶ……よく考えりゃ年越したからって、早々に変わる訳ないよな。一年後とかならまだしも」
オレの反省を聞いて、先輩が笑いながら「そうだな」と同意してくれる。先輩は分かって付き合ってくれてたんだろうな。途切れ途切れだが二回目にヤった時を思い出すと、手加減ってのを全力でされてた気がするのだ。
悔しさも情けなさもないのは、先輩の現在進行形で与えてくれる心地よさが、それらを軽く上回っているからだろう。髪に触れる手が温かくて、もっとしてくれと強請るような目を向けてしまう。
「疲れただろ、今日はもう寝ちまえ」
先輩の口から出た不吉な名前に、夢見心地から一瞬で現実に帰還する。
「……山センたち、こっちに来なかったよね?」
恐る恐る聞いてみる。ヤってる最中は、すっかり忘れていたが、外から見える場所で盛り上がってしまった。山セン自身ならまだセーフだが、他の奴らは……特に小吉さんとかに見られてたらと思うと、心臓が嫌な感じで鳴る。
「ん、誰も来てないな。頼んでおいたからな」
不安なオレとは対照的に暢気に笑う先輩。誰に何を頼んだのか尋ねると、少し照れ臭そうに話してくれた。
「今日はお前と二人で過ごしたいって思ってたんだ。だから、山本にこっちには来ないで欲しいって頼んでおいた」
そんな意味深な言葉で頼んだら、余計に来そうな気がするんだが。
「セイシュンと過ごせる時間を大事にしたいって頼んだら『そうだな』って言ってくれたからな。分かってくれてると思うぞ」
……まあ、実際に来てないなら、見られてないならいいんだけど。
「セイシュン」
オレがちょっとモヤモヤしながらも納得していると、先輩が手を握ってきた。長い袖を少し捲られ、痛いくらいにギュッと握られていたが、思い出したように手を離し握り直される。指と指を絡ませるような握り方に。
こうだろ! と見せつけるように手を持ち上げ、先輩は嬉しそうに笑った。なんとなく先を越された感があって、オレは先輩の手を口元に引き寄せ、甲を軽く吸ってやる。
「先輩、寂しい?」
頭に浮かんだ言葉が自然と声になる。一瞬驚いた顔を見せたが、先輩はふにゃっと笑って「寂しいな」と言った。
「ずっと、ここで……こんなふうに過ごせたら……いいなと思っちまってる」
オレも同じ気持ちだ。言葉にすると、新年早々、初泣きをやらかしそうなので自重する。
「せっかくだし、なんか正月らしい事したいな」
気持ちを切り替えて、明るい口調で言うと、先輩も同じように乗ってくれた。
「じゃあ、明日は、ん、もう今日か。起きたら山本たちと合流するか。何か用意してるって言ってたしな」
二人で過ごしたい気持ちも多少あるが、オレも異議はない。先輩の提案に賛成すると、何故かいきなり軽くキスをされた。
「日が暮れたら、またここで二人で過ごしたい」
ヤリ足りないのが分かる目をして言われると、思わずドキッとしてしまうが、これにも異議はない。繋いでいない方の手を使い、小指を鼻先に突き付けてやると、先輩は嬉しそうに笑って指を絡めた。
腕を上げるのも気怠い体は、いつもの事ながら、汚れた気持ち悪さは一切なく、服までしっかり着込んでいる。オレの服ではなく、先輩のを借りているようで、袖が長くて指先しか見えないが、目覚めた気配はしっかり届き、手招きするより早く先輩は気が付いた。
「セイシュン、大丈夫か」
先輩もこの状況に慣れてきたのか、声に焦りも不安も感じられなかった。ただ、ただ、優しい響きが心地良い。
「だいじょーぶ……よく考えりゃ年越したからって、早々に変わる訳ないよな。一年後とかならまだしも」
オレの反省を聞いて、先輩が笑いながら「そうだな」と同意してくれる。先輩は分かって付き合ってくれてたんだろうな。途切れ途切れだが二回目にヤった時を思い出すと、手加減ってのを全力でされてた気がするのだ。
悔しさも情けなさもないのは、先輩の現在進行形で与えてくれる心地よさが、それらを軽く上回っているからだろう。髪に触れる手が温かくて、もっとしてくれと強請るような目を向けてしまう。
「疲れただろ、今日はもう寝ちまえ」
先輩の口から出た不吉な名前に、夢見心地から一瞬で現実に帰還する。
「……山センたち、こっちに来なかったよね?」
恐る恐る聞いてみる。ヤってる最中は、すっかり忘れていたが、外から見える場所で盛り上がってしまった。山セン自身ならまだセーフだが、他の奴らは……特に小吉さんとかに見られてたらと思うと、心臓が嫌な感じで鳴る。
「ん、誰も来てないな。頼んでおいたからな」
不安なオレとは対照的に暢気に笑う先輩。誰に何を頼んだのか尋ねると、少し照れ臭そうに話してくれた。
「今日はお前と二人で過ごしたいって思ってたんだ。だから、山本にこっちには来ないで欲しいって頼んでおいた」
そんな意味深な言葉で頼んだら、余計に来そうな気がするんだが。
「セイシュンと過ごせる時間を大事にしたいって頼んだら『そうだな』って言ってくれたからな。分かってくれてると思うぞ」
……まあ、実際に来てないなら、見られてないならいいんだけど。
「セイシュン」
オレがちょっとモヤモヤしながらも納得していると、先輩が手を握ってきた。長い袖を少し捲られ、痛いくらいにギュッと握られていたが、思い出したように手を離し握り直される。指と指を絡ませるような握り方に。
こうだろ! と見せつけるように手を持ち上げ、先輩は嬉しそうに笑った。なんとなく先を越された感があって、オレは先輩の手を口元に引き寄せ、甲を軽く吸ってやる。
「先輩、寂しい?」
頭に浮かんだ言葉が自然と声になる。一瞬驚いた顔を見せたが、先輩はふにゃっと笑って「寂しいな」と言った。
「ずっと、ここで……こんなふうに過ごせたら……いいなと思っちまってる」
オレも同じ気持ちだ。言葉にすると、新年早々、初泣きをやらかしそうなので自重する。
「せっかくだし、なんか正月らしい事したいな」
気持ちを切り替えて、明るい口調で言うと、先輩も同じように乗ってくれた。
「じゃあ、明日は、ん、もう今日か。起きたら山本たちと合流するか。何か用意してるって言ってたしな」
二人で過ごしたい気持ちも多少あるが、オレも異議はない。先輩の提案に賛成すると、何故かいきなり軽くキスをされた。
「日が暮れたら、またここで二人で過ごしたい」
ヤリ足りないのが分かる目をして言われると、思わずドキッとしてしまうが、これにも異議はない。繋いでいない方の手を使い、小指を鼻先に突き付けてやると、先輩は嬉しそうに笑って指を絡めた。
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