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圏外生活はじめました!
真夜中の学校探索
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消灯一時間前、ようやく自室に帰って来られたオレたちは、黴臭い畳に倒れ込むようになだれ込んだ。
「入浴時間、過ぎちゃいましたね」
いや一人だけ、ケロッとしてる奴が居たか。狭間だけが、私物の小さなノートに今日割り当てられた仕事をメモし終えると、テキパキと押し入れから布団を引っぱり出そうとしている。
あの後、賑やかな主従トリオが去った食堂で、二年の指導員と厨房のおばちゃんたちに、散々こき使われて、夕食もロクに口に出来ないまま、慣れない作業に従事した。寮内に居る生徒全員分の料理を盛りつけて、手際が悪いと罵られながら配膳し、当然発生する山のような皿洗いに至り、最終は食堂内の清掃。
皿がプラスチック製でなく陶器だったりした日には、ゴミ袋一つでは済まない量の犠牲が出ていただろう。それくらい、オレたち三人は使い物にならなかった。消灯時間までに終えられたのは、狭間の並外れた生活力とでも言うべき、手慣れた手際に助けられたおかげだった。
畳に寝転ぶオレたちを器用に転がしながら、次々に布団を敷いていく狭間に、おどおどした態度がデフォだと思っていた、最初に抱いた印象はどこにもない。その頼もしい背中を眺めていると、全てセッティングが終わったのか、ようやくホッと一息吐いた所で、ジッと見つめていたオレと目が合った。
「あの、えっと、その……つ、次は入浴時間に間に合うように頑張る、ね」
白い顔が真っ赤になり、仕舞っていたノートを引っぱり出し、ページに額を擦りつけんばかりに近すぎる距離で確認を始めた。お前一人だったら絶対に間に合ってたと思うよ、と心の中で申し訳なく思いつつも、疲れた体には起き上がる気力も残っていなかった。
まだ肌寒いくらいの気候だ、一日や二日風呂に入らなくても問題無いだろう。手近にあった枕をたぐり寄せ、寝る体勢に入った所で、自分の中にあった眠気は一気に吹き飛び全力で覚醒した。掴んだ枕をそのまま壁に叩きつけて、思わず咳き込む。左右を見ると同じ被害にあった由々式と皆元も、同じように枕を自分から遠ざけ、吐き気を堪えるような姿勢をしていた。
「除菌も出来る消臭スプレーが欲しいよね」
布団の上でのたうち回るオレたち三人を見ながら、狭間は家畜の待遇を嘆くよう深い溜め息を吐いた。
圏ガクの灯が消える時間は早い。三年寮は知らないが、オレらの寮は一年のみならず、二年も午後十時には消灯となる。まあ、電気を点けていようと、返却されたカバンの中身、持ち込んだ私物の類いは衣類以外の殆どを没収されていたので、やれる事なんて何もないのだが、慣れない環境の中、暗くなったからと言ってすぐに眠れるものではない。
枕代わりにしていたカバンから、スマホを取り出してボタンを押すと、まだ日付が変わるまで一時間以上あった。ぼんやりと光る画面の端には、しっかりと『圏外』の文字がある。まあ圏ガクなんて呼ばれてるんだから、当然か。暇つぶしのアプリでも起動しようとして、どれもネット環境必須だったらしく悉く失敗した。
「お? 夷川もスマホ持ち込めたんじゃな」
隣で背中を向けていたはずの由々式が、こちらを向いて自分のスマホを掲げて見せた。眠れないのはオレだけではなかったようだ。
「『入学裏手引き』?」
入学前に調べた情報の中にあった元圏ガク生のブログを由々式も見たらしい。
スマホはもちろん没収対象だ。でも裏技とでも言うべき方法がそこには書かれていたのだ。カバンにダミーの携帯もしくはスマホを入れておいて、そして持ち込みたい分は制服のポケットにでも入れておく。カバンの中に何もない場合はボディチェックまでされてしまうので、その時点で没収されてしまうが、カバンの中にそういう物があるれば、そこまでされないと書かれてあったのだ。まあ持ち込んだとしても『圏外』で使い物にはならないんだが……。
「おっし。そんじゃ行くべ」
ヒョイと器用に布団から飛び起きた由々式は、いきなりそんな事を言った。何処へ行く気なんだと問えば、
「電波に決まってるべ。電波入る場所を探すに決まってるでねーか」
スマホに居座る『圏外』の文字を指さし笑いながら答えた。
確かに『入学裏手引き』にあった言葉を信じるなら、この山奥の圏外学校と呼ばれる場所にも、電波が入る所があるとの事だが、その記事に明確な場所の名前はなかったはずである。
「皆元と、狭間は……寝とる、な」
由々式は二人の布団を覗き込んだ後、こちらを見た。
右も左も分からない、今日着いたばかりの場所で、あるかも分からない電波を探して、消灯後に部屋を抜け出すリスクを考える。日中に出くわした状況を思い出すと、この時間帯に部屋以外の場所で見つかった時のリスクは、間違いなく大きい。
「夷川はどうするべ?」
着々と出発準備を始める由々式の言葉に、
「行くか」
色々と後の事を考えようとそう答えてしまうのは、軽率以外の何物でもないのだが、この静かすぎる部屋に残るより百倍はマシだろうと即答してしまった。
パーカーを取り出して羽織り、脱いだ靴下を履き直した。スマホはポケットにねじ込み、念のための偽装工作、布団に誰か潜り込んでいるように見せる為の膨らみを作っておく。隣で眠る二人を起こさないよう跨ぎ、入り口付近に揃えてあった自分たちの靴を片手に部屋を出た。
真っ暗な廊下は、足下を照らす為の小さな明かりが点々としか灯っておらず、階段まで壁伝いに慎重に歩く。人の気配は扉を隔てた先に幾つも感じたので、次第に早足となり、階段が目視出来る距離まで来ると、走ってその内側へと滑り込んだ。軽く上がる息を整えながら、オレが下へと続く階段を眺めている間、由々式は廊下へ少しだけ顔を出し、辺りの様子を窺っているようだった。
「ん、問題ねーべ。誰も気付いてねー」
妙に場慣れしてる気がするのは気のせいか? こっちはたったこれだけの距離を移動するのでも、誰かに見つかるのではと、内心ちょっと動揺していたと言うのに……なんか悔しい。
「まあ、問題はここからだべな。ちょっくら偵察に行ってくるべ」
そう言うと、由々式は自分の靴をオレに押しつけて、階段を音もなく駆け下りて行った。階段を下りて行けば、二年が使っている階が続く。消灯後に階段の踊り場で駄弁っている、なんて気配はなさそうだが、念には念をと言う事だろうか。
少し暗さに慣れてきた目が、器用に何段も飛ばして階段を上ってくる由々式の姿をとらえると、オレの視線に気付いたのか、無言で手を使って大丈夫な事を伝えてくる。両手の塞がっているオレは、何も合図らしいものを返せないが、それに従って階段を下りた。
二年の気配に神経を尖らせながら、なんとか一階まで辿り着いて、どこから外に出るつもりなのか全く聞いていない事に気付いた。まさか、正面玄関からか? 確かに殆ど扉として役に立っていない、ガラスの割れた部分が在るには在るが、そこを潜って出るつもりだろうか。大きな声は出せないが、また廊下へと顔を出して周辺を確認している由々式に声をかけた。
「どこから外へ出る気だ?」
言葉少なく問えば、ふっふっふっと怪しく笑い出す由々式。振り返った奴の顔は、このまま背中を向けて部屋へ帰ってしまおうかなと考えさせられるくらいロクなもんじゃなかった。
「今日が当番で逆に良かったべ。すんなり脱出口を確保出来たからのう」
視線の先には食堂がある。由々式はその扉に駆け寄り、ポケットから取り出した定規? のような物を観音開きの扉の隙間に差し込み、コンと簡単に鍵を開けてしまった。古い扉が軋まぬよう、その手で慎重に押し開かれた先に体をスルリと滑り込ますと、その隙間から手だけが伸び出してきてオレを呼んだ。由々式に倣って食堂の中に侵入すると、静かに扉は閉まり、再び内側から簡素な鍵をかけ直した。
一階は宿直員室以外、誰も人は居ないはずだ。その宿直室も食堂からは少し遠い。それに扉の鍵を閉めた事で、ようやく少し気持ちに余裕が出てきた。それでも心持ち小さめの声で由々式に声をかける。
「この扉の鍵がコレだって知ってたのか?」
指先で単純な構造の鍵を弄る。申し訳程度の小さな鍵は、百均に売っていそうな板状の物を二枚の扉に渡す事で成立するタイプの物で、由々式がやったみたいに、その隙間を通る物でも使えば簡単に開くようなものだった。
「戸締まりしたのわしだべ。しっかり確認しとったよ。ここは内鍵しかないからのう。こうやって、入った後また鍵をしておけば、露見する事はないじゃろ。厨房側の扉の鍵はおばちゃんが持って帰りよったから、食堂から出たなんて誰も気付かんよ」
確かに安全性は高いかもしれない。もし見つかったとしても、これだけ広ければやり過ごせるかもしれないし、なるほど一石二鳥だとなかなかどうして、思わず感心してしまう。
突発的な行動と見せかけて、色々と緻密に考えられているらしい。僅かにだが由々式に頼もしさを感じるようになった頃、オレは電波が届きそうな場所に思い当たる事があるのか尋ねてみた。
「手始めに高い所から行ってみようと思っとるべ」
「高い所?」
オレたちは食堂の端の窓辺に並んで立ち、そこから新館を挟んだ先に見える校舎を見上げた。
「学校の屋上か?」
聞けば由々式は頷いた。同じ屋上ならこの寮内の屋上を使えばいいのではと考えて、自分の下りて来た階段に四階から上がなかった事を思い出した。確かにそれなら校舎を目指すのも道理だった。
「入浴時間、過ぎちゃいましたね」
いや一人だけ、ケロッとしてる奴が居たか。狭間だけが、私物の小さなノートに今日割り当てられた仕事をメモし終えると、テキパキと押し入れから布団を引っぱり出そうとしている。
あの後、賑やかな主従トリオが去った食堂で、二年の指導員と厨房のおばちゃんたちに、散々こき使われて、夕食もロクに口に出来ないまま、慣れない作業に従事した。寮内に居る生徒全員分の料理を盛りつけて、手際が悪いと罵られながら配膳し、当然発生する山のような皿洗いに至り、最終は食堂内の清掃。
皿がプラスチック製でなく陶器だったりした日には、ゴミ袋一つでは済まない量の犠牲が出ていただろう。それくらい、オレたち三人は使い物にならなかった。消灯時間までに終えられたのは、狭間の並外れた生活力とでも言うべき、手慣れた手際に助けられたおかげだった。
畳に寝転ぶオレたちを器用に転がしながら、次々に布団を敷いていく狭間に、おどおどした態度がデフォだと思っていた、最初に抱いた印象はどこにもない。その頼もしい背中を眺めていると、全てセッティングが終わったのか、ようやくホッと一息吐いた所で、ジッと見つめていたオレと目が合った。
「あの、えっと、その……つ、次は入浴時間に間に合うように頑張る、ね」
白い顔が真っ赤になり、仕舞っていたノートを引っぱり出し、ページに額を擦りつけんばかりに近すぎる距離で確認を始めた。お前一人だったら絶対に間に合ってたと思うよ、と心の中で申し訳なく思いつつも、疲れた体には起き上がる気力も残っていなかった。
まだ肌寒いくらいの気候だ、一日や二日風呂に入らなくても問題無いだろう。手近にあった枕をたぐり寄せ、寝る体勢に入った所で、自分の中にあった眠気は一気に吹き飛び全力で覚醒した。掴んだ枕をそのまま壁に叩きつけて、思わず咳き込む。左右を見ると同じ被害にあった由々式と皆元も、同じように枕を自分から遠ざけ、吐き気を堪えるような姿勢をしていた。
「除菌も出来る消臭スプレーが欲しいよね」
布団の上でのたうち回るオレたち三人を見ながら、狭間は家畜の待遇を嘆くよう深い溜め息を吐いた。
圏ガクの灯が消える時間は早い。三年寮は知らないが、オレらの寮は一年のみならず、二年も午後十時には消灯となる。まあ、電気を点けていようと、返却されたカバンの中身、持ち込んだ私物の類いは衣類以外の殆どを没収されていたので、やれる事なんて何もないのだが、慣れない環境の中、暗くなったからと言ってすぐに眠れるものではない。
枕代わりにしていたカバンから、スマホを取り出してボタンを押すと、まだ日付が変わるまで一時間以上あった。ぼんやりと光る画面の端には、しっかりと『圏外』の文字がある。まあ圏ガクなんて呼ばれてるんだから、当然か。暇つぶしのアプリでも起動しようとして、どれもネット環境必須だったらしく悉く失敗した。
「お? 夷川もスマホ持ち込めたんじゃな」
隣で背中を向けていたはずの由々式が、こちらを向いて自分のスマホを掲げて見せた。眠れないのはオレだけではなかったようだ。
「『入学裏手引き』?」
入学前に調べた情報の中にあった元圏ガク生のブログを由々式も見たらしい。
スマホはもちろん没収対象だ。でも裏技とでも言うべき方法がそこには書かれていたのだ。カバンにダミーの携帯もしくはスマホを入れておいて、そして持ち込みたい分は制服のポケットにでも入れておく。カバンの中に何もない場合はボディチェックまでされてしまうので、その時点で没収されてしまうが、カバンの中にそういう物があるれば、そこまでされないと書かれてあったのだ。まあ持ち込んだとしても『圏外』で使い物にはならないんだが……。
「おっし。そんじゃ行くべ」
ヒョイと器用に布団から飛び起きた由々式は、いきなりそんな事を言った。何処へ行く気なんだと問えば、
「電波に決まってるべ。電波入る場所を探すに決まってるでねーか」
スマホに居座る『圏外』の文字を指さし笑いながら答えた。
確かに『入学裏手引き』にあった言葉を信じるなら、この山奥の圏外学校と呼ばれる場所にも、電波が入る所があるとの事だが、その記事に明確な場所の名前はなかったはずである。
「皆元と、狭間は……寝とる、な」
由々式は二人の布団を覗き込んだ後、こちらを見た。
右も左も分からない、今日着いたばかりの場所で、あるかも分からない電波を探して、消灯後に部屋を抜け出すリスクを考える。日中に出くわした状況を思い出すと、この時間帯に部屋以外の場所で見つかった時のリスクは、間違いなく大きい。
「夷川はどうするべ?」
着々と出発準備を始める由々式の言葉に、
「行くか」
色々と後の事を考えようとそう答えてしまうのは、軽率以外の何物でもないのだが、この静かすぎる部屋に残るより百倍はマシだろうと即答してしまった。
パーカーを取り出して羽織り、脱いだ靴下を履き直した。スマホはポケットにねじ込み、念のための偽装工作、布団に誰か潜り込んでいるように見せる為の膨らみを作っておく。隣で眠る二人を起こさないよう跨ぎ、入り口付近に揃えてあった自分たちの靴を片手に部屋を出た。
真っ暗な廊下は、足下を照らす為の小さな明かりが点々としか灯っておらず、階段まで壁伝いに慎重に歩く。人の気配は扉を隔てた先に幾つも感じたので、次第に早足となり、階段が目視出来る距離まで来ると、走ってその内側へと滑り込んだ。軽く上がる息を整えながら、オレが下へと続く階段を眺めている間、由々式は廊下へ少しだけ顔を出し、辺りの様子を窺っているようだった。
「ん、問題ねーべ。誰も気付いてねー」
妙に場慣れしてる気がするのは気のせいか? こっちはたったこれだけの距離を移動するのでも、誰かに見つかるのではと、内心ちょっと動揺していたと言うのに……なんか悔しい。
「まあ、問題はここからだべな。ちょっくら偵察に行ってくるべ」
そう言うと、由々式は自分の靴をオレに押しつけて、階段を音もなく駆け下りて行った。階段を下りて行けば、二年が使っている階が続く。消灯後に階段の踊り場で駄弁っている、なんて気配はなさそうだが、念には念をと言う事だろうか。
少し暗さに慣れてきた目が、器用に何段も飛ばして階段を上ってくる由々式の姿をとらえると、オレの視線に気付いたのか、無言で手を使って大丈夫な事を伝えてくる。両手の塞がっているオレは、何も合図らしいものを返せないが、それに従って階段を下りた。
二年の気配に神経を尖らせながら、なんとか一階まで辿り着いて、どこから外に出るつもりなのか全く聞いていない事に気付いた。まさか、正面玄関からか? 確かに殆ど扉として役に立っていない、ガラスの割れた部分が在るには在るが、そこを潜って出るつもりだろうか。大きな声は出せないが、また廊下へと顔を出して周辺を確認している由々式に声をかけた。
「どこから外へ出る気だ?」
言葉少なく問えば、ふっふっふっと怪しく笑い出す由々式。振り返った奴の顔は、このまま背中を向けて部屋へ帰ってしまおうかなと考えさせられるくらいロクなもんじゃなかった。
「今日が当番で逆に良かったべ。すんなり脱出口を確保出来たからのう」
視線の先には食堂がある。由々式はその扉に駆け寄り、ポケットから取り出した定規? のような物を観音開きの扉の隙間に差し込み、コンと簡単に鍵を開けてしまった。古い扉が軋まぬよう、その手で慎重に押し開かれた先に体をスルリと滑り込ますと、その隙間から手だけが伸び出してきてオレを呼んだ。由々式に倣って食堂の中に侵入すると、静かに扉は閉まり、再び内側から簡素な鍵をかけ直した。
一階は宿直員室以外、誰も人は居ないはずだ。その宿直室も食堂からは少し遠い。それに扉の鍵を閉めた事で、ようやく少し気持ちに余裕が出てきた。それでも心持ち小さめの声で由々式に声をかける。
「この扉の鍵がコレだって知ってたのか?」
指先で単純な構造の鍵を弄る。申し訳程度の小さな鍵は、百均に売っていそうな板状の物を二枚の扉に渡す事で成立するタイプの物で、由々式がやったみたいに、その隙間を通る物でも使えば簡単に開くようなものだった。
「戸締まりしたのわしだべ。しっかり確認しとったよ。ここは内鍵しかないからのう。こうやって、入った後また鍵をしておけば、露見する事はないじゃろ。厨房側の扉の鍵はおばちゃんが持って帰りよったから、食堂から出たなんて誰も気付かんよ」
確かに安全性は高いかもしれない。もし見つかったとしても、これだけ広ければやり過ごせるかもしれないし、なるほど一石二鳥だとなかなかどうして、思わず感心してしまう。
突発的な行動と見せかけて、色々と緻密に考えられているらしい。僅かにだが由々式に頼もしさを感じるようになった頃、オレは電波が届きそうな場所に思い当たる事があるのか尋ねてみた。
「手始めに高い所から行ってみようと思っとるべ」
「高い所?」
オレたちは食堂の端の窓辺に並んで立ち、そこから新館を挟んだ先に見える校舎を見上げた。
「学校の屋上か?」
聞けば由々式は頷いた。同じ屋上ならこの寮内の屋上を使えばいいのではと考えて、自分の下りて来た階段に四階から上がなかった事を思い出した。確かにそれなら校舎を目指すのも道理だった。
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