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圏ガクの夏休み
花か団子か
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「なんだ、夷川。戻らないのか」
テレビ一つない食堂では、どうしても手持ち無沙汰になる。テーブルの上にある調味料を背の順に並べてみたりするも、暇は潰れず欠伸をかみ殺していると、缶ビールを手にした担任がふらりとオレの隣にやって来て、断りもせずに椅子を引き出しドッカリと座った。
「金城か?」
先輩を待っていると説明するより前に、担任はオレがここにいる理由を当てて見せた。素直に「そうです」と答えると、一瞬で空にした缶を振って中身を確かめ、思案するような表情で唸り出す。
「明日で図書室の片付けは終わるらしいな。霧夜先生から聞いた。だから謹慎は明日までだ。元々言い渡してあった謹慎期間は過ぎてるんだが、図書室の事は自業自得だしな、まあ晴れて明後日からは自由の身って訳だ」
担任は残っていた数滴を舌で受け、用済みとばかりに空き缶をグシャリと握りつぶした。
「図書室の片付けが済んだら、どうするんだ」
漠然とした質問の意図を把握出来ず、答えあぐねていると、予想外な事を担任はさらりと言ってのけた。
「金城には、ちと手伝ってもらう約束があってな、午前中は学校に残ってもらう事になる。その間、お前はどうする?」
「あの、オレも手伝います。学校に残ります」
先輩が残るのならばオレも残る。当たり前のように即答すると、担任は「そうなると……」と苦い表情で本題を切り出した。
「お前の分の食事は用意出来なくなる。最初に言った通り残留一年が飯を食える条件は、奉仕作業に従事する事だからな。それをしっかり考えて行動しろ。金城が自分の分をお前に流すのも認められん。他の連中に示しがつかんからな」
弁当の味を知ってしまった今、配給の缶詰じゃなくとも、例え先輩が用意してくれたインスタント食品だろうと、正直な気持ちを言ってしまえば物足りない。でも、たかが食事だ。先輩と一緒の時間とは代えられない。「大丈夫です」と担任に返事をすれば「あんまり無理するなよ」と笑われてしまった。
「奉仕作業の方は、香月たちと別の仕事を割り当ててくれるよう、村主さんに話を通してある。気が変わっても心配は要らん、まあじっくり考えろ」
新しいビールでも取りに行ったのか、担任はそれだけ言うと、厨房へ足を向け、冷蔵庫からたんまり新しいビールを引っ張り出し、他の教師たちがいる席に戻った。
色々世話をかけているなぁと、担任の背中を見送り、何故か少し居心地が悪くなった食堂で、ぼんやり今後の事を考える。腹一杯の今は、弁当とインスタントを乗せた天秤はあまり気にならず、先輩の事ばかりが頭に浮かんだ。
「和製フランケンシュタイン、か」
風呂で聞いた先輩の体の事。「分かったか」と山センに言われた時、触れてやるなと言われた気がしたし、その理由も痛いくらい分かる。デリカシーなんて持ち合わせていないような、あのとんでも生活態度からは想像も出来ないが、山センは人と人の間にある線のようなモノをしっかり見ている奴だ。
タオルで作った境界線より明らかに、そこを越えてはいけないのだろう。
分かっているのに、触れたいと思ってしまう。先輩をもっと知りたいと願ってしまう。
でも同じくらい、手を伸ばすのが恐い。もし拒絶されたら、きっとオレに優しくしてくれる先輩はいなくなってしまう。
それでも、前に進みたいという気持ちが、オレの背中をほんの少しだけ押した。
先輩は十分ほどで風呂から上がってきた。土産として持ち帰ってくれた大量のアイスは、一学期中に消化しきれなかったらしい大量の冷凍野菜に紛れ込ませて、他の奴に見つからないように保管してあるのだが、一人で大人しく待っていたご褒美だと、二本に割れるアイスを教師の目を盗み持ち出してくれて、部屋に戻る道すがら一緒に食べた。
不覚にもアイスに夢中になり、結局考えはまとまらず、部屋に戻ってからは先輩を意識しすぎて頭の中がこんがらがってしまった。
「なあセイシュン。アイスの棒って、そんなに美味いのか?」
無意識に食い終わったアイスの棒に染み込んだ甘い汁を必死で吸い上げていたら、ちょっと困惑気味の先輩の声がオレを現実へと引き戻す。ガリガリと囓ってもいたらしく、しっかり歯形の付いたオレのアイスの棒を見て、先輩はおかしそうに笑った。
「明日、図書室の片付けが終わったら、みんなでアイス食いに行こうな」
オレが再び意地汚い行為に耽る前に、先輩はアイスの棒を回収した。さっきまでオレが咥えていた、唾液の染みついた汚れた物を平気な顔で触る先輩を見ていると堪らなくなる。体のどこかにある、ちっさな器を一瞬で一杯に満たし、溢れてしまったソレは、何の考えもなしにオレを見切り発車させた。
「風呂、一緒に入れとか言ってごめん……先輩が、その、体、を、怪我してるのとか、知らなくて……それなのに、ワガママ言うなとか、無茶苦茶言って、ほんとにごめん」
先輩の顔を恐る恐る見上げると、少しポカンとした後「あぁ、山本から聞いたのか」と呟いた。
「別に怪我してるって訳じゃないんだけどな」
触れられたくない部分だろうと、冷たくあしらわれるのも覚悟していたのだが、先輩は笑いながら畳んだ布団の上に胡座を掻いた。オレを呼ぶように、その隣に並んで置いた布団をポンポンと叩くので、同じように腰を下ろして、先輩の顔色を窺うみたいにジッと見つめる。
「見ていて気分の良いものじゃないからさ、一人で入るようにしてるだけなんだ」
「そんなことない! 全然、平気だよ。そういう奴も多いって山セン言ってたし、オレも他の奴のを見たけど、別に嫌な気分とかならなかった、から……って、そうじゃないよな。先輩が見られたくないんだよな。ごめん、またバカ言った」
自分が何を聞きたいのか、全く分からなかった。いや、違うな。オレは聞きたいんじゃなくて、見せて欲しいんだ。先輩が隠したいと思っているモノを。気付いてしまうと、罪悪感や嫌悪感が次々と湧き上がってきて、悪態を吐きそうになる自分を抑える為に下唇を強く噛む。
「名誉の負傷って訳でもないから、単純に格好悪いんだよ。子供の頃にやんちゃして、何回か死にそうになったってのが原因だしな」
まるで普段通りな先輩は、自爆したオレを慰めるように、笑いながら頭を撫でてくれる。どんな顔していいのか分からず、多分相当に情けない顔で隣を向くと、先輩はおもむろにTシャツの袖を肩までめくり上げた。
そこにあったのは、風呂場で見たのと似たような、傷痕。火傷の痕。右肩の皮膚がずるりと丸ごとなかった。もちろん、先輩の腕の色とは違うが、新しい皮膚がちゃんとあって、多分完治しているのだろうけど、間近で見る傷痕は、オレの安っぽい罪悪感なんて丸呑みにして衝撃を与えてきた。
「せんぱい……痛い?」
「ん、見ての通り、何年も前に治ってるぞ。ちょっと皮膚が突っ張るような感じはあるんだけどな、痛みは全くないよ」
「……触ってもいい?」
自分でも驚く図々しい申し出をしてしまった。はっきり言って痛々しい火傷の痕に、先輩の汗やタオルに感じた興奮の類は感じない。それでも、伸ばしたい指先は熱く、吐く息も無駄に熱が籠もっているように思えた。
「別にかまわないぞ」
きっとこれはオレのワガママだ。先輩をきっと困らせている。分かっているのに、自分を抑えられなかった。
「……痛い?」
オレの指が無駄に熱いせいか、触れた先輩の肩は血が通っていないような冷たさに思えた。すっと指を滑らせ、火傷の痕と普通の所を比べてみると、思い違いではなかったらしく、傷痕は他より冷たい。
「少し、くすぐったいかな」
柔らかな声は、オレから理性を奪う。腰を浮かせ、膝立ちになって、先輩との距離を詰めた。
「セイシュン?」
先輩が不思議そうに首を傾げるのを見届けてから、オレは剥き出しの肩へ唇を押しつける。唇に感じる温度も、やっぱり冷たくて……
「ヘイヘイヘイ、矢野の快気祝いやるから全員集合だ……って、何やってんだ夷川」
先輩の肌に舌を這わせそうになる寸前で、思い切り仰け反り、積んであった普段使わない荷物へ頭からダイブした。
扉を蹴破る勢いで突然部屋へ入って来た山センは、もちろんノックなどという気遣いとは無縁のクソ野郎だ。先輩の肩にしゃぶりつこうとした姿を見られたのではと、バクバク鳴る心臓があまりに激しくて、耳や鼻から脳味噌が押し出されてしまうのではと、バカな心配をするほどオレは狼狽する。
「大丈夫か、セイシュン!」
元々この部屋に保管されていた何かよく分からない資料、埃の積もったそれらを頭からたんまり被ったオレを先輩が慌てて助け起こしてくれる。
「大丈夫だ!」
先輩に答えたのはオレを助けようとするのではなく、引っ張り出そうと思いっきり腕を引っこ抜きにかかる山センで、そのもう片方の手には先輩をしっかりと掴んでいる。
「せっかく矢野が帰って来たんだぜ。顔くらい見せに来いよ、冷たい奴らだな。ほれ、とっとと行くぞ」
ぐいぐい腕を引く山センを先輩が止めようとしてくれたのだが、明らかに同意を求めず一線を越えようとした後ろめたさのせいで、とにかく場を混ぜっ返してくれる闖入者がありがたく、遠慮なく便乗する事にした。言われて気づくなんて随分と薄情だが、矢野君の容態も気になったしな。
そんな訳で、オレは初めて先輩と一緒に冷蔵庫を訪れた。
テレビ一つない食堂では、どうしても手持ち無沙汰になる。テーブルの上にある調味料を背の順に並べてみたりするも、暇は潰れず欠伸をかみ殺していると、缶ビールを手にした担任がふらりとオレの隣にやって来て、断りもせずに椅子を引き出しドッカリと座った。
「金城か?」
先輩を待っていると説明するより前に、担任はオレがここにいる理由を当てて見せた。素直に「そうです」と答えると、一瞬で空にした缶を振って中身を確かめ、思案するような表情で唸り出す。
「明日で図書室の片付けは終わるらしいな。霧夜先生から聞いた。だから謹慎は明日までだ。元々言い渡してあった謹慎期間は過ぎてるんだが、図書室の事は自業自得だしな、まあ晴れて明後日からは自由の身って訳だ」
担任は残っていた数滴を舌で受け、用済みとばかりに空き缶をグシャリと握りつぶした。
「図書室の片付けが済んだら、どうするんだ」
漠然とした質問の意図を把握出来ず、答えあぐねていると、予想外な事を担任はさらりと言ってのけた。
「金城には、ちと手伝ってもらう約束があってな、午前中は学校に残ってもらう事になる。その間、お前はどうする?」
「あの、オレも手伝います。学校に残ります」
先輩が残るのならばオレも残る。当たり前のように即答すると、担任は「そうなると……」と苦い表情で本題を切り出した。
「お前の分の食事は用意出来なくなる。最初に言った通り残留一年が飯を食える条件は、奉仕作業に従事する事だからな。それをしっかり考えて行動しろ。金城が自分の分をお前に流すのも認められん。他の連中に示しがつかんからな」
弁当の味を知ってしまった今、配給の缶詰じゃなくとも、例え先輩が用意してくれたインスタント食品だろうと、正直な気持ちを言ってしまえば物足りない。でも、たかが食事だ。先輩と一緒の時間とは代えられない。「大丈夫です」と担任に返事をすれば「あんまり無理するなよ」と笑われてしまった。
「奉仕作業の方は、香月たちと別の仕事を割り当ててくれるよう、村主さんに話を通してある。気が変わっても心配は要らん、まあじっくり考えろ」
新しいビールでも取りに行ったのか、担任はそれだけ言うと、厨房へ足を向け、冷蔵庫からたんまり新しいビールを引っ張り出し、他の教師たちがいる席に戻った。
色々世話をかけているなぁと、担任の背中を見送り、何故か少し居心地が悪くなった食堂で、ぼんやり今後の事を考える。腹一杯の今は、弁当とインスタントを乗せた天秤はあまり気にならず、先輩の事ばかりが頭に浮かんだ。
「和製フランケンシュタイン、か」
風呂で聞いた先輩の体の事。「分かったか」と山センに言われた時、触れてやるなと言われた気がしたし、その理由も痛いくらい分かる。デリカシーなんて持ち合わせていないような、あのとんでも生活態度からは想像も出来ないが、山センは人と人の間にある線のようなモノをしっかり見ている奴だ。
タオルで作った境界線より明らかに、そこを越えてはいけないのだろう。
分かっているのに、触れたいと思ってしまう。先輩をもっと知りたいと願ってしまう。
でも同じくらい、手を伸ばすのが恐い。もし拒絶されたら、きっとオレに優しくしてくれる先輩はいなくなってしまう。
それでも、前に進みたいという気持ちが、オレの背中をほんの少しだけ押した。
先輩は十分ほどで風呂から上がってきた。土産として持ち帰ってくれた大量のアイスは、一学期中に消化しきれなかったらしい大量の冷凍野菜に紛れ込ませて、他の奴に見つからないように保管してあるのだが、一人で大人しく待っていたご褒美だと、二本に割れるアイスを教師の目を盗み持ち出してくれて、部屋に戻る道すがら一緒に食べた。
不覚にもアイスに夢中になり、結局考えはまとまらず、部屋に戻ってからは先輩を意識しすぎて頭の中がこんがらがってしまった。
「なあセイシュン。アイスの棒って、そんなに美味いのか?」
無意識に食い終わったアイスの棒に染み込んだ甘い汁を必死で吸い上げていたら、ちょっと困惑気味の先輩の声がオレを現実へと引き戻す。ガリガリと囓ってもいたらしく、しっかり歯形の付いたオレのアイスの棒を見て、先輩はおかしそうに笑った。
「明日、図書室の片付けが終わったら、みんなでアイス食いに行こうな」
オレが再び意地汚い行為に耽る前に、先輩はアイスの棒を回収した。さっきまでオレが咥えていた、唾液の染みついた汚れた物を平気な顔で触る先輩を見ていると堪らなくなる。体のどこかにある、ちっさな器を一瞬で一杯に満たし、溢れてしまったソレは、何の考えもなしにオレを見切り発車させた。
「風呂、一緒に入れとか言ってごめん……先輩が、その、体、を、怪我してるのとか、知らなくて……それなのに、ワガママ言うなとか、無茶苦茶言って、ほんとにごめん」
先輩の顔を恐る恐る見上げると、少しポカンとした後「あぁ、山本から聞いたのか」と呟いた。
「別に怪我してるって訳じゃないんだけどな」
触れられたくない部分だろうと、冷たくあしらわれるのも覚悟していたのだが、先輩は笑いながら畳んだ布団の上に胡座を掻いた。オレを呼ぶように、その隣に並んで置いた布団をポンポンと叩くので、同じように腰を下ろして、先輩の顔色を窺うみたいにジッと見つめる。
「見ていて気分の良いものじゃないからさ、一人で入るようにしてるだけなんだ」
「そんなことない! 全然、平気だよ。そういう奴も多いって山セン言ってたし、オレも他の奴のを見たけど、別に嫌な気分とかならなかった、から……って、そうじゃないよな。先輩が見られたくないんだよな。ごめん、またバカ言った」
自分が何を聞きたいのか、全く分からなかった。いや、違うな。オレは聞きたいんじゃなくて、見せて欲しいんだ。先輩が隠したいと思っているモノを。気付いてしまうと、罪悪感や嫌悪感が次々と湧き上がってきて、悪態を吐きそうになる自分を抑える為に下唇を強く噛む。
「名誉の負傷って訳でもないから、単純に格好悪いんだよ。子供の頃にやんちゃして、何回か死にそうになったってのが原因だしな」
まるで普段通りな先輩は、自爆したオレを慰めるように、笑いながら頭を撫でてくれる。どんな顔していいのか分からず、多分相当に情けない顔で隣を向くと、先輩はおもむろにTシャツの袖を肩までめくり上げた。
そこにあったのは、風呂場で見たのと似たような、傷痕。火傷の痕。右肩の皮膚がずるりと丸ごとなかった。もちろん、先輩の腕の色とは違うが、新しい皮膚がちゃんとあって、多分完治しているのだろうけど、間近で見る傷痕は、オレの安っぽい罪悪感なんて丸呑みにして衝撃を与えてきた。
「せんぱい……痛い?」
「ん、見ての通り、何年も前に治ってるぞ。ちょっと皮膚が突っ張るような感じはあるんだけどな、痛みは全くないよ」
「……触ってもいい?」
自分でも驚く図々しい申し出をしてしまった。はっきり言って痛々しい火傷の痕に、先輩の汗やタオルに感じた興奮の類は感じない。それでも、伸ばしたい指先は熱く、吐く息も無駄に熱が籠もっているように思えた。
「別にかまわないぞ」
きっとこれはオレのワガママだ。先輩をきっと困らせている。分かっているのに、自分を抑えられなかった。
「……痛い?」
オレの指が無駄に熱いせいか、触れた先輩の肩は血が通っていないような冷たさに思えた。すっと指を滑らせ、火傷の痕と普通の所を比べてみると、思い違いではなかったらしく、傷痕は他より冷たい。
「少し、くすぐったいかな」
柔らかな声は、オレから理性を奪う。腰を浮かせ、膝立ちになって、先輩との距離を詰めた。
「セイシュン?」
先輩が不思議そうに首を傾げるのを見届けてから、オレは剥き出しの肩へ唇を押しつける。唇に感じる温度も、やっぱり冷たくて……
「ヘイヘイヘイ、矢野の快気祝いやるから全員集合だ……って、何やってんだ夷川」
先輩の肌に舌を這わせそうになる寸前で、思い切り仰け反り、積んであった普段使わない荷物へ頭からダイブした。
扉を蹴破る勢いで突然部屋へ入って来た山センは、もちろんノックなどという気遣いとは無縁のクソ野郎だ。先輩の肩にしゃぶりつこうとした姿を見られたのではと、バクバク鳴る心臓があまりに激しくて、耳や鼻から脳味噌が押し出されてしまうのではと、バカな心配をするほどオレは狼狽する。
「大丈夫か、セイシュン!」
元々この部屋に保管されていた何かよく分からない資料、埃の積もったそれらを頭からたんまり被ったオレを先輩が慌てて助け起こしてくれる。
「大丈夫だ!」
先輩に答えたのはオレを助けようとするのではなく、引っ張り出そうと思いっきり腕を引っこ抜きにかかる山センで、そのもう片方の手には先輩をしっかりと掴んでいる。
「せっかく矢野が帰って来たんだぜ。顔くらい見せに来いよ、冷たい奴らだな。ほれ、とっとと行くぞ」
ぐいぐい腕を引く山センを先輩が止めようとしてくれたのだが、明らかに同意を求めず一線を越えようとした後ろめたさのせいで、とにかく場を混ぜっ返してくれる闖入者がありがたく、遠慮なく便乗する事にした。言われて気づくなんて随分と薄情だが、矢野君の容態も気になったしな。
そんな訳で、オレは初めて先輩と一緒に冷蔵庫を訪れた。
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