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# 14 裏切り⁉
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「皆さんにはこれから3つの黒い扉の先で、ミッションに挑んでもらいます」
光沢があるのかな?
大黒天によく似たキャラは顔とか服とかテカっているように見える。
まばたきもしなければ口も動いていないのに、話をしている。
ミッションの具体的な内容は、扉の先に行ってからのお楽しみとのことで他に何か質問がないかとPlayer側に確認した。
「質問、いいかな?」
「どうぞ」
豆丸より後に入ってきた大男。
身長は2メートル近く。腕周りは女性の腰くらいあるかもしれない。
「今、参加者は7人だが、7人とも同じ扉を選んでもいいのかな?」
「ご自由にどうぞ!」
「他の2つの扉の先もクリアしないといけないとか条件はあります?」
サラリーマン風の男が続けて質問した。
細目、細身、低姿勢。
日本のサラリーマンといえばこの人的な特徴のない男。
「ありません」
「扉によって、難易度は変わる?」
「それは教えられません」
──それはあると言っているようなもの。
豆丸の隣にいるオカッパ頭の美少年が自分の質問の答えを聞いて肩をすくめた。
「では、皆さん、好きな扉の前に並んでください」
真っ先に動いたのは、ヤクザっぽいサングラスの男。次にサラリーマン風の男がそれぞれ左の扉、右の扉の前へと向かった。
「爺ちゃん、どの扉がいい? 俺はどこでもいいよ」
一緒に来てくれるのか?
それは頼もしい。
この光の柱の中に入るのを躊躇していた豆丸の背中を押してくれた少年。彼がいなかったら、豆丸はリーゼントの男の言葉に惑わされ、柱の前で躊躇した挙句、ミッションに参加できなかったかもしれない。
「じゃあ真ん中で」
真ん中を選んだのは特に理由はない。
強いて言うなら、大黒天モドキの司会らしきキャラが真ん中の扉から出てきたから。
真ん中の扉の前まで進むと、オカッパ少年以外に黒いドレスを着た少女と大男が豆丸の後ろをついてきた。
「クソガキ、せいぜい油断するなよ?」
「あー、アンタも来るんだ? 足引っ張りそう」
「テメー」
いやー。
やめよ、そういうの。
オジサン、修羅場っぽい空気、昔から苦手なの。
1、5、1と非常に偏った状態で、一斉に黒い扉を開いて中に入った。
──深い森の中。
ここって、海浜公園の柱の中じゃなかったっけ?
樹海と呼んでもおかしくないくらい、自分がどこにいるかまったくわからない。
「この怪物を15体倒してください」
例の大黒天モドキの声が響く。
制限時間は60分。
目の前に現れた発光している半透明なパネルに写し出されたのは、小型の肉食恐竜ディノニクス。おじさん、子どもの頃、恐竜の骨展に何度か行ったことがあるが、本物と戦うことになるなんて思ってもみなかった。
「えーと、どうします? 手分けして倒しますか?」
豆丸が質問すると、すぐに大男が返事をした。
「俺がアンタについてきたのは楽するためだ」
「へっ?」
「アタシもー、おじいちゃん頑張ってね~」
大男の後に黒いドレスを着た少女も答えた。
「まったく、いい目してやがるぜ。爺ちゃん、俺は手伝うぜ」
オカッパ頭の少年が先にスキルを発動した。
「俺のスキルは〝柄杓〟と〝紙垂〟。使い方がわかると便利なんだぜ」
神社にある柄杓と紙垂。
豆丸の目の前で、わざわざ出してみせてくれた。
へー。
一見、何に使えるのかわからないが、雰囲気を持っている少年。きっと何かすごい能力に違いない。
「くくくくっ、マジかよ。こんな能力でデカい口叩いてたのかよ!」
リーゼントの男が愉快そうに笑う。
「俺のスキルはこれだ⁉」
右腕にゴツい鉄の腕が装着された。
「〝一葬〟、熊の化け物もこれでイチコロよ」
すごく強そう。
「ふーん、当たれば、ね」
「っざけんな、ガキ⁉ で、じーさんの方は?」
「私はこれです」
ストレージからモリ達を出す。
「おいおい、召喚系って普通、1体、多くても2体ってとこだろ……」
そうなんだ。今まで自分と同じようなタイプのPlayerに会ったことがないから知らなかった。
豆丸の周りに30体のモリ。
リーゼント以外の人は予想できてたのか、驚いた素振りはなかった。
「アンタらは……戦る気なしってことね」
「心配するな。爺さんが危なくなりそうなら手を貸してやる」
「アタシは~、わかんなーい! 敵が来たら殺っちゃう♪」
オカッパ頭の少年が大男と黒ドレスの少女をため息まじりに見ると、返事があった。どうやら傍観するが、豆丸に危険が及ぶようなら助けてくれそうな物言い。
市街地を捜索していた時と同じ編成にした。ニャースが班のリーダー。ジャン犬×3、斬リッ株×1、野良サル×1。
「A班とB班は、その2人にそれぞれ一緒に行動して、残りは周囲にチーム単位で散らばって」
「「「「「ニャー」」」」」
各班のリーダーを任せたニャースが、返事をして先に3班が森の中に消えていった。
「じゃあ、爺ちゃん、また後で」
「はい、気をつけて」
「ガキ、テメーより俺様の方が多く仕留めてやる」
「はいはい、100パー無理だけどね」
「てんめぇぇぇ!」
オカッパ頭の少年とリーゼントの男がそれぞれA班、B班のモリ達を連れて、深い森の中に分け入っていった。
さてと、あとはここから、各地の班を「仮想戦術領域」で指示していけば……。
「え~そのお爺ちゃんを殺しちゃうの~?」
「へっ? うわぁ!」
振り返ってすぐに仰け反った。
巨大なハンマーが、真横に顔面を掠めていった。
黒ドレスの少女が囁かなかったら、頭が潰されていた……。
「──ちっ!」
舌打ちする大男。
「なっ、なんで?」
驚きすぎて、それしか言えない。
「報酬って、山分けか1人が総取りだろ? じゃあ、弱いヤツは消えてくれなきゃ」
あっ、目がいってる。
光沢があるのかな?
大黒天によく似たキャラは顔とか服とかテカっているように見える。
まばたきもしなければ口も動いていないのに、話をしている。
ミッションの具体的な内容は、扉の先に行ってからのお楽しみとのことで他に何か質問がないかとPlayer側に確認した。
「質問、いいかな?」
「どうぞ」
豆丸より後に入ってきた大男。
身長は2メートル近く。腕周りは女性の腰くらいあるかもしれない。
「今、参加者は7人だが、7人とも同じ扉を選んでもいいのかな?」
「ご自由にどうぞ!」
「他の2つの扉の先もクリアしないといけないとか条件はあります?」
サラリーマン風の男が続けて質問した。
細目、細身、低姿勢。
日本のサラリーマンといえばこの人的な特徴のない男。
「ありません」
「扉によって、難易度は変わる?」
「それは教えられません」
──それはあると言っているようなもの。
豆丸の隣にいるオカッパ頭の美少年が自分の質問の答えを聞いて肩をすくめた。
「では、皆さん、好きな扉の前に並んでください」
真っ先に動いたのは、ヤクザっぽいサングラスの男。次にサラリーマン風の男がそれぞれ左の扉、右の扉の前へと向かった。
「爺ちゃん、どの扉がいい? 俺はどこでもいいよ」
一緒に来てくれるのか?
それは頼もしい。
この光の柱の中に入るのを躊躇していた豆丸の背中を押してくれた少年。彼がいなかったら、豆丸はリーゼントの男の言葉に惑わされ、柱の前で躊躇した挙句、ミッションに参加できなかったかもしれない。
「じゃあ真ん中で」
真ん中を選んだのは特に理由はない。
強いて言うなら、大黒天モドキの司会らしきキャラが真ん中の扉から出てきたから。
真ん中の扉の前まで進むと、オカッパ少年以外に黒いドレスを着た少女と大男が豆丸の後ろをついてきた。
「クソガキ、せいぜい油断するなよ?」
「あー、アンタも来るんだ? 足引っ張りそう」
「テメー」
いやー。
やめよ、そういうの。
オジサン、修羅場っぽい空気、昔から苦手なの。
1、5、1と非常に偏った状態で、一斉に黒い扉を開いて中に入った。
──深い森の中。
ここって、海浜公園の柱の中じゃなかったっけ?
樹海と呼んでもおかしくないくらい、自分がどこにいるかまったくわからない。
「この怪物を15体倒してください」
例の大黒天モドキの声が響く。
制限時間は60分。
目の前に現れた発光している半透明なパネルに写し出されたのは、小型の肉食恐竜ディノニクス。おじさん、子どもの頃、恐竜の骨展に何度か行ったことがあるが、本物と戦うことになるなんて思ってもみなかった。
「えーと、どうします? 手分けして倒しますか?」
豆丸が質問すると、すぐに大男が返事をした。
「俺がアンタについてきたのは楽するためだ」
「へっ?」
「アタシもー、おじいちゃん頑張ってね~」
大男の後に黒いドレスを着た少女も答えた。
「まったく、いい目してやがるぜ。爺ちゃん、俺は手伝うぜ」
オカッパ頭の少年が先にスキルを発動した。
「俺のスキルは〝柄杓〟と〝紙垂〟。使い方がわかると便利なんだぜ」
神社にある柄杓と紙垂。
豆丸の目の前で、わざわざ出してみせてくれた。
へー。
一見、何に使えるのかわからないが、雰囲気を持っている少年。きっと何かすごい能力に違いない。
「くくくくっ、マジかよ。こんな能力でデカい口叩いてたのかよ!」
リーゼントの男が愉快そうに笑う。
「俺のスキルはこれだ⁉」
右腕にゴツい鉄の腕が装着された。
「〝一葬〟、熊の化け物もこれでイチコロよ」
すごく強そう。
「ふーん、当たれば、ね」
「っざけんな、ガキ⁉ で、じーさんの方は?」
「私はこれです」
ストレージからモリ達を出す。
「おいおい、召喚系って普通、1体、多くても2体ってとこだろ……」
そうなんだ。今まで自分と同じようなタイプのPlayerに会ったことがないから知らなかった。
豆丸の周りに30体のモリ。
リーゼント以外の人は予想できてたのか、驚いた素振りはなかった。
「アンタらは……戦る気なしってことね」
「心配するな。爺さんが危なくなりそうなら手を貸してやる」
「アタシは~、わかんなーい! 敵が来たら殺っちゃう♪」
オカッパ頭の少年が大男と黒ドレスの少女をため息まじりに見ると、返事があった。どうやら傍観するが、豆丸に危険が及ぶようなら助けてくれそうな物言い。
市街地を捜索していた時と同じ編成にした。ニャースが班のリーダー。ジャン犬×3、斬リッ株×1、野良サル×1。
「A班とB班は、その2人にそれぞれ一緒に行動して、残りは周囲にチーム単位で散らばって」
「「「「「ニャー」」」」」
各班のリーダーを任せたニャースが、返事をして先に3班が森の中に消えていった。
「じゃあ、爺ちゃん、また後で」
「はい、気をつけて」
「ガキ、テメーより俺様の方が多く仕留めてやる」
「はいはい、100パー無理だけどね」
「てんめぇぇぇ!」
オカッパ頭の少年とリーゼントの男がそれぞれA班、B班のモリ達を連れて、深い森の中に分け入っていった。
さてと、あとはここから、各地の班を「仮想戦術領域」で指示していけば……。
「え~そのお爺ちゃんを殺しちゃうの~?」
「へっ? うわぁ!」
振り返ってすぐに仰け反った。
巨大なハンマーが、真横に顔面を掠めていった。
黒ドレスの少女が囁かなかったら、頭が潰されていた……。
「──ちっ!」
舌打ちする大男。
「なっ、なんで?」
驚きすぎて、それしか言えない。
「報酬って、山分けか1人が総取りだろ? じゃあ、弱いヤツは消えてくれなきゃ」
あっ、目がいってる。
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