〖完結〗妹は病弱を理由に私のものを全て欲しがります。

藍川みいな

文字の大きさ
6 / 6

10年前のあの日から

しおりを挟む

 「それなら問題はありません! 私は病弱ではありませんので!」
 
 今まで散々、病弱だとか、身体が弱いだとか言っていたローレンが、あっさり今までの事を嘘だと言った。

 「何を言っている? お前はすぐ体調が悪くなったり、咳が出たりするではないか。」

 「お父様、あれは全部演技です。病弱なフリをすれば、お父様もお母様も私を大切にしてくださったから。お姉様は容姿も良くて頭も良かったから、そうでもしないと私をかまってくれなかったでしょう?」

 「全部……嘘だったというのか……? ずっと私達を騙してきたのか!?」

 お父様は相当ショックのようです。ですが、良く考えたら、健康なのだから喜べばいいのに。

 「お医者様も、病気ではないとおっしゃっていたではありませんか。だから、私は健康です! リアム王子、私を婚約者に……」

 「ローレン嬢、君が健康だろうとなかろうと、私はローレン嬢に全く興味はない。私が想っているのは、アイシャだけだ!」

 今……想っているのはって……

 「私の何がいけないの!? お姉様のものは私のものよ!!」

 「……ローレン、いい加減にしなさい。お前は、アイシャには勝てない。何もかもが負けているのだ。」


 ブルーク侯爵はローレンの本性を知り、ようやく目が覚めたようだ。


 「アイシャ、今日から城で暮らそう。父上の承諾も得ている。」

 「お父様、私は行きます。」

 「ああ……‪そうしなさい。今まで、すまなかった。」

 リアム様と共に邸を出て、馬車に乗り王城へと向かう。

 「リアム様は、ローレンの事をいつから気付いてらしたのですか?」

 リアム様は、ローレンが自分から病弱なフリをしていた事を話すように誘導してた。

 「食事会の時からです。元気そうなのに、やたら身体が弱いと言っていたので。アイシャが約束を破るわけがないのは分かっていたしね。」

 「私を信じてくれていたんですか?」

 「当たり前だ。アイシャは一人じゃないって、言っただろ?」

 その瞬間、涙が溢れて来た。あんなに昔の事なのに、覚えてくれてたんだ。

 リアム王子はアイシャをそっと抱きしめた。

 「10年も待たせてごめん。」

 「あの時、リアム様が一人じゃないって言ってくれたから、私は救われました。あの時の笑顔が、私を支えてくれた……だから、何十年でも待てます。」

 「そんなには、私が待てない。」

 「リアム様……大好き。」

 やっと伝えられた。10年前のあの日から、ずっとずっと大好きです。

 

                                                     END


 おまけ

 後日、ブルーク侯爵は国王から呼び出され、王城へと向かった。

 「呼ばれた理由は分かるな?」

 「それは……リアム王子の婚約者を、かえようとした件でしょうか?」

 「私はハッキリと、リアム王子の婚約者はアイシャだと言ったはずだが? お前達は私の言った事を軽んじているのか!?」

 「陛下を軽んじるなどと、滅相もございません!  」

 「そなたは伯爵に降格とする! 爵位を剥奪したいところだが、この国の王妃になる者の両親だから仕方がない。だが、お前のもう一人の娘ローレンは、貴族に嫁ぐことを禁じる事とする!」

 「……ご命令を、しかと承りました。」

 ローレンは貴族に嫁ぐ事を禁じられた事で誰にも嫁がず、両親からも見捨てられ、誰からも愛されることなく孤独な生涯を終えた。



                                  END

しおりを挟む
感想 27

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(27件)

2021.09.27 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

解除
micu
2021.09.15 micu

両親、主人公に一言も謝罪なし。。
気づいただけで反省なし。。平民落ちでもいいくらいですね。。

解除
東堂明美
2021.09.14 東堂明美

大変面白かったー。一気に読んでしまいました。王子はやっぱりキチンと人となりを見てましたね🎵ローレンは自業自得だろうけど、両親の処分は中々に軽かったですね‼️国王がいっていた意味は分かりますが未来の国王妃の両親が平民ではやはり後ろ楯があるのとないのでは印象が違いますよね❗最後はハッピーエンドで嬉しい🎵😍🎵これからも面白くて良いものを期待しています‼️頑張って下さいね🎵応援してます‼️

解除

あなたにおすすめの小説

虐げられていた姉はひと月後には幸せになります~全てを奪ってきた妹やそんな妹を溺愛する両親や元婚約者には負けませんが何か?~

***あかしえ
恋愛
「どうしてお姉様はそんなひどいことを仰るの?!」 妹ベディは今日も、大きなまるい瞳に涙をためて私に喧嘩を売ってきます。 「そうだぞ、リュドミラ!君は、なぜそんな冷たいことをこんなかわいいベディに言えるんだ!」 元婚約者や家族がそうやって妹を甘やかしてきたからです。 両親は反省してくれたようですが、妹の更生には至っていません! あとひと月でこの地をはなれ結婚する私には時間がありません。 他人に迷惑をかける前に、この妹をなんとかしなくては! 「結婚!?どういうことだ!」って・・・元婚約者がうるさいのですがなにが「どういうこと」なのですか? あなたにはもう関係のない話ですが? 妹は公爵令嬢の婚約者にまで手を出している様子!ああもうっ本当に面倒ばかり!! ですが公爵令嬢様、あなたの所業もちょぉっと問題ありそうですね? 私、いろいろ調べさせていただいたんですよ? あと、人の婚約者に色目を使うのやめてもらっていいですか? ・・・××しますよ?

完璧な妹に全てを奪われた私に微笑んでくれたのは

今川幸乃
恋愛
ファーレン王国の大貴族、エルガルド公爵家には二人の姉妹がいた。 長女セシルは真面目だったが、何をやっても人並ぐらいの出来にしかならなかった。 次女リリーは逆に学問も手習いも容姿も図抜けていた。 リリー、両親、学問の先生などセシルに関わる人たちは皆彼女を「出来損ない」と蔑み、いじめを行う。 そんな時、王太子のクリストフと公爵家の縁談が持ち上がる。 父はリリーを推薦するが、クリストフは「二人に会って判断したい」と言った。 「どうせ会ってもリリーが選ばれる」と思ったセシルだったが、思わぬ方法でクリストフはリリーの本性を見抜くのだった。

甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!

柚屋志宇
恋愛
「お姉様の婚約者ちょうだい!」欲しがり妹ルビーは、ついにサフィールの婚約者を欲しがった。 サフィールはコランダム子爵家の跡継ぎだったが、妹ルビーを溺愛する両親は、婚約者も跡継ぎの座もサフィールから奪いルビーに与えると言い出した。 サフィールは絶望したが、婚約者アルマンディンの助けでこの問題は国王に奏上され、サフィールとルビーの立場は大きく変わる。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。 ★2025/11/22:HOTランキング1位ありがとうございます。

悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。 デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。 オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。 婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。

【短編】可愛い妹の子が欲しいと婚約破棄されました。失敗品の私はどうなっても構わないのですか?

五月ふう
恋愛
「お姉様。やっぱりシトラ様は、お姉様ではなく私の子供が産みたいって!」 エレリアの5歳下の妹ビアナ・シューベルはエレリアの婚約者であるシトラ・ガイゼルの腕を組んでそう言った。 父親にとって失敗作の娘であるエレリアと、宝物であるビアナ。妹はいつもエレリアから大切なものを奪うのだ。 ねぇ、そんなの許せないよ?

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

ワールド
恋愛
妹のリリアナは私より可愛い。それに才色兼備で姉である私は公爵家の中で落ちこぼれだった。 でも、愛する婚約者マルナールがいるからリリアナや家族からの視線に耐えられた。 しかし、ある日リリアナに婚約者を奪われてしまう。 「すまん、別れてくれ」 「私の方が好きなんですって? お姉さま」 「お前はもういらない」 様々な人からの裏切りと告白で私は公爵家を追放された。 それは終わりであり始まりだった。 路頭に迷っていると、とても爽やかな顔立ちをした公爵に。 「なんだ? この可愛い……女性は?」 私は拾われた。そして、ここから逆襲が始まった。

【完結】妹の天然が計算だとバレて、元婚約者が文句を言いに来ました

冬月光輝
恋愛
妹のエレナはよく純粋で天真爛漫だと言われて可愛がられていた。 しかし、それは計算である。 彼女はどうしたら自分が可愛く見られるかよく知っているし、基本的に自分以外を見下している。 ある日、私は婚約者である侯爵家の嫡男、ヨシュアから突然、婚約破棄された。 エレナの純真無垢な所に惹かれたのだそうだ。 あのときのエレナの笑顔は忘れない。 それから間もなく、私は縁あってこの国の第二王子であるアルフォンス殿下に見初められた。 私がようやく自分の幸せを掴み始めたとき――元婚約者のヨシュアがやって来る。 「お前の妹があんな性格だなんて聞いてない!」 よく分からないが妹の腹黒がバレたらしい。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。