〖完結〗お飾り王妃は追放されて国を創る~最強聖女を追放したバカ王~

藍川みいな

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ポーションを作ろう

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 セリシアがスベマナを追放されてから、3ヶ月が経とうとしていた。

 村には簡易的ではあるがいくつか家が増えて、広大な土地には畑も増えていた。

 行商人は頻繁に来るが財政的に裕福ではないアーチル村のために何か出来ないかと、セリシアは毎日考えていた。

 「セリシア様、薬草屋をしていたという者がお話したいそうなんですが……。」

 セリシアが村の財政を気にしている事を知った薬草屋のおじさんは、

 「この土地には沢山の薬草がありますし、セリシア様の祈りを込めたポーションを作ってはいかがでしょうか?」
 
 「私の祈り……ですか?買ってくれる人はいるでしょうか?」

 「私が買います!」

 行商人の男が、我先にと手をあげた!

 「私も買います!なんなら定期契約いたします!」
 「私にも買わせてください!」

 他の行商人も、次々手をあげていた。

 「皆さん、ありがとうございます。では、作ってみますね。」

 「「「おおおぉぉぉぉぉぉッ!!」」」

 行商人やアーチル村の人達、村に移住して来た人達は大歓声をあげた。

 
 翌日、薬草屋のおじさんと一緒に薬草をとりにいき、ポーションの作り方を教えてもらった。

 村人達は協力してポーションを作り、セリシアが一つ一つ祈りを込める。

 「ポーションの名前はセリシアポーションにしましょう!」

 キリトの言葉に……

 「「「ダサい!!」」」

 皆がつっこんだ。

 

 アーチルの村人達が、ポーションを作っていた頃、スベマナにはとうとう王都に魔物の群れが到着していた。

 必死に戦う兵士達ではあったが、魔物達を足止めする事が精一杯の日々が続いていた。

 ほとんどの国民が、魔物が王都へと到着する前にプラストと共にアーチル村へと向かった為、王都にはジオン王と数十人の貴族、そして王都と城を守る兵士数百人しか残っていなかった。

 「もう少しの辛抱だ!もうすぐ聖女協会が結果を知らせに来る!その聖女に魔物を追い払ってもらおう!」

 ジオン王は聖女協会の聖女をあてにしていた。聖女協会の聖女に、すでに断られているとも知らずに……。

 そして聖女協会から、順位を知らせに聖女がやって来た。

 「これが結果です。」

 手渡された結果が書かれた紙を見る……

 「26位!?これはどういう事だ!?」

 聖女が不在なのだから、最下位なのは当たり前……だが、国は25カ国のはずだった。

 「国が一つ増えました。それではこれで、失礼します。」

 結果を伝え、すぐに帰ろうとする聖女をジオン王は呼び止めた。
 
 「待て!見ての通り、我が国は魔物から襲撃を受けている。魔物をこの国から、追い出してくれないか!?」

 「お断りします。」

 聖女は冷たく言い放った!

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