〖完結〗私を捨てた旦那様は、もう終わりですね。

藍川みいな

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助けてもらいました。

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 馬車に揺られながら、外を眺めていると……

 ヒヒーン!!

 馬車は大きく揺れて止まった!

 何があったのかと、急いで外に出てみると……

 「申し訳ありません。車輪が岩に乗り上げてしまって変形してしまい、このままでは動かせそうにありません。」

 「そう……怪我はなかった?」

 「それは大丈夫ですが……こんな山道で、どうしたらよいのか……」

 そっか……私が邪魔なのか。私がいなかったら、馬に乗ってお邸に帰ることが出来る。

 あれ……? 車輪、何でもなさそうなんだけど……?

 ……さすが、アンソニー様の使用人。
 王都まで行くのが面倒だから帰りたいのね。

 「次の町まで歩いて行くから、帰って大丈夫よ。」

 それだけ言い残し、荷物を馬車から出して町までの道を歩き出した。


 結構歩いたけど、まだまだ遠いな。毎日祈ってないで、運動でもしとけばよかった。
 
 「おいお前! 荷物全部置いてけ!」

 「………………え?」

 「荷物全部置いていけって言ってるんだ!」

 これは何かの冗談? それともこの人は、真面目にやってるの?

 「あの……さっきの使用人よね?」

 口元を布で隠して、ちょっとだけ声色を変えてるけど、服が全く一緒だし。
 まさか、バレてないとは思ってないよね?

 「あ、え? な、何を言ってるんだ!」

 思ってたんだ……

 そこへ、馬車が通りがかり、身なりのいい端正な顔立ちの男性が降りてきた。

 「どうかしましたか?」

 「な、な、なんでもありません! 失礼しましたー!」

 使用人の男は、そそくさと逃げて行った。

 「助かりました、ありがとうございました。」

 「いえ、私は何もしていません。」

 「あんな怪しい状態なのに、わざわざ降りて来てくれたではありませんか。」

 本当に、めちゃくちゃ怪しい状態だったと思うし。

 「困っているようでしたので。それより、女性がこんな山道で、どうされたのですか?」

 「それが……」

 馬車に乗ってからの事を男性に話した。

 男性は苦笑いしながら、

 「それは……災難でしたね。」

 本当に災難でした。

 「もし良かったら、お送りしますよ。私も、王都に行くところでしたし。」

 「でも、ご迷惑じゃ……」

 「迷惑なんてとんでもない。話し相手になってください。」

 話し相手かあ……そういえば、こんな風に誰かとお話したのは何年ぶりだろう。

 「じゃあ、お言葉に甘えて。よろしくお願いします。私は、ジョアンナです。ジョアンナ・キーベル。」

 「私は、ジェンセン・アトウッドです。」

 2人は馬車に乗り込み、王都へと出発した。

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