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お父様に泣かれました。
しおりを挟む「本当にありがとうございました。」
ジェンセン様は、邸まで送り届けてくれた。
「また、お会いしましょう。それでは、失礼します。」
また……か。本当にまたがあるといいな。なんて、離縁した身で図々しいよね。
邸の中に入ると、
「お嬢様!? どうされたのですか!?」
離縁されました。
「お父様はいる?」
「旦那様は先程お戻りになられ、今は書斎にいらっしゃいます。」
「そう、分かった。荷物をお願い出来る?」
使用人に荷物を渡し、書斎に向かう。
「かしこまりました。あ、お嬢様……」
「ん?」
「お帰りなさいませ。」
何も話してないのに、察してくれたのかな?
「ただいま。」
うちの使用人や、ジェンセン様の使用人を見てたら、アンソニー様の使用人てある意味すごいなと思った。さすが、アンソニー様の使用人。
コンコン……
書斎のドアをノックすると、
「入りなさい。」
久しぶりのお父様の声が聞こえて来た。
ガチャッ
「お父様、ただいま帰りました。」
ドアを開け、丁寧にお辞儀をする。
「ジョアンナ!? どうしてお前がここに居るんだ!?」
精霊の加護を受けた私が、アンソニー様の為に毎日祈りを捧げなければいけない事を分かっていたお父様は、私がここに居ることに驚いた。
「お父様、申し訳ありません。アンソニー様に、離縁されてしまいました。」
数分間の沈黙。それがとても長く感じた。
お父様は誰よりも、私の幸せを願ってくれていた。
「…………そうか。もう下がって休みなさい。」
「……はい。あの……お父様、あの地はもうダメだと思うので、兵を送るように王様に進言してください。」
「分かった。」
ドアを閉める瞬間、お父様の目から涙が流れ落ちるのが見えた。……本当にごめんなさい。
キーベル伯爵は城に向かい、国王にベナミンへと兵を出すよう進言した。
国王は、精霊の加護を受けたジョアンナの父親の言うことならと、すぐに兵を送ることを決めた。
「陛下、兵と共に私も行かせては頂けませんか?」
そう願い出たのは、ジェンセンだった。
「話の内容から察するに、『戦場の悪魔』はもう機能しないでしょう。それならば、指揮官が必要かと。」
「そなたの言うことも一理ある。ジェンセン、頼めるか?」
「はっ! お任せ下さい!」
東の辺境ベナミンは、『戦場の悪魔』アンソニーが守っていたが、西の辺境ムスマリンをジェンセンが守っていた。
アンソニーほど名をとどろかせてはいなかったが、ジェンセンはまだ1度も負けたことはなかった。
ジェンセンは兵を引き連れ、ベナミンへと向かった。
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