騎士団長のお抱え薬師

衣更月

文字の大きさ
89 / 91

顔合わせ

しおりを挟む
 小鍋に水を注ぎ、ミントを入れて弱火でじっくりハーブの効能を引き出す。
 ことこと、と小鍋の中が騒がしくなり、ミントの効能が十分に出てきたところで、エルダーフラワーを入れた漉し器を投入。小鍋に木蓋を被せる。
 エルダーフラワーは煮出さず、すぐに小鍋を小型コンロから下ろす。
 ミントは熱に強いので煮出すことで香りが立つ。これを煎剤と言うけど、エルダーフラワーはミントほど熱に強くないので、じっくりと水から効能を抽出する。または、今みたいにハーブティーと同じ要領で蒸らす。この方法を浸剤と言って、薬草やハーブの性質によって使い分けなくてはならない。
 エルダーフラワーの蒸らしは5分くらい。
 5分計の砂時計を使って時間を計る。
 時間が来たら、漉し器ごとエルダーフラワーを小鍋から回収する。
 ああ、良い香り!
 部屋中にエルダーフラワーの甘い香りと、ミントの清涼感ある香りが満ちている。
 窓を開けて風を通しているので、外まで香りそうだ。
 深呼吸で香りを吸い込み、もう1つ小鍋を用意する。
 大量に作るには小鍋を3つ4つ用意しなくてはならない。大鍋で作れば一度で終わるけど、大鍋では難しい。
 過去に1度、大鍋で浸煎薬作りにチャレンジして失敗。以降、大鍋は使用しないようにしている。トラウマというか、自分の腕に信用がおけないのだ。
 祖母の言葉を借りれば「未熟」。この一言に尽きる。
「イヴ」
 コンコンと壁をノックされて、びくりと肩が跳ねた。
「ジャ、ジャレッド団長。びっくりしました。全然気づかなかったので」
「かなり集中していたな。それは?」
 と、作業台に並ぶ小鍋3つと、手にした小鍋を顎で示す。
「孤児院に配ってもらおうと思って。飴を作ってます」
「飴?」
「はい。体調を整える飴です。ここにあるのはハーブ入り。エルダーフラワーとミントです。エルダーフラワーは風邪症状の緩和とリラックスに、ミントは食欲促進や鼻詰まりなどに効果があるんです。それを水に入れて煮出して、冷ますために放置するんですが、今はその放置中です」
「冷めたら完成なのか?」
「いえ。冷めたら、今度は濾し布でハーブを除いた液剤を鍋に戻し、砂糖とレモン汁を入れてよく溶かします。砂糖は安くないので少量。はちみつを多めに入れて、弱火で煮詰めて、冷やして固めれば完成です」
 簡単だけど手間がかかる。
 特に弱火で煮詰めるのは、慣れないと焦げてしまうので要注意だ。
「あ。煮詰めている時に、ちょっとだけ聖魔力を注ぐので、ほどよく効果があります。でも薬ではないので、熱が出てる風邪の場合はちゃんと薬を飲まなきゃダメなんですけどね」
 棚から瓶詰した飴を取り出す。
「これは風邪予防の飴です」
 咳や喉のケアに良いショウガはちみつの飴と、はちみつ大根の飴だ。
 小さな子供のために、はちみつを使用しないで作った飴もある。量は少ないけど、砂糖を大量に使える予算はないので仕方ない。
「子供は薬が嫌いなので予防は大事だと思うんです」
「確か、薬草ほどではないがハーブには効能があると言っていたな。人族では菓子として楽しみながら予防するのが一般的なのか?」
「どうなんでしょう?うちでは…ヴァーダト家では当たり前でしたが、私が子供の頃、ゴゼット家で母が飴を作ってくれた記憶はないです。水飴だったと思います。小さな子にはちみつはダメなので、それで作ってなかったのかも知れません」 
「みずあめ?飴とは違うのか?」
「私も詳しくは知らないんです。確か…大麦と芋を蒸した後に濾して…いや、茹でて?絞り汁を煮詰めて…と手間のかかった甘味です。飴のように固くなくて、はつみつより粘度は高め。向こうでは、お店があるんです。ハノンには、お祭りの日に水あめ売りが来て、棒に水飴を巻き付けて売ってくれるんです。鍋や壺を持って行って買う人もいます。というのも、水飴ならお菓子ですが、それに薬草やハーブのエキスをしみ込ませれば、風邪のお薬にもなったんです」
 そうそう。
 思い出した。
「父は水飴が好きだったんです。今思うと、すごく甘党でした。だから、ゴゼット家では飴じゃなく水飴だったのかも」
 お酒を飲んでいる記憶ではなく、水飴の入った壺を抱えて、こっそり舐めていた記憶が蘇る。母に叱られても苦笑いで謝って、私の口にスプーンに掬った水飴を入れるのだ。共犯者だ、と笑いながら。
 顔も声も朧で殆ど思い出せないのに、懐かしさが胸に広がる。
 ひとり追憶に耽ってしまったけど、はっと思い出に蓋をしてジャレッド団長を見上げる。
「それで、何か用事があったんじゃないですか?」
「ああ。ちょっと顔合わせをさせたいのがいる。下りてこられるか?」
「顔合わせですか?分かりました」
 手にしたままの小鍋を棚に戻し、小型の焔石バサミを使い焔石を専用ケースに仕舞う。専用ケースと言っても、武骨な鉄製の皿に蓋が付いただけのものだ。
 焔石は少しの水でも熱を発するので、席を立つときは専用ケースに仕舞うことにしている。
「イヴ」
 差し出された手と階段を交互に見た後、逡巡の末に手を添える。
 ジャレッド団長が嬉しそうに目を細めたのを見て、恥ずかしさに顔に熱が籠る。
 こんなのは公爵家限定でしてほしい。
 外ではしないで!というのが本音だ。
 もし他の団員が治療院に駆け込んで来たら、私は恥ずかしさに叫んで使い物にならなくなってたかもしれない。
 階段を下りた後、素早く手を引っ込める。
 ふっと聞こえた笑みを無視して、ジャレッド団長が開けてくれたドアから外に出た。
 外で待っていたのは、見覚えのある灰褐色の髪の男性と、筋骨隆々から細身と体躯も得物もバラバラの5名の男性だ。
「ウルバス大公国への派遣が決まった6名だ」
「お目にかかるのは初めてではありませんが、ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。わたくしはイライジャ様の従者を務めていますハーヴェイ・ドークと申します。この度は、イライジャ様の名代として、ウルバス大公国へ赴くこととなりました。ゴゼット様のご期待に添えるよう尽力いたします」
 ゆるりと頭を下げたドークに、驚きすぎて口がぽかんと開いてしまう。
 ”ゴゼット様のご期待”というのは、私の親族発見のことかな?
 正直、期待値は限りなくゼロに近い。公国とはいえ、誰もが知り合いという極小国ではないと思う。例えば、ゴールドスタイン領くらいの広さと人口なら、聞き込みし続ければ「そういえば!」と心当たりのある人に巡り逢えそうだけど、きっとそうはならないだろう。
 手掛かりは”ゴゼット”のみ。
 父の名前すら憶えていない。
 万が一にも親族が見つかっても、関係をアピールするつもりはないのだ。ただ、自分のルーツがウルバス大公国にあるという確認でしかない。
 それを思うと、この仰々しい一向に申し訳なさが募る。
「次は俺たちだな。一方的だが、嬢ちゃんのことは知ってる。団長さんが馬に乗せて巡回していた人族の治癒士様だからな。俺たちはAランクパーティーの”不滅の戦士”。リーダーのランド・メンジーだ」
 筋骨隆々。
 帯剣しているのに、右手の拳にナックルダスターを装備するという見るからに戦闘狂の、赤茶色の男性がニッと笑う。
「俺はワード・スタッシーだ」
 これまた筋骨隆々の山賊といった風体の男性だ。
 黒髪に無精髭。背中に柄の長い戦斧を背負っているせいか、粗野な雰囲気がある。
「俺たちはチャーリー・ホーラーとエヴァレット・ボイルで幼馴染だ」
 ホーラーは胡桃色の髪をして、背中には三叉の槍を背負っている。
 ボイルは暗い金髪だ。口を真一文字に結び、ひたすら腰に佩いた剣の柄を摩る。人見知りなのかもしれない。
「最後は俺ね。ヤン・アスペル。ウサギ獣人だ」
 矢筒を背負い、弓を肩にかけた白髪のアスペルは胸を張る。
 騎士を含め、戦闘職に就くウサギ獣人は珍しい。中でもウサギ獣人のBランカーはアスペルを含め片手で数える程度らしい。
 ウサギ獣人の強みは聴力や機動力なので、戦闘重視の騎士や兵士より、どちらかといえば諜報機関に多いという。
 そこは知りたくなかった…。
「不滅の戦士は、マロース山脈まで遠征に行くほどのパーティーだ」
「言い換えれば、マロース山脈より北には行ったことがないんだがな」
 ジャレッド団長の説明に、スタッシーが豪快に笑う。
 マロース山脈はキャトラル王国から隣国のトーゴ王国を縦断するように走る山地だ。キャトラル王国側では、マロース山脈に属するヴクブ山が国内最高峰となっている。
 ヴクブ山はハノンからも見ることができるほど大きい。
 万年雪で常に白く、中腹まで伸びた登山道は過酷。さらに”帰らず森”よりも危険度が高い魔物が棲息している。商人ギルドのギルド長が言っていたように、危険度が高いけど高額取引される固有種が棲息する為、腕利きの冒険者はマロース山脈へと向かうことが多い。
 ちなみに、ヴクブとは死神が語源だ。
「ヴクブ山ですか?」
 私が質問すると、スタッシーは眉を上げ、にやりと笑う。
「ヴクブも行ったことがあるな」
「テペウ山だ。トーゴ王国にある。マロース山脈のちょうど真ん中あたりの山で、マロース山脈の中で最高峰だ」
 メンジーは言って、「標高は5000m超えだったかな」と恐ろしい情報を追加する。
「マロース山脈の中腹部に棲息するワイバーンの監視を依頼されることが多い」
 ホーラーが更に恐ろしいことを言う。
 ワイバーンとはドラゴンに似た魔物になる。似非ドラゴンなんて言われることもあるけど、ランス曰く、「ワイバーンは目についた人里は徹底的に群れで襲撃するのでドラゴンよりも厄介かつ危険。ドラゴンは種によって違うけど、知能が高く、殆どが腹の虫の居所が悪くなければ人なんて見向きもしない」らしい。
 なので、ワイバーンの監視とは人里に降りそうな個体がいないかと、昼夜を問わず見張ることにある。
 さらに最悪なのは、1度でも人を襲ったことのある個体は、他の獲物より狩りやすい人をターゲットに絞り、襲撃を繰り返す性質がある。街道を行く商人や田畑で作業する農民が、上空から飛来したワイバーンに攫われた…という事例は数えきれない。
 冒険者や騎士を狙わないあたり、それなりに知能はある。
 その為、ワイバーンは監視対象だ。
 監視方法は、繁殖地が決まっているので、そこから行動範囲を割り出す。頻繁に街道や人里近くに飛来し、偵察している個体は即座に討伐対象となる。依頼を請けられる冒険者はAランク以上で、飛翔する魔物に対峙するため、必ず魔導師が所属しているパーティーであることと聞いたことがある。
 でも、不滅の戦士には魔導師はいない。
 私の疑問を察したのか、メンジーが人族の冒険者パーティーと合同任務だと教えてくれた。
「ワイバーンの監視依頼だが、ワイバーン以外の大型の魔物が多く棲息しているからな。実力があれば魔導師がいなくても依頼を請けられる。他のパーティーにいればいいんだ。だいたい3から5のパーティーが集められるんだ。もちろん、背中を預ける可能性があるから、ギルドの審査に合格した中から推薦される」
「その山からでもデッカイ川が見えるよ」
 アスペルが両手を広げ、「蛇みたいに蛇行した大河だ」と桃色の瞳を煌めかせる。
「今回は、その川を渡ることになる。そこからさらに1つ国を越えた先が、目的のウルバス大公国だ」
 ジャレッド団長は言って、ドークに目を向ける。
「魔素の影響で、こちらより厳しい寒さが予想されている。向こうの魔導師は確保できたのか?」
「ペパード様の助言に従って、必要な物資は揃えております。出立は2日後。トーゴ王国ルベルノ波止場まで馬車で移動するようになっています。そこで魔導師ギルドより魔導師3名と落ち合います。1名は風、2名は火属性の魔導師とのことです。彼らはウルバス大公国まで同行してくれることになりました」
「3名の魔導師を確保か。さすが父上だな」
 ジャレッド団長は苦笑する。
「彼ら自身、ウルバス大公国に興味があったそうです」
 ドークも苦笑する。
 渡りに舟状態だったというわけだ。
「ウルバス大公国到着後は、不滅の戦士と魔導師、交互にわたくしの護衛をしてもらう予定です」
「ああ。休日ありってことだから、こちらもウルバスが楽しみなんだ。向こうには、こちらにいない魔物もいるからな。冬毛は儲かるんだ」
 ガハハハ、とスタッシーが笑う。
 どうやら向こうでも魔物を討伐して稼ぎを上げるらしい。
「魔導師たちも似たような心積もりだと聞いていますので、来春まで、鬱屈させずに済みそうです。何分、長期の依頼ですので。ストレスで内輪揉めの事態だけは避けたいものです」
「そうだな。場合によっては、今後も行く可能性がある。長い付き合いになることを考えれば、こちらの依頼に不快感を与えないのは妥当だな」
「長い付き合い?そんなに長期的にウルバスに行くんですか?」
 口を挟めば、ジャレッド団長は「ああ」と甘やかな表情で頷く。
「向こうは薬草栽培が盛んな上、ガラスの技術が突出しているそうだから、どうしても繋ぎが欲しい。父上も同意している」
「そういえば、クロムウェル領は治療に力を入れたいんでしたよね」
「ああ。なかなか聖属性の勧誘は上手くいかない。ポーションを大量に仕入れたところで、庶民の手には高価だからな。一般にも普及でき、かつ効果のある薬となると、やはり聖属性となるだろう?聞けばペパードの奥方が聖属性らしいからな。今はペパードを勧誘してるところだ」
 悪びれることなくジャレッド団長が笑う。
 それにつられて、不滅の戦士の面々も喝采だ。
「獣人は自己治癒力が高いが、大きなケガにはポーションが必須だ。ケガに強いっつても痛くないわけじゃない。運悪く化膿すればヤバイことになる。だから仕方なくポーションを使う。低級だけどな」
「それでもアレは高い!泣く泣くポーションをケチって引退した冒険者は多いぜ」
「ポーションに及ばずとも効果の高い人族の薬が普及すれば、冒険者寿命も延びるってものだ」
「団長さん頑張れ~!」
「団長さん頑張れって…ぶふっ」
 今まで無言を貫いていた寡黙と思しきはボイルは、アスペルの歌うような口調に吹き出し、箍が外れたように笑い出した。
「すみません。こいつ、笑い上戸で。何がツボるか分からないんです。腕は確かなんで」
 と、ホーラーはボイルの頭を叩き、唖然とするジャレッド団長と私に頭を下げた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

この度、青帝陛下の運命の番に選ばれまして

四馬㋟
恋愛
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る

金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。 ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの? お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。 ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。 少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。 どうしてくれるのよ。 ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ! 腹立つわ〜。 舞台は独自の世界です。 ご都合主義です。 緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...