不死人になった私~壊れゆく不老不死の花嫁~

琴葉悠

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君を守るため

かえりたくない、こわいよ ~腹が立つ~

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 グリースは薬等の購入を終えると隠れ家に戻ってきた。
 ルリはテレビをぼんやり見ている。
「ルリちゃん、待たせた!!」
 ルリはびくっと体をはねさせた。
「……驚かせた、ごめんね。避妊具だけど、コンドームと薬どっちにする」

『くすり』

「……一応聞くけどどうして?」
 グリースがコンドームの箱と、薬の入った箱を見せてルリに再度尋ねる。

『いつも、くすりだったから』

「あーあーそうだよなぁ、アルジェントならともかくヴァイスのブツのサイズのコンドームなんてねぇもんなぁ、薬一択だよなぁ」
 グリースは横を向き、むかつく二人の事を思い出して舌打ちする。
「じゃあベッドに行こうか?」
 ルリは静かに頷いた。

 グリースはルリをベッドに連れていき、寝かせる。
 ルリはベッドで少し緊張している――否、何処か怖がっているようだ。
 グリースはなるべく、ルリの恐怖心をあおるようなものを使わない方針で性行為をする決意をした。
 本当はルリが言い出さなきゃしてない、それくらい、今のルリにはグリースは欲情できなかった、可哀そうすぎて。
 用意した薬を取り出し、ルリに飲ませて近くのボトルの水で流し込ませた。
 ボトルを置き、ルリの髪を撫でながらグリースは尋ねた。
「服脱がすけど、大丈夫?」

『うん』

 グリースはルリの衣服に手をかけ、ゆっくりと脱がしていく。
 傷の無くなった、綺麗だが、どこか病的に見える裸体が視界に入る。
「本当、痛いことはしないからね、でも無理そうならさっき言ったように、俺の腕抓ったり、俺の髪の毛引っ張ったりして『もうやだ!』って合図頂戴ね、我慢しつづけるのだけは絶対だめ、いいね?」
 ルリはこくりと頷いた。
 グリースはふぅと息を吐き、ルリの頬を優しく撫でる。
 額や、瞼にキスをしてから、そっと唇にキスをする。
「舌いれていい?」
 ルリは小さく頷いた。
 グリースは少しだけ舌を入れて、すぐ抜いた。
 ルリの舌にわずかに触れるだけの接触で止めた。
 その後、首筋や、胸元にキスをする。
 ルリの体がぴくりと動いた。
 グリースはキスを止め、ボトルを取り出し液体――ローションを手に垂らしてルリの体に触れる。
 ルリは今までにない感触に少し戸惑っているようだった。
 ローションを緩衝材にしてルリの胸や体を優しく愛撫する、乾いてきたら足す、それを繰り返すと、ルリは少しばかり、心地よさそうな表情を浮かべる。
 体への愛撫を終えると、ルリの女性器――恥部の所にローションを垂らした。
 少しルリの体がこわばった。
「無理そう?」
 ルリは首を横に振った。
 グリースはローションの滑った感触を生かしてルリの膣内に指を侵入させる。
 先ほどの愛撫で愛液がじんわりとにじみ出ている膣内をローションを足しつつ愛撫する。
 膣内はぎゅうぎゅうと指に絡みつき締め付けてくる。
 ルリはふぅふぅと息をして、グリースにしがみついてきた。
「無理?」
 ルリは首を横に振った。
 グリースは少々不安になりつつも膣内への愛撫を行う。
 濡れやすいタイプだからか、ローションを注がなくてもルリのソコはぐっしょりと濡れ始めていた。
 グリースはローションで自分の雄を濡らした。
「……じゃあ、挿れるから、力を抜いてね」
 ルリは小さく頷いた。
 ずぷ……愛液で塗れていた事と、ローションの滑りで自然にルリの膣内にグリースの雄は入った。
 ゆっくりと押し込み、全てが入るとグリースは動くのをやめてルリの様子を見る。
 ルリははっはと短い呼吸をしている、怯えも含んでいるがそれ以上に切なげな表情を浮かべている。

――あいつらに初期時に散々開発しやがったからその名残か――

 グリースはルリに聞こえない様に舌うちをして、ルリの髪を撫でる。
 そしてルリを寝かせて、寝たまま、抱き合うように、まぐわい始める。
 ゆるやかに腰を動かし、体に触れ、キスをする。
 ルリはグリースの背中に手を回し、口から初めて声を発した。
「ア……ア……」
 短い喘ぎ声のようなもの、声を発した。
 体を震わせ、膣内が何度も強く締め付けてきた、絶頂を繰り返しているのだ。
 グリースは流石に何度もの強い締め付けに我慢できなかったのか、精液を吐き出した。
「っ――!!」
 ルリがのけ反り、ひゅうひゅうと呼吸を繰り返し、グリースの腕を抓った。
「わかった、もうしない、後は抜くだけだから少しだけ我慢してね」
 グリースがそういうとルリは静かに頷いた。
 ずりゅ……精液と愛液と少しばかりのローションで濡れた雄が抜かれる。
 こぷりと精液と愛液とローションがルリの恥部から零れていた。
「ルリちゃん、はいお疲れ様。温泉入って汚れとか落そうね」
 グリースは微笑んでルリの頭を優しく撫で、抱きかかえて温泉へと向かった。

 脱衣所で自分の服と下着を全部脱ぎ使い魔に洗濯にもっていかせ、替えを準備するよう指示する。
 服を脱ぎ終えると、グリースは少し脱衣所で座らせていたルリを抱きかかえて温泉に向かう。
「……かき出す?」
 グリースがそういうと、ルリはこくりと頷いた。
 グリースはいったん体の汚れをお湯で流してからシャワーのある場所にルリを連れていき、前と同じように、精液をかき出す。
 ルリはグリースの腕をつかみながら、短い喘ぎ声を発し、かき出される際の快感に耐えているようだった。
 グリースはかき出すのも手短に終わらせ、ルリを抱きかかえて温泉に浸かる。
「よしよし、よく頑張ったね」
 ルリの頭を撫でながら、優しく声をかける。
 ルリは目をつぶりながらグリースにすり寄る。
「どうしたー?」
 甘えるような仕草をする、ルリを抱きしめる。
 ルリはふにゃりと笑った。
 可愛らしい笑顔だ、こんな可愛らしい笑顔をできない状況にしたあの二人に対しグリースは心の中で怒り煮えたぎらせる。

――本当、あの二人、マジどうしてやろう――

 そんな考えをルリには決して見せず、グリースはルリを抱きしめたまま温泉に浸かった。

 温泉から上がり、体を拭いて着替え終わると、グリースはルリを抱きかかえてベッドに戻る。
 使い魔がシーツの交換をしたので、シーツは綺麗なものだ。
 ルリをベッドに寝かせてから自分も横になる。
「ふぅ……ん、ルリちゃん、どしたの?」
 自分に抱き着いてきたルリの頭を撫でながらブランケットをかける。
「……」
 かすかな声が聞こえた、その声は、言葉はグリースに重くのしかかった。

『か……えり……たく……ない……こ……わ……い……』

 ルリにとってあの城は監獄と同様ととらえているのだ、自分の意思など聞き入れてもらえないそう思っている。
「大丈夫だよ、また何かあれば俺が連れ出してあげるから」
 帰したくない、そういう気持ちはあった。
 だが、帰すと約束したのを反した場合、ヴァイスが何をするか分からない。
 その時ルリに危害が及ぶ可能性がある。
「……分かってる、ルリちゃんはあいつらの目の届かないところでしか言えないってことも、それでも俺の手はとれない、取りたくても掴みたくても、縋りたくてもできない、精々俺があいつらにいちゃもんつけてルリちゃんを連れ出すのが精いっぱいだ」
 グリースはルリを抱きしめて謝罪する。
 ルリはグリースにぎゅうと抱き着いてきた。
 胸元が少し濡れ始めた、涙を流しているのだろう。
「……なんでルリちゃんばっかりこんな目に合うんだろうなぁ……」
 グリースは過去の自分も、ルリを追い詰めた二人も殴り殺したくなった。


 燃える燃える世界が燃える。
 人間も吸血鬼も動物も、植物も、皆燃えた。
 悲鳴は聞こえない。
 悲鳴を上げる前に皆燃えて消えた。
 そこにあったという後だけが残っている。
 まだ足りないまだ足りない。
 愛した者達を奪った連中への怒りが治まらない。
 自分たちを迫害した連中への憎悪が治まらない。
 焼ける焼ける、頭の中が焼ける。
 怒りで、憎悪で、焼けこげそうだ。

 悲しい、悲しい、救ってくれる者がいない。
 この怒りを、憎悪を理解してくれる者がいない。
 誰かの泣く声が聞こえる、誰だ?
 なぁ、誰なんだ?
 この悲しいすすり泣く声は。
 ああ、そうか。
 君も奪われたんだね、そうだね。
 頭の焼けていく音が涙でゆっくりと鎮まっていく。
 辛いね、逃げ場がないのは、辛いね。


「……夢見わりぃ……」
 グリースは不機嫌そうな声を出して起き上がる、横ですやすやと眠っているルリを起こさない様に気分転換に隠れ家の外に出た。
 出てすぐ、グリースは更に不機嫌そうな顔になった。
「おい、ヴァイス、お前俺と約束しているだろう、俺の隠れ家とかには来るな、と」
 陽光をものともせず立っている吸血鬼の祖――真祖ヴァイスがグリースの約束を破りグリースの隠れ家の前に来ていたのだ。
 ヴァイスは何も言わずその場に立っていた――



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