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創造神様、自己紹介のタイミングがおかしくありませんか?
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「えっ!? どういうこと!?」
驚いて叫ぶ私に、創造神を名乗るキラキラ女は、静かに口を開いた。
「あなたをこの世界に憑依させたのは、元・ソフィア──つまり、あなたの前の世界で婚約者を奪った女、並本雪花よ」
……その名前を聞いた瞬間、背筋が凍った。
並本雪花。
思い出した。
前の世界で、私から婚約者を寝取った──あの女。
出会いは、私が勤めていた中小商社だった。
私は経理部で働く三十二歳。
社長の紹介で取引先の男性と出会い、婚約も決まり、幸せの絶頂にいた。
職場では、同期の葉子と凛と三人で「経理三人娘」と呼ばれる仲良しトリオ。
それなりに地味で、平和な毎日だった。
──あの派遣社員が来るまでは。
今思えば、繁忙期で人手が足りず、派遣を頼んだのが運の尽きだった。
やってきた彼女は、紺のスーツに黒髪ボブ。
ぱっと見は清楚系。
でも、最初に思ったのは──「女の敵」。
あれはたぶん、“女の勘”ってやつだったのだろう。
どこか、関わってはいけない気がした。
それでも部長に
「年齢も近いし、仲良くしてやれ」
と言われ、しぶしぶ昼ご飯を一緒に食べるようになった。
話してみると、意外とサバサバしていて、面白い子だった。
油断していた私に、彼女はよくこう言った。
「私、なぜか女の人に嫌われちゃうの。
だから、こうして仲良くしてもらえる職場で良かった」
その言葉に、私は笑って答えた。
「きっと雪花ちゃんが可愛いから、嫉妬されちゃうんだよ」
──あの時の自分を、殴ってやりたい。
経理部は男性が少なく、いても部長と課長の中年組だけ。
そんな中で、彼女は明るく話題を振ってくれるムードメーカーだった。
いつの間にか、私たちは四人で行動するようになっていた。
そんなある日、彼女が突然言い出した。
「ねぇ、菜穂ちゃんの婚約者さんを見てみたいからさ、
葉子ちゃんの片想いの彼も呼んで、合コンしない?」
「え?」
「ほら、葉子ちゃんって、ずっと片想いでしょう?
みんなで応援してあげようよ!」
その提案に、私も凛も顔を見合わせた。
雪花は手帳を取り出し、手際よく言う。
「菜穂ちゃんと彼氏、葉子ちゃんと好きな人、それにその友達二人!」
いやいや、ちょっと待って。
既婚者のあなたはどうするのよ?
「だったら、雪花ちゃんのご主人も連れてくれば?」
私がそう言うと、彼女は苦笑した。
「うちは無理だよ。
旦那が来たら、子どもを見てくれる人がいなくなるでしょう?」
そう、彼女には七歳と五歳の娘がいた。
大学生の頃から付き合っていた年下の旦那さんと、二十五歳で結婚したと言っていた。
でも──あの時、私は気づかなかった。
“子どもの面倒は見てもらえる”って、
つまり、この日のための口実だったってことに。
「じゃあ、無理に飲み会なんてしなくてよくない?」
そう言うと、彼女は眉を吊り上げた。
「なんで? みんな冷たいよ!
どうして葉子ちゃんの恋を応援してあげないの!?」
その勢いに押されて、葉子が恐縮しながら言った。
「ありがとう、雪花ちゃん。
私も勇気出して、誘ってみる」
──そして、決まってしまったのだ。
私の婚約祝いも兼ねた……あの飲み会が。
飲み会当日。
時短勤務の雪花は一度帰宅し、子どもを実家に預けてから来ると言っていた。
だったら旦那さんも一緒に……と話したけれど、彼女は
「彼、人見知りだから」
と笑っていた。
そして現れた彼女を見て、私たちは絶句した。
職場では清楚で控えめだった彼女が、まるで別人だったのだ。
透け感のある白いフリルブラウスに、ふわふわのスカート。
メイクも髪も完璧に整えられ、まるで“お姫様コスプレ”。
しかも、開口一番こう言った。
「場がしらけるから、私が既婚者ってことは言わないでね?」
「え?」
「だって、私が既婚者だと、
葉子ちゃんの好きな人に“結婚しろ”って圧かかるじゃない?」
……いや、どんな理屈!?
その時、胸の奥にチリッと違和感が走った。
けれど、その違和感を、私は笑って飲み込んでしまった。
そして──
あの夜の飲み会が、私の人生を変えてしまうことになるとは……。
すべてが、彼女の“計画”だったなんて、
あの時の私は、まだ知らなかった。
驚いて叫ぶ私に、創造神を名乗るキラキラ女は、静かに口を開いた。
「あなたをこの世界に憑依させたのは、元・ソフィア──つまり、あなたの前の世界で婚約者を奪った女、並本雪花よ」
……その名前を聞いた瞬間、背筋が凍った。
並本雪花。
思い出した。
前の世界で、私から婚約者を寝取った──あの女。
出会いは、私が勤めていた中小商社だった。
私は経理部で働く三十二歳。
社長の紹介で取引先の男性と出会い、婚約も決まり、幸せの絶頂にいた。
職場では、同期の葉子と凛と三人で「経理三人娘」と呼ばれる仲良しトリオ。
それなりに地味で、平和な毎日だった。
──あの派遣社員が来るまでは。
今思えば、繁忙期で人手が足りず、派遣を頼んだのが運の尽きだった。
やってきた彼女は、紺のスーツに黒髪ボブ。
ぱっと見は清楚系。
でも、最初に思ったのは──「女の敵」。
あれはたぶん、“女の勘”ってやつだったのだろう。
どこか、関わってはいけない気がした。
それでも部長に
「年齢も近いし、仲良くしてやれ」
と言われ、しぶしぶ昼ご飯を一緒に食べるようになった。
話してみると、意外とサバサバしていて、面白い子だった。
油断していた私に、彼女はよくこう言った。
「私、なぜか女の人に嫌われちゃうの。
だから、こうして仲良くしてもらえる職場で良かった」
その言葉に、私は笑って答えた。
「きっと雪花ちゃんが可愛いから、嫉妬されちゃうんだよ」
──あの時の自分を、殴ってやりたい。
経理部は男性が少なく、いても部長と課長の中年組だけ。
そんな中で、彼女は明るく話題を振ってくれるムードメーカーだった。
いつの間にか、私たちは四人で行動するようになっていた。
そんなある日、彼女が突然言い出した。
「ねぇ、菜穂ちゃんの婚約者さんを見てみたいからさ、
葉子ちゃんの片想いの彼も呼んで、合コンしない?」
「え?」
「ほら、葉子ちゃんって、ずっと片想いでしょう?
みんなで応援してあげようよ!」
その提案に、私も凛も顔を見合わせた。
雪花は手帳を取り出し、手際よく言う。
「菜穂ちゃんと彼氏、葉子ちゃんと好きな人、それにその友達二人!」
いやいや、ちょっと待って。
既婚者のあなたはどうするのよ?
「だったら、雪花ちゃんのご主人も連れてくれば?」
私がそう言うと、彼女は苦笑した。
「うちは無理だよ。
旦那が来たら、子どもを見てくれる人がいなくなるでしょう?」
そう、彼女には七歳と五歳の娘がいた。
大学生の頃から付き合っていた年下の旦那さんと、二十五歳で結婚したと言っていた。
でも──あの時、私は気づかなかった。
“子どもの面倒は見てもらえる”って、
つまり、この日のための口実だったってことに。
「じゃあ、無理に飲み会なんてしなくてよくない?」
そう言うと、彼女は眉を吊り上げた。
「なんで? みんな冷たいよ!
どうして葉子ちゃんの恋を応援してあげないの!?」
その勢いに押されて、葉子が恐縮しながら言った。
「ありがとう、雪花ちゃん。
私も勇気出して、誘ってみる」
──そして、決まってしまったのだ。
私の婚約祝いも兼ねた……あの飲み会が。
飲み会当日。
時短勤務の雪花は一度帰宅し、子どもを実家に預けてから来ると言っていた。
だったら旦那さんも一緒に……と話したけれど、彼女は
「彼、人見知りだから」
と笑っていた。
そして現れた彼女を見て、私たちは絶句した。
職場では清楚で控えめだった彼女が、まるで別人だったのだ。
透け感のある白いフリルブラウスに、ふわふわのスカート。
メイクも髪も完璧に整えられ、まるで“お姫様コスプレ”。
しかも、開口一番こう言った。
「場がしらけるから、私が既婚者ってことは言わないでね?」
「え?」
「だって、私が既婚者だと、
葉子ちゃんの好きな人に“結婚しろ”って圧かかるじゃない?」
……いや、どんな理屈!?
その時、胸の奥にチリッと違和感が走った。
けれど、その違和感を、私は笑って飲み込んでしまった。
そして──
あの夜の飲み会が、私の人生を変えてしまうことになるとは……。
すべてが、彼女の“計画”だったなんて、
あの時の私は、まだ知らなかった。
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