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第二章 縁結びの、ミニドーナツ
10.消えた理由?2
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彼女はばつが悪そうな顔をして、うなずいた。
「どうしても、ひとりでは不安だったんです。クラスの子に誘われたのは一か月くらい前だったから、そのときに瓜生くんに話して。彼はわかったって、言ってくれたんです」
投げ出していた足を引き寄せて、葉月は膝を抱えた。
「でもそのあと、瓜生くんに会えなくなって。……わたしが、調子に乗っちゃったんでしょうか。やっぱり、知らない女子グループの遊びに誘われても困りますよね」
まあ、快だったら気まずいと思うかもしれないけれど。
「でも瓜生くんは、いいよって言ったんだろ?」
「言いましたけど……、本音じゃなかったのかもしれないです。だから、ここにも来なくなったのかも」
普段は聞き取りやすい声で話す葉月だったが、いまは暗闇にずぶずぶと沈んでいってしまいそうな重い声をしている。ひなたが不安そうに快の服を引っ張った。
――瓜生くんがいなくなったから、よけいにひとづきあいが怖くなったのか。
約束をすっぽかされるのもつらいだろうし、自分のひとことで愛想を尽かされたのだとしたら、泣きたくもなるだろう。友だちをつくるのは向いていなかったのだ、と自分の殻に閉じこもりたくもなるかもしれない。
瓜生はいま、どこにいるのだろう。
遊びに行くと約束したのなら、すっぽかすのはやめてあげてほしい。ほんのすこし、快の中で顔も知らない瓜生への不満が生まれた。
そんな快の様子には気づかず、弱り切った声で葉月がつぶやく。
「もう、断っちゃおうかな。寒そうだし。でも列車の予約はしてあるらしいし……」
「どうしても、ひとりでは不安だったんです。クラスの子に誘われたのは一か月くらい前だったから、そのときに瓜生くんに話して。彼はわかったって、言ってくれたんです」
投げ出していた足を引き寄せて、葉月は膝を抱えた。
「でもそのあと、瓜生くんに会えなくなって。……わたしが、調子に乗っちゃったんでしょうか。やっぱり、知らない女子グループの遊びに誘われても困りますよね」
まあ、快だったら気まずいと思うかもしれないけれど。
「でも瓜生くんは、いいよって言ったんだろ?」
「言いましたけど……、本音じゃなかったのかもしれないです。だから、ここにも来なくなったのかも」
普段は聞き取りやすい声で話す葉月だったが、いまは暗闇にずぶずぶと沈んでいってしまいそうな重い声をしている。ひなたが不安そうに快の服を引っ張った。
――瓜生くんがいなくなったから、よけいにひとづきあいが怖くなったのか。
約束をすっぽかされるのもつらいだろうし、自分のひとことで愛想を尽かされたのだとしたら、泣きたくもなるだろう。友だちをつくるのは向いていなかったのだ、と自分の殻に閉じこもりたくもなるかもしれない。
瓜生はいま、どこにいるのだろう。
遊びに行くと約束したのなら、すっぽかすのはやめてあげてほしい。ほんのすこし、快の中で顔も知らない瓜生への不満が生まれた。
そんな快の様子には気づかず、弱り切った声で葉月がつぶやく。
「もう、断っちゃおうかな。寒そうだし。でも列車の予約はしてあるらしいし……」
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