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異世界へ
0130話
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グラストは上司と共に領主の館に向かう。
本来ならまだ早朝と呼ぶべき時間で、グラストはともかく上司はいつもはもっと遅くに領主の館にやってくるのだが……今回に限っては、そのような時間的余裕はない。
黎明の覇者との和平交渉の場で要求されたのが、金や宝石といったものではなくマジックアイテム……それもドレミナの領主であるダーロットが最近入手した、非常に高性能な物だったのだから。
グラストが交渉については全面的な権限を与えられた以上、そして交渉が無事に結ばれた以上、ドレミナ側にマジックバッグを渡さないという選択肢はない。
そうである以上、上には確実に話を通す必要があった。
そして黎明の覇者がベヒモスの骨のあった場所から、いつこちらに向かってくるのかは分からないのだ。
……いや、分からないという訳ではない。
恐らく今日中にはやって来るだろうというのが、グラストやその上司の共通した考えだった。
そうである以上、今は少しでも早く話を通してマジックバッグの件を上にも理解させる必要があるのだ。
「全く、とんでもない真似をしてくれる」
上司の男はグラストに向かって苛立たしげな視線を向け、告げる。
グラストはそんな上司に対して、色々と言いたいことがあるのは間違いない。
それなら何故自分に全面的な権限を与えたのか、といったように。
しかし、今の状況でそのようなことを言っても意味がないのは事実。
それどころか、そのようなことを口にした場合は面倒なことになるのは間違いない。
であれば、今は大人しくしておくのが最善なのは間違いなかった。
「いいか? 今回の件についてはこちらでもしっかりと話をする。だが、ダーロット様が許容出来るかどうかは別の話だ。もし駄目だった場合、最悪黎明の覇者と戦いになるぞ」
和平交渉を結んだにもかかわらず、その交渉の条件となっているマジックバッグの譲渡を断る。
そのような真似をした場合、当然だが黎明の覇者との戦いになる可能性が高い。
「ですが、もし黎明の覇者と戦闘になった場合、いつドレミナに隕石が降ってくるか分かりません。それはドレミナにとっても大きな損失になるかと」
極論すれば、グラストがどんな手段を使ってでも黎明の覇者と和平する必要があると考え、実行したのはそれが原因だ。
黎明の覇者という傭兵団も、間違いなく厄介な相手だ。
しかし、それでも傭兵団である以上は普通に戦うことが出来る相手であるのも間違いはなかった。
それに比べると、イオは違う。
何の前触れもなく、突然隕石が降ってくるのだ。
それにどう対応しろというのか。
「隕石か。……それは魔法なのだろう? ならば、魔法使いの魔法で迎撃することは出来ないのか?」
「難しいと思います」
そう言うグラストだったが、その言葉は間違っていない。
事実、以前ベヒモスの素材や流星魔法を使うイオ――その当時はまだ名前が知られていなかったが――を確保しようと多数の勢力がやって来たとき、イオの使う流星魔法に魔法使いが必死に魔法を当てるといった真似をしたものの、それは結果的に意味がなかった。
いや、多少……本当に多少ではあるが隕石の勢いを弱めたりしたということで、全くの無意味ではなかったのだろうが。
「ふん。まぁ、いい。とにかく厄介なことになったな」
グラストに対してまだ言い足りなさそうな男だったものの、領主の館の中に入ったということもあり、これ以上は自分が何を言っても意味はない。
下手に目立つだけだと判断し、それ以上不満を口にすることはなかった。
「失礼します。黎明の覇者との交渉に行っていた部下が戻ってきましたが、問題があったようなので報告に来ました」
グラストの上司は、目的の部屋の扉をノックしてそう告げる。
すると数秒後、中に入るようにと扉の向こうから声が聞こえてきた。
失礼しますと口に出して部屋の中に入ると、そこにいたのはグラストの上司の上司……騎士団長や副騎士団長といった者達の他にも、地位の高い役人に姿がある。
本来ならまだ早い時間に、これだけの人数が集まっているというのは不思議なことだろう。
しかし今のこのドレミナの状況を思えば、これだけの重要人物が集まっているのはおかしくない。
それどころか、部屋の中に領主のダーロットがいないのが不思議なくらいだ。
「ダーロット様は現在他の領地から派遣された使者との面会を行っている。それが終われば、すぐにでもこちらに顔を出すだろう」
部屋の中を一瞥したグラストが何を思ったのか理解したのだろう。
部屋の中にいた一人が、グラストに向けてそう告げる。
「すみません」
「気にするな。今回の一件は、場合によってはドレミナの今後にも大きく影響してくる。その場にダーロット様がいないのを疑問に思ってもおかしくはない」
ダーロットは女好きという一面があり、場合によっては前日に女との一夜をすごすので、昼近くに起きるということも珍しくはない。
しかし、それはあくまでも余裕のあるときの話だ。
今このときのドレミナは、とてもではないがそんな余裕はない。
ゴブリンの軍勢が姿を現したかと思えば、隕石が降ってきてそれを殲滅する。
ベヒモスが現れた――こちらは当初誰も認識していなかったが――かと思えば、隕石が降ってきてそれを倒す。
二度の隕石を見てこれが人為的なものだと判断すると、ドレミナの騎士団だけではなくゴブリンの軍勢に対抗するために集まっていた傭兵団やそれ以外の勢力も隕石を落とした何かを確保するために動き出す。
黎明の覇者がそれに対処し、騎士団がおおよその事情を掴んで帰還すると、ダーロットと敵対する貴族と繋がっている者が情報を止め、勝手に命令を出して黎明の覇者とイオを確保しようとする。
だが、それは当然のように失敗し……そしてドレミナと敵対することになった黎明の覇者との和平交渉を結ぶ。
これらの諸々によって、ダーロットの仕事は多くなる。
……もっとも、まだ黎明の覇者の大部分がドレミナに残っていたとき、ローザを呼び出して口説いたりしていたのだが。
「それで……そうだな。まず結論から先に言おう。グラストの結んできた和平交渉の条件はきちんと履行される。マジックバッグ二個、それも片方はダーロット様が入手した物だが、それもきちんと引き渡す」
「……え?」
あっさりと口に出されたその言葉に、信じられないといった声を出したのはグラスト……ではなく、その上司。
先に報告を送っておいたものの、ここに来るまで散々グラストにこの条件では無理だと言っていたのだが、あっさりと覆されたのだ。
そのような声を出すなという方が無理だろう。
「どうした?」
その声に、部屋にいた一人……役人の一人がそう尋ねる。
「い、いえ。まさかこうもあっさりこの条件を受け入れるとは思っていなかったので。ですが……本当にいいのですか?」
「全面的に任せたグラストがそのような状況で交渉をしてきたんだ。そうである以上、その交渉条件をこちらで勝手に反故にする訳にはいかないだろう」
「ですが……マジックバッグですよ? それもダーロット様がようやく入手した物です。それをそう簡単に受け入れてもいいんですか?」
「ダーロット様から許可は貰っている。今回の件について、ダーロット様も色々と思うところがあるのだろう」
最後までは言わないが、ダーロットは部下が暴走するのを見越してはいたものの、それでもここまで大規模な事態になるとは思っていなかった。
下手な真似をすれば、ドレミナに隕石が降ってくるかもしれないのだ。
自分のミスでそのようなことになった以上、ダーロットとしては苦労して入手したマジックバッグではあるが、それを手放す覚悟は出来ている。
ただ……それでも素直に相手の話を聞かない辺り、やり手の領主なのだろうが。
「だが……それでも、マジックバッグは渡すが、それだけを素直に聞くというのも少し問題がある」
そう言ったのは、騎士団長や副騎士団長ではなく役人たちの一人。
それもここに集まっている役人たちの中でも、明らかに高い地位にいると思われる男だ。
元々この部屋にいるのは、本当に限られた者たちなのだが、その中でもさらに高い地位にいると思われるのだから、ドレミナにいる役人の中でも頂点に近い位置にいる者なのは間違いない。
「少し問題、ですか?」
グラストが戸惑いと共に尋ねる。
グラストにしてみれば、黎明の覇者やイオがどれだけ危険な相手なのかというのは十分に理解している。
そうである以上、和平交渉として条件が纏まり、領主のダーロットもマジックバッグを引き渡すのに同意している以上は、可能な限り早く条件を満たした方がいいと思う。
この上でまだ黎明の覇者に対して無理な条件を突きつけ、それで怒らせてしまい……結果としてドレミナに隕石が降ってきたら、どうするというのか。
そんなグラストの様子から、何を心配しているのかを理解したのだろう。
役人は落ち着かせるように口を開く。
「現在、ドレミナは……というか、ダーロット様の領地をグルタス伯爵が狙っている」
これについては、グラストも知っている。
そもそも、黎明の覇者やイオとダーロットが揉める原因となった人物は、そのグルタス伯爵と繋がっていたのだから。
それを抜きにしても、グラストはグルタス伯爵については色々と思うところがある。
具体的には、自分と名前が一文字違いであるという点が大きい。
ダーロットを敵視するグルタスと一文字だけ名前が違うということで、多少なりとも不利益を被ったことはそれなりにあるのだから。
「はい。その辺りについては聞いていますが……」
グラストの言葉に、ならば分かるだろうと役人は言葉を続ける。
「こちらに入っている情報によると、グルタス伯爵は兵力を集めているらしい。今回の一件が失敗したのだから、妙なことは考えないと思っていたのだが……生憎、そのようなことはないらしい」
「つまり、攻めてくると?」
「そうだ。だからこそ、マジックバッグの件についてはこの戦いが終わってからということになる」
「……つまり、そう言って黎明の覇者をこちらの戦力に引きずり込めと?」
役人は何も答えず、だが笑みを浮かべるだけだった。
本来ならまだ早朝と呼ぶべき時間で、グラストはともかく上司はいつもはもっと遅くに領主の館にやってくるのだが……今回に限っては、そのような時間的余裕はない。
黎明の覇者との和平交渉の場で要求されたのが、金や宝石といったものではなくマジックアイテム……それもドレミナの領主であるダーロットが最近入手した、非常に高性能な物だったのだから。
グラストが交渉については全面的な権限を与えられた以上、そして交渉が無事に結ばれた以上、ドレミナ側にマジックバッグを渡さないという選択肢はない。
そうである以上、上には確実に話を通す必要があった。
そして黎明の覇者がベヒモスの骨のあった場所から、いつこちらに向かってくるのかは分からないのだ。
……いや、分からないという訳ではない。
恐らく今日中にはやって来るだろうというのが、グラストやその上司の共通した考えだった。
そうである以上、今は少しでも早く話を通してマジックバッグの件を上にも理解させる必要があるのだ。
「全く、とんでもない真似をしてくれる」
上司の男はグラストに向かって苛立たしげな視線を向け、告げる。
グラストはそんな上司に対して、色々と言いたいことがあるのは間違いない。
それなら何故自分に全面的な権限を与えたのか、といったように。
しかし、今の状況でそのようなことを言っても意味がないのは事実。
それどころか、そのようなことを口にした場合は面倒なことになるのは間違いない。
であれば、今は大人しくしておくのが最善なのは間違いなかった。
「いいか? 今回の件についてはこちらでもしっかりと話をする。だが、ダーロット様が許容出来るかどうかは別の話だ。もし駄目だった場合、最悪黎明の覇者と戦いになるぞ」
和平交渉を結んだにもかかわらず、その交渉の条件となっているマジックバッグの譲渡を断る。
そのような真似をした場合、当然だが黎明の覇者との戦いになる可能性が高い。
「ですが、もし黎明の覇者と戦闘になった場合、いつドレミナに隕石が降ってくるか分かりません。それはドレミナにとっても大きな損失になるかと」
極論すれば、グラストがどんな手段を使ってでも黎明の覇者と和平する必要があると考え、実行したのはそれが原因だ。
黎明の覇者という傭兵団も、間違いなく厄介な相手だ。
しかし、それでも傭兵団である以上は普通に戦うことが出来る相手であるのも間違いはなかった。
それに比べると、イオは違う。
何の前触れもなく、突然隕石が降ってくるのだ。
それにどう対応しろというのか。
「隕石か。……それは魔法なのだろう? ならば、魔法使いの魔法で迎撃することは出来ないのか?」
「難しいと思います」
そう言うグラストだったが、その言葉は間違っていない。
事実、以前ベヒモスの素材や流星魔法を使うイオ――その当時はまだ名前が知られていなかったが――を確保しようと多数の勢力がやって来たとき、イオの使う流星魔法に魔法使いが必死に魔法を当てるといった真似をしたものの、それは結果的に意味がなかった。
いや、多少……本当に多少ではあるが隕石の勢いを弱めたりしたということで、全くの無意味ではなかったのだろうが。
「ふん。まぁ、いい。とにかく厄介なことになったな」
グラストに対してまだ言い足りなさそうな男だったものの、領主の館の中に入ったということもあり、これ以上は自分が何を言っても意味はない。
下手に目立つだけだと判断し、それ以上不満を口にすることはなかった。
「失礼します。黎明の覇者との交渉に行っていた部下が戻ってきましたが、問題があったようなので報告に来ました」
グラストの上司は、目的の部屋の扉をノックしてそう告げる。
すると数秒後、中に入るようにと扉の向こうから声が聞こえてきた。
失礼しますと口に出して部屋の中に入ると、そこにいたのはグラストの上司の上司……騎士団長や副騎士団長といった者達の他にも、地位の高い役人に姿がある。
本来ならまだ早い時間に、これだけの人数が集まっているというのは不思議なことだろう。
しかし今のこのドレミナの状況を思えば、これだけの重要人物が集まっているのはおかしくない。
それどころか、部屋の中に領主のダーロットがいないのが不思議なくらいだ。
「ダーロット様は現在他の領地から派遣された使者との面会を行っている。それが終われば、すぐにでもこちらに顔を出すだろう」
部屋の中を一瞥したグラストが何を思ったのか理解したのだろう。
部屋の中にいた一人が、グラストに向けてそう告げる。
「すみません」
「気にするな。今回の一件は、場合によってはドレミナの今後にも大きく影響してくる。その場にダーロット様がいないのを疑問に思ってもおかしくはない」
ダーロットは女好きという一面があり、場合によっては前日に女との一夜をすごすので、昼近くに起きるということも珍しくはない。
しかし、それはあくまでも余裕のあるときの話だ。
今このときのドレミナは、とてもではないがそんな余裕はない。
ゴブリンの軍勢が姿を現したかと思えば、隕石が降ってきてそれを殲滅する。
ベヒモスが現れた――こちらは当初誰も認識していなかったが――かと思えば、隕石が降ってきてそれを倒す。
二度の隕石を見てこれが人為的なものだと判断すると、ドレミナの騎士団だけではなくゴブリンの軍勢に対抗するために集まっていた傭兵団やそれ以外の勢力も隕石を落とした何かを確保するために動き出す。
黎明の覇者がそれに対処し、騎士団がおおよその事情を掴んで帰還すると、ダーロットと敵対する貴族と繋がっている者が情報を止め、勝手に命令を出して黎明の覇者とイオを確保しようとする。
だが、それは当然のように失敗し……そしてドレミナと敵対することになった黎明の覇者との和平交渉を結ぶ。
これらの諸々によって、ダーロットの仕事は多くなる。
……もっとも、まだ黎明の覇者の大部分がドレミナに残っていたとき、ローザを呼び出して口説いたりしていたのだが。
「それで……そうだな。まず結論から先に言おう。グラストの結んできた和平交渉の条件はきちんと履行される。マジックバッグ二個、それも片方はダーロット様が入手した物だが、それもきちんと引き渡す」
「……え?」
あっさりと口に出されたその言葉に、信じられないといった声を出したのはグラスト……ではなく、その上司。
先に報告を送っておいたものの、ここに来るまで散々グラストにこの条件では無理だと言っていたのだが、あっさりと覆されたのだ。
そのような声を出すなという方が無理だろう。
「どうした?」
その声に、部屋にいた一人……役人の一人がそう尋ねる。
「い、いえ。まさかこうもあっさりこの条件を受け入れるとは思っていなかったので。ですが……本当にいいのですか?」
「全面的に任せたグラストがそのような状況で交渉をしてきたんだ。そうである以上、その交渉条件をこちらで勝手に反故にする訳にはいかないだろう」
「ですが……マジックバッグですよ? それもダーロット様がようやく入手した物です。それをそう簡単に受け入れてもいいんですか?」
「ダーロット様から許可は貰っている。今回の件について、ダーロット様も色々と思うところがあるのだろう」
最後までは言わないが、ダーロットは部下が暴走するのを見越してはいたものの、それでもここまで大規模な事態になるとは思っていなかった。
下手な真似をすれば、ドレミナに隕石が降ってくるかもしれないのだ。
自分のミスでそのようなことになった以上、ダーロットとしては苦労して入手したマジックバッグではあるが、それを手放す覚悟は出来ている。
ただ……それでも素直に相手の話を聞かない辺り、やり手の領主なのだろうが。
「だが……それでも、マジックバッグは渡すが、それだけを素直に聞くというのも少し問題がある」
そう言ったのは、騎士団長や副騎士団長ではなく役人たちの一人。
それもここに集まっている役人たちの中でも、明らかに高い地位にいると思われる男だ。
元々この部屋にいるのは、本当に限られた者たちなのだが、その中でもさらに高い地位にいると思われるのだから、ドレミナにいる役人の中でも頂点に近い位置にいる者なのは間違いない。
「少し問題、ですか?」
グラストが戸惑いと共に尋ねる。
グラストにしてみれば、黎明の覇者やイオがどれだけ危険な相手なのかというのは十分に理解している。
そうである以上、和平交渉として条件が纏まり、領主のダーロットもマジックバッグを引き渡すのに同意している以上は、可能な限り早く条件を満たした方がいいと思う。
この上でまだ黎明の覇者に対して無理な条件を突きつけ、それで怒らせてしまい……結果としてドレミナに隕石が降ってきたら、どうするというのか。
そんなグラストの様子から、何を心配しているのかを理解したのだろう。
役人は落ち着かせるように口を開く。
「現在、ドレミナは……というか、ダーロット様の領地をグルタス伯爵が狙っている」
これについては、グラストも知っている。
そもそも、黎明の覇者やイオとダーロットが揉める原因となった人物は、そのグルタス伯爵と繋がっていたのだから。
それを抜きにしても、グラストはグルタス伯爵については色々と思うところがある。
具体的には、自分と名前が一文字違いであるという点が大きい。
ダーロットを敵視するグルタスと一文字だけ名前が違うということで、多少なりとも不利益を被ったことはそれなりにあるのだから。
「はい。その辺りについては聞いていますが……」
グラストの言葉に、ならば分かるだろうと役人は言葉を続ける。
「こちらに入っている情報によると、グルタス伯爵は兵力を集めているらしい。今回の一件が失敗したのだから、妙なことは考えないと思っていたのだが……生憎、そのようなことはないらしい」
「つまり、攻めてくると?」
「そうだ。だからこそ、マジックバッグの件についてはこの戦いが終わってからということになる」
「……つまり、そう言って黎明の覇者をこちらの戦力に引きずり込めと?」
役人は何も答えず、だが笑みを浮かべるだけだった。
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