139 / 181
最終章 悪魔の契約
138話 イリスの決断と提案
しおりを挟む
城に帰ってこれたのは、丁度正午だったのでイリスは食事中だったが、構わず食事中の所を訪問した。
「イリス!」
「テツロウッ!!・・・ごほんっ、王族に呼び捨てとは失礼にも程があるぞ貴様。立場をわきまえろ」
「失礼。どうしても急を要する事なのでつい・・・」
「まあ良い私は寛大だ。今回の事は水に流してやろう。お前達は食堂から出て行ってくれ。まずは1対1で話したい」
「「「はっ!!」」」
イリスの警備に当たっていた兵士達が食堂から出ていくのを確認すると、イリスは隣に座る様に促してきた。所有者無き土地からここに来るまで休み無しだったのでありがたく座らせてもらう。
「その様子だと、有益な情報が得られたのは間違いないみたいだな。なので、甘えるのはまた今度にしておこう。今は時間に余裕がある。何があったのかを丁寧に説明してくれ」
遺跡でパンジグの王女トラコと会った事、古書館で見つけた日記に書かれていた内容、今の魔獣王が死んだら悪魔が魔獣人の体を乗っ取る事を丁寧に説明した。
かなりぶっ飛んだ話だし、空いた口が塞がらなくなるような内容だったのにイリスは説明を聞きながら涼しげな顔でパスタを美味しそうに頬張っていた。
「それはかなりマズイな。パンジグの王女が協力者になってくれたのは心強いが、今の魔獣王を止めるのはほとんど不可能に近いだろうな。パンジグの状況は、私も把握している。今や非戦闘員である国民ですら、血の気が多くなっていると聞く。それは果たして現魔獣王のカリスマ性からなのかはたまた悪魔に体を乗っ取られかけているからか。どちらにせよ、魔獣王は殺せないな」
「戦争素人の俺が言うのもなんだけども、殺さず生け捕りっていうのは殺すよりもかなり大変なんじゃないか?」
「ああ、何て言ったって命を奪わずに無力化するわけだしな。骨だけが折れるのではあればありがたいものだが、実際は多くの人間が死ぬだろうな。現魔獣王は将軍の誰よりも強いと聞くしな」
「じゃあ、どうすれば・・・ジュリエットの勇者スキルも覚醒させられなかったし、彼女以外の圧倒的な戦力と言えばニアだけど、彼女でも生け捕りはほぼ不可能に近いかと・・・」
「そう、だから我が軍の戦力の底上げを頼みたい。テツロウのスキル『買取』なら可能だろう?有能だけど使い方に困っているスキルを持っている者からスキルを購入し、それを求めている者、適正が高い戦士に渡せば戦力を一気に増強できるはずだ。頼めるか?」
更に俺がこれまで買いためてきたスキルもある。それを、強いけどスキルが微妙な兵士や騎士に渡せば全体的な戦力向上が図れる!少し前までやっていた事なのだが、最近は戦い続きでついつい忘れてしまっていた。
「そうか!その手があったか!ありがとうイリス!君が言わなきゃ思い出せなかった」
「ふふふ。そうだろう?そうだろう!?もっと褒めてくれてもいいんだぞ。それと、トイレに連れて行ってくれないか?これから起こる事を考えたら吐きそうだ・・・」
「だよね、こんな状況で冷静を保てるわけないよね。トイレまで我慢しててね!」
食べていたのはトマトパスタだったからか、吐き出したゲロの色は少し赤が混じっていた。
「イリス!」
「テツロウッ!!・・・ごほんっ、王族に呼び捨てとは失礼にも程があるぞ貴様。立場をわきまえろ」
「失礼。どうしても急を要する事なのでつい・・・」
「まあ良い私は寛大だ。今回の事は水に流してやろう。お前達は食堂から出て行ってくれ。まずは1対1で話したい」
「「「はっ!!」」」
イリスの警備に当たっていた兵士達が食堂から出ていくのを確認すると、イリスは隣に座る様に促してきた。所有者無き土地からここに来るまで休み無しだったのでありがたく座らせてもらう。
「その様子だと、有益な情報が得られたのは間違いないみたいだな。なので、甘えるのはまた今度にしておこう。今は時間に余裕がある。何があったのかを丁寧に説明してくれ」
遺跡でパンジグの王女トラコと会った事、古書館で見つけた日記に書かれていた内容、今の魔獣王が死んだら悪魔が魔獣人の体を乗っ取る事を丁寧に説明した。
かなりぶっ飛んだ話だし、空いた口が塞がらなくなるような内容だったのにイリスは説明を聞きながら涼しげな顔でパスタを美味しそうに頬張っていた。
「それはかなりマズイな。パンジグの王女が協力者になってくれたのは心強いが、今の魔獣王を止めるのはほとんど不可能に近いだろうな。パンジグの状況は、私も把握している。今や非戦闘員である国民ですら、血の気が多くなっていると聞く。それは果たして現魔獣王のカリスマ性からなのかはたまた悪魔に体を乗っ取られかけているからか。どちらにせよ、魔獣王は殺せないな」
「戦争素人の俺が言うのもなんだけども、殺さず生け捕りっていうのは殺すよりもかなり大変なんじゃないか?」
「ああ、何て言ったって命を奪わずに無力化するわけだしな。骨だけが折れるのではあればありがたいものだが、実際は多くの人間が死ぬだろうな。現魔獣王は将軍の誰よりも強いと聞くしな」
「じゃあ、どうすれば・・・ジュリエットの勇者スキルも覚醒させられなかったし、彼女以外の圧倒的な戦力と言えばニアだけど、彼女でも生け捕りはほぼ不可能に近いかと・・・」
「そう、だから我が軍の戦力の底上げを頼みたい。テツロウのスキル『買取』なら可能だろう?有能だけど使い方に困っているスキルを持っている者からスキルを購入し、それを求めている者、適正が高い戦士に渡せば戦力を一気に増強できるはずだ。頼めるか?」
更に俺がこれまで買いためてきたスキルもある。それを、強いけどスキルが微妙な兵士や騎士に渡せば全体的な戦力向上が図れる!少し前までやっていた事なのだが、最近は戦い続きでついつい忘れてしまっていた。
「そうか!その手があったか!ありがとうイリス!君が言わなきゃ思い出せなかった」
「ふふふ。そうだろう?そうだろう!?もっと褒めてくれてもいいんだぞ。それと、トイレに連れて行ってくれないか?これから起こる事を考えたら吐きそうだ・・・」
「だよね、こんな状況で冷静を保てるわけないよね。トイレまで我慢しててね!」
食べていたのはトマトパスタだったからか、吐き出したゲロの色は少し赤が混じっていた。
58
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる