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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第十七話 【朗報】幸助、棄教
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次の日、幸助と蘭丸はギルドではなく豊作の神ラコルトのいる農村へと足を運んでいた。
「おや、冒険者様。今日はどうなさったのです?」
「実はラコルト様に用がありまして。あれから場所は変わってないですよね?」
「はい、勿論でございます。では、こちらへとどうぞ」
隠居生活の老人に案内された場所は老人が所有する畑の近くの石像。幸助達が近づいて来るやいなや、石像が突如として光り出す。光は人の形を形成し、幸助達の前へと現れる。豊作の神ラコルトの登場だ。
「どうもコウスケさん。まさかこんなにも早く絶縁草を見つけるとは思いませんでしたよ。・・・おや?そちらの異国の恰好の方は?」
「拙者の名は小林蘭丸。幸助と同じく異世界からやってきたしがない武士でございます。今回は神である貴方にお願いがあって馳せ参じました」
「私に用ですか?分かりました。では、コウスケさんの用を終わらせてからでよろしいでしょうか?」
「はい・・・ありがとうございます」
「では、棄教の準備を始めましょう。準備はよろしいでしょうか?」
「はい!いつでも!!」
幸助はリュックから絶縁草を取り出し、ラコルトに渡す。
「では、私に首を垂れるように頭をさげて下さい」
「はい・・・」
王族の前でひざまずく騎士のように片膝をつき、頭をラコルト様へと近づける。ラコルト様は絶縁草を自分の額に近づけ、祈りを捧げ始めた。
「気高き契約の神コントラよ。この者を縛り付ける契約の鎖を打ち砕き給え・・・」
すると、絶縁草は淡い光を纏い始めた。その様子にその場にいた村人と蘭丸さんは驚く。
「なっ・・・!!」
「皆さんお静かに・・・では、燃やします」
ラコルト様は指先に魔術で小さな火を発生させると、絶縁草に点火させる。まだ、植物として新鮮な状態で水分も含んでいる絶縁草はゆっくりと煙を出しながら燃え始めた。ラコルト様は燃える絶縁草を手で扇ぎ、その煙を俺の頭へと浴びせてくる。
煙の匂いが鼻付近で漂い始めた次の瞬間、右肩・・・アモーラ教の証が刻まれている箇所に激痛が走る。
「くっ!・・・ふっ!!」
例えるなら鋭い爪でシールをはがす要領でべりべりと皮膚をはがされているような感覚だ。これが一方的に神との契約を解除する時のデメリットなのか!?
大声をだせば多少だが痛みは和らぐのだろう。しかし、神の儀式という事もあり、途中で何かしらアクションを起こしたら儀式が失敗に終わってしまう可能性があるので声を気合で押し殺して我慢する。大体30分程続いたか?次第に痛みは消え、楽になる。
「・・・これで契約解除の儀式は終わりです。お疲れ様でした」
「ハァ・・・ハァ・・・ありがとう、ございました・・・」
服を脱いで右肩を確認する。少し前まであったアモーラ教の証が消え、元の素肌に戻っていた。この時、この世界に来てから一切感じていなかった感覚が身体の奥底からこみあげてくる。その感覚の名前は『解放感』。ようやく自由になったのだと、俺は叫んで喜んだ。
「うおおおおおおおおおおお!!これで俺も自由だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
村人達が驚く程に叫んだ。叫んで叫んで喉を枯らした。ずっと望んでいたものがようやっと手に入った。こんな喜びは受験に合格した時依頼だ。
「ありがとうございます!ラコルト様!!本当に本当にありがとうございます!!これであの女神の悪口が言える・・・!!」
「ははは。どういたしまして・・・あまり言い過ぎないようにしてくださいね?もしかしたら天罰が下りてくるかもしれないので・・・」
ラコルト様の言葉で一瞬で肝が冷える。そうだ、仮にも女神なんだ。信仰者でなくても容易に人間に天罰を下す事はできるだろう。
「では、次は貴方。私への用とは一体何でしょうか?」
ラコルトの目線が蘭丸へと向けられる。やっときた自分の順番に蘭丸は心を躍らせながら話した。
「拙者は、この世界に来る前はとある方に仕えていました。ですが、その方の名前と顔が全く思い出せないのです。ですが、神の貴方なら『記憶』を司る神を知っているのではないかとそこの幸助に言われてここへとやってきました。単刀直入に聞きます!!ラコルト様・・・貴方は記憶の神をご存知ですか?」
一回で簡潔的に事情を話し、目的を伝える。ラコルトは蘭丸の話を聞くと、「う~~ん」と唸り、腕を組み、考え始めた。
「・・・私も天界にいたのはかなり昔の事の上にあまり長い期間滞在していなかったので、多くの神と知り合ったわけではありません。ですが、私の天界にいる時にいつも優しくしてくれた忘却の神と世間話をしている時にこう言い零した事がありました『記憶の女神まじうぜーー。記憶を忘れさせていたずらしてぇけど、力の相性が悪すぎて記憶を消す事ができねぇ』と」
蘭丸の顔に希望が宿る。
「つ、つまり記憶の神は存在するという事ですね?」
「はい。信仰者も多いと聞いた事があるので今も健在だと思われます。ですが、何処に信者がいるのかは分かりません。宗教の自由があるこのフラムにいるとは思うのですが・・・」
申し訳なさそうにするラコルトだが、蘭丸の表情は決して暗いものではなかった。むしろ今まで一番明るかった。
「それだけが知れただけでも拙者は生きる意味を見出せました。ありがとうございます、豊作の神ラコルト様。拙者はこれでまた明日へ歩きだす事が出来るようになりました」
「それは良かったです。他には何かございますか?」
そう聞かれた蘭丸は右肩を少し撫でるとこう答えた。
「幸助。まだ絶縁草は残っているか?」
「はい、もしもの時の為にいくつか予備を採ってきています」
「一つ分けて貰ってもいいだろうか?拙者もあの女神と縁を切りたい。いい加減、頭にあの女神の声が聞こえてくるのもうんざりしていた所だからな」
自分は1か月も経たずに限界を迎えていたのに、1年も耐えた蘭丸さんは凄いと思う幸助だった。
「分かりました・・・では始めます」
この日、2人の男が女神から解放された。
「おや、冒険者様。今日はどうなさったのです?」
「実はラコルト様に用がありまして。あれから場所は変わってないですよね?」
「はい、勿論でございます。では、こちらへとどうぞ」
隠居生活の老人に案内された場所は老人が所有する畑の近くの石像。幸助達が近づいて来るやいなや、石像が突如として光り出す。光は人の形を形成し、幸助達の前へと現れる。豊作の神ラコルトの登場だ。
「どうもコウスケさん。まさかこんなにも早く絶縁草を見つけるとは思いませんでしたよ。・・・おや?そちらの異国の恰好の方は?」
「拙者の名は小林蘭丸。幸助と同じく異世界からやってきたしがない武士でございます。今回は神である貴方にお願いがあって馳せ参じました」
「私に用ですか?分かりました。では、コウスケさんの用を終わらせてからでよろしいでしょうか?」
「はい・・・ありがとうございます」
「では、棄教の準備を始めましょう。準備はよろしいでしょうか?」
「はい!いつでも!!」
幸助はリュックから絶縁草を取り出し、ラコルトに渡す。
「では、私に首を垂れるように頭をさげて下さい」
「はい・・・」
王族の前でひざまずく騎士のように片膝をつき、頭をラコルト様へと近づける。ラコルト様は絶縁草を自分の額に近づけ、祈りを捧げ始めた。
「気高き契約の神コントラよ。この者を縛り付ける契約の鎖を打ち砕き給え・・・」
すると、絶縁草は淡い光を纏い始めた。その様子にその場にいた村人と蘭丸さんは驚く。
「なっ・・・!!」
「皆さんお静かに・・・では、燃やします」
ラコルト様は指先に魔術で小さな火を発生させると、絶縁草に点火させる。まだ、植物として新鮮な状態で水分も含んでいる絶縁草はゆっくりと煙を出しながら燃え始めた。ラコルト様は燃える絶縁草を手で扇ぎ、その煙を俺の頭へと浴びせてくる。
煙の匂いが鼻付近で漂い始めた次の瞬間、右肩・・・アモーラ教の証が刻まれている箇所に激痛が走る。
「くっ!・・・ふっ!!」
例えるなら鋭い爪でシールをはがす要領でべりべりと皮膚をはがされているような感覚だ。これが一方的に神との契約を解除する時のデメリットなのか!?
大声をだせば多少だが痛みは和らぐのだろう。しかし、神の儀式という事もあり、途中で何かしらアクションを起こしたら儀式が失敗に終わってしまう可能性があるので声を気合で押し殺して我慢する。大体30分程続いたか?次第に痛みは消え、楽になる。
「・・・これで契約解除の儀式は終わりです。お疲れ様でした」
「ハァ・・・ハァ・・・ありがとう、ございました・・・」
服を脱いで右肩を確認する。少し前まであったアモーラ教の証が消え、元の素肌に戻っていた。この時、この世界に来てから一切感じていなかった感覚が身体の奥底からこみあげてくる。その感覚の名前は『解放感』。ようやく自由になったのだと、俺は叫んで喜んだ。
「うおおおおおおおおおおお!!これで俺も自由だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
村人達が驚く程に叫んだ。叫んで叫んで喉を枯らした。ずっと望んでいたものがようやっと手に入った。こんな喜びは受験に合格した時依頼だ。
「ありがとうございます!ラコルト様!!本当に本当にありがとうございます!!これであの女神の悪口が言える・・・!!」
「ははは。どういたしまして・・・あまり言い過ぎないようにしてくださいね?もしかしたら天罰が下りてくるかもしれないので・・・」
ラコルト様の言葉で一瞬で肝が冷える。そうだ、仮にも女神なんだ。信仰者でなくても容易に人間に天罰を下す事はできるだろう。
「では、次は貴方。私への用とは一体何でしょうか?」
ラコルトの目線が蘭丸へと向けられる。やっときた自分の順番に蘭丸は心を躍らせながら話した。
「拙者は、この世界に来る前はとある方に仕えていました。ですが、その方の名前と顔が全く思い出せないのです。ですが、神の貴方なら『記憶』を司る神を知っているのではないかとそこの幸助に言われてここへとやってきました。単刀直入に聞きます!!ラコルト様・・・貴方は記憶の神をご存知ですか?」
一回で簡潔的に事情を話し、目的を伝える。ラコルトは蘭丸の話を聞くと、「う~~ん」と唸り、腕を組み、考え始めた。
「・・・私も天界にいたのはかなり昔の事の上にあまり長い期間滞在していなかったので、多くの神と知り合ったわけではありません。ですが、私の天界にいる時にいつも優しくしてくれた忘却の神と世間話をしている時にこう言い零した事がありました『記憶の女神まじうぜーー。記憶を忘れさせていたずらしてぇけど、力の相性が悪すぎて記憶を消す事ができねぇ』と」
蘭丸の顔に希望が宿る。
「つ、つまり記憶の神は存在するという事ですね?」
「はい。信仰者も多いと聞いた事があるので今も健在だと思われます。ですが、何処に信者がいるのかは分かりません。宗教の自由があるこのフラムにいるとは思うのですが・・・」
申し訳なさそうにするラコルトだが、蘭丸の表情は決して暗いものではなかった。むしろ今まで一番明るかった。
「それだけが知れただけでも拙者は生きる意味を見出せました。ありがとうございます、豊作の神ラコルト様。拙者はこれでまた明日へ歩きだす事が出来るようになりました」
「それは良かったです。他には何かございますか?」
そう聞かれた蘭丸は右肩を少し撫でるとこう答えた。
「幸助。まだ絶縁草は残っているか?」
「はい、もしもの時の為にいくつか予備を採ってきています」
「一つ分けて貰ってもいいだろうか?拙者もあの女神と縁を切りたい。いい加減、頭にあの女神の声が聞こえてくるのもうんざりしていた所だからな」
自分は1か月も経たずに限界を迎えていたのに、1年も耐えた蘭丸さんは凄いと思う幸助だった。
「分かりました・・・では始めます」
この日、2人の男が女神から解放された。
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