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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第十九話 借金魔術師
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「じゃあ、拙者はその時にありもしない病にて死亡したという事か!?」
「はい。そうなります・・・ですが、戦国時代では既に中国以外の海外の人との交流が始まった時期でもありますので、その時に誰かが持ってきた可能性もあります。俺は本に書いてある事しか知らないので、断定はできません・・・」
「そ、そうか・・・確かに拙者はあちらの世界に居た時に海外から来た者と対面した事がある。もしかしたらその時に移されたのかも知れぬ」
「もしくは女神アモーラがこっちに呼び出す為に発症させたのかもしれませんね」
「なっ・・・!そんな事をするはずがないだろう!?仮にもあのアマは女神!人を導く存在だ!!そんな存在がこの世界を救ってほしいというだけで拙者たちを殺すわけ・・・殺す、わけ・・・」
蘭丸さんの反撃が途中で終わってしまう。彼も言ってる途中で有り得るかもしれないと思ってしまったのだろう。俺も最初はあり得ないと思うようにしていた。しかし、ふと思ったのだ。何故、俺は癌が進行しているのに気が付かなかったのだろうと。勉強が忙しかったからって、自分の体調の良し悪しを判断できない程、俺はバカではない。それにステージ3に入っているであろう時期にも全く身体に異常は無かった。そう、末期になってから体調が一気に悪くなったのだ。
「記憶の女神の信者も探しながら女神アモーラの考えも探ってみませんか?」
「・・・そうだな」
これ以上考えても仕方ないと考えた幸助と蘭丸は揺れる馬車の中で今日の疲れを取るべく少しの間眠りについた。
★
「ふう・・・もう夕方か・・・」
フラム城下町に帰ってきた時には既に太陽は顔を半分隠し、空はオレンジ色に染まっていた。
「拙者は鍛冶屋に寄る予定があるのでこれにて失礼する。また明日会おう」
「はい!お疲れ様でした」
ギルドの宿に入る前に蘭丸さんと別れる。刀という繊細な武器を使っているので定期的なメンテナンスが必要らしい。
「さて、何食べに行こうかな・・・」
「それじゃあ、パスタとかどうかなぁ~~?」
耳元からねっちょりとした女性の声。驚いて後ろをふり向くと、そこには定番のアンリが立っていた。しかし、いつものように腰に剣は帯びておらず、代わりに首にアモーラ教の紋様の形をしたペンダントが下げられていた。
「えへへ~驚いた?驚いたでしょ?」
「ホントだよ・・・それで?今日は依頼に行ってたわけじゃないの?」
「うん!ちょっと教会に行ってアモーラ様に近状報告してたの!最近依頼ばっかりで全然いけてなかったから」
「そうなんだ。それじゃ行k──────」
「おおっ!!コウスケ!帰ってきてたのか!?丁度良い!これから一緒に飯食いに行かねぇか?」
宿の入口前で話していると、同じく腹を空かせた先輩冒険者がやってきた。服は綺麗だが、身体中、生傷だらけである。
「討伐依頼ですか?」
「応よ!今日は本当に大変だった。でも、生きて帰ってこれたのは間違いなく闘神様のお陰だな!ガーハッハッハ!!」
「そうだったんですか。それは、お疲れ様です。丁度、俺も食べに行こうと思ったんですよ。アンリと一緒に」
「ん?アンリ?俺とお前以外には誰もいないぞ?」
「えっ?ほ、ほんとだ・・・」
先輩の言う通り、後ろにいたはずのアンリがいなかった。先に行ってしまったのだろうか?
「まあ、良いか。それじゃあ、行きましょうか!!」
「ああ!美味い飯で英気を養おうぜ!!」
結局、この後先輩とアンリがいつも通っている料理店に来たが、アンリの姿は無かった。
★
次の日、昨日は依頼をやらなかったので今日はしっかりとこなしてお金を稼ごうと張り切ってギルドへ向かった。いつも通り、冒険者達の活気ある声で賑わう掲示板前。だが、少し違った。
「お願いです!私を!どうか私を貴方のパーティに入れて下さい!!今日中にお金を返さなくてはいけないんです!!」
「知るか!俺達だって、命懸けでこの依頼を受けるんだ!お前みたいな魔術師、クソの役にも立たないんだよ!!」
とある剣士の男に銀髪ポニーテールの小柄な魔術師の少女が依頼に連れて行ってほしいと懇願していたのだ。しかし、そんな少女の懇願もむなしく、剣士の男は他の仲間と共に依頼へと向かって行ってしまった。魔術師は戦士や僧侶に比べて非力だと聞くし、やはり1人では討伐に行くのは難しいのだろうか?
それにあの娘、一昨日のコボルト討伐の時に見た覚えがある。あの激戦を生き残っているあたり、そこそこ実力はありそうだが、あの戦士にとっては足りなかったのだろうか?
「おはよう、幸助。して、今日はどの依頼をこなそうか?」
「おはようございます、蘭丸さん。そうですね・・・討伐でも行っちゃいます?」
「そうだな。では、いk──────」
「もしやあなた達、これから討伐に行かれるのですか!?」
「うおぅ!?」「何奴!?」
依頼で悩んでいると、先程、剣士の男に縋っていた魔術師の少女が俺達の前に立って、キラキラした目でこちらを見つめていた。
「お願いです!私どうかあなた方のパーティに入れて貰えないでしょうか?今日中にお金を返さなくてはならないんです!!」
「えっ?何、借金してるの!?」
「恥ずかしながら借金をしております!!借金の理由は必要以上に怪我させてしまった練習相手の治療費を払う為です!!」
「成程・・・では、あといくらぐらい必要なんだ?」
「残り1万1000アモです!!元は15万アモでした!!」
「あと少しと言った所か・・・あい分かった。では、一緒に行くとしよう」
「本当ですか!?やったぁ!!」
嬉しさのあまり飛び跳ねる小柄な魔術師。遠距離から攻撃してくれる人がいるだけでかなり戦闘が楽になるのは一昨日のコボルト戦で分かっている。報酬は3等分されてしまうが、パーティに入れる意味は十分あるだろう。
「私、メアリー・メイウェザーって言います!どうぞよろしくお願いします!!」
「泉幸助だ。コウスケって呼んでくれ」「小林蘭丸。ランマルで良い」
「はい!一生懸命頑張ります!!」
この世界がゲームの世界ならば、きっとここで『メアリーが仲間になった』とテロップが入るのだろうか?
「はい。そうなります・・・ですが、戦国時代では既に中国以外の海外の人との交流が始まった時期でもありますので、その時に誰かが持ってきた可能性もあります。俺は本に書いてある事しか知らないので、断定はできません・・・」
「そ、そうか・・・確かに拙者はあちらの世界に居た時に海外から来た者と対面した事がある。もしかしたらその時に移されたのかも知れぬ」
「もしくは女神アモーラがこっちに呼び出す為に発症させたのかもしれませんね」
「なっ・・・!そんな事をするはずがないだろう!?仮にもあのアマは女神!人を導く存在だ!!そんな存在がこの世界を救ってほしいというだけで拙者たちを殺すわけ・・・殺す、わけ・・・」
蘭丸さんの反撃が途中で終わってしまう。彼も言ってる途中で有り得るかもしれないと思ってしまったのだろう。俺も最初はあり得ないと思うようにしていた。しかし、ふと思ったのだ。何故、俺は癌が進行しているのに気が付かなかったのだろうと。勉強が忙しかったからって、自分の体調の良し悪しを判断できない程、俺はバカではない。それにステージ3に入っているであろう時期にも全く身体に異常は無かった。そう、末期になってから体調が一気に悪くなったのだ。
「記憶の女神の信者も探しながら女神アモーラの考えも探ってみませんか?」
「・・・そうだな」
これ以上考えても仕方ないと考えた幸助と蘭丸は揺れる馬車の中で今日の疲れを取るべく少しの間眠りについた。
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「ふう・・・もう夕方か・・・」
フラム城下町に帰ってきた時には既に太陽は顔を半分隠し、空はオレンジ色に染まっていた。
「拙者は鍛冶屋に寄る予定があるのでこれにて失礼する。また明日会おう」
「はい!お疲れ様でした」
ギルドの宿に入る前に蘭丸さんと別れる。刀という繊細な武器を使っているので定期的なメンテナンスが必要らしい。
「さて、何食べに行こうかな・・・」
「それじゃあ、パスタとかどうかなぁ~~?」
耳元からねっちょりとした女性の声。驚いて後ろをふり向くと、そこには定番のアンリが立っていた。しかし、いつものように腰に剣は帯びておらず、代わりに首にアモーラ教の紋様の形をしたペンダントが下げられていた。
「えへへ~驚いた?驚いたでしょ?」
「ホントだよ・・・それで?今日は依頼に行ってたわけじゃないの?」
「うん!ちょっと教会に行ってアモーラ様に近状報告してたの!最近依頼ばっかりで全然いけてなかったから」
「そうなんだ。それじゃ行k──────」
「おおっ!!コウスケ!帰ってきてたのか!?丁度良い!これから一緒に飯食いに行かねぇか?」
宿の入口前で話していると、同じく腹を空かせた先輩冒険者がやってきた。服は綺麗だが、身体中、生傷だらけである。
「討伐依頼ですか?」
「応よ!今日は本当に大変だった。でも、生きて帰ってこれたのは間違いなく闘神様のお陰だな!ガーハッハッハ!!」
「そうだったんですか。それは、お疲れ様です。丁度、俺も食べに行こうと思ったんですよ。アンリと一緒に」
「ん?アンリ?俺とお前以外には誰もいないぞ?」
「えっ?ほ、ほんとだ・・・」
先輩の言う通り、後ろにいたはずのアンリがいなかった。先に行ってしまったのだろうか?
「まあ、良いか。それじゃあ、行きましょうか!!」
「ああ!美味い飯で英気を養おうぜ!!」
結局、この後先輩とアンリがいつも通っている料理店に来たが、アンリの姿は無かった。
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次の日、昨日は依頼をやらなかったので今日はしっかりとこなしてお金を稼ごうと張り切ってギルドへ向かった。いつも通り、冒険者達の活気ある声で賑わう掲示板前。だが、少し違った。
「お願いです!私を!どうか私を貴方のパーティに入れて下さい!!今日中にお金を返さなくてはいけないんです!!」
「知るか!俺達だって、命懸けでこの依頼を受けるんだ!お前みたいな魔術師、クソの役にも立たないんだよ!!」
とある剣士の男に銀髪ポニーテールの小柄な魔術師の少女が依頼に連れて行ってほしいと懇願していたのだ。しかし、そんな少女の懇願もむなしく、剣士の男は他の仲間と共に依頼へと向かって行ってしまった。魔術師は戦士や僧侶に比べて非力だと聞くし、やはり1人では討伐に行くのは難しいのだろうか?
それにあの娘、一昨日のコボルト討伐の時に見た覚えがある。あの激戦を生き残っているあたり、そこそこ実力はありそうだが、あの戦士にとっては足りなかったのだろうか?
「おはよう、幸助。して、今日はどの依頼をこなそうか?」
「おはようございます、蘭丸さん。そうですね・・・討伐でも行っちゃいます?」
「そうだな。では、いk──────」
「もしやあなた達、これから討伐に行かれるのですか!?」
「うおぅ!?」「何奴!?」
依頼で悩んでいると、先程、剣士の男に縋っていた魔術師の少女が俺達の前に立って、キラキラした目でこちらを見つめていた。
「お願いです!私どうかあなた方のパーティに入れて貰えないでしょうか?今日中にお金を返さなくてはならないんです!!」
「えっ?何、借金してるの!?」
「恥ずかしながら借金をしております!!借金の理由は必要以上に怪我させてしまった練習相手の治療費を払う為です!!」
「成程・・・では、あといくらぐらい必要なんだ?」
「残り1万1000アモです!!元は15万アモでした!!」
「あと少しと言った所か・・・あい分かった。では、一緒に行くとしよう」
「本当ですか!?やったぁ!!」
嬉しさのあまり飛び跳ねる小柄な魔術師。遠距離から攻撃してくれる人がいるだけでかなり戦闘が楽になるのは一昨日のコボルト戦で分かっている。報酬は3等分されてしまうが、パーティに入れる意味は十分あるだろう。
「私、メアリー・メイウェザーって言います!どうぞよろしくお願いします!!」
「泉幸助だ。コウスケって呼んでくれ」「小林蘭丸。ランマルで良い」
「はい!一生懸命頑張ります!!」
この世界がゲームの世界ならば、きっとここで『メアリーが仲間になった』とテロップが入るのだろうか?
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