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二章 濡れ衣の男を救え!!
第九話 濡れ衣!?ジェイクの無罪を主張しろ
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「ランマル、お前が現れるつい1か月前の事だ。アイツは貴族の男を殺したとして逮捕されたんだ」
「クソ・・・遅かったか」
希望が再び絶たれてしまった蘭丸は打ちひしがれてしまう。やっとの思いで上から垂らしてもらった縄を切られてしまった蘭丸の顔はまるで死んだ魚のような顔だった。
「何で、貴族?ジェイクって人は殺した貴族に恨みでもあったんですか?」
「いや、特に接点はなかった。ジェイク自身も貴族には良いヤツと悪いヤツがいるから面倒臭いと語っていただけで貴族に特別恨みがあったわけではない。だから今でも疑問は残っている。だが、しっかりと裁判も行ったらしいんだ。お前も知っている通り、裁判官は真実の神の教徒だ。嘘を難なく見抜く」
真実の神の教徒は人間の嘘を見抜く能力を得る事ができる。故に冤罪の確率は0%だという。
「何でジェイクに会いたいかは分からないが、そんなに会いたいなら牢獄に行ってみたらどうだ?終身刑が言い渡されたらしいから面会はできるはずだ」
「どうします?蘭丸さん。会いに行きますか?」
「罪を被った者の力を借りようというのか?拙者は御免だ」
「さいですか・・・じゃあ、俺行ってきますわ」
もしかしたらジェイクという人から他の記憶の神の教徒を見つけられるかもしれない。会えるなら会ってみよう。
★
ケンタウロス退治から1日が経過。幸助は自警団の集会所へと訪れていた。面会と言っても、知りあいではない囚人と面会をする事は難しいらしい。そこで日々、犯罪者を逮捕していて、交流もある自警団なら力を貸してくれると思ったからだ。
「えぇ?ジェイクと面会がしたい?あの大悪党と?」
「はい。ちょっと彼から知りたい事がありまして」
「でも、知りあいではないから自警団を頼ったと。賢明だな。王国騎士に頼んでたら面倒な事になっていたぞ」
相談したのは自警団のリーダー。話の分かる良い人だ。
「本来なら駄目!!・・・だが、アンタには恩がある。面会できるようにしてみせるよ」
「流石は自警団のリーダー。出来る男ですね」
「褒めても何もでてこねぇぞ。ほら、行くぞ」
フラム城下町で犯罪を犯した者は自警団の集会所の近くにある。地下牢獄へと送られる。貴族を殺したジェイクもそこで監禁されているようだ。
「ジェイクってどんな人なんです?」
「市民の味方と呼ばれていた貴族を殺した大犯罪者!!・・・って、世間では言われているがとてもそんなヤツには見えないんだよな~~ギルドの奴らからも評判良かったし」
「でも、裁判官はジェイクが犯人だって見抜いたんでしょ?」
「ああ。でも、ジェイクは判決を喰らった後でもずっと無罪を主張した。今もたまに言っているらしいぜ」
「真実の神に見抜かれているのに?なんだか見苦しいですね」
ジェイクの詳細を聞いているうちに地下牢獄の入口に到着した。金属製の扉を開けると、すぐ下に穴が掘られており、梯子がかけられている。
「梯子を3回下りたらジェイクのいる階だ。面会時間は5分、俺も同伴だ。良いな?」
「はい」
梯子を下りた先の地下は壁も天井も床もレンガで固められており、とても頑丈な作りをしていた。左右には檻が作られており、中には黒と白のしましま模様の服を着た人が大量に閉じ込められている。囚人だ。囚人達は俺達を殺意のこもった目で見つめている。
「この地下牢獄は罪の重さによって、収監される階が異なり、下に行くにつれて凶悪犯罪者が多くなる。ここ地下1階にいる犯罪者は殺人未遂銀行強盗で捕まったヤツばかりだな。因みに地下3階までが最大だ」
「魔術師の犯罪者がいたら枷とか檻とか壊されるのでは?」
「魔力を吸い取る特殊な素材でできた枷を嵌めているから心配はない。元の世界では魔術は無いのか?」
「たまに魔術師を名乗るヤツはいましたけど、大体がインチキでしたね」
「そりゃあ、随分と面白そうな世界だな」
更に地下へと続く梯子を下りると、より凶暴そうな人達が檻の中に入っている。そういえば、アンリはどうしたのだろう?アンリぐらいの犯罪ならここに入っていると思うのだが──────
「アンリは女子監獄だ。この地下牢獄は男専用で、女専用はちょっと離れている」
「まあ、一緒にしたら檻の中で犯罪が起きるだろうし、妥当といえば妥当か」
そして、更に降りて地下3階。他の階と違って檻の中は木材で隠されており、見ることは出来ないようになっている。唯一ある穴は鍵穴と、食事を渡す為の横に細長い穴だけだ。
「地下3階の囚人は1つの檻に1人ずつ収監されている。そのまま檻に入って面会をするぞ」
「入った瞬間に閉じ込めたりはしないで下さいね?」
「俺から先に入るから安心しろ」
自警団のリーダーが案内してくれたのは1番右奥の檻だ。地上にいた看守から借りた鍵を使い、中へと入る。
中に入ると、全体的に痩せこけ、白髪混じりの金髪の青年が虚ろな目で壁をじっと見つめていた。他人が入ってきたというのに全くこちらを振り向こうとしないし、何か言おうともしない。まるで死体のような人だ。
「・・・コイツが、ジェイクだ。おい、ジェイク。お前と面会したい者を連れてきた。いつまでも壁を見てないでこっちを見ろ!」
リーダーが少し怒鳴ると、ジェイクはゆっくりと俺の方向を向いた。
「面、会・・・誰だ?この人・・・」
「お前に聞きたいことがある者だ。お前の知り合いではない」
「どうもはじめましてジェイクさん。俺の名前は泉幸助。冒険者ギルドの者です」
「俺は・・・ジェイク。ジェイク・ワトー・・・よろしく」
口数は少なく、声も震えているが、会話は可能なようだ。それに、礼儀もしっかりとしている。とてもじゃないが大悪党には見えない。
「早速、本題に入ります。貴方は記憶の神の教徒ですか?」
「ああ、そうだ・・・」
「記憶の神の教徒は失った記憶を戻せるという噂は?」
「本当だ・・・俺も治せる。君は、記憶を失ったのか・・・?」
「いえ、俺では無く仲間が記憶を失っています。大切な人の記憶を。その記憶をなんとかして取り戻すべく、記憶の神の教徒を探して、貴方にたどり着きました」
「・・・・・・」
「しかし、貴方はもうこの地下牢獄から出ることはできません。ですので、どうかお願いです。俺に他の記憶の神の教徒の居場所を教えていただけないでしょうか?」
ゆっくりと頭を下げ、幸助は懇願する。しかし、返ってきたのはまたしても望んでいない答えだった。
「・・・すまないが知らない。記憶の神の教徒は世界各国に散らばった・・・友だった彼らがどこにいるかも分からない・・・」
「そんな・・・」
再びふりだしに戻されてしまった。また1から調べなければ・・・。
「だが、俺がいる」
「え?でも、貴方はここから出られない──────」
「俺は何度でも言う。無罪だ」
虚ろだった瞳に一瞬だけ光が宿る。宿った瞳の光は俺の心を槍のように突き刺した。なんて真っ直ぐな目なのだろう。とてもじゃないが大悪党のする目ではない。
「俺の、無罪を、証明してくれ・・・」
効率としてはジェイクの無罪を証明する方が早い。しかし、そもそも濡れ衣ではない可能性だってある。そうだとすればとんだ無駄足だ。究極の二択だ、さあ、どうする?俺・・・。
「・・・・・・・・・・・・・分かりました引き受けましょう」
「ッ!!本当か!?本当に、本当に証明してくれるのか?俺を信じてくれるのか?」
「信じるか信じないかはまだ分かりません。信じるにはまだ情報が足りなさすぎますからね」
「だが、動いてくれるんだろう?俺を助ける為に!!」
「はい、利害の一致ってやつですね。ですが、証明できないと分かったら諦めますが・・・よろしいですね?」
「・・・分かった、期待している」
無罪を証明するなんて今までやった事はないが、これも蘭丸さんの為だ。やるしかない。
「時間切れだ。行くぞ」
「はい」
幸助と自警団のリーダーはジェイクの檻から出る。檻の鍵を閉めると、リーダーは俺に少し冷たい目線を向けてくる。
「・・・アイツの無罪を証明するのは至難の業だぞ?」
「そうかもしれませんね・・・でも、安心して下さい。今、名案が思い浮かびましたんで」
「名案・・・なんだ、言ってみろ」
すぐに無罪か有罪か判断する方法・・・あるじゃないか、凄い簡単な方法が。きっと、俺以外の人でも思い付いただろうが、既に『有罪』と判決が出てしまっているから誰も試さなかったのだろう。
「弁護士を紹介して下さい」
再審・・・控訴を求める。それこそ大罪人ジェイクを助ける方法である。
「クソ・・・遅かったか」
希望が再び絶たれてしまった蘭丸は打ちひしがれてしまう。やっとの思いで上から垂らしてもらった縄を切られてしまった蘭丸の顔はまるで死んだ魚のような顔だった。
「何で、貴族?ジェイクって人は殺した貴族に恨みでもあったんですか?」
「いや、特に接点はなかった。ジェイク自身も貴族には良いヤツと悪いヤツがいるから面倒臭いと語っていただけで貴族に特別恨みがあったわけではない。だから今でも疑問は残っている。だが、しっかりと裁判も行ったらしいんだ。お前も知っている通り、裁判官は真実の神の教徒だ。嘘を難なく見抜く」
真実の神の教徒は人間の嘘を見抜く能力を得る事ができる。故に冤罪の確率は0%だという。
「何でジェイクに会いたいかは分からないが、そんなに会いたいなら牢獄に行ってみたらどうだ?終身刑が言い渡されたらしいから面会はできるはずだ」
「どうします?蘭丸さん。会いに行きますか?」
「罪を被った者の力を借りようというのか?拙者は御免だ」
「さいですか・・・じゃあ、俺行ってきますわ」
もしかしたらジェイクという人から他の記憶の神の教徒を見つけられるかもしれない。会えるなら会ってみよう。
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ケンタウロス退治から1日が経過。幸助は自警団の集会所へと訪れていた。面会と言っても、知りあいではない囚人と面会をする事は難しいらしい。そこで日々、犯罪者を逮捕していて、交流もある自警団なら力を貸してくれると思ったからだ。
「えぇ?ジェイクと面会がしたい?あの大悪党と?」
「はい。ちょっと彼から知りたい事がありまして」
「でも、知りあいではないから自警団を頼ったと。賢明だな。王国騎士に頼んでたら面倒な事になっていたぞ」
相談したのは自警団のリーダー。話の分かる良い人だ。
「本来なら駄目!!・・・だが、アンタには恩がある。面会できるようにしてみせるよ」
「流石は自警団のリーダー。出来る男ですね」
「褒めても何もでてこねぇぞ。ほら、行くぞ」
フラム城下町で犯罪を犯した者は自警団の集会所の近くにある。地下牢獄へと送られる。貴族を殺したジェイクもそこで監禁されているようだ。
「ジェイクってどんな人なんです?」
「市民の味方と呼ばれていた貴族を殺した大犯罪者!!・・・って、世間では言われているがとてもそんなヤツには見えないんだよな~~ギルドの奴らからも評判良かったし」
「でも、裁判官はジェイクが犯人だって見抜いたんでしょ?」
「ああ。でも、ジェイクは判決を喰らった後でもずっと無罪を主張した。今もたまに言っているらしいぜ」
「真実の神に見抜かれているのに?なんだか見苦しいですね」
ジェイクの詳細を聞いているうちに地下牢獄の入口に到着した。金属製の扉を開けると、すぐ下に穴が掘られており、梯子がかけられている。
「梯子を3回下りたらジェイクのいる階だ。面会時間は5分、俺も同伴だ。良いな?」
「はい」
梯子を下りた先の地下は壁も天井も床もレンガで固められており、とても頑丈な作りをしていた。左右には檻が作られており、中には黒と白のしましま模様の服を着た人が大量に閉じ込められている。囚人だ。囚人達は俺達を殺意のこもった目で見つめている。
「この地下牢獄は罪の重さによって、収監される階が異なり、下に行くにつれて凶悪犯罪者が多くなる。ここ地下1階にいる犯罪者は殺人未遂銀行強盗で捕まったヤツばかりだな。因みに地下3階までが最大だ」
「魔術師の犯罪者がいたら枷とか檻とか壊されるのでは?」
「魔力を吸い取る特殊な素材でできた枷を嵌めているから心配はない。元の世界では魔術は無いのか?」
「たまに魔術師を名乗るヤツはいましたけど、大体がインチキでしたね」
「そりゃあ、随分と面白そうな世界だな」
更に地下へと続く梯子を下りると、より凶暴そうな人達が檻の中に入っている。そういえば、アンリはどうしたのだろう?アンリぐらいの犯罪ならここに入っていると思うのだが──────
「アンリは女子監獄だ。この地下牢獄は男専用で、女専用はちょっと離れている」
「まあ、一緒にしたら檻の中で犯罪が起きるだろうし、妥当といえば妥当か」
そして、更に降りて地下3階。他の階と違って檻の中は木材で隠されており、見ることは出来ないようになっている。唯一ある穴は鍵穴と、食事を渡す為の横に細長い穴だけだ。
「地下3階の囚人は1つの檻に1人ずつ収監されている。そのまま檻に入って面会をするぞ」
「入った瞬間に閉じ込めたりはしないで下さいね?」
「俺から先に入るから安心しろ」
自警団のリーダーが案内してくれたのは1番右奥の檻だ。地上にいた看守から借りた鍵を使い、中へと入る。
中に入ると、全体的に痩せこけ、白髪混じりの金髪の青年が虚ろな目で壁をじっと見つめていた。他人が入ってきたというのに全くこちらを振り向こうとしないし、何か言おうともしない。まるで死体のような人だ。
「・・・コイツが、ジェイクだ。おい、ジェイク。お前と面会したい者を連れてきた。いつまでも壁を見てないでこっちを見ろ!」
リーダーが少し怒鳴ると、ジェイクはゆっくりと俺の方向を向いた。
「面、会・・・誰だ?この人・・・」
「お前に聞きたいことがある者だ。お前の知り合いではない」
「どうもはじめましてジェイクさん。俺の名前は泉幸助。冒険者ギルドの者です」
「俺は・・・ジェイク。ジェイク・ワトー・・・よろしく」
口数は少なく、声も震えているが、会話は可能なようだ。それに、礼儀もしっかりとしている。とてもじゃないが大悪党には見えない。
「早速、本題に入ります。貴方は記憶の神の教徒ですか?」
「ああ、そうだ・・・」
「記憶の神の教徒は失った記憶を戻せるという噂は?」
「本当だ・・・俺も治せる。君は、記憶を失ったのか・・・?」
「いえ、俺では無く仲間が記憶を失っています。大切な人の記憶を。その記憶をなんとかして取り戻すべく、記憶の神の教徒を探して、貴方にたどり着きました」
「・・・・・・」
「しかし、貴方はもうこの地下牢獄から出ることはできません。ですので、どうかお願いです。俺に他の記憶の神の教徒の居場所を教えていただけないでしょうか?」
ゆっくりと頭を下げ、幸助は懇願する。しかし、返ってきたのはまたしても望んでいない答えだった。
「・・・すまないが知らない。記憶の神の教徒は世界各国に散らばった・・・友だった彼らがどこにいるかも分からない・・・」
「そんな・・・」
再びふりだしに戻されてしまった。また1から調べなければ・・・。
「だが、俺がいる」
「え?でも、貴方はここから出られない──────」
「俺は何度でも言う。無罪だ」
虚ろだった瞳に一瞬だけ光が宿る。宿った瞳の光は俺の心を槍のように突き刺した。なんて真っ直ぐな目なのだろう。とてもじゃないが大悪党のする目ではない。
「俺の、無罪を、証明してくれ・・・」
効率としてはジェイクの無罪を証明する方が早い。しかし、そもそも濡れ衣ではない可能性だってある。そうだとすればとんだ無駄足だ。究極の二択だ、さあ、どうする?俺・・・。
「・・・・・・・・・・・・・分かりました引き受けましょう」
「ッ!!本当か!?本当に、本当に証明してくれるのか?俺を信じてくれるのか?」
「信じるか信じないかはまだ分かりません。信じるにはまだ情報が足りなさすぎますからね」
「だが、動いてくれるんだろう?俺を助ける為に!!」
「はい、利害の一致ってやつですね。ですが、証明できないと分かったら諦めますが・・・よろしいですね?」
「・・・分かった、期待している」
無罪を証明するなんて今までやった事はないが、これも蘭丸さんの為だ。やるしかない。
「時間切れだ。行くぞ」
「はい」
幸助と自警団のリーダーはジェイクの檻から出る。檻の鍵を閉めると、リーダーは俺に少し冷たい目線を向けてくる。
「・・・アイツの無罪を証明するのは至難の業だぞ?」
「そうかもしれませんね・・・でも、安心して下さい。今、名案が思い浮かびましたんで」
「名案・・・なんだ、言ってみろ」
すぐに無罪か有罪か判断する方法・・・あるじゃないか、凄い簡単な方法が。きっと、俺以外の人でも思い付いただろうが、既に『有罪』と判決が出てしまっているから誰も試さなかったのだろう。
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