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二章 濡れ衣の男を救え!!
第十五話 リゼットの屋敷に迫る刺客 パート1
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割とすぐに訪問の理由を聞いてきた婦人に少し驚きながらも俺は素直に答えた。
「現在、濡れ衣を着せられて牢獄で動けないでいるジェイクさんを出す為です。彼にやってほしい事があるので」
「では、何故濡れ衣だと分かったのですか?」
「私が真実の神の力を借りて判断しました」
「では、裁判官達は彼の裁判の時に力を使わなかったと?」
「・・・はい。そういう事になります」
次々と判明する新事実にリゼットさんは驚くことはなかった。寧ろやはりかと言わんばかりの呆れ顔をしていた。
「・・・知っていたのですか?」
「有罪を言い渡されてもなお無罪を主張し続けたジェイクさん、驚きの速さで後釜となったアルベール家。以上の2点から怪しいと踏んでいました。ですが、私には夫と違って力はありません。あるのは彼の残した財産と優秀なメイド達のみ。今まで1年以上疑問を抱き続ける事しかできませんでした・・・」
リゼットさんは下を俯き、膝の上で握り拳を作る。震える拳が彼女の無念を物語っていた。
「私にできる事なら何でもいたします。ですので、どうかお願いです。夫の殺した真犯人を見つけ出して下さい」
突然立ち上がると、リゼットさんは俺達に向かってゆっくりと頭を下げてきた。その様子を見て、協力を得られると確信した俺は心の中でガッツポーズをしてみせる。
「ええ!!勿論です!共にヒロ氏の無念を晴らしましょう!!」
「・・・はい!よろしくお願いします・・・!」
リゼットさんのか細くも美しい手が握手を求めこちらへとやってくる。俺も失礼ながらタコだらけの手を前に出し、握手を──────
「キャアアアァァァァァ!!」
握手を交わそうとした瞬間、部屋からかなり離れた所から女性の悲鳴が聞こえてきた。悲鳴だけじゃない。ガラスを割る音も同時に聴こえてきた。
「どうやら侵入者のようですね」
「侵入者!?何で!?」
「恐らく暗殺が目的でしょう。貴方達に協力しようとした私のね」
「え・・・」
それじゃあ、今リゼットさんは俺達のせいで殺されかけているという事か?俺達がここに来なければ彼女は平穏に暮らせていたのではないか?
考えれば考える程、ネガティブな考えが浮かんでくる。自己嫌悪に陥りそうになった瞬間、マートルさんが背中を思い切り叩いてきた。
「何落ち込んでいるんですか!戦えるのは貴方しかいないんですよ?ちゃんとしてください!」
そうだ。今、俺がやるべきことは自己嫌悪ではなく暗殺の的になっているリゼットさんを守る事。自分で蒔いた種は自分で絶やさなくてはならない。ネガティブな事を考えるのはその後だ。
「でも、肝心の戦う武器がない・・・何か武器になる物はありますか?」
「武器ならそこにあるではありませんか」
リゼットさんが指さす先、扉の付近を見るとそこにはモーニングスターを持った鎧が飾られていた。元からあったのだろうが、リゼットさんに目が行って全く気が付かなかった。
メイドのものではない足音が迫っているのを感じ取った俺は特に躊躇する事なく、モーニングスターを手にした。相棒であるブロードソードとは比べ物にならない重量が俺の腕にのしかかる。
「重い・・・けど、使えそうだ」
棍棒は以前一回だけ使った事がある。その時と同じ要領で使えば良いのだろう。
「こんな事になるんだったら完全装備でくればよかった・・・」
「しのごの言ってないで!来ますよ!頑張って下さい!!」
リゼットさん、マートルさん、メイドさんは部屋の隅っこへと移動。出来る限り扉から身を隠す。俺は逆に扉に近づき耳を澄ました。
『どきな、姉ちゃん。怪我したくなければな』
『ただいまリゼット様とお客様が会話を楽しんでいます。誰にも邪魔する事は許しません』
『ケッ、こんな緊急事態に会話なんかしてるわけねぇだ・・・ろっ!!』
『キャア!!』
『ヘヘっ。それじゃあ、お邪魔しまーす』
下品な声と共に扉が開かれ、人影が現れる。俺は扉の横で息を殺し、刺客が部屋に顔を出した瞬間──────
「チェストォォォォォ!!」
モーニングスターを大きく振りかぶり、野球バットのように振った。
「あぎゃ!?」
ぐちゃりとトマトがつぶれるような音と、トマトのように赤い液体と肉が辺りにぶち撒かれる。不意打ちは成功したようだ。
「あ・・・が・・・」
向かい側の壁に胸に数個の穴が開いた男が口から血をマーライオンのように吐きながら俺を見つめる黒づくめの男が寄りかかっていた。
「ず、ずりゅい・・・ぞ・・・」
しばらく生きたが、多量出血と痛みに耐えられなかったのか恨みだけを述べて動かなくなった。ズルいのはお互い様は文句は言うなと言いそびれてしまった。
「現在、濡れ衣を着せられて牢獄で動けないでいるジェイクさんを出す為です。彼にやってほしい事があるので」
「では、何故濡れ衣だと分かったのですか?」
「私が真実の神の力を借りて判断しました」
「では、裁判官達は彼の裁判の時に力を使わなかったと?」
「・・・はい。そういう事になります」
次々と判明する新事実にリゼットさんは驚くことはなかった。寧ろやはりかと言わんばかりの呆れ顔をしていた。
「・・・知っていたのですか?」
「有罪を言い渡されてもなお無罪を主張し続けたジェイクさん、驚きの速さで後釜となったアルベール家。以上の2点から怪しいと踏んでいました。ですが、私には夫と違って力はありません。あるのは彼の残した財産と優秀なメイド達のみ。今まで1年以上疑問を抱き続ける事しかできませんでした・・・」
リゼットさんは下を俯き、膝の上で握り拳を作る。震える拳が彼女の無念を物語っていた。
「私にできる事なら何でもいたします。ですので、どうかお願いです。夫の殺した真犯人を見つけ出して下さい」
突然立ち上がると、リゼットさんは俺達に向かってゆっくりと頭を下げてきた。その様子を見て、協力を得られると確信した俺は心の中でガッツポーズをしてみせる。
「ええ!!勿論です!共にヒロ氏の無念を晴らしましょう!!」
「・・・はい!よろしくお願いします・・・!」
リゼットさんのか細くも美しい手が握手を求めこちらへとやってくる。俺も失礼ながらタコだらけの手を前に出し、握手を──────
「キャアアアァァァァァ!!」
握手を交わそうとした瞬間、部屋からかなり離れた所から女性の悲鳴が聞こえてきた。悲鳴だけじゃない。ガラスを割る音も同時に聴こえてきた。
「どうやら侵入者のようですね」
「侵入者!?何で!?」
「恐らく暗殺が目的でしょう。貴方達に協力しようとした私のね」
「え・・・」
それじゃあ、今リゼットさんは俺達のせいで殺されかけているという事か?俺達がここに来なければ彼女は平穏に暮らせていたのではないか?
考えれば考える程、ネガティブな考えが浮かんでくる。自己嫌悪に陥りそうになった瞬間、マートルさんが背中を思い切り叩いてきた。
「何落ち込んでいるんですか!戦えるのは貴方しかいないんですよ?ちゃんとしてください!」
そうだ。今、俺がやるべきことは自己嫌悪ではなく暗殺の的になっているリゼットさんを守る事。自分で蒔いた種は自分で絶やさなくてはならない。ネガティブな事を考えるのはその後だ。
「でも、肝心の戦う武器がない・・・何か武器になる物はありますか?」
「武器ならそこにあるではありませんか」
リゼットさんが指さす先、扉の付近を見るとそこにはモーニングスターを持った鎧が飾られていた。元からあったのだろうが、リゼットさんに目が行って全く気が付かなかった。
メイドのものではない足音が迫っているのを感じ取った俺は特に躊躇する事なく、モーニングスターを手にした。相棒であるブロードソードとは比べ物にならない重量が俺の腕にのしかかる。
「重い・・・けど、使えそうだ」
棍棒は以前一回だけ使った事がある。その時と同じ要領で使えば良いのだろう。
「こんな事になるんだったら完全装備でくればよかった・・・」
「しのごの言ってないで!来ますよ!頑張って下さい!!」
リゼットさん、マートルさん、メイドさんは部屋の隅っこへと移動。出来る限り扉から身を隠す。俺は逆に扉に近づき耳を澄ました。
『どきな、姉ちゃん。怪我したくなければな』
『ただいまリゼット様とお客様が会話を楽しんでいます。誰にも邪魔する事は許しません』
『ケッ、こんな緊急事態に会話なんかしてるわけねぇだ・・・ろっ!!』
『キャア!!』
『ヘヘっ。それじゃあ、お邪魔しまーす』
下品な声と共に扉が開かれ、人影が現れる。俺は扉の横で息を殺し、刺客が部屋に顔を出した瞬間──────
「チェストォォォォォ!!」
モーニングスターを大きく振りかぶり、野球バットのように振った。
「あぎゃ!?」
ぐちゃりとトマトがつぶれるような音と、トマトのように赤い液体と肉が辺りにぶち撒かれる。不意打ちは成功したようだ。
「あ・・・が・・・」
向かい側の壁に胸に数個の穴が開いた男が口から血をマーライオンのように吐きながら俺を見つめる黒づくめの男が寄りかかっていた。
「ず、ずりゅい・・・ぞ・・・」
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