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二章 濡れ衣の男を救え!!
エピローグ
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ジェイクさんの勝訴から1か月が経った。王国騎士団の解体や、ポールと手を組んでいた貴族の没落により、一時はパニックに陥っていたが、住民も1か月もすれば完全に適応し、城下町は元の姿を取り戻しつつあった。
俺も元の依頼をこなす生活へと戻り、仲間と楽しく人生を謳歌していた。布教?勿論、地道にやっている。ただ、ずっと布教ばかりしていたら頭がおかしくなってしまう。だから、布教も冒険もほどほどにしている。そして、今日は深夜の商業エリアに野菜を盗み食いする魔物の捕獲の依頼。初めての深夜の依頼という事で、内心ウキウキである。
「さぁ~~て、と!気合入れて張り込みと行きますか!」
報酬もたんまり貰えるので、天気は曇りで今にも雨が降りそうだが、俺の気分は最高だ。
他の仲間達は各々で別の場所に隠れて見つかる魔物に見つかる可能性を下げている。俺は路地裏に続く建物の間に身を潜めていた。路地裏の住民には顔が知られている為、路地裏の民に襲われる事はない。いつでも出られるように身を隠すには丁度良い場所だ。
「それにしても、町に魔物が侵入したなんて話聞いた事ないぞ・・・商業エリアで働く人もピンと来てなさそうだったし・・・」
特定の商人の食品を盗み喰いしているのだろうか?だとしたら相当頭の良い魔物なのでは?魔物の特徴を予想していると、後ろからカチャンカチャンと金属製の鎧が擦れる音が聴こえてくる。路地裏に金属製の鎧を着ている人なんていただろうか?いや、鎧なんて着ている暇があるなら、売っているはずだ。なら、一体誰が後ろから俺の方へと歩いてきている?
恐る恐る後ろを振り向き、確認すると、後ろから近づいてきていたのは──────
「誰・・・?」
「・・・・・・」
フルフェイスの兜の隙間から白い息を吐き、黄金があしらわれた柄の剣を腰に携えた、黄金の騎士だった。
「あ、あんた一体、何もn──────」
全てを言葉を言い切る前に黄金の騎士は素早い手つきで抜剣し、俺に斬りかかってきた。いきなりの攻撃に対応できずに俺は右肩に浅いが切り傷を負ってしまう。
「ぐ・・・ああっ・・・!」
痛みに苦しみ、悶えるが黄金の騎士にはそんなの関係ない。間髪入れずに俺に剣を振るう。痛みでまともに立ち上がり、構えも取れない俺は、ゴロゴロと転がり、容赦なく迫ってくる黄金の騎士の攻撃を避け続けた。
「ああ!クソ!!全然距離が取れねぇ!!」
鎧を着こんでいるクセに転がっている俺よりも移動速度が速くて、全然距離を離せない。距離を離せなければ、立ち上がり、安全に剣を構える事すらできない。
ずっと、転がり続けながら避けていると、いつの間にか坂道に到着した。下り坂ではなく、登り坂だ。
(マズイ・・・かなりマズイぞ・・・)
登り坂をゴロゴロ転がって登る事なんて不可能に近い。登れても数メートルが限界だ。
(一か八かだ・・・!!)
転がる事を諦めて、立ち上がりながら抜剣。刃で黄金の騎士の一撃を受け止めた。
「良し!成功・・・!!」
───したに思えたが、そうではないようだ。
ピキッと音を立てて金属の刃に入っていくヒビ。マズイと思った時には既にもう手遅れ。凡そ3か月愛用し続けたブロードソードは音を立てて砕け散ってしまった。
黄金の騎士の一撃が重かったのか、当たり所が悪かった、寿命だったのか、理由は分からないが、壊れた事だけは確かだ。砕けた剣の破片は身体中に刺さり、ついでにと言わんばかりに胸を斬られてしまう。
「ああ・・・!!」
革の鎧のお陰で胸の傷は浅く、皮膚しか斬られていないが、出血が酷い。しかし、剣と少々の出血を犠牲に立ち上がる事が出来た。逃げている途中で俺では勝てない事は分かったので、既に戦うという選択肢はなかった。
かなり悔しいが逃げる事にした。仲間達が待機している商業エリアに向かって血を垂らしながら走る。すると、足で移動し始めたお陰で黄金の騎士との距離をどんどん離す事に成功する。これなら、殺される前にボニーさんに傷を癒してもらえるはずだ!!
そう思っていた、時期が俺にもありました・・・。
「ん・・・?水?」
ピチャリと鼻に水滴が落ちてくる、屋根なんかないのに一体何の水だと上を向くと、先程から怪しかった雲が遂に雨を降らしたのだ。ポツポツと降っていたのがザーザー降りになり、最終的には雨粒が当たると痛いと感じる程の激しい豪雨に進化した。
「クソ・・・!!目が開けられねぇし、視界が滅茶苦茶悪い・・・!!」
そんな豪雨で目なんかまともに開ける事が出来ず、雨が視界を悪くしてしまい、商業エリアへの道が分からなくなってしまった。
「マズイマズイマズイ!このままだとアイツに追い付かれる・・・!!」
後ろを振り向くと、豪雨の中にぼんやりと黄金の騎士が映っている。そして、俺の方に向かってきている。ピチャピチャと足音を立てて確実に進んできている。全身を鎧で覆っているから豪雨の影響が視界が悪い事しかないんだ。
「逃げなきゃ・・・!!逃げなくちゃ・・・!!」
仲間と合流するのは後だ。第一、剣を一撃で砕くようなバケモノと仲間を鉢合わせさせるわけにはいかない。蘭丸さんなら勝てる可能性はあるが、豪雨の事も考えると負ける可能性の方が高い。なので、路地裏をぐちゃぐちゃに走って黄金の騎士の追跡を撒く事にした。
ジグザグとやけくそに路地裏を走る。水たまりに足を取られ、転ぼうと構わず走り続ける。走る為の原料は『恐怖』。黄金の騎士への恐怖が俺を走らせる。鎧を纏っていながらあの速さ、そして力強さ。今の俺に勝てるビジョンなんて全く見えてこない。
何も考えずにがむしゃらに走っていると、広い場所に着いた。偶々着いた場所は、俺が最初に目指していた商業エリアだった。いつの間にか雨もすっかり弱くなり、目を開けていられるようになった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・よ、良かった。着いた・・・」
まぐれだが、目的地に辿り着いた事に心の底から安堵する。早く仲間を探してここから離れなければ・・・・。
「・・・嘘だろ」
信じらないものを目にしてしまった。そして見たと同時に目を閉じていれば良かったと心の底から後悔する。
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ!!」
雨水で濡れた商業エリアの地面。そこにはうつ伏せで倒れる仲間達がいた。
「ボニーさん、何があったんですか!!」
一番近くにいたボニーさんを持ち上げる。身体中傷だらけで右腕なんかは皮一枚で繋がっている。
「メアリー?嘘だろメアリー・・・」
メアリーも全身に大怪我を負っている。特に腹部の怪我が酷い。内臓が見えてしまっている。そうだ、蘭丸さん。仲間内で一番強い蘭丸さんなら──────
「幸、助・・・」
今にも消えてしまいそうな虫の息のような声が後ろから聴こえてくる。慌てて振り向くと、右足が無い蘭丸さんが刀を杖にして立っていた。
「蘭丸さん・・・?」
「罠だ・・・全て罠だったんだ・・・逃げ、ろ・・・」
一言、言い残すと、蘭丸さんは地面に倒れた。蘭丸さんの身体から出てきた真っ赤な血液が雨水と混ざり、下水道へと流れて行く。
「ああ・・・ああ・・・ああああああああああああああああああああああ!!!」
絶望の発狂が町中に響き渡る。
一体誰がやったんだ?あの黄金の騎士か?一体何の目的でやったんだ?快楽か?金か?それとも復讐か?俺は確かに恨まれる事をやってきた。しかし、俺がだ。仲間達は何も恨まれる事をやっていない。なのに何故、傷つけるんだ?俺を絶望させる為か?そうだろう!そうに違いない!!
絶望はやがて怒りへと変わり、怒りは幸助自身に向けられる。しばらくしないうちに幸助は地面を殴り始めた。仲間を安全な所へ移動させる事を忘れ、ただひたすらに殴り続けた。殴り過ぎて痛みを感じ始めても、拳が紫色になり始めても、骨が見えてきても。殴るのを止めなかった。
その地面を殴る鈍い打撃音は幸助に最悪をもたらした。
「・・・音が聴こえる。何の音だ?」
地面を怒りに任せて殴っていると、バサッバサッと大きな鳥が宙を羽ばたく音が聴こえてくる。まだ雨は降っているというのに、飛んでいる鳥がいるのかとふと冷静になって、空を見上げると、そこにいたのは鳥ではなく、純白の翼を生やした人間だった。それもただの人間ではなく、銀色の鎧を身にまとった大男だった。
その姿を見て、口から零れるように出てきたのは──────
「・・・終わった」
の一言だった。
「見つけた・・・」
羽を生やした鎧の大男は俺を見つけるや否や、手に握っていた槍を構え、急降下し、俺の胸を貫いた。
俺も元の依頼をこなす生活へと戻り、仲間と楽しく人生を謳歌していた。布教?勿論、地道にやっている。ただ、ずっと布教ばかりしていたら頭がおかしくなってしまう。だから、布教も冒険もほどほどにしている。そして、今日は深夜の商業エリアに野菜を盗み食いする魔物の捕獲の依頼。初めての深夜の依頼という事で、内心ウキウキである。
「さぁ~~て、と!気合入れて張り込みと行きますか!」
報酬もたんまり貰えるので、天気は曇りで今にも雨が降りそうだが、俺の気分は最高だ。
他の仲間達は各々で別の場所に隠れて見つかる魔物に見つかる可能性を下げている。俺は路地裏に続く建物の間に身を潜めていた。路地裏の住民には顔が知られている為、路地裏の民に襲われる事はない。いつでも出られるように身を隠すには丁度良い場所だ。
「それにしても、町に魔物が侵入したなんて話聞いた事ないぞ・・・商業エリアで働く人もピンと来てなさそうだったし・・・」
特定の商人の食品を盗み喰いしているのだろうか?だとしたら相当頭の良い魔物なのでは?魔物の特徴を予想していると、後ろからカチャンカチャンと金属製の鎧が擦れる音が聴こえてくる。路地裏に金属製の鎧を着ている人なんていただろうか?いや、鎧なんて着ている暇があるなら、売っているはずだ。なら、一体誰が後ろから俺の方へと歩いてきている?
恐る恐る後ろを振り向き、確認すると、後ろから近づいてきていたのは──────
「誰・・・?」
「・・・・・・」
フルフェイスの兜の隙間から白い息を吐き、黄金があしらわれた柄の剣を腰に携えた、黄金の騎士だった。
「あ、あんた一体、何もn──────」
全てを言葉を言い切る前に黄金の騎士は素早い手つきで抜剣し、俺に斬りかかってきた。いきなりの攻撃に対応できずに俺は右肩に浅いが切り傷を負ってしまう。
「ぐ・・・ああっ・・・!」
痛みに苦しみ、悶えるが黄金の騎士にはそんなの関係ない。間髪入れずに俺に剣を振るう。痛みでまともに立ち上がり、構えも取れない俺は、ゴロゴロと転がり、容赦なく迫ってくる黄金の騎士の攻撃を避け続けた。
「ああ!クソ!!全然距離が取れねぇ!!」
鎧を着こんでいるクセに転がっている俺よりも移動速度が速くて、全然距離を離せない。距離を離せなければ、立ち上がり、安全に剣を構える事すらできない。
ずっと、転がり続けながら避けていると、いつの間にか坂道に到着した。下り坂ではなく、登り坂だ。
(マズイ・・・かなりマズイぞ・・・)
登り坂をゴロゴロ転がって登る事なんて不可能に近い。登れても数メートルが限界だ。
(一か八かだ・・・!!)
転がる事を諦めて、立ち上がりながら抜剣。刃で黄金の騎士の一撃を受け止めた。
「良し!成功・・・!!」
───したに思えたが、そうではないようだ。
ピキッと音を立てて金属の刃に入っていくヒビ。マズイと思った時には既にもう手遅れ。凡そ3か月愛用し続けたブロードソードは音を立てて砕け散ってしまった。
黄金の騎士の一撃が重かったのか、当たり所が悪かった、寿命だったのか、理由は分からないが、壊れた事だけは確かだ。砕けた剣の破片は身体中に刺さり、ついでにと言わんばかりに胸を斬られてしまう。
「ああ・・・!!」
革の鎧のお陰で胸の傷は浅く、皮膚しか斬られていないが、出血が酷い。しかし、剣と少々の出血を犠牲に立ち上がる事が出来た。逃げている途中で俺では勝てない事は分かったので、既に戦うという選択肢はなかった。
かなり悔しいが逃げる事にした。仲間達が待機している商業エリアに向かって血を垂らしながら走る。すると、足で移動し始めたお陰で黄金の騎士との距離をどんどん離す事に成功する。これなら、殺される前にボニーさんに傷を癒してもらえるはずだ!!
そう思っていた、時期が俺にもありました・・・。
「ん・・・?水?」
ピチャリと鼻に水滴が落ちてくる、屋根なんかないのに一体何の水だと上を向くと、先程から怪しかった雲が遂に雨を降らしたのだ。ポツポツと降っていたのがザーザー降りになり、最終的には雨粒が当たると痛いと感じる程の激しい豪雨に進化した。
「クソ・・・!!目が開けられねぇし、視界が滅茶苦茶悪い・・・!!」
そんな豪雨で目なんかまともに開ける事が出来ず、雨が視界を悪くしてしまい、商業エリアへの道が分からなくなってしまった。
「マズイマズイマズイ!このままだとアイツに追い付かれる・・・!!」
後ろを振り向くと、豪雨の中にぼんやりと黄金の騎士が映っている。そして、俺の方に向かってきている。ピチャピチャと足音を立てて確実に進んできている。全身を鎧で覆っているから豪雨の影響が視界が悪い事しかないんだ。
「逃げなきゃ・・・!!逃げなくちゃ・・・!!」
仲間と合流するのは後だ。第一、剣を一撃で砕くようなバケモノと仲間を鉢合わせさせるわけにはいかない。蘭丸さんなら勝てる可能性はあるが、豪雨の事も考えると負ける可能性の方が高い。なので、路地裏をぐちゃぐちゃに走って黄金の騎士の追跡を撒く事にした。
ジグザグとやけくそに路地裏を走る。水たまりに足を取られ、転ぼうと構わず走り続ける。走る為の原料は『恐怖』。黄金の騎士への恐怖が俺を走らせる。鎧を纏っていながらあの速さ、そして力強さ。今の俺に勝てるビジョンなんて全く見えてこない。
何も考えずにがむしゃらに走っていると、広い場所に着いた。偶々着いた場所は、俺が最初に目指していた商業エリアだった。いつの間にか雨もすっかり弱くなり、目を開けていられるようになった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・よ、良かった。着いた・・・」
まぐれだが、目的地に辿り着いた事に心の底から安堵する。早く仲間を探してここから離れなければ・・・・。
「・・・嘘だろ」
信じらないものを目にしてしまった。そして見たと同時に目を閉じていれば良かったと心の底から後悔する。
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ!!」
雨水で濡れた商業エリアの地面。そこにはうつ伏せで倒れる仲間達がいた。
「ボニーさん、何があったんですか!!」
一番近くにいたボニーさんを持ち上げる。身体中傷だらけで右腕なんかは皮一枚で繋がっている。
「メアリー?嘘だろメアリー・・・」
メアリーも全身に大怪我を負っている。特に腹部の怪我が酷い。内臓が見えてしまっている。そうだ、蘭丸さん。仲間内で一番強い蘭丸さんなら──────
「幸、助・・・」
今にも消えてしまいそうな虫の息のような声が後ろから聴こえてくる。慌てて振り向くと、右足が無い蘭丸さんが刀を杖にして立っていた。
「蘭丸さん・・・?」
「罠だ・・・全て罠だったんだ・・・逃げ、ろ・・・」
一言、言い残すと、蘭丸さんは地面に倒れた。蘭丸さんの身体から出てきた真っ赤な血液が雨水と混ざり、下水道へと流れて行く。
「ああ・・・ああ・・・ああああああああああああああああああああああ!!!」
絶望の発狂が町中に響き渡る。
一体誰がやったんだ?あの黄金の騎士か?一体何の目的でやったんだ?快楽か?金か?それとも復讐か?俺は確かに恨まれる事をやってきた。しかし、俺がだ。仲間達は何も恨まれる事をやっていない。なのに何故、傷つけるんだ?俺を絶望させる為か?そうだろう!そうに違いない!!
絶望はやがて怒りへと変わり、怒りは幸助自身に向けられる。しばらくしないうちに幸助は地面を殴り始めた。仲間を安全な所へ移動させる事を忘れ、ただひたすらに殴り続けた。殴り過ぎて痛みを感じ始めても、拳が紫色になり始めても、骨が見えてきても。殴るのを止めなかった。
その地面を殴る鈍い打撃音は幸助に最悪をもたらした。
「・・・音が聴こえる。何の音だ?」
地面を怒りに任せて殴っていると、バサッバサッと大きな鳥が宙を羽ばたく音が聴こえてくる。まだ雨は降っているというのに、飛んでいる鳥がいるのかとふと冷静になって、空を見上げると、そこにいたのは鳥ではなく、純白の翼を生やした人間だった。それもただの人間ではなく、銀色の鎧を身にまとった大男だった。
その姿を見て、口から零れるように出てきたのは──────
「・・・終わった」
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