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三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す
第十五話 自由なる叫竜
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「Kisyaaaaaaann!!」
「うおっ!村長達の言う通り、凄い咆哮だ・・・!これがワイバーンの力の一端なんですか!?」
「ワイバーンには多くの種類があって、その中に叫竜と呼ばれる種類がいる。恐らく山に住み着いているのはそいつだろう」
「・・・強いんですか?」
「分からん。俺は炎竜と雷竜としか戦った事がないからな。第一、ワイバーンという種族自体がとても珍しいしな」
叫竜はその名の通り、叫びが売りのワイバーンなのだろう。木にしがみ付かなければ吹き飛ばされるくらい強い叫びを持つ竜・・・一体どんな姿をしているのだろう。
「コ、コウスケさん・・・もう、大丈夫なんですか?」
「ん?何が?」
「いや、その・・・森を出るまで元気は無かったから・・・」
メアリーの小さな心遣い。その心遣いに幸助は微笑み、頭を撫でる。
「ありがとう、メアリー。もう大丈夫だから。寧ろ、やる気があがって来たから」
強敵の住処の前にして幸助の向上心が高まる。全ては金と銀の騎士を倒す為、女神アモーラへ復讐する為、そして何よりも仲間を守れるようになる為。今の彼は城下町から出る時よりもやる気に満ち溢れていた。しかし、やる気に溢れすぎて少しかかり気味にも見える。
メアリーも嬉しい反面、彼の表情に余裕が無い事に若干不安を覚えていた。
「良し!行くぞ!!」
「「「「「おおーーー!!」」」」」
こうして8人の冒険者達は登山を始める。叫竜を倒す為に上へ上へと目指す。
★
何故、この世界に生まれてしまったのだろう・・・とワイバーンは唐突に絶望し始めた。否、遥か昔から世界へ絶望を感じていたのだろう。それを今になった気づいたのだろう。
ワイバーンは退屈していた。この世界に、この状況に。何故なら彼はドラゴン。地上で最も賢く、強く、美しい生き物。生まれた時から強者だった彼に立ち向かおうとする者は存在せず、彼は暇を持て余していた。
暇を潰す為に山の上から山の麓に住み着く村人を驚かして遊んでいたのだが、その遊びも既に飽きてしまったようだ。
そろそろ村を滅ぼして暇を潰せる、別の遊びを探す旅にでも出ようとした時であった。山の麓からガチャリガチャリと金属が擦れ合う音と8つ足音が聴こえてきたのだ。
怯える足音、豪快な足音、好奇心旺盛な足音、かかり気味な足音。色々な足音が聴こえてきた。様々な足音にワイバーンは興味を抱き、心を躍らせる。
「Kisyaaaaaaann!!」
さあ、我を楽しませてくれ‼人間!!
★
「うおぅ!?またかよぉ!!」
山の上にいるであろうワイバーンの叫びが幸助達の行く手を阻む。しかし、何処か嬉しそうで上機嫌さが感じられる叫びだ。
「村長達は機嫌が悪いから気をつけろって言ってたが、機嫌良さそうに聴こえないか?ジューペ」
「知らないよ!!僕達ワイバーンじゃなくて人間なんだからさ!!」
しばらく岩陰に隠れていると、やがてワイバーンは叫ぶのを止める。幸助達は今のうちと言わんばかりに登山の速度を上げていく。
厳しい斜面を駆け上がり、落ちてくる岩を慎重に避けていく。苦労の末、辿り着いた場所にワイバーンは存在─────否、君臨していた。
身体を守る為、全身を覆いつくす漆黒の鎧を彷彿とさせる強固な鱗、世界のどこまでも飛んでいけそうな翼、鉄を砕けてもおかしくない顎、そして、胸に模様として描かれた白いイナズマ。
美しいと同時にカッコいいと思わず叫んでしまいそうなビジュアルに幸助は生唾を飲み、若干震える手で抜剣。目の前に君臨する神々しい生物に向かって構える。
「コイツがワイバーン・・・」
体長は3mを遥かに超えている。姿、佇まい、身体から放つプレッシャー。全てにおいて人間の上位互換。見えないが、きっと知能も人間を超越しているのだろうと幸助は推測する。
「Kisyaaaaaaann!!」
叫竜の十八番ともいうべき咆哮が幸助達冒険者達の鼓膜を揺らす。咆哮の威力は絶大で、周りにあった岩を砕き、下へと吹き飛ばす。途中で落ちてきていた岩はワイバーンが落とした物だったようだ。岩を壊す程の威力だというのに、鼓膜は何故か破れなかった。
皆、不思議に思っていると、幸助の横でメアリーが魔術を唱えていたのだ。
「皆さんの鼓膜に防御のエンチャントをかけました!!これで鼓膜が破ける心配はありません!」
「ナイス!メアリー!」
一番気にする必要があった鼓膜への心配が解消される。鼓膜が守られた事によって、咆哮の度に耳を塞がなくなって良くなったのだ。
「皆、俺の声が聞こえるか?」
フランが皆に向けて叫ぶ。叫竜の前で聴き取るのは大変難しいが、全員集中してフランの言葉を聴き取り、縦に首を振る。
「誠に恐縮だが、俺が皆の指揮を取る!それでいいだろうか?」
再び聴き取り、首を縦に振る。8人の冒険者の中では一番経験が豊富なフランに任せた方が勝機があると他の7人は考えたようだ。
「・・・行くぞ!!」
完全なる上位互換と人間達の戦いの火蓋が落とされた。
「うおっ!村長達の言う通り、凄い咆哮だ・・・!これがワイバーンの力の一端なんですか!?」
「ワイバーンには多くの種類があって、その中に叫竜と呼ばれる種類がいる。恐らく山に住み着いているのはそいつだろう」
「・・・強いんですか?」
「分からん。俺は炎竜と雷竜としか戦った事がないからな。第一、ワイバーンという種族自体がとても珍しいしな」
叫竜はその名の通り、叫びが売りのワイバーンなのだろう。木にしがみ付かなければ吹き飛ばされるくらい強い叫びを持つ竜・・・一体どんな姿をしているのだろう。
「コ、コウスケさん・・・もう、大丈夫なんですか?」
「ん?何が?」
「いや、その・・・森を出るまで元気は無かったから・・・」
メアリーの小さな心遣い。その心遣いに幸助は微笑み、頭を撫でる。
「ありがとう、メアリー。もう大丈夫だから。寧ろ、やる気があがって来たから」
強敵の住処の前にして幸助の向上心が高まる。全ては金と銀の騎士を倒す為、女神アモーラへ復讐する為、そして何よりも仲間を守れるようになる為。今の彼は城下町から出る時よりもやる気に満ち溢れていた。しかし、やる気に溢れすぎて少しかかり気味にも見える。
メアリーも嬉しい反面、彼の表情に余裕が無い事に若干不安を覚えていた。
「良し!行くぞ!!」
「「「「「おおーーー!!」」」」」
こうして8人の冒険者達は登山を始める。叫竜を倒す為に上へ上へと目指す。
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何故、この世界に生まれてしまったのだろう・・・とワイバーンは唐突に絶望し始めた。否、遥か昔から世界へ絶望を感じていたのだろう。それを今になった気づいたのだろう。
ワイバーンは退屈していた。この世界に、この状況に。何故なら彼はドラゴン。地上で最も賢く、強く、美しい生き物。生まれた時から強者だった彼に立ち向かおうとする者は存在せず、彼は暇を持て余していた。
暇を潰す為に山の上から山の麓に住み着く村人を驚かして遊んでいたのだが、その遊びも既に飽きてしまったようだ。
そろそろ村を滅ぼして暇を潰せる、別の遊びを探す旅にでも出ようとした時であった。山の麓からガチャリガチャリと金属が擦れ合う音と8つ足音が聴こえてきたのだ。
怯える足音、豪快な足音、好奇心旺盛な足音、かかり気味な足音。色々な足音が聴こえてきた。様々な足音にワイバーンは興味を抱き、心を躍らせる。
「Kisyaaaaaaann!!」
さあ、我を楽しませてくれ‼人間!!
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「うおぅ!?またかよぉ!!」
山の上にいるであろうワイバーンの叫びが幸助達の行く手を阻む。しかし、何処か嬉しそうで上機嫌さが感じられる叫びだ。
「村長達は機嫌が悪いから気をつけろって言ってたが、機嫌良さそうに聴こえないか?ジューペ」
「知らないよ!!僕達ワイバーンじゃなくて人間なんだからさ!!」
しばらく岩陰に隠れていると、やがてワイバーンは叫ぶのを止める。幸助達は今のうちと言わんばかりに登山の速度を上げていく。
厳しい斜面を駆け上がり、落ちてくる岩を慎重に避けていく。苦労の末、辿り着いた場所にワイバーンは存在─────否、君臨していた。
身体を守る為、全身を覆いつくす漆黒の鎧を彷彿とさせる強固な鱗、世界のどこまでも飛んでいけそうな翼、鉄を砕けてもおかしくない顎、そして、胸に模様として描かれた白いイナズマ。
美しいと同時にカッコいいと思わず叫んでしまいそうなビジュアルに幸助は生唾を飲み、若干震える手で抜剣。目の前に君臨する神々しい生物に向かって構える。
「コイツがワイバーン・・・」
体長は3mを遥かに超えている。姿、佇まい、身体から放つプレッシャー。全てにおいて人間の上位互換。見えないが、きっと知能も人間を超越しているのだろうと幸助は推測する。
「Kisyaaaaaaann!!」
叫竜の十八番ともいうべき咆哮が幸助達冒険者達の鼓膜を揺らす。咆哮の威力は絶大で、周りにあった岩を砕き、下へと吹き飛ばす。途中で落ちてきていた岩はワイバーンが落とした物だったようだ。岩を壊す程の威力だというのに、鼓膜は何故か破れなかった。
皆、不思議に思っていると、幸助の横でメアリーが魔術を唱えていたのだ。
「皆さんの鼓膜に防御のエンチャントをかけました!!これで鼓膜が破ける心配はありません!」
「ナイス!メアリー!」
一番気にする必要があった鼓膜への心配が解消される。鼓膜が守られた事によって、咆哮の度に耳を塞がなくなって良くなったのだ。
「皆、俺の声が聞こえるか?」
フランが皆に向けて叫ぶ。叫竜の前で聴き取るのは大変難しいが、全員集中してフランの言葉を聴き取り、縦に首を振る。
「誠に恐縮だが、俺が皆の指揮を取る!それでいいだろうか?」
再び聴き取り、首を縦に振る。8人の冒険者の中では一番経験が豊富なフランに任せた方が勝機があると他の7人は考えたようだ。
「・・・行くぞ!!」
完全なる上位互換と人間達の戦いの火蓋が落とされた。
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