大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す

第十六話 人間の上位互換は伊達じゃない 前半

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「まず、俺とトーマの2人が真正面から突っ込む。だからコウスケとランマルは横から攻めてくれ!」

 「「「了解!」」」「承知した!」

 フランの言う通りに3人が動く。前線を担当する4人がまず戦陣切る所から始まる。

「Kisyaaaann!!」

 ワイバーンも黙ってみているわけがなく、迫って来た4人を叫びで飛ばそうとする。

「ま、まずい・・・!!メアリー!体重が増えるエンチャントはあるか?」

「は、はい!あります!!」

「それを俺とトーマにかけてほしい!!」

「わかりました!!────『ヘビィショック』!!」

 途端、フランとトーマの動きが鈍くなる。足音が大きくなり、重量感のある音へと変化した。メアリーの魔術によって、体重が通常の3倍になったのだ。元々前線を戦う戦士として体重もそれなりにあった2人の現体重は200キロオーバー。少し踏ん張るだけでワイバーンの咆哮にも耐えられる身体へと変化したのだ。

「コウスケとランマルは翼を狙え!竜にとって翼は最大の武器だ!潰せば勝利は確実だ!」

 竜種という種族の共通の武器、『翼』。翼は移動手段にもなるし、攻撃方法の1つにもなりえる。つまり、逃げ道と武器を壊す事を同時にするなら、翼を狙うのが竜種と戦うコツなのだ。

 しかし、ワイバーンもただ見ているわけがない。幸助と蘭丸が斬りかかったと同時に翼を羽ばたかせ、2人を吹き飛ばしてしまう。

「くっそぉぉ!!メアリー!俺にも体重増加のエンチャントを!」

「駄目だ!君達には素早く動いてもらう必要がある!何故なr──────」

「うわぁ!!」

 フランが説明している途中に説明しようとしていた事が起こってしまう。何とワイバーンが翼の先端にある手で幸助を捕まえてしまったのだ。

「クソッ!クソッ!離せ!離しやがれ!」

 剣で掴んでいる手を斬ろうとするが、鱗が金属の鎧のように硬くて全く出血しない。ワイバーンは斬られている事なんて意に返さず、幸助をナイフのように鋭い歯が生えそろった口の中へと放り込もうとしてくる。

 鱗などの守る物のない人間と同じく真っ赤な口内。抵抗していた幸助は口の中を見て焦り始めるが、同時にチャンスを見出した!

「俺を喰らいたいんなら!前菜としてコイツを喰らいな!」

 剣を逆手に持ち、守る物がない口の中を狙う。舌を斬られたら危険という認識があるのだろうか、舌を刺す事は出来なかったが、下顎に刺す事に成功する。

「Kisyaaaaaaaaaaann!!」

 しかし、刺し方が浅かったようで、暴れられた際に刺した箇所から剣が抜け、幸助も手放されて地面へと落下する。

「コウスケさん!大丈夫ですか!?」

「ああ、何とかな!!」

「お前は本当についてないなっ!!だがっ!嬉しいっ!誤算!!だったぁ!!」

 幸助の無事を確認しながら、ワイバーンの足にトーマと共に休む事なく攻撃を続けるフラン。しかし、天然の鎧は壊れるどころか、凹んですらいない。

「むう・・・全く効かないとは驚きだ・・・多分、俺が戦ってきたワイバーンの中で一番強いのでは?」

「そうなのか・・・なら、拙者も燃えるというものよ!!」

 体勢を低くし、鍔を口元まで持ってくる。八相の構えだ。構えを取り終えると、蘭丸の全身から霧状の赤いモヤが天に向かって立ち上がる。

「な、なんだよあれぇぇぇぇ!!魔術かそれとも奇跡かぁぁ!?」

「うるせぇ!ジューペ!あれは多分、闘気とうきだ。生物が戦う時に常時身体から出ていると言われている闘気。恐らくランマルさんの体内に流れる魔力と混じって目に見えるようになっているんだろうよ」

 魔力と混じった闘気は蘭丸の元から高かった身体能力と五感を更に向上させる。一方のワイバーンは蘭丸の戦闘力向上に気付いたのだろう。トーマとフランが攻撃してきているのを無視し、蘭丸に集中注ぐ。

「行くぞ!!」

「Kisyaaaaaa!!」

 身体の周りを舞っていた真っ赤な闘気が刀の刃へと集約する。霧のように掴めず、姿が見えるだけで実体が無かった闘気はこの時、実体を得て、物を斬れる力を手に入れる。魔力という変幻自在の力を混ざり合った結果できた産物だ。

「即興・・・新技『赤波』!!」

 刀を大きく空で振ると共に赤い刃が飛んでいく。飛ばされると共に赤い刃は三日月型へと形を変え、手裏剣を彷彿とさせながら飛んでいき、ワイバーンを殺さんと向かっていく。

「Kisyaaaaaa!!」

 天然の強力な鎧を持つワイバーンでも流石に命の危機を感じたのだろうか?翼を使って空へと逃げる。

「そうくると思ってだぜ!俺は!!」

 ワイバーンの首に絡みつく紐・・・いや、鞭。ジェイクの愛用している鞭だ。彼は最初からワイバーンが飛ぶのを予測していたのだろうか。

「Kusyaaaaaaaa!!」

「うおぅ!?な、何て力だ!!だ、誰か手伝ってくれ!!」

 縛る物だけでは得物は決して捕まえる事は出来ない。人間1人の体重では、ワイバーンを地面に落とすなんて事は出来るはずがないのだ。

「おう!!」「任せて下さい!ジェイクさん!!」

 体重増加のエンチャントをかけられているフランとトーマも駆けつけてジェイクの身体が持っていかれないように彼の身体にしがみ付く。

「ぐぅ・・・!3人でも駄目か・・・!!」

 合計体重は500キロを遥かに超えているだろうが、それでもワイバーンは止まらない。

「誰かアイツを叩いてくれ!!」

 引っ張って落とすのを止め、何とか止めているうちに上からたたいて突き落とす作戦に変更。即決が求められる状況で、0.1秒で名乗り出たのはボニーだった。

「ワタシが行きます!メアリーちゃん!お願い!!」

「了解!!行くぜ!ボニーの姉貴!!」

 お願いされたメアリーはボニーの手を握るや否や、時計回りに身体を回転させる。

「うおおおおおおおおお!!──────やああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 何と、メアリーは回転の力を利用してボニーをワイバーンが滞空させられている位置よりも更に上、ワイバーンの真上へと飛ばしてみせたのだ。飛ばされたボニーは空中で体勢を取り、ワイバーンの頭を見定める。

「ひっさぁつぅ!!姉貴メテオ!!」

「うりゃあああ!!」

 ゴオオオォォォォォン・・・・・。

 ボニーの新しい武器であるモーニングスターがワイバーンの勇ましい頭を思い切り叩く。

「Gisya!?!?!?!!?!?!?」

 ワイバーンはありとあらゆる生物よりも優れているが、それは脳があるから。脳がある限り、脳は最大の弱点とあなる。頭を砕く事は出来なかったが、ボニーは刺々しい鉄の玉でワイバーンの脳を揺らす事に成功したのだ。

 身体の司令塔である脳が揺らされた事により、身体を飛ぶ事を維持する事ができなくなり、ワイバーンはボニーと共に地面へと落下した。
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