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四章 魔族との和平交渉
第十三話 恐怖って言葉に納められない
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「俺と同類だ・・・女神アモーラによってこの世界にやってきた異世界人だ・・・」
「ど、どうしてこんな所に・・・」
「アモーラの目的は魔族の殲滅。だけど、自分では干渉できないから異世界から人間を連れてきて目的を達成しようとした。この鎧の男はその末路って感じだろうな」
幸助の推測を聞いた途端、メアリーの顔から一気に血の気が引き、青ざめる。幸助と同じような存在・・・つまり、何処かで間違えていたら幸助もこうなっていたと気づいたからだろう。目の前にいる幸助が無事だという事に感謝し、幸助に抱き着く。
「とりあえず、先輩のも含めて焼いてしまおう。ゾンビになられたら困るからな」
先程まで抱いていた殺意はすっかりと消え失せ、鎧の男に抱いているのは憐れみだけだった。自分と同じ境遇と知ってしまったからだろう。数秒前までは燃えカスになるまで焼いてやろうと思っていたが、先輩冒険者同様に火力を抑えて、肉だけ焼く事にした。
先輩冒険者達と鎧の男の燃えた煙が地上にむかって飛んで行く。魂も煙と共に空の上へと飛んで行けと心から願った。
「さて・・・ん?何か聞こえないか?」
燃やし終えた途端、後ろから多数の金属音が聴こえてくる。擦れあう金属音、引きずるような金属音と種類と量は様々だ。後ろ、左右、上からと四方八方から聴こえてくる。
「確かに・・・」
「嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか?」
「いえ、私も嫌な予感がします・・・」
瞬間、身体に力が溢れてくる・・・というよりも筋肉が増幅する。横のメアリーを見ると、魔術を唱えていた。筋力増大のエンチャントだ。
目の前から金属音は聞こえてはおらず、その先には何が待っているのか分からない。敵か魔物かそれとも地底人の住処か。どっちにしろ絶体絶命なのは間違いないが、出来るなら地底人の住処であってほしい。
「走るぞ!」
「はい!!」
前に続く道を信じて全速力で走る。すると、前意外の方角から聴こえていた金属音が一気に激しくなり、幸助達の方へと近づいてくる。
「案の定追いかけてきたな・・・メアリー!まだ行けるか?」
「はぁ・・・はぁ・・・な、何とか!」
レベルが上がって前よりかは体力はマシになっているが、メアリーは魔術師タイプの人間である為、そこまで体力があるわけではない。走っているうちにゆっくりと速度が落ちて行っている。見失わないようになるべく速度を合わせて走るが、速度を落とすと、追いかけてきている者の姿が露わになっていく。
「魔族死ね!魔族死ね!魔族死ね!魔族死ね!」「あはははははははははは!!アモーラ様!アモーラ様ぁぁぁぁぁぁ!!」「コロスコロスコロスコロス・・・」
物騒な言葉と共に後ろから追いかけてきたのはアモーラによって廃人となってしまった異世界人と思わしき人間十数人。自分のもしかしたらの最後だと思うと、走っていて身体が熱くなっているというのに鳥肌が立ちそうだ。
「はぁ・・・はぁ・・・コ、コウスケさん・・・すみ、ません・・・」
メアリーの足が止まってしまう。真っすぐではなく、右左に回る道を走ったから余計に体力を消耗してしまったのだろう。
「足を止めるなら事前に言ってくれ!!」
走る足を止めUターンすると、彼女を俵のように抱え、走りを再開した。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「謝るのは良いから!それよりも身体を軽くするエンチャントとかは無いの!?出来れば俺とメアリー自身にかけて欲しいんだけど!」
「わ、分かりました・・・ラ、『ライトウィング』」
軽い羽の意味を持つ言葉を口にすると、身体が途端に重りを外したように軽くなった。少しジャンプしただけで天井に頭をぶつけてしまいそうだ。メアリーも同様に持っている事すら忘れてしまうくらいに軽くなった。
しかし、どんなに軽くなっても距離は変わる事は当然なく、途方もなく続く洞窟を走っていくにつれて体力は奪われていき、体力も徐々に削れていった。
「はぁ・・・はぁ・・・も、もう無理だ・・・走れねぇ・・・」
凡そ20キロもの距離を全速力で走った幸助の足は悲鳴を上げており、息を整え直しても走れる様子が無い。一方、メアリーは息を整えられており、いつでも走る事が出来そうだ。
一方、追いかけてきている正気を失っている者達は何人程減っているが、未だに幸助とメアリーを追いかけ続けている。追いかけている数を見た幸助はこう思った。
「1人で行けるかな・・・」
「え?コウスケさん?どうしたんです?いきなり黙って・・・」
「メアリー。ここからお前1人で走る事ってできるか?」
「ええっ!?コウスケさんを置いていけと言うんですか!?駄目です!一緒に頑張りましょう!まだ見えないけど、きっと此の先に地底人の住む場所があるはずです!ですから─────」
「大丈夫、すぐに追いつくから・・・先に行っててくれ」
幸助の真っすぐな瞳を見て悟る。幸助は自分が何を言っても一緒に走る気はないと。ここに残って追ってくる者を撃退する気だと。これ以上の説得は無駄な上に幸助への邪魔になると察したメアリーは目に涙ぐみながら走っていく。
「到着したら地底人の方と話をして助けに来ます!それまで頑張って下さい!!」
「勿論!・・・さて、と」
追いついてきた追跡者の数は12人。12人のうち7人は息を切らしているが、残りの5人は鎧で身を固めているといのに肩で息をしていない。まずは同じ土台に立っている7人から仕留めるか。
「今から戦うのは獣・・・人の形をした獣・・・恐れるな・・・殺す事を恐れるな・・・良し!!殺す!!」
自己暗示を終えた幸助は抜剣した。
「ど、どうしてこんな所に・・・」
「アモーラの目的は魔族の殲滅。だけど、自分では干渉できないから異世界から人間を連れてきて目的を達成しようとした。この鎧の男はその末路って感じだろうな」
幸助の推測を聞いた途端、メアリーの顔から一気に血の気が引き、青ざめる。幸助と同じような存在・・・つまり、何処かで間違えていたら幸助もこうなっていたと気づいたからだろう。目の前にいる幸助が無事だという事に感謝し、幸助に抱き着く。
「とりあえず、先輩のも含めて焼いてしまおう。ゾンビになられたら困るからな」
先程まで抱いていた殺意はすっかりと消え失せ、鎧の男に抱いているのは憐れみだけだった。自分と同じ境遇と知ってしまったからだろう。数秒前までは燃えカスになるまで焼いてやろうと思っていたが、先輩冒険者同様に火力を抑えて、肉だけ焼く事にした。
先輩冒険者達と鎧の男の燃えた煙が地上にむかって飛んで行く。魂も煙と共に空の上へと飛んで行けと心から願った。
「さて・・・ん?何か聞こえないか?」
燃やし終えた途端、後ろから多数の金属音が聴こえてくる。擦れあう金属音、引きずるような金属音と種類と量は様々だ。後ろ、左右、上からと四方八方から聴こえてくる。
「確かに・・・」
「嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか?」
「いえ、私も嫌な予感がします・・・」
瞬間、身体に力が溢れてくる・・・というよりも筋肉が増幅する。横のメアリーを見ると、魔術を唱えていた。筋力増大のエンチャントだ。
目の前から金属音は聞こえてはおらず、その先には何が待っているのか分からない。敵か魔物かそれとも地底人の住処か。どっちにしろ絶体絶命なのは間違いないが、出来るなら地底人の住処であってほしい。
「走るぞ!」
「はい!!」
前に続く道を信じて全速力で走る。すると、前意外の方角から聴こえていた金属音が一気に激しくなり、幸助達の方へと近づいてくる。
「案の定追いかけてきたな・・・メアリー!まだ行けるか?」
「はぁ・・・はぁ・・・な、何とか!」
レベルが上がって前よりかは体力はマシになっているが、メアリーは魔術師タイプの人間である為、そこまで体力があるわけではない。走っているうちにゆっくりと速度が落ちて行っている。見失わないようになるべく速度を合わせて走るが、速度を落とすと、追いかけてきている者の姿が露わになっていく。
「魔族死ね!魔族死ね!魔族死ね!魔族死ね!」「あはははははははははは!!アモーラ様!アモーラ様ぁぁぁぁぁぁ!!」「コロスコロスコロスコロス・・・」
物騒な言葉と共に後ろから追いかけてきたのはアモーラによって廃人となってしまった異世界人と思わしき人間十数人。自分のもしかしたらの最後だと思うと、走っていて身体が熱くなっているというのに鳥肌が立ちそうだ。
「はぁ・・・はぁ・・・コ、コウスケさん・・・すみ、ません・・・」
メアリーの足が止まってしまう。真っすぐではなく、右左に回る道を走ったから余計に体力を消耗してしまったのだろう。
「足を止めるなら事前に言ってくれ!!」
走る足を止めUターンすると、彼女を俵のように抱え、走りを再開した。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「謝るのは良いから!それよりも身体を軽くするエンチャントとかは無いの!?出来れば俺とメアリー自身にかけて欲しいんだけど!」
「わ、分かりました・・・ラ、『ライトウィング』」
軽い羽の意味を持つ言葉を口にすると、身体が途端に重りを外したように軽くなった。少しジャンプしただけで天井に頭をぶつけてしまいそうだ。メアリーも同様に持っている事すら忘れてしまうくらいに軽くなった。
しかし、どんなに軽くなっても距離は変わる事は当然なく、途方もなく続く洞窟を走っていくにつれて体力は奪われていき、体力も徐々に削れていった。
「はぁ・・・はぁ・・・も、もう無理だ・・・走れねぇ・・・」
凡そ20キロもの距離を全速力で走った幸助の足は悲鳴を上げており、息を整え直しても走れる様子が無い。一方、メアリーは息を整えられており、いつでも走る事が出来そうだ。
一方、追いかけてきている正気を失っている者達は何人程減っているが、未だに幸助とメアリーを追いかけ続けている。追いかけている数を見た幸助はこう思った。
「1人で行けるかな・・・」
「え?コウスケさん?どうしたんです?いきなり黙って・・・」
「メアリー。ここからお前1人で走る事ってできるか?」
「ええっ!?コウスケさんを置いていけと言うんですか!?駄目です!一緒に頑張りましょう!まだ見えないけど、きっと此の先に地底人の住む場所があるはずです!ですから─────」
「大丈夫、すぐに追いつくから・・・先に行っててくれ」
幸助の真っすぐな瞳を見て悟る。幸助は自分が何を言っても一緒に走る気はないと。ここに残って追ってくる者を撃退する気だと。これ以上の説得は無駄な上に幸助への邪魔になると察したメアリーは目に涙ぐみながら走っていく。
「到着したら地底人の方と話をして助けに来ます!それまで頑張って下さい!!」
「勿論!・・・さて、と」
追いついてきた追跡者の数は12人。12人のうち7人は息を切らしているが、残りの5人は鎧で身を固めているといのに肩で息をしていない。まずは同じ土台に立っている7人から仕留めるか。
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