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四章 魔族との和平交渉
第二十五話 アイツがやってくる
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「随分と遅れてしまった・・・」
国民を安心させる為の短時間のスピーチをしていた為、戦場である門前への参上が遅れたアメリア。部下の騎士数人を引き連れてやってきた門の前には予想だにしない光景があった。
「進めェぇぇぇ!!我らの勝利は既に目の前だぞ!!」
「「「うおおおおおおお!!」」」
防具無しで剣一本で戦場に向かった幸助がジースト騎士達を鼓舞しながら狂った戦士達と戦っていたのだ。優勢はジースト側。相手の能力で驚く事はあれど、力でごり押しして勝ちを掠め取っている。倒れている人間のほとんどは侵入者の戦士達のものばかり。更に幸助の勢いに気圧されて2、3歩後退する程だ。
「ア、アメリア様・・・?」
「・・・ㇵッ!わ、私達も負けてはおれん!!剣も持って加勢するぞ!!」
「「はい!!」」
意識を戦闘へと持っていったアメリアは抜剣と共に進撃。幸助の戦っていた異世界人を切り伏せた。
「アメリア!遅かったね!!」
「騎士団長である前に女王だからね!!国民を安心させなければいけなかった!!」
「あと、そいつまだ死んでないよ」
「・・・え?」
つい今切り伏せた異世界人の死体を見る。上半身と下半身の2つに別れてしまっている。しかし、上半身はまだ動いており、斬られた下半身を元に戻そうとしていた。
「くっ・・・!!」
司令塔である脳を潰すと、しばらく痙攣してから動かなくなった。斬っても死なない敵に対しての至って普通のトドメの刺し方なのだろうが、躊躇なく行うアメリアに幸助は少し恐怖する。
「ん?どうした?」
「いや、何でも。それよりもキリがないな。やる気だけじゃ全部何て倒せないぞ」
「正確な数字は分からない。けど、今私達が戦っているのは雑魚だという事だけは分かる」
「雑魚・・・?す、既に騎士が23人も死んでいるんだぞ!?それなのに今戦ってるヤツが雑魚だって・・・?一体他にどんなヤツが居るんだ!」
幸助が感情を剥き出しにして叫んだ時であった。壊れた鉄の扉の先から全身に鳥肌が立つような殺気を感じる。思わず剣を落としてしまいそうになりそうな強い殺気だ。殺気だけでここまで他人に影響を及ぼした事があるだろうか?
俺だけではない。ジースト騎士も、正気がない異世界人も戦う手を止めて門の先を見る。特に異世界人達の発汗が酷くなっている。身体も震えており、怯えている事が分かる。
やがて、殺気を放った人物達が門をくぐり、俺達の前に姿を現す。現れたのは3人の奇妙な男達だった。
「おいおいぃぃぃ!どういう事だよ!!魔族全滅してねぇじゃん!!」
最初に声を上げたのは背中に剣やら槍やらの武器が刺さり、まるでハリネズミのような姿のやせっぽっちな男。背中に刃物がしっかりと刺さっているのに血が一滴も流れていないのが姿の不気味さを増幅させる。
「魔族どころじゃねぇ。弱っちい騎士達すら倒してねぇ。能力すら持っていない騎士すら倒せないなんて生きてる価値あるのwwww?」
もう1人はまるでゴリラの擬人化のような男。顔も鼻を中心に集まっており、非常にブサイクである。ズボン以外には何も服を着ておらず、自慢であろう筋肉をこれでもかと言わんばかりに見せつけている。
「よ、弱いだって?ふ、ふざけるな!!我々はジーストの平和を守る騎士だ!!貴様らのような己の意思で動かぬ者に絶対に負けない!負けるはずが無いのだ!!」
「待て!早まるな!!」
罵倒され、激昂した1人の騎士が勇気を振り絞り、恐怖で手が震えながらも3人の男達に向かっていく。だが、勇気は無謀が過ぎると蛮勇となる。それを証明するように、蛮勇の騎士は真ん中に立っていた白髪混じりの超長髪の男によって、顔面を掴まれ、持ち上げられてしまう。
「クソ・・・!間に合わなかったか・・・!」
「あ・・・が・・・!」
めきめきと骨が軋む音が蛮勇の騎士の頭部から聴こえてくる。殺気のせいで身体が動かなかった幸助も自身を鼓舞し、騎士を助けに行こうと走りだすが、1歩進んだ瞬間、騎士の頭は勢いよく握りつぶされてしまい、辺りに頭蓋骨だったものと脳味噌だったものが広がる。その様はまるで熟れたトマトが硬い地面に落ちたのととても良く似ていた。
コツンと幸助の胸に何かが当たる。落ちる前にキャッチし、当たって来たものを確かめると、それは赤く染まった目だった。勇気ある騎士の片方の目だった。
騎士の名前は知らない。どんな性格だったのかも、どんな立場だったのかも。しかし、彼はその身を挺して自分の故郷を守ろうとした勇気ある騎士であった事は分かる。何も考えずに怒りの感情だけで突っ込んでいった彼の勇気は蛮勇だったかも知れないが、敬意に値するものだった。まあ、最も、俺から敬意なんか貰っても嬉しくはないと思うが・・・。
「おい、貴様。その顔立ち・・・もしかしなくても異世界人だな?」
手に付着した血を意地汚く舐める白髪混じりの超長髪の男は両手に装着した金属製の爪を俺の方に向け、質問してくる。俺は心から溢れそうな怒りを深呼吸で抑えながら、聴こえやすいようにゆっくりと答えた。
「ああ、そうだよ。どうもこんにちは、アモーラの愛犬さん」
「・・・裏切り者め」
一言で仲間ではない事を察してくれて助かる。
国民を安心させる為の短時間のスピーチをしていた為、戦場である門前への参上が遅れたアメリア。部下の騎士数人を引き連れてやってきた門の前には予想だにしない光景があった。
「進めェぇぇぇ!!我らの勝利は既に目の前だぞ!!」
「「「うおおおおおおお!!」」」
防具無しで剣一本で戦場に向かった幸助がジースト騎士達を鼓舞しながら狂った戦士達と戦っていたのだ。優勢はジースト側。相手の能力で驚く事はあれど、力でごり押しして勝ちを掠め取っている。倒れている人間のほとんどは侵入者の戦士達のものばかり。更に幸助の勢いに気圧されて2、3歩後退する程だ。
「ア、アメリア様・・・?」
「・・・ㇵッ!わ、私達も負けてはおれん!!剣も持って加勢するぞ!!」
「「はい!!」」
意識を戦闘へと持っていったアメリアは抜剣と共に進撃。幸助の戦っていた異世界人を切り伏せた。
「アメリア!遅かったね!!」
「騎士団長である前に女王だからね!!国民を安心させなければいけなかった!!」
「あと、そいつまだ死んでないよ」
「・・・え?」
つい今切り伏せた異世界人の死体を見る。上半身と下半身の2つに別れてしまっている。しかし、上半身はまだ動いており、斬られた下半身を元に戻そうとしていた。
「くっ・・・!!」
司令塔である脳を潰すと、しばらく痙攣してから動かなくなった。斬っても死なない敵に対しての至って普通のトドメの刺し方なのだろうが、躊躇なく行うアメリアに幸助は少し恐怖する。
「ん?どうした?」
「いや、何でも。それよりもキリがないな。やる気だけじゃ全部何て倒せないぞ」
「正確な数字は分からない。けど、今私達が戦っているのは雑魚だという事だけは分かる」
「雑魚・・・?す、既に騎士が23人も死んでいるんだぞ!?それなのに今戦ってるヤツが雑魚だって・・・?一体他にどんなヤツが居るんだ!」
幸助が感情を剥き出しにして叫んだ時であった。壊れた鉄の扉の先から全身に鳥肌が立つような殺気を感じる。思わず剣を落としてしまいそうになりそうな強い殺気だ。殺気だけでここまで他人に影響を及ぼした事があるだろうか?
俺だけではない。ジースト騎士も、正気がない異世界人も戦う手を止めて門の先を見る。特に異世界人達の発汗が酷くなっている。身体も震えており、怯えている事が分かる。
やがて、殺気を放った人物達が門をくぐり、俺達の前に姿を現す。現れたのは3人の奇妙な男達だった。
「おいおいぃぃぃ!どういう事だよ!!魔族全滅してねぇじゃん!!」
最初に声を上げたのは背中に剣やら槍やらの武器が刺さり、まるでハリネズミのような姿のやせっぽっちな男。背中に刃物がしっかりと刺さっているのに血が一滴も流れていないのが姿の不気味さを増幅させる。
「魔族どころじゃねぇ。弱っちい騎士達すら倒してねぇ。能力すら持っていない騎士すら倒せないなんて生きてる価値あるのwwww?」
もう1人はまるでゴリラの擬人化のような男。顔も鼻を中心に集まっており、非常にブサイクである。ズボン以外には何も服を着ておらず、自慢であろう筋肉をこれでもかと言わんばかりに見せつけている。
「よ、弱いだって?ふ、ふざけるな!!我々はジーストの平和を守る騎士だ!!貴様らのような己の意思で動かぬ者に絶対に負けない!負けるはずが無いのだ!!」
「待て!早まるな!!」
罵倒され、激昂した1人の騎士が勇気を振り絞り、恐怖で手が震えながらも3人の男達に向かっていく。だが、勇気は無謀が過ぎると蛮勇となる。それを証明するように、蛮勇の騎士は真ん中に立っていた白髪混じりの超長髪の男によって、顔面を掴まれ、持ち上げられてしまう。
「クソ・・・!間に合わなかったか・・・!」
「あ・・・が・・・!」
めきめきと骨が軋む音が蛮勇の騎士の頭部から聴こえてくる。殺気のせいで身体が動かなかった幸助も自身を鼓舞し、騎士を助けに行こうと走りだすが、1歩進んだ瞬間、騎士の頭は勢いよく握りつぶされてしまい、辺りに頭蓋骨だったものと脳味噌だったものが広がる。その様はまるで熟れたトマトが硬い地面に落ちたのととても良く似ていた。
コツンと幸助の胸に何かが当たる。落ちる前にキャッチし、当たって来たものを確かめると、それは赤く染まった目だった。勇気ある騎士の片方の目だった。
騎士の名前は知らない。どんな性格だったのかも、どんな立場だったのかも。しかし、彼はその身を挺して自分の故郷を守ろうとした勇気ある騎士であった事は分かる。何も考えずに怒りの感情だけで突っ込んでいった彼の勇気は蛮勇だったかも知れないが、敬意に値するものだった。まあ、最も、俺から敬意なんか貰っても嬉しくはないと思うが・・・。
「おい、貴様。その顔立ち・・・もしかしなくても異世界人だな?」
手に付着した血を意地汚く舐める白髪混じりの超長髪の男は両手に装着した金属製の爪を俺の方に向け、質問してくる。俺は心から溢れそうな怒りを深呼吸で抑えながら、聴こえやすいようにゆっくりと答えた。
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一言で仲間ではない事を察してくれて助かる。
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