大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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四章 魔族との和平交渉

第二十六話 裁きは下される

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「うおおおおおおお!!」

 初手はまず幸助から。剣を大きく振りかざし、軽く跳ねて身体が地面の重力に従って落ちるのを利用する。

「ふんっ。そんなものか?」

 案の定、爪で防がれてしまった。だが、幸助にとっては想定内の事である。

「『フレイム』!!」

 長髪の異世界人から離れる前に即興で炎の中級魔術を顔面に浴びせる。即興の為、火力は少しばかり落ちているが、人の顔面を焼くには十分すぎる火力だ。防ぐ間もなく顔面に火を浴びた長髪の異世界人は顔を手で押さえながら2、3歩後退する。

「まだまだぁ!!」

 幸助の攻撃はまだまだ終わらない。そこから更に鎧の弱点である関節部分を切り裂き、最後に雷の下級魔術を帯びた手を長髪の異世界人の鎧に付けて感電させてみせた。

「コウスケ!アタシがいる時は魔術面ではアタシに頼ってくれよ!!」

「ハハハ!悪い!悪い!つい、1人で盛り上がりすぎた!・・・それにしても、何で攻撃してこない?」

 仲間意識が無いのか、もしくは1対1の勝負を重んじる奴らなのか。仲間が顔面を黒焦げにされ、関節から出血を起こし、感電したというのに、他の2人は全く動こうとしなかった。

 ・・・いや、どっちも違う!あの2人はそんな人間らしい理由で動いていないわけではない!そもそも今戦っているのはアモーラから力を貰った異世界人!後ろの2人が動かないのは、俺が加えた攻撃程度では死なないと分かっているからだ!!

 幸助の予想は当たったようで、身体中ボロボロにされた長髪の異世界人はのけぞっていた身体を元に戻し、直立を再開する。顔燃える顔に手を当てると、火は消え、黒焦げた皮膚は瘡蓋かさぶたのように剥がれ始める。斬られた箇所からも出血は収まり、残った血は瘡蓋として地面に落ちる。

「・・・ふぅ、痛かったし、熱かった・・・」

 長髪の異世界人はボロボロにされる前と全く同じ状態へと戻ってしまった。一連の出来事で幸助は前の世界での知識を生かして長髪の異世界人の能力を考察する。

「・・・再生か」

「正解だ。褒美して俺達の名前を教えよう。俺の名前はジール・ドレイン」

 長髪の異世界人は冷静沈着に答える。

「俺の名前はぁ!ハリー!!」

 背中に大量の刃物が刺さった男は狂気に満ちた声で答える。

「俺はノックだ。ま、よろしくなwww」

 ゴリラのような男は煽るように答える。

「俺達は女神アモーラ様によって力を与えられ、魔族を命じられた名誉ある戦士を束ねる者。そして、貴様。貴様は何をしているのだ?アモーラ様からの指示に背き、あろうことか魔族に加担するとは・・・恥を知れ!!」

「はん!アイツに従うくらいなら舌噛んで死んでやる!!俺はな!誰かに指示されたり、命令されるのが大嫌いなんだよ!!それだけじゃねぇ!アイツは自分の利益の為に俺達を上手く丸め込んで利用しようとしている」

「嘘を付くんじゃねえよぉぉぉぉ!!アモーラ様はなぁ!ただ死ぬはずだった俺達にもう一度命を与えてくれただけじゃなくぅ、常識を超えた能力とぉ、生きる目的を与えてくれた最高の神様なんだよぉ!ファイト―ルにも、ヴェリーテも勝てねぇ、最高の神なんだよぉ!」

「その通りww。ていうかそれどこ情報?ソースとエビデンスが欲しいんだけどwww」

「その目・・・口調からして他人の意見に完全に飲み込まれてしまったようだな。哀れなヤツだ。もう助かる余地もない・・・・・・よって、俺達は今からアモーラに代わってアンタを裁く。異論はないな?」

 説得を試みたが、和解の道は既に残されていないようだ。それもそうだ。何も知らない異世界人にとっては、アモーラは命をくれた救世主。俺みたいな性格で、俺みたいなラッキーが無ければアモーラの腹の中なんて見る事は出来なかっただろう。自分の運命につくづく感謝だ。

「哀れな罪人よ、名を言え。元は俺達と同じ異世界人だ。名前程度は覚えたい」

「コウスケ・イズミだ」

「・・・日本人か。良いだろう。では、裁きを始める」
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