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最終章 今こそ復讐の時
第二話 戦え!騎士!戦え!冒険者!
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「はぁ・・・はぁ・・・ど、どうなっているんだ!?何故、ゾンビがこんなにも大量しているんだ!」
王国騎士団は騎士団長を筆頭に既に戦いを始めていた。何も考えなしに突っ込んでくるゾンビ軍団を切り伏せ、薙ぎ払い巻き込まれてしまった民を城へと誘導する。
彼らの第一目的は敵の殲滅ではなく、人々の安全の保障。効率の良い倒し方はあるが、襲われている人達を巻き込みかねないので、剣や槍で一体一体丁寧に倒して助けなければならない。
「ふぅ、狂信者アンリが暴走した日を思い出すな!あの時と全く同じだ!昼に行われていることを除けばな!!」
「あと、コウスケさん達もいない事ですかね!」
愚痴を溢しながらゾンビを倒していく騎士団の前に兵士が走ってくる。団長は兵士の顔をよく知っていた。地下牢獄を守る看守兵だ。
何故、彼がこんなところにいるんだ?そんな疑問を抱きながらも騎士団長は鎧を鳴らしながら走ってくる看守兵の方を向き、話を聞いてみる事にする。
「報告!ただいま、確認したところ男性地下牢獄の地下3階から24人の囚人が逃げ出した模様!その全てがアモーラ狂信者です!!」
「何っ!?」
反射的に看守兵の胸当てを掴み、顔を近づける。今まで指を数えられる位しか脱獄した事がない地下牢獄から大勢が逃げた事が信じられないからだ。しかも、地下牢獄を守っているはずの看守兵は無事という矛盾。一体どうなっているというんだ!
「何故だ!地下牢獄の出口はたった1つ!その出口を抜ける為には看守であるお前を倒す必要があるはずだ!それなのに何故お前は無事なんだ!!」
騎士団長の問いに看守兵は声を震わせながら答える。
「別の出口を作られていましたぁ!!」
「そうきたか・・・じ、じゃあ!このゾンビの群れも!?」
半年以上前の悲劇の再現なのか?だとするなら、大成功だろう。何たって前回は人のいない夜中に行ったからそこまで人的被害は出なかった。だが、今回は日中に行われている為、被害が甚大である。既に約10人もの人々が死に、50人以上の怪我人が出ている。
「久しぶりに思い出したよ。失う物がない者は1番恐ろしい事をな・・・」
吐き気を催す程に悪臭を放つゾンビの群れ。その奥にボサボサになった髪をウサギのような赤いリボンでポニーテールに結ぶ女が剣を振り回し、笑いながらとある一言だけを呟いていた。
「コウスケェ~?コウスケ何処~?コウスケ~、コウスケ~、コウスケェェェ!!」
やはりゾンビ軍団の原因はヤツだったか。コウスケと出会ってから間もない頃の大事件の1つ。一途すぎる恋心と強すぎる信仰心から狂ってしまった悲劇の女、アンリ・ラパン。
何処から手に入れたのか分からない剣を振り回し、ゾンビの海を掻い潜って襲ってくる兵士達を斬り殺している。
「貴方達には興味ないの!私に今必要なのはコウスケ!コウスケだけなの!貴方達雑魚には興味ないの!!」
その姿は癇癪を起こす子供そのもの。半年以上も牢獄に閉じ込められて碌に運動も剣も奮っていないというのに動きのキレが鈍っていない。これも歪んだ愛が成せる業なのか?
このままだとゾンビ軍団と暴走するアンリと共に兵士や騎士達が皆殺しにされてしまう。ここはある程度強敵との戦闘経験がある俺が戦うべきだろう。
そう思い立ち、剣の柄に手をかけたその時、空から無数の氷の矢が雨のように落ちてきて、襲われている人達を避けてゾンビ達の脳天を貫く。しかし、既に死んだ身であるゾンビにとって脳天は弱点でも何でもなく数秒後には動き始める。
「まあ、そうだよねっ!!──────『サンダー』!!」
少し気の弱い男の声から雷の中級魔術が言い放たれる。同時にゾンビ達の真上に灰色の雲が発生し、雲から黄色の雷が落下。脳天に刺さった氷の矢を伝って感電させ、焼いてしまう。しかも、またもや襲われていた人達を避けている。こんな芸当ができるのはこの町に1人しかいない。
「何でこんなにゾンビが湧いてんだよぉぉ!!聖職者はどうしたんだ!聖職者は!!」
「いねぇよ!!8ヶ月前にこの町からいなくなったばっかりじゃねえか!!そんな事も覚えてないのか!お前は!!」
ゾンビ達が倒れる前の建物の屋根に2つの人影が見える。人影の正体は、冒険者ギルドに所属する自他共に認める天才魔術師ジューペと短気な斧使いトーマだった。
「すんません!騎士団長!遅れました!」
「いや、むしろグッとタイミングだ!!ゾンビの元凶のアイツを倒してくれ!!」
1人ぽつんと残されたアンリを指差す。どうやら、防御エンチャントで難を逃れたようだ。ジューペは恋した相手であるアンリがいることに今更気づいたようで、まるで大道芸人のように大袈裟に驚き、声を上げる。
「ええっ!?アンリちゃん!?何で!?何で!?」
「知るかそんな事!この騒動の原因だというのは間違いないだろうけどよ!お前はここで俺のサポートに回れ!あのイカれ女は俺が倒す!」
「・・・いや、僕も手伝うよ。短期間とはいえ、一緒のパーティを組んでた娘だから何となく僕が止めなくちゃいけないような気がするんだ」
元仲間という事もあり、心に引っかかるものがあるようだ。珍しく前線で戦う宣言をしたジューぺはトーマと共に地面へと降り立つ。
「久しぶりだね!魔術師君!随分と男らしい顔になったね!半年以上前の情けない顔とは比べものにならないよ!ところで、コウスケは何処にいるか知ってる?」
「・・・さあね。ここにいないのは確かだよ」
「何、その間。もしかしなくても知ってるでしょ?」
「そう思うなら、倒して聞き出してみれば?僕、強くなったけど、まだまだ拷問には弱いんだよね~」
「ふぅん。じゃあ・・・殺すね」
以前の仲間にも恋の前には容赦なし。愛に狂った女は2人に敵意を向けた。
王国騎士団は騎士団長を筆頭に既に戦いを始めていた。何も考えなしに突っ込んでくるゾンビ軍団を切り伏せ、薙ぎ払い巻き込まれてしまった民を城へと誘導する。
彼らの第一目的は敵の殲滅ではなく、人々の安全の保障。効率の良い倒し方はあるが、襲われている人達を巻き込みかねないので、剣や槍で一体一体丁寧に倒して助けなければならない。
「ふぅ、狂信者アンリが暴走した日を思い出すな!あの時と全く同じだ!昼に行われていることを除けばな!!」
「あと、コウスケさん達もいない事ですかね!」
愚痴を溢しながらゾンビを倒していく騎士団の前に兵士が走ってくる。団長は兵士の顔をよく知っていた。地下牢獄を守る看守兵だ。
何故、彼がこんなところにいるんだ?そんな疑問を抱きながらも騎士団長は鎧を鳴らしながら走ってくる看守兵の方を向き、話を聞いてみる事にする。
「報告!ただいま、確認したところ男性地下牢獄の地下3階から24人の囚人が逃げ出した模様!その全てがアモーラ狂信者です!!」
「何っ!?」
反射的に看守兵の胸当てを掴み、顔を近づける。今まで指を数えられる位しか脱獄した事がない地下牢獄から大勢が逃げた事が信じられないからだ。しかも、地下牢獄を守っているはずの看守兵は無事という矛盾。一体どうなっているというんだ!
「何故だ!地下牢獄の出口はたった1つ!その出口を抜ける為には看守であるお前を倒す必要があるはずだ!それなのに何故お前は無事なんだ!!」
騎士団長の問いに看守兵は声を震わせながら答える。
「別の出口を作られていましたぁ!!」
「そうきたか・・・じ、じゃあ!このゾンビの群れも!?」
半年以上前の悲劇の再現なのか?だとするなら、大成功だろう。何たって前回は人のいない夜中に行ったからそこまで人的被害は出なかった。だが、今回は日中に行われている為、被害が甚大である。既に約10人もの人々が死に、50人以上の怪我人が出ている。
「久しぶりに思い出したよ。失う物がない者は1番恐ろしい事をな・・・」
吐き気を催す程に悪臭を放つゾンビの群れ。その奥にボサボサになった髪をウサギのような赤いリボンでポニーテールに結ぶ女が剣を振り回し、笑いながらとある一言だけを呟いていた。
「コウスケェ~?コウスケ何処~?コウスケ~、コウスケ~、コウスケェェェ!!」
やはりゾンビ軍団の原因はヤツだったか。コウスケと出会ってから間もない頃の大事件の1つ。一途すぎる恋心と強すぎる信仰心から狂ってしまった悲劇の女、アンリ・ラパン。
何処から手に入れたのか分からない剣を振り回し、ゾンビの海を掻い潜って襲ってくる兵士達を斬り殺している。
「貴方達には興味ないの!私に今必要なのはコウスケ!コウスケだけなの!貴方達雑魚には興味ないの!!」
その姿は癇癪を起こす子供そのもの。半年以上も牢獄に閉じ込められて碌に運動も剣も奮っていないというのに動きのキレが鈍っていない。これも歪んだ愛が成せる業なのか?
このままだとゾンビ軍団と暴走するアンリと共に兵士や騎士達が皆殺しにされてしまう。ここはある程度強敵との戦闘経験がある俺が戦うべきだろう。
そう思い立ち、剣の柄に手をかけたその時、空から無数の氷の矢が雨のように落ちてきて、襲われている人達を避けてゾンビ達の脳天を貫く。しかし、既に死んだ身であるゾンビにとって脳天は弱点でも何でもなく数秒後には動き始める。
「まあ、そうだよねっ!!──────『サンダー』!!」
少し気の弱い男の声から雷の中級魔術が言い放たれる。同時にゾンビ達の真上に灰色の雲が発生し、雲から黄色の雷が落下。脳天に刺さった氷の矢を伝って感電させ、焼いてしまう。しかも、またもや襲われていた人達を避けている。こんな芸当ができるのはこの町に1人しかいない。
「何でこんなにゾンビが湧いてんだよぉぉ!!聖職者はどうしたんだ!聖職者は!!」
「いねぇよ!!8ヶ月前にこの町からいなくなったばっかりじゃねえか!!そんな事も覚えてないのか!お前は!!」
ゾンビ達が倒れる前の建物の屋根に2つの人影が見える。人影の正体は、冒険者ギルドに所属する自他共に認める天才魔術師ジューペと短気な斧使いトーマだった。
「すんません!騎士団長!遅れました!」
「いや、むしろグッとタイミングだ!!ゾンビの元凶のアイツを倒してくれ!!」
1人ぽつんと残されたアンリを指差す。どうやら、防御エンチャントで難を逃れたようだ。ジューペは恋した相手であるアンリがいることに今更気づいたようで、まるで大道芸人のように大袈裟に驚き、声を上げる。
「ええっ!?アンリちゃん!?何で!?何で!?」
「知るかそんな事!この騒動の原因だというのは間違いないだろうけどよ!お前はここで俺のサポートに回れ!あのイカれ女は俺が倒す!」
「・・・いや、僕も手伝うよ。短期間とはいえ、一緒のパーティを組んでた娘だから何となく僕が止めなくちゃいけないような気がするんだ」
元仲間という事もあり、心に引っかかるものがあるようだ。珍しく前線で戦う宣言をしたジューぺはトーマと共に地面へと降り立つ。
「久しぶりだね!魔術師君!随分と男らしい顔になったね!半年以上前の情けない顔とは比べものにならないよ!ところで、コウスケは何処にいるか知ってる?」
「・・・さあね。ここにいないのは確かだよ」
「何、その間。もしかしなくても知ってるでしょ?」
「そう思うなら、倒して聞き出してみれば?僕、強くなったけど、まだまだ拷問には弱いんだよね~」
「ふぅん。じゃあ・・・殺すね」
以前の仲間にも恋の前には容赦なし。愛に狂った女は2人に敵意を向けた。
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