42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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1章 投げる冒険者

33話 順調な者

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 ライさんが行方不明になったらしい。しかし、ウィート家はほっとけ状態で誰も捜査はせずに行方不明の話題は自然と流されていってしまった。

「探さなくて良いのかな?」

「逆になんで探そうとしてるの?アタシ達を見捨てて逃げた奴だよ?自業自得じゃない」

「・・・家に居場所がなくて、ギルドにも居場所がない。そう思うと、なんだか悲しくなっちゃいまして」

「アンタ、優しすぎ。ま、それがあんたの良い所なんでしょうけどね」

「そうですかね・・・」

「それよりも、早く依頼を選びなさいよ。ミミック処理と、草原のゴブリンライダーの討伐。どっちにするの?」

「ミミックの処理ってどんなのなんです?」


「ミミックは知ってるでしょ。あの宝箱に化ける厄介な魔物。アイツだって分かってる宝箱を開けて、討伐すんの」

「気づかれたのに襲ってこないなら、そのままでも良いんじゃ無いですか?」

「そういう宝箱に限って良いもの入ってんの。指名依頼の量で忘れてたけど、アンタそういえば新人冒険者だったわね」

「すみません・・・」

「謝んなくて良い、どうして、アンタってそうすぐに謝るの?それじゃあ、アンタの謝罪の価値はドンドン下がるだけよ」

「それは・・・そうかもしれませんね」

 日本人の悪い癖が出てしまった。このすぐに謝る癖は前世からずっと治らないな。そういえば、メジャーデビューした最初らへんでデッドボールを当てちゃった時、すぐに謝罪した時もバッターからマジギレされたっけ?

 日本野球とアメリカ野球は、様々な所に違いが存在する。その中で最も有名なのが、死球を当てても謝罪しないという暗黙のルールが存在する。

 これは、全力のプレーをしていた結果起きてしまった事故であり、故意ではないのだから謝罪は不要という意味である。逆に、謝罪をした場合はわざと死球を当てたと見做され、乱闘の原因にもなる。

 日本からメジャーに移籍した日本人投手が最初にやらかしがちな行為だ。俺も、頭でわかっていても反射で謝罪してしまった時にはもう、最悪だったな。

「・・・どうしたの?いきなり呆けちゃって」

「いや、これからは謝罪をする場面をしっかりと見定めないとなって」

「そうして頂戴。それじゃあ、どの依頼にする?」

「面白そうだからミミックの処理で」

「・・・後悔しないでよね」

 ヘリナ先輩の言葉の意味が分かったのは、ミミックを開けた瞬間だった。ミミックは強く、魔法も使える為、苦戦を強いられた。ミミックが擬態していたのが木製の宝箱じゃなかったら、恐らく殺されていただろう。

 死ぬ思いでミミックを倒したわけだが、手に入ったのは名剣や、宝石などではなく、亡国の銅貨(偽物)だった。依頼主は心底がっかりしていた。
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