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2章 Aを目指せ
83話 ノンステップ打法
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「なっ・・・!!」
思わず、驚きの声を漏らしてしまう。驚いたのはナックルの突然の登場・・・ではなく、打ち返してきた時のフォームだった。
ナックルという魔族の青年の打ち返し方はまさに野球の打撃そのもの。似ているとかいうレベルではない。地面に描かれてはいなかったが、打ち返してくる時に立っていた位置も、バッターボックスを意識していた。左側に立っていた事から、恐らく右利きなのだろう。
打法は、ノーステップ打法に近い・・・というよりかはノーステップ打法そのもの。その名の通り、ステップはせず体重移動から行う打法だ。しかも、生まれ持っての癖から出た打法ではない。明らかに練習した形跡がある。
俺が投げ終わった後に急いで定位置に立って打ったからか、あまり打球は飛ばなかったが、大きな弧を描いて先程まで戦っていたヘリナ先輩の頭に直撃。魔法の効果が切れていなかった事もあり、ヘリナ先輩は眠りについてしまった。
「ジムさん!今です!逃げてください!!」
「わ、分かった・・・!!」
いつの間にか気絶から起きていたワイバーンに乗り、天井に空いた僅かな穴からデビン洞窟を脱出するジム・バレン。気づいた頃にはホバリングしていた為、追いかける気にすらならなかった。
「・・・・・・」
ナックルはというと、ボロボロのドゥークを背負い、洞窟の奥へと走って行ってしまった。
「待てっ!!」
パルスさんは大怪我、ラーバさんはパルスさんを治療中、そしてヘリナ先輩は熟睡。動けるのは俺のみだ。
周りに魔物がいない事を確認後、鉄球を何個か拾いながら逃げた2人を追いかける。走って追いかけたかったが、中途半端に溶けた氷で足元が滑る為、細心の注意を払いながら追いかける。
「おいっ!待て!!」
俺の目的は魔族との話し合いであり、討伐は依頼内容に過ぎない。しかし、相手側からは殺すために追いかけてきたと解釈されてもおかしくはない。
「待ってくれ!頼む!!」
だから、どんなに叫んでも足は止めてはくれない。だから、一回捕まえて動きを封じてから話をするしかない。
動きを封じる方法を考えながら奥へと進むと、なんとナックルは担いでいたドゥークを地面に置いて、俺が来るのを待っていたかのように仁王立ちしていた。
武器である棍棒すらも地面に置いて、現れた俺をじっと見つめている。
まさか、彼と俺の思考は同じなのか?武器を置いているという事は話し合いがしたいという事なのか?
それとも、足元に魔法が仕掛けてあって、武器を置いているのはそれに気づかせない為の罠なのか?
何も言わずにこちらをじっと見つめる為、何が目的なのか分からない。困り果てていると、ようやっと、ナックルが口を開いた。
「佐久間、隼人・・・」
「え・・・?」
開口一番言い放ったのは、俺の前世の名前だった。
思わず、驚きの声を漏らしてしまう。驚いたのはナックルの突然の登場・・・ではなく、打ち返してきた時のフォームだった。
ナックルという魔族の青年の打ち返し方はまさに野球の打撃そのもの。似ているとかいうレベルではない。地面に描かれてはいなかったが、打ち返してくる時に立っていた位置も、バッターボックスを意識していた。左側に立っていた事から、恐らく右利きなのだろう。
打法は、ノーステップ打法に近い・・・というよりかはノーステップ打法そのもの。その名の通り、ステップはせず体重移動から行う打法だ。しかも、生まれ持っての癖から出た打法ではない。明らかに練習した形跡がある。
俺が投げ終わった後に急いで定位置に立って打ったからか、あまり打球は飛ばなかったが、大きな弧を描いて先程まで戦っていたヘリナ先輩の頭に直撃。魔法の効果が切れていなかった事もあり、ヘリナ先輩は眠りについてしまった。
「ジムさん!今です!逃げてください!!」
「わ、分かった・・・!!」
いつの間にか気絶から起きていたワイバーンに乗り、天井に空いた僅かな穴からデビン洞窟を脱出するジム・バレン。気づいた頃にはホバリングしていた為、追いかける気にすらならなかった。
「・・・・・・」
ナックルはというと、ボロボロのドゥークを背負い、洞窟の奥へと走って行ってしまった。
「待てっ!!」
パルスさんは大怪我、ラーバさんはパルスさんを治療中、そしてヘリナ先輩は熟睡。動けるのは俺のみだ。
周りに魔物がいない事を確認後、鉄球を何個か拾いながら逃げた2人を追いかける。走って追いかけたかったが、中途半端に溶けた氷で足元が滑る為、細心の注意を払いながら追いかける。
「おいっ!待て!!」
俺の目的は魔族との話し合いであり、討伐は依頼内容に過ぎない。しかし、相手側からは殺すために追いかけてきたと解釈されてもおかしくはない。
「待ってくれ!頼む!!」
だから、どんなに叫んでも足は止めてはくれない。だから、一回捕まえて動きを封じてから話をするしかない。
動きを封じる方法を考えながら奥へと進むと、なんとナックルは担いでいたドゥークを地面に置いて、俺が来るのを待っていたかのように仁王立ちしていた。
武器である棍棒すらも地面に置いて、現れた俺をじっと見つめている。
まさか、彼と俺の思考は同じなのか?武器を置いているという事は話し合いがしたいという事なのか?
それとも、足元に魔法が仕掛けてあって、武器を置いているのはそれに気づかせない為の罠なのか?
何も言わずにこちらをじっと見つめる為、何が目的なのか分からない。困り果てていると、ようやっと、ナックルが口を開いた。
「佐久間、隼人・・・」
「え・・・?」
開口一番言い放ったのは、俺の前世の名前だった。
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