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「ぁっ……」
ショックを露わにする私がバルトルト様を見上げるのを遮るように、バルトルト様は私を抱きしめ肩口に顔を埋め隠した。
「ごめんね。 ごめんなさい……」
泣きそうに彼は囁く。
「その方が……好きなの? 本当はずっとその方を好きだったけれど諦めただけなの? 私の事は……いえ……いい、やっぱり聞きたくない!!」
「良くない!! 僕はサーシャが好き。 一番好きだよ。 それに貴方の父さんも母さんも、兄さんも、他の人達も家族だと思っている。 僕の居場所はサーシャの側だけだよ。 勝手に僕を突き放したりしないで、お願い……。 側妃を迎えるのは、国王の命令でしかないんだ……僕には何時だって拒否権はもらえない」
「バルトルト様に側妃をつけようと考えるなんて……陛下がそんな事をおっしゃるなんて……思ってもいませんでした」
「僕だってサーシャと同じ気持ちだよ。 子供の頃から僕には婚約者候補すらいたことが無かったから。 ……王妃がソレで良く怒ったんだ」
抱き締められたまま感じる彼の身体は震え……怯えているようにすら思えた。 だけど、その顔を見ようとしても抱きしめる腕が強くて、私は謝るしかできなかった。
「ぁ、嫌な事を思い出させてごめんなさい」
彼が側妃を迎えると言うのはショックだけれど……彼が悲しい過去を思い出し、餌抜きを言い渡された子犬のようにショックな顔をする方が嫌だったから。
親子だからと言って無償の愛が存在するとは限らない。
私が見て来た貴族達には、そんな関係が多く見られた。
不思議にも地位、権力、財力を持つほど愛情から遠くなるのだから……不思議だ。 私は抱きしめてくるバルトルト様を抱きしめ返し、その背を撫でる。
「サーシャの手が……とても気持ちいい」
猫のように甘え頬を摺り寄せ、軽い口づけが繰り返される。
だけど、私は、口づけに集中出来なかった。
『貴方にお嫁さんを迎えようとしたのに、お茶会すら断られましたわ!! どれだけ私に恥をかかせれば気が済むの!!』
そうヒステリックに叫び、苛立ちを鞭打ちで晴らしていたと言う噂を、貴族の笑い話として聞いた。 バルトルト様の身体にあるのは戦場の切り傷よりも、避ける事も、拒む事も出来ない家族からの傷ばかりなのだから……私は、笑えない。
婚姻は政治的、経済的繋がりを意味しており、例えどれほど見た目が悪い王子でも、暴力的でも、女癖が悪い王子だったとしても、その婚姻を拒む等と聞いた事は無い。
彼が拒まれるのは……令嬢達に幼稚な馬鹿と噂されていたから。
『馬鹿はダメだ馬鹿は……。 王家との婚姻を結ぶ事で、どれほどの支援が受けられるのか? と聞いても全く通じない。 領地の税率を下げて欲しいと言えば、父上に相談してみます!! と、大声で宣言した。 アレは懐に抱え込めば自爆となるだろう……』
そんな噂を貴族令嬢達から幾度となく聞いた事がある。
余りにも寂しそうに、不安そうだから、側妃を迎える等と言う事がどこか遠くに飛んで消えそうになっていた。
妃を求めるなら。
妃になろうと言う人がいたと言うのなら。
私が彼と知り合う前に、婚約していて欲しかった。 手の届かぬ人と他人事として眺めている時だったなら……こんなに心が痛む事もないのに。
私は嫌、嫌なの。
貴方を共有等したくありません。
飲み込み切れない感情が渦を巻く。
「私に永遠の愛を誓うって言ってくれたのに……」
「今だって誓うよ。 側妃を迎えろと言うのは命令なだけだし……僕が好きなのはサーシャだけだから。 それに彼女をここに連れて来るつもりはないよ」
泣きそうな声でそう訴えられたら、私は嫌とは言えなかった。
私と出会う前に決めれば良かったのよ。 私なんてポッとでの庶民のようなもの。 なんで、どうして、今更バルトルト様に側妃を迎えろなんておっしゃるのよ!! 私は未だまともに会話一つしたことの無い国王陛下に対して恨みがましく思うのだった。
それから間もなく、婚姻のお披露目があると告知。 私の元へも招待状が届きました。 それと同封されていたのは、国王陛下からの手紙。
爵位的に考えれば、私の方が側妃となるべきなのを、正妃として認めるのだから、せめて快く迎えると言う政治的配慮を表すため、私の時以上のドレスと装飾品を側妃に送るように。 また、婚姻披露に訪れた人達に一流の酒を準備し、お礼の品も立派な物を準備するよう、王都に訪れ側妃として迎える大貴族の娘ミリヤム・リービヒに私自身が尽くすようにと書かれていました。
その瞬間、目の前が真っ暗になりました。
息苦しくなったかと思えば、私はそのまま気を失ってしまったようです。
「サーシャ、サーシャ」
泣くような声で私を呼ぶ小さな囁きに目を開けば、
「良かったぁあ」
「だから、大丈夫だと申したでしょう」
家も商売が大きくなるごとに業種は多岐に渡っており、従業員のために医師を迎え、医療研究所までいつの間にか所有しており、そこの主任が汗をかき私以上に呼吸を乱しながら目の前にいました。
「先生?」
「いや、物凄い勢いで連れてこられましたよ。 何事も無くて良かった。 とは言え……ストレスと言うものは身体に良いものではありませんぞ」
「それは……」
私は意識を失う前に、胸元に隠した手紙を思えば冷や汗が溢れてきました。 きゅっと胸元を掴むように手紙を確認しましたが……その手紙は無く。 甲斐甲斐しく水を飲ませようとするバルトルト様と視線が合います。
「サーシャに何も無くて良かったよ。 先生、後は夫婦の時間だからもう帰って!! あっちに行って!! 何時までもサーシャの姿を見ないで!!」
「バルトルト様!! 折角来ていただいた先生になんて事を」
「なんとも勝手な事を言う」
そう嘆きながらも先生は笑っている。
「約束通り、僕のとっておきのお酒を土産に持って行っていいから。 お願いだよ。 二人きりにさせて」
私を抱きしめ拗ねながら言うから、やれやれと先生はテーブルの上に置かれた特別生産をした酒を持って去って行った。
「バルトルト様、先生にあのような扱い」
「大丈夫だよ。 彼は僕が生まれた時から面倒を見てくれていた先生だから。 僕を良く理解してくれているもの。 僕の家族の一人で、サーシャの家族だよ。 だから、大丈夫。 それよりも……コレ……勝手に見てごめんなさい。 後……勝手な事を言ってきてごめんなさい」
「バルトルト様……。 それは、きっと、バルトルト様に見せないために私に直接届けられた書状だと思います。 胸の内に納めて」
「そんな訳いかないよ!! 君に嫌な思いをさせる事になるけれど、僕に任せて……お願い」
切ない嘆きのような声だった。
「……はい」
「ごめんね。 本当にごめんなさい」
「そんなに謝らずとも、全て引き受けてくれると言う言葉だけで、私は十分救われるのですから」
「ううん、僕は……サーシャの都合も考えず、貴方の名誉を汚す嘘をつこうと言う考えが浮かんでしまったんだ。 サーシャが選んで……」
バルトルト様が言うには、
婚姻披露の準備の陣頭指揮を執るように言われるだろうけど、そんな事をさせたくはないのだと。 どうせ嫌がらせをしてくるだろうからと言うものだった。
「だから……サーシャは、僕が側妃を迎えるショックで流産してしまった事にして欲しいんだ。 そうすれば王都に出向く必要は無くなる。 サーシャがイジメに会う事も、嫌な思いをする事もなくなる……。 だけど、サーシャが出て来られない代わりに準備の方はサーシャが僕達の婚姻披露に出した予算の20倍を支払うと言うものになると思うんだ」
その言葉に、ショックを覚えなかったと言えば嘘になります。
ぐるぐるぐるぐると、王子様は結局王子様なのだと……。
「最初は10倍で提示しようと思うのだけど、向こうは何十倍の予算は見ているだろうから、最終調整としては20倍の額で収めようと思っているんだ。 悪いけどソレで納得してくれないかな?」
いまは商会の8割が、従業員の8割がバルトルト様のものであり、私が文句を言える立場に等無いのですから……仕方がありませんよね。
何処に行くにも私達は一緒だった。
それを考えれば、最近王都に頻繁に出向くバルトルト様が妙に遠く思えてしまうのは事実です。 それも側妃……いえ、王宮の方々からすれば実質正妃を迎えるもの。 私の心は穏やかではありません。
知りたくないのに、知りたくて何時だってモヤモヤしてしまうのです。
だけど……そこはぬかりがないと言うべきか……手紙が来ます……。 最初こそ一日に二通でした。 バルトルト様と彼の乳兄弟兼秘書から。 次に元騎士の方々や侍女、従業員、字を覚えたばかりの子供達。 様々な方から入れ代わり立ち代わり。
不安が吹っ飛ぶまで、多くの時間は必要ありませんでした。 むしろ……
「返事、どうしようかしら?」
正直、一つ一つに返事を返すのは大変だと悩むほどです。
「では、可愛らしいメッセージを量産して、お嬢様はサインをするだけにするのは如何でしょうか?」
等と言う提案を受け、私はすぐにデザイン部門の者達にメッセージカードを数種類たのみ、それをすぐに印刷するよう頼みました。 それと、小さなお礼の品として飴玉を添える事にしたのです。
ショックを露わにする私がバルトルト様を見上げるのを遮るように、バルトルト様は私を抱きしめ肩口に顔を埋め隠した。
「ごめんね。 ごめんなさい……」
泣きそうに彼は囁く。
「その方が……好きなの? 本当はずっとその方を好きだったけれど諦めただけなの? 私の事は……いえ……いい、やっぱり聞きたくない!!」
「良くない!! 僕はサーシャが好き。 一番好きだよ。 それに貴方の父さんも母さんも、兄さんも、他の人達も家族だと思っている。 僕の居場所はサーシャの側だけだよ。 勝手に僕を突き放したりしないで、お願い……。 側妃を迎えるのは、国王の命令でしかないんだ……僕には何時だって拒否権はもらえない」
「バルトルト様に側妃をつけようと考えるなんて……陛下がそんな事をおっしゃるなんて……思ってもいませんでした」
「僕だってサーシャと同じ気持ちだよ。 子供の頃から僕には婚約者候補すらいたことが無かったから。 ……王妃がソレで良く怒ったんだ」
抱き締められたまま感じる彼の身体は震え……怯えているようにすら思えた。 だけど、その顔を見ようとしても抱きしめる腕が強くて、私は謝るしかできなかった。
「ぁ、嫌な事を思い出させてごめんなさい」
彼が側妃を迎えると言うのはショックだけれど……彼が悲しい過去を思い出し、餌抜きを言い渡された子犬のようにショックな顔をする方が嫌だったから。
親子だからと言って無償の愛が存在するとは限らない。
私が見て来た貴族達には、そんな関係が多く見られた。
不思議にも地位、権力、財力を持つほど愛情から遠くなるのだから……不思議だ。 私は抱きしめてくるバルトルト様を抱きしめ返し、その背を撫でる。
「サーシャの手が……とても気持ちいい」
猫のように甘え頬を摺り寄せ、軽い口づけが繰り返される。
だけど、私は、口づけに集中出来なかった。
『貴方にお嫁さんを迎えようとしたのに、お茶会すら断られましたわ!! どれだけ私に恥をかかせれば気が済むの!!』
そうヒステリックに叫び、苛立ちを鞭打ちで晴らしていたと言う噂を、貴族の笑い話として聞いた。 バルトルト様の身体にあるのは戦場の切り傷よりも、避ける事も、拒む事も出来ない家族からの傷ばかりなのだから……私は、笑えない。
婚姻は政治的、経済的繋がりを意味しており、例えどれほど見た目が悪い王子でも、暴力的でも、女癖が悪い王子だったとしても、その婚姻を拒む等と聞いた事は無い。
彼が拒まれるのは……令嬢達に幼稚な馬鹿と噂されていたから。
『馬鹿はダメだ馬鹿は……。 王家との婚姻を結ぶ事で、どれほどの支援が受けられるのか? と聞いても全く通じない。 領地の税率を下げて欲しいと言えば、父上に相談してみます!! と、大声で宣言した。 アレは懐に抱え込めば自爆となるだろう……』
そんな噂を貴族令嬢達から幾度となく聞いた事がある。
余りにも寂しそうに、不安そうだから、側妃を迎える等と言う事がどこか遠くに飛んで消えそうになっていた。
妃を求めるなら。
妃になろうと言う人がいたと言うのなら。
私が彼と知り合う前に、婚約していて欲しかった。 手の届かぬ人と他人事として眺めている時だったなら……こんなに心が痛む事もないのに。
私は嫌、嫌なの。
貴方を共有等したくありません。
飲み込み切れない感情が渦を巻く。
「私に永遠の愛を誓うって言ってくれたのに……」
「今だって誓うよ。 側妃を迎えろと言うのは命令なだけだし……僕が好きなのはサーシャだけだから。 それに彼女をここに連れて来るつもりはないよ」
泣きそうな声でそう訴えられたら、私は嫌とは言えなかった。
私と出会う前に決めれば良かったのよ。 私なんてポッとでの庶民のようなもの。 なんで、どうして、今更バルトルト様に側妃を迎えろなんておっしゃるのよ!! 私は未だまともに会話一つしたことの無い国王陛下に対して恨みがましく思うのだった。
それから間もなく、婚姻のお披露目があると告知。 私の元へも招待状が届きました。 それと同封されていたのは、国王陛下からの手紙。
爵位的に考えれば、私の方が側妃となるべきなのを、正妃として認めるのだから、せめて快く迎えると言う政治的配慮を表すため、私の時以上のドレスと装飾品を側妃に送るように。 また、婚姻披露に訪れた人達に一流の酒を準備し、お礼の品も立派な物を準備するよう、王都に訪れ側妃として迎える大貴族の娘ミリヤム・リービヒに私自身が尽くすようにと書かれていました。
その瞬間、目の前が真っ暗になりました。
息苦しくなったかと思えば、私はそのまま気を失ってしまったようです。
「サーシャ、サーシャ」
泣くような声で私を呼ぶ小さな囁きに目を開けば、
「良かったぁあ」
「だから、大丈夫だと申したでしょう」
家も商売が大きくなるごとに業種は多岐に渡っており、従業員のために医師を迎え、医療研究所までいつの間にか所有しており、そこの主任が汗をかき私以上に呼吸を乱しながら目の前にいました。
「先生?」
「いや、物凄い勢いで連れてこられましたよ。 何事も無くて良かった。 とは言え……ストレスと言うものは身体に良いものではありませんぞ」
「それは……」
私は意識を失う前に、胸元に隠した手紙を思えば冷や汗が溢れてきました。 きゅっと胸元を掴むように手紙を確認しましたが……その手紙は無く。 甲斐甲斐しく水を飲ませようとするバルトルト様と視線が合います。
「サーシャに何も無くて良かったよ。 先生、後は夫婦の時間だからもう帰って!! あっちに行って!! 何時までもサーシャの姿を見ないで!!」
「バルトルト様!! 折角来ていただいた先生になんて事を」
「なんとも勝手な事を言う」
そう嘆きながらも先生は笑っている。
「約束通り、僕のとっておきのお酒を土産に持って行っていいから。 お願いだよ。 二人きりにさせて」
私を抱きしめ拗ねながら言うから、やれやれと先生はテーブルの上に置かれた特別生産をした酒を持って去って行った。
「バルトルト様、先生にあのような扱い」
「大丈夫だよ。 彼は僕が生まれた時から面倒を見てくれていた先生だから。 僕を良く理解してくれているもの。 僕の家族の一人で、サーシャの家族だよ。 だから、大丈夫。 それよりも……コレ……勝手に見てごめんなさい。 後……勝手な事を言ってきてごめんなさい」
「バルトルト様……。 それは、きっと、バルトルト様に見せないために私に直接届けられた書状だと思います。 胸の内に納めて」
「そんな訳いかないよ!! 君に嫌な思いをさせる事になるけれど、僕に任せて……お願い」
切ない嘆きのような声だった。
「……はい」
「ごめんね。 本当にごめんなさい」
「そんなに謝らずとも、全て引き受けてくれると言う言葉だけで、私は十分救われるのですから」
「ううん、僕は……サーシャの都合も考えず、貴方の名誉を汚す嘘をつこうと言う考えが浮かんでしまったんだ。 サーシャが選んで……」
バルトルト様が言うには、
婚姻披露の準備の陣頭指揮を執るように言われるだろうけど、そんな事をさせたくはないのだと。 どうせ嫌がらせをしてくるだろうからと言うものだった。
「だから……サーシャは、僕が側妃を迎えるショックで流産してしまった事にして欲しいんだ。 そうすれば王都に出向く必要は無くなる。 サーシャがイジメに会う事も、嫌な思いをする事もなくなる……。 だけど、サーシャが出て来られない代わりに準備の方はサーシャが僕達の婚姻披露に出した予算の20倍を支払うと言うものになると思うんだ」
その言葉に、ショックを覚えなかったと言えば嘘になります。
ぐるぐるぐるぐると、王子様は結局王子様なのだと……。
「最初は10倍で提示しようと思うのだけど、向こうは何十倍の予算は見ているだろうから、最終調整としては20倍の額で収めようと思っているんだ。 悪いけどソレで納得してくれないかな?」
いまは商会の8割が、従業員の8割がバルトルト様のものであり、私が文句を言える立場に等無いのですから……仕方がありませんよね。
何処に行くにも私達は一緒だった。
それを考えれば、最近王都に頻繁に出向くバルトルト様が妙に遠く思えてしまうのは事実です。 それも側妃……いえ、王宮の方々からすれば実質正妃を迎えるもの。 私の心は穏やかではありません。
知りたくないのに、知りたくて何時だってモヤモヤしてしまうのです。
だけど……そこはぬかりがないと言うべきか……手紙が来ます……。 最初こそ一日に二通でした。 バルトルト様と彼の乳兄弟兼秘書から。 次に元騎士の方々や侍女、従業員、字を覚えたばかりの子供達。 様々な方から入れ代わり立ち代わり。
不安が吹っ飛ぶまで、多くの時間は必要ありませんでした。 むしろ……
「返事、どうしようかしら?」
正直、一つ一つに返事を返すのは大変だと悩むほどです。
「では、可愛らしいメッセージを量産して、お嬢様はサインをするだけにするのは如何でしょうか?」
等と言う提案を受け、私はすぐにデザイン部門の者達にメッセージカードを数種類たのみ、それをすぐに印刷するよう頼みました。 それと、小さなお礼の品として飴玉を添える事にしたのです。
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