転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第406話 [生命の揺り篭。Part9]

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 朝食を済ませた俺達は皆んなに事情を話すとルークと共に外に出た。

「注文したやつはどんだけ出来たんだ?」

「とりあえず10は出来たから少し使ってみてくれ。」

「おう。」

 ルークはそう言うとドラウから受け取った世界樹の糸を1本ずつ確かめる様に動かしていた。

「なぁ、ドラウ。」

「ん?細さが納得いかなかったか?」

「そうじゃねぇ、コレって魔力を込めれば込める程、強靭になってくのか?」

「靱やかさは変わらねぇはずだが、扱い難くなったのか?」

「いや、変わらねぇから聞いたんだ。」

「ん?硬くなる様にしたかったのか?」

「いや、出来るなら出来るで戦略が有るがそこまで必要じゃねぇから問題無いんだが、幾ら魔力を込めても糸自体の変化を感じなかったからな。」

「あぁ、そういう事か。それは素材が世界樹だからだな。世界樹の素材は世界樹の性質の一部を受け継いでる物が多くて今回のでいえば、再生だ。」

「強靭さじゃねぇんだな。」

「それは素材そのものの特性に加えて俺が身につける事が出来た特殊な製法によるもんだな。まぁ、再生がなきゃ糸の耐久値が使用の度に減っちまうから使用回数は100回も使えれば御の字だ。」

「普通なら100回使えたら良いんじゃねぇのか?」

「そりゃ、ランクの低いCやBランクの魔物を捕縛するだけで使うならってだけで戦闘に使用したり、AやSランクの魔物に使えば使えて数回だぞ。」

「SSランクはやっぱり無理なのか?」

「再生がなきゃ無理だろうが、ルークが使うなら大丈夫なんじゃねぇか?まぁ、1本じゃ捕獲するのは難しいだろうがな。」

「ん?無理とは言わねぇんだな。」

「捕獲の方法ならルークはよく知ってるだろ?」

「まぁな。」

「それに一寸切れそうになってるぐれぇなら魔力を込めたら再生するし、切れたとしても切れた部分を接続する様に合わせて魔力を込め続けたら10秒ぐれぇで元の状態に戻せるしな。まぁでも切れ方にもよるが、多少は短くはなるな。」

「その程度の損傷で済むのか?」

「あぁ、それとこれは副産物の効果なんだが、怪我した箇所にその糸を巻いて魔力を込めると本人のみだが、一瞬で回復というか、復元する効果まで有ったな。」

「そんな効果まで付けてくれたのか?」

「副産物っつっただろ?糸を永続的に使える様にと思ってやったらそうなったんだよ。」

「鑑定したのか?」

「してねぇっつうか、鑑定じゃあ出てこねぇよ。例えシュウトの神の瞳でもハッキリとした効果は分からねぇはずだ。」

「そうなのか?」

「あぁ、使用者の魔力を使い、操作する事で仄かに掴んだ場所が修復されるってだけだからな。」

「仄かに?」

「あぁ、糸だからな。何かに取り付けて使用しねぇと使ってる本人も怪我するだろ?それを出来るだけ防ごうとしたんだよ。」

「なら巻き付ける事で修復されるってぇのは何で分かったんだ?」

「製造過程で軽い怪我をしてな。気にせず魔力を込めて引き伸ばしてた時に束ねた状態で魔力を込めてたらさっき出来た傷も古い傷も何もかも綺麗になってたから、もしかしてと思って、かなり抉れてた場所を出来上がってた糸で巻き付けて魔力を込めたら復元されてたんだ。」

「回復とは違うのか?」

「ニップルのも試したがありゃ、修復されて元の最高の状態に復元されてたんだ。エリクサーでもねぇと出来ねぇ状態だからな。」

「なるほどなぁ。だが、何で本人だけなんだ?」

「そりゃニップルやナビコに協力してもらったからな。1ミリも復元出来ないどころか、俺がやってもらった時は逆に傷だらけになっちまったからな。まぁその後直ぐに復元させたがな。」

「その巻いた部分だけが回・・・違うな、修復されんのか?」

「巻いた部分だけだ。」

「結構な魔力が必要なのか?」

「復元するのにか?」

「あぁ。」

「いや、軽い傷程度ならほんの僅かな魔力で大丈夫なんだが、深い傷や古い傷だとまぁある程度の魔力は必要だろうな。」

「怪我次第で変わるか、まぁそうだろうな。」

「ちなみにだが、修復する感じを見る限りだが、時間と魔力を掛ければ欠損すら治せる可能性だって有るぞ。」

「へぇ~面白ぇなぁ。」

「だろ?さっ、使ってみてくれ。」

「おう。」

 ルークはそう言うとセーフティーゾーンの付近に居た魔物を切断したりサンゴに絡めて罠の準備をしてからセーフティーゾーンを出て魔物を誘い出し、罠で捕らえたり、高速移動する魔物を魔物自身のスピードを利用して固定した糸でバラバラにしてから戻ってきた。

「どうだったんだ?」

「思った通りには出来たと思うが・・・。」

「どうしたんだ?」

「コレってさぁ、糸の端に苦無とか分銅とか付けたら苦無や分銅の方が壊れるのか?」

「その心配はねぇぞ。ほらよっ!」

 ドラウはそう言うとアイテムボックスから色んな形の苦無やナイフ、分銅をルークに渡していった。

「昨日の晩に造ったのか?」

「いや、物自体は前からのもんだが、もしかしたらルークが欲しがるんじゃねぇかと思ってな。使いやすい様に持ち手や接続部分に世界樹の糸を巻いといたんだ。」

「糸・・・あぁ、この垂れ下がってるのがそうか。」

「あぁ、さっき言った感じで糸の先とその垂れ下がってる糸を接続するつもりで合わせて魔力を込めてみろよ。」

 ドラウにそう言われたルークが魔力を込めると元々1本の糸だったと言われても分からないくらいの状態になっていた。

「へぇ~これなら楽だな。だが、この部分だけが強度が悪くて切れるって事は無いのか?」

 ルークはそう言いながら接続した部分を指さしていた。

「問題ねぇ、切れる様な相手ならそいつがぶつかった箇所から切れるはずだ。」

「って事はコレも再生の効果なのか?」

「あぁ。」

「なら、他のも全部繋げられるって事か?」

「そうだが、そんなに長くして使い難いって事はねぇのか?」

「時と場合によるだろ?」

「まぁ、言いたい事は分かるな。」

「1つ良いか?」

「何だ?」

「コレって外せるのか?」

「ルークの魔力を糸に浸透させてからなら簡単に魔力を込めたナイフとか使えば切れるぞ。」

「魔力を込めなかったらどうなんだ?」

「魔力を込めない状態が続くと外の魔力を吸収する所為で、ダンジョンの壁並に硬くなるから切るのは大変だろうな。」

「まぁ大変だが出来ない事もない感じか。ってか、こんなに細いのにそこまでの強度が有るのか?」

「元の素材が世界樹だからなぁ放置すれば、そりゃそうなるな。まぁ、魔力を込めれば直ぐに扱い易くなるからこの糸の事を知っていれば問題無いだろ?」

「まぁそうだな。それで、どの程度放置したらそうなるんだ?」

「使い方によるな。」

「どういう事だ?」

「魔力を潤沢に込めた状態なら1年は保つだろうが、そうじゃなかったら・・・って事だ。」

「じゃあ、罠として使うなら糸にあまり魔力を込めない方が良さそうか?」

「他のダンジョンならそれでも良いだろうが、此処のレベルだと魔力を込めた方が強度も柔軟性も必要になってくるだろうな。」

「そうか、それならまた別の機会にでも試すわ。それで、さっきシュウトと話してたもう1つの方ってアクアスパイダーの糸の事か?」

「聞いてたのか?」

「そりゃあ俺が頼んでたやつだしな。糸を出してるのを見りゃ気付くだろ?」

「まぁ、そうだな。」

「それで、世界樹の糸に粘着性を持たせたのか?」

「世界樹の糸は性質的になのか、魔物とは相容れない可能性は0じゃねぇはずなんだがなぁ・・・。」

 昆虫系の魔物だからか?でも蜘蛛は害虫を食べる益虫だから合わないっていうのも違う気がするんだが、もしかして海が生息地だからか?

 俺がそう思っているとドラウはアイテムボックスから黒い糸を取り出した。

「それは?」

「コレはアクアスパイダーの素材と数種類の金属を合成して最高の状態の物を繊維状にした上で、糸にした物だ。」

 ドラウはそう言うとルークに黒い糸を手渡した。

「ん?粘着かねぇぞ?」

「最初から粘着いたら罠の設置が難しいだろ?」

「って事は魔力を込めれば粘着くのか?」

「あぁ、アクアスパイダーの様に相手を捕獲する事も可能だぞ。」

「なるほどな。それで魔力をどの程度とかは世界樹の糸と似た様なもんか?」

「粘着性は変わらねぇから魔力を込めた分は半分は持続時間、もう半分は強度だ。」

「強度?あぁ、世界樹の糸じゃねぇから必要なのか。」

「あぁ、その代わり魔力次第じゃ、世界樹の糸よりも強度は増すぞ。まぁその代わりに柔軟性は減るがな。」

「使い所次第って事だな。」

「そうなるな。後、魔力のコントロール上手く使えば面白ぇ事も出来るぞ。」

「面白い事?」

「あぁ。両端のどっちでも良いから俺に渡して片方はルークが持っててくれ。」

「おう。」

ルークはそう言うとドラウに糸の端を渡して自分はもう片方の端を掴んだ。

「よし持ったな。じゃあ行くぞ。」

「えっ?こっちの束はどうすんだ?」

「そのまま持ってて良いぞ。」

ドラウはそう言うと魔力を流し始めた。

「・・・ん?何も変化しねぇぞ?遅効性にも出来るのか?」

「まぁとりあえず、その辺に投げてみろよ。」

「ん?あぁ・・・。」

ルークはそう言うと糸を投げたが、ルークに投げられた糸はファサって音を立てて地面に落ちてしまった。

「何だ?魔力を通したんじゃ・・・ん?手が・・・うわっ!手が離れねぇってベッタベタじゃねぇか!」

ルークはそう言いながら手をブンブン振り回して取ろうとするも糸自体が軽いのも相まって取れるどころかだんだん腕全体に絡まっていった。

「うわっ!何だコレ!さっきまで粘着いて無かった箇所まで粘着いてやがる!」

「面白ぇだろ?魔力をコントロールしてやる事で好きな箇所を粘着させる事が出来んだよ。」

「へぇ~そりゃ良いなぁ・・・って!何時外れんだよ!」

「・・・ルーク、魔力を纏って何とかしようとしてんだろ?」

「それがどうしたんだ?するだろ普通!魔物だって魔力は纏って・・・もしかして・・・。」

ルークが何かに気付いた様子で意図的に両腕の魔力を完全に遮断すると粘着質もあって絡まっていた糸がパラパラっと落ちていった。

「えっ?」
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