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第27話 [ミレーヌの未練]
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マキシマム邸に戻るともう1人の執事さんが立っていた。
「おかえりなさいませ、シュウト様。大旦那様から先にお食事の方をと申されていますが如何なさいますか?」
と聞かれたので「わかりました。」と言いついて行った。
食堂に着くと満面の笑みでハロルドさんが迎え入れてくれた。
「ささ、シュウト様お席の方へ。」
ハロルドさんに勧められて席に着くとハロルドさんがシャンパングラスを片手にチンチン♪と鳴らした。
「お前達に食後話があるので、食事が終わってもそのまま居るように。」
ハロルドさんは皆が頷くと席に座った。
「では、いただきますか。」
ハロルドさんがそう言うと“いただきます。”と皆で言い食事が始まった。
暫くして全員の食事が終わるとハロルドさんがまたシャンパングラスを鳴らした。
「お前達に大事な話があるこの中にはもう既に知っている者もいるが・・・」
ハロルドさんはそこまで言うと俺の方を見てきたので俺は頷いた。
「ゴホン!シュウト様からの許可を貰ったので話すがシュウト様のスキルの作用のお陰で霊と話をする事が出来るのじゃ。」
そこまで言うとガタゴトとそのまま此方を見たり立ち上がり「ホントか!」と言いながら知っている人以外全員が俺の方を見てきたので、俺は頷いた。
「そしてシュウト様はミレーヌの為に尽力して頂けることを約束してくれた。」
バン!タ、タ、タ、タ
ハロルドさんの話を聞いてキャサリンさんは行き良いよく立ち上がり、俺の方へ走ってきた。
「本当ですの!お母様を助けて頂けますの?本当にお母様のお話が聞こえますの!?」
キャサリンさんは俺に近づいたと思ったら涙目になりながら言葉を捲し立ててきた。
それに驚いたロビンさんは急いでキャサリンさんを止めていた。
「落ち着けキャサリン!シュウト様が困っておられる。」
「だけど!だけど!」
落ち着かないキャサリンさんをロビンさんは抱きしめ落ち着かせようとしていた。
俺は皆の反応に驚きつつもコレだけ人に愛された人なんだなぁ
と思っているとハロルドさんから声を掛けられた。
「シュウト様、申し訳ありません。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにしても愛された方だったんですね。」
「そうですね。見た目も性格も可愛いやつで全ての人に優しく何より・・・・・・」
凄い勢いで捲したてる様に話すハロルドさんに失敗したぁと思いつつ引いているとセバスさんがハロルドさんの肩を掴んで「大旦那様。」と言うとハロルドさんは我に帰ったのか謝ってきた。
「ゴホン!・・・申し訳ありません、シュウト様、どうも妻の事となるとあぁなってしまいまして・・・。」
謝るハロルドさんを見てつい「愛さ・・・」もう一度同じ過ちを犯してしまいそうになったが思い留まる事が出来たので俺の言いたい事を話した。
「えぇと・・・冒険者ギルドには武具が出来てからにしようかと思うんですけど・・・」
俺の突然の申し出にハロルドさんは「はぁ・・・」と急にどうしたんだろうと困惑の表情を浮かべていたので、回りくど過ぎたかなぁと思っているとセバスさんがフォローしてくれた。
「大旦那様、シュウト様は大奥様の事を先にと仰っているのかと。」
その言葉を聞いたハロルドさんが俺の方をみてきたので笑顔で頷いた。
「真ですかシュウト様!」
「はい。もし皆様の都合が良ければ直ぐにでも良いですよ。ただ、未練が無くなると・・・そのぅ・・・」
「はい、承知しております。今から皆に話してもよろしいでしょうか?」
俺が「お任せします。」と言うとハロルドさんが皆に最後になる可能性がある事を話した。皆はそれぞれ悲しそうにしていたが、このままではミレーヌさんがどうなるか分からない事をわかっているのか、前もって話し合っていたのかは分からないが、皆は涙していたが、全員が俺の方を見て頭を下げていた。
「シュウト様、皆このままでは最悪、討伐せざるを得ない状況になる可能性をわかっており、それが何時になるのか不安でした。しかし、シュウト様のお陰で助けられる可能性が出てきました。ここに居る全員を代表して感謝の意を捧げたいと思います。」
「誠にありがとうございました。」
「いえいえ、自分は出来ることをする迄ですし、皆さんの御希望に添えることが出来るかどうかも今の時点では分かりませんので・・・」
「いいえ!それでもご好意が皆も嬉しいのです!」
ハロルドさんがそう言うと後ろにいた全員が頷いた。
「で、シュウト様、もしよろしければ明日の朝食後でもよろしいので例の丘へ皆と向かいたいと思いますがいかがでしょうか?」
「皆さんはそれでよろしいのですか?」
俺がそう言うと全員が頷いた。
「わかりました。では、朝食後ということで、御家族の募る話もあると思いますので自分は先に休ませていただきます。」
そう俺が言うとハロルドさんが「ありがとうございます。」と応えられ、セバスさんに部屋まで案内され、明日しっかりと務められる様に早目に寝ることにした。
翌朝、食事に向かうと何人かは目を腫らし、何人かは寝ていないだろうと思える表情をしていた。
全員この後の事を考えてるのか、静寂の中、食事が終わり、出発する事となった。
暫く馬車を走らせていると花が咲き誇る丘が見えてきて、馬車が停まった。
「シュウト様、此方です。」
俺はハロルドさんに案内され、騎士が巡回している場所に着いた。
そこにはキャサリンさんに似た可憐な少女の霊が同じく霊の騎士を引き連れて朝日を眺めていた。
「・・・ミレーヌ・・・」
ハロルドさんがそう呟くと少女は花が咲いた様に振り返り『アナタ・・・』と言って直ぐに悲しそうな顔になり、走り去ろうとした。
「待ってくれミレーヌ!今日はお前の言葉を聞ける御方を連れてきた!」
その言葉を聞いたミレーヌさんは振り向き『ホント?ホントに私の声が聞こえるの?』と言った。
ハロルドさんは俺の方を見て「ミレーヌは何と?」と尋ねてきたので、そのまま伝えた。
「そうだ!この御方がそうなんだ!」
『ホントに私の声が聞こえてますの?』
「はい。聞こえていますよ。」
俺がそう言うとミレーヌさんは花が咲いた様に笑顔を向けて話掛けてきた。
『私は妻のミレーヌと申します。この度はありがとうございます。』
「いいえ、気になさらないで下さい。自己紹介が遅れました自分はシュウト・オオヤマジと申します。」
『これはご丁寧にありがとうございますシュウト様。』
このやり取りを見て、最後まで半信半疑だった人も納得したのか涙を流す人もいた。
「ミレーヌ・・・今まで聞いてやれなくてすまなかった・・・」
ハロルドさんはそう言いながら涙を流していた。
『仕方ないわ。哀しいけど今はアナタとは話せない事は分かっていたもの。』
俺はそのまま伝えた。
「何か儂に伝えたいことがあるのか?それとも他にこの世に未練があるのか?」
『未練・・・そうね、アナタに渡したい物が合ったの・・・ただ私が死んだ所為で渡す事が出来なくなってしまったの。』
「ハロルドさん、ミレーヌさんはハロルドさんに渡したい物が有ったけど死んでしまい、渡せなくなった事が未練だと仰っていますが、心当たりはありますか?」
その事を伝えると思い当たる事があるのかハロルドさんは俺に話しかけてきた。
「ミレーヌのスキル、アイテムボックスの事だと思います。」
『そう!そうなの!死んで魔力が無くなってしまった所為で開く事が出来なくなってしまったの!』
「そうみたいですね。しかしそれだと・・・」
「シュウト様!何とか出来ませんか?」
そうハロルドさんに言われ考え込んでいると
《ピコン♪》となったのでステータスを見てみると
『今のシュウトでは一寸難しいけど持ってる魔石を前みたいに全部吸収すれば出来ない事もないわよ。』
と神託が来ていたので、俺はハロルドさん達を見て話しかけた。
「何とか出来るかもしれません。しかし今から自分がやる事を見ても驚いて止める様な事はしないで欲しいです。」
「わ、わかりました。皆もいいな!」
ハロルドさんがそう言うと皆が頷いた。俺はそれを見て、袋から魔石を取り出し、食べ始めた。
「シ、シュウト様!何を!」
驚いたハロルドさんを手で制し、そのまま食べ続けた。
ハロルドさんは俺を止めようとする周りを「約束したではないか!」と言いながら制止していた。
俺が食べ終わるとハロルドさんは声を掛けてきた。
「シュウト様、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。どうやら魔石の毒は自分には聞かないので。」
「しかし、何故その様なことを!?」
「ある方にミレーヌさんを助けるにはそうするしか無いと教えられたので。」
その言葉で神託が降りたことに気づいたのかハロルドさんは押し黙った。
《ピコン♪》
『この人、勘がいいわね。まぁいいわ、それでだけどその子がスキルが使える様に貴方の魔力を注ぎなさい。』
え?でもどうやって?
《ピコン♪》
『物に魔力を込めれたでしょ。それみたいにすればいいのよ。』
でも俺が触れたらミレーヌさんが危険じゃないのか?
《ピコン♪》
『アンタバカァ?そんなのアンタの近くにいる人がミスリル持ってるからそのミスリルを橋渡しにして送ればいいのよ。』
あぁそういう事かありがとう。
《ピコン♪》
『ちゃんとしなさいよね。』
了解♪と思いながらハロルドさんに誰かミスリルの物を持ってる人はいないかを聞き、セルジュさんの剣がそうだったみたいで貸してもらい、柄の方をミレーヌさんに向けた。
「ミレーヌさん、柄を持ってもらっていいですか?」
ミレーヌさんは『はい。』と言うと不思議そうな顔をしながらも柄に触れた。
「ミレーヌさん今から魔力を注ぎますので、アイテムボックスを開いてみて下さい。」
俺はそう言うと魔力を注ぎ始めた。すると注ぎ込んだ魔力は剣を通してミレーヌさんに流れていった。
『アイテムボックス!・・・出来た♪』
ミレーヌさんはアイテムボックスを開くと1つの箱を取り出した。
『アナタ、コレをアナタや子供たちに何か遭った時に使って。』
そう言うと箱をハロルドさんに渡した。
「これは?」
「ミレーヌさんが渡したかった物だったみたいでハロルドさん達に何か遭ったら使ってほしいそうです。」
俺がそう言うとハロルドさんは箱を開け、涙を流していた。
「おかえりなさいませ、シュウト様。大旦那様から先にお食事の方をと申されていますが如何なさいますか?」
と聞かれたので「わかりました。」と言いついて行った。
食堂に着くと満面の笑みでハロルドさんが迎え入れてくれた。
「ささ、シュウト様お席の方へ。」
ハロルドさんに勧められて席に着くとハロルドさんがシャンパングラスを片手にチンチン♪と鳴らした。
「お前達に食後話があるので、食事が終わってもそのまま居るように。」
ハロルドさんは皆が頷くと席に座った。
「では、いただきますか。」
ハロルドさんがそう言うと“いただきます。”と皆で言い食事が始まった。
暫くして全員の食事が終わるとハロルドさんがまたシャンパングラスを鳴らした。
「お前達に大事な話があるこの中にはもう既に知っている者もいるが・・・」
ハロルドさんはそこまで言うと俺の方を見てきたので俺は頷いた。
「ゴホン!シュウト様からの許可を貰ったので話すがシュウト様のスキルの作用のお陰で霊と話をする事が出来るのじゃ。」
そこまで言うとガタゴトとそのまま此方を見たり立ち上がり「ホントか!」と言いながら知っている人以外全員が俺の方を見てきたので、俺は頷いた。
「そしてシュウト様はミレーヌの為に尽力して頂けることを約束してくれた。」
バン!タ、タ、タ、タ
ハロルドさんの話を聞いてキャサリンさんは行き良いよく立ち上がり、俺の方へ走ってきた。
「本当ですの!お母様を助けて頂けますの?本当にお母様のお話が聞こえますの!?」
キャサリンさんは俺に近づいたと思ったら涙目になりながら言葉を捲し立ててきた。
それに驚いたロビンさんは急いでキャサリンさんを止めていた。
「落ち着けキャサリン!シュウト様が困っておられる。」
「だけど!だけど!」
落ち着かないキャサリンさんをロビンさんは抱きしめ落ち着かせようとしていた。
俺は皆の反応に驚きつつもコレだけ人に愛された人なんだなぁ
と思っているとハロルドさんから声を掛けられた。
「シュウト様、申し訳ありません。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにしても愛された方だったんですね。」
「そうですね。見た目も性格も可愛いやつで全ての人に優しく何より・・・・・・」
凄い勢いで捲したてる様に話すハロルドさんに失敗したぁと思いつつ引いているとセバスさんがハロルドさんの肩を掴んで「大旦那様。」と言うとハロルドさんは我に帰ったのか謝ってきた。
「ゴホン!・・・申し訳ありません、シュウト様、どうも妻の事となるとあぁなってしまいまして・・・。」
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「えぇと・・・冒険者ギルドには武具が出来てからにしようかと思うんですけど・・・」
俺の突然の申し出にハロルドさんは「はぁ・・・」と急にどうしたんだろうと困惑の表情を浮かべていたので、回りくど過ぎたかなぁと思っているとセバスさんがフォローしてくれた。
「大旦那様、シュウト様は大奥様の事を先にと仰っているのかと。」
その言葉を聞いたハロルドさんが俺の方をみてきたので笑顔で頷いた。
「真ですかシュウト様!」
「はい。もし皆様の都合が良ければ直ぐにでも良いですよ。ただ、未練が無くなると・・・そのぅ・・・」
「はい、承知しております。今から皆に話してもよろしいでしょうか?」
俺が「お任せします。」と言うとハロルドさんが皆に最後になる可能性がある事を話した。皆はそれぞれ悲しそうにしていたが、このままではミレーヌさんがどうなるか分からない事をわかっているのか、前もって話し合っていたのかは分からないが、皆は涙していたが、全員が俺の方を見て頭を下げていた。
「シュウト様、皆このままでは最悪、討伐せざるを得ない状況になる可能性をわかっており、それが何時になるのか不安でした。しかし、シュウト様のお陰で助けられる可能性が出てきました。ここに居る全員を代表して感謝の意を捧げたいと思います。」
「誠にありがとうございました。」
「いえいえ、自分は出来ることをする迄ですし、皆さんの御希望に添えることが出来るかどうかも今の時点では分かりませんので・・・」
「いいえ!それでもご好意が皆も嬉しいのです!」
ハロルドさんがそう言うと後ろにいた全員が頷いた。
「で、シュウト様、もしよろしければ明日の朝食後でもよろしいので例の丘へ皆と向かいたいと思いますがいかがでしょうか?」
「皆さんはそれでよろしいのですか?」
俺がそう言うと全員が頷いた。
「わかりました。では、朝食後ということで、御家族の募る話もあると思いますので自分は先に休ませていただきます。」
そう俺が言うとハロルドさんが「ありがとうございます。」と応えられ、セバスさんに部屋まで案内され、明日しっかりと務められる様に早目に寝ることにした。
翌朝、食事に向かうと何人かは目を腫らし、何人かは寝ていないだろうと思える表情をしていた。
全員この後の事を考えてるのか、静寂の中、食事が終わり、出発する事となった。
暫く馬車を走らせていると花が咲き誇る丘が見えてきて、馬車が停まった。
「シュウト様、此方です。」
俺はハロルドさんに案内され、騎士が巡回している場所に着いた。
そこにはキャサリンさんに似た可憐な少女の霊が同じく霊の騎士を引き連れて朝日を眺めていた。
「・・・ミレーヌ・・・」
ハロルドさんがそう呟くと少女は花が咲いた様に振り返り『アナタ・・・』と言って直ぐに悲しそうな顔になり、走り去ろうとした。
「待ってくれミレーヌ!今日はお前の言葉を聞ける御方を連れてきた!」
その言葉を聞いたミレーヌさんは振り向き『ホント?ホントに私の声が聞こえるの?』と言った。
ハロルドさんは俺の方を見て「ミレーヌは何と?」と尋ねてきたので、そのまま伝えた。
「そうだ!この御方がそうなんだ!」
『ホントに私の声が聞こえてますの?』
「はい。聞こえていますよ。」
俺がそう言うとミレーヌさんは花が咲いた様に笑顔を向けて話掛けてきた。
『私は妻のミレーヌと申します。この度はありがとうございます。』
「いいえ、気になさらないで下さい。自己紹介が遅れました自分はシュウト・オオヤマジと申します。」
『これはご丁寧にありがとうございますシュウト様。』
このやり取りを見て、最後まで半信半疑だった人も納得したのか涙を流す人もいた。
「ミレーヌ・・・今まで聞いてやれなくてすまなかった・・・」
ハロルドさんはそう言いながら涙を流していた。
『仕方ないわ。哀しいけど今はアナタとは話せない事は分かっていたもの。』
俺はそのまま伝えた。
「何か儂に伝えたいことがあるのか?それとも他にこの世に未練があるのか?」
『未練・・・そうね、アナタに渡したい物が合ったの・・・ただ私が死んだ所為で渡す事が出来なくなってしまったの。』
「ハロルドさん、ミレーヌさんはハロルドさんに渡したい物が有ったけど死んでしまい、渡せなくなった事が未練だと仰っていますが、心当たりはありますか?」
その事を伝えると思い当たる事があるのかハロルドさんは俺に話しかけてきた。
「ミレーヌのスキル、アイテムボックスの事だと思います。」
『そう!そうなの!死んで魔力が無くなってしまった所為で開く事が出来なくなってしまったの!』
「そうみたいですね。しかしそれだと・・・」
「シュウト様!何とか出来ませんか?」
そうハロルドさんに言われ考え込んでいると
《ピコン♪》となったのでステータスを見てみると
『今のシュウトでは一寸難しいけど持ってる魔石を前みたいに全部吸収すれば出来ない事もないわよ。』
と神託が来ていたので、俺はハロルドさん達を見て話しかけた。
「何とか出来るかもしれません。しかし今から自分がやる事を見ても驚いて止める様な事はしないで欲しいです。」
「わ、わかりました。皆もいいな!」
ハロルドさんがそう言うと皆が頷いた。俺はそれを見て、袋から魔石を取り出し、食べ始めた。
「シ、シュウト様!何を!」
驚いたハロルドさんを手で制し、そのまま食べ続けた。
ハロルドさんは俺を止めようとする周りを「約束したではないか!」と言いながら制止していた。
俺が食べ終わるとハロルドさんは声を掛けてきた。
「シュウト様、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。どうやら魔石の毒は自分には聞かないので。」
「しかし、何故その様なことを!?」
「ある方にミレーヌさんを助けるにはそうするしか無いと教えられたので。」
その言葉で神託が降りたことに気づいたのかハロルドさんは押し黙った。
《ピコン♪》
『この人、勘がいいわね。まぁいいわ、それでだけどその子がスキルが使える様に貴方の魔力を注ぎなさい。』
え?でもどうやって?
《ピコン♪》
『物に魔力を込めれたでしょ。それみたいにすればいいのよ。』
でも俺が触れたらミレーヌさんが危険じゃないのか?
《ピコン♪》
『アンタバカァ?そんなのアンタの近くにいる人がミスリル持ってるからそのミスリルを橋渡しにして送ればいいのよ。』
あぁそういう事かありがとう。
《ピコン♪》
『ちゃんとしなさいよね。』
了解♪と思いながらハロルドさんに誰かミスリルの物を持ってる人はいないかを聞き、セルジュさんの剣がそうだったみたいで貸してもらい、柄の方をミレーヌさんに向けた。
「ミレーヌさん、柄を持ってもらっていいですか?」
ミレーヌさんは『はい。』と言うと不思議そうな顔をしながらも柄に触れた。
「ミレーヌさん今から魔力を注ぎますので、アイテムボックスを開いてみて下さい。」
俺はそう言うと魔力を注ぎ始めた。すると注ぎ込んだ魔力は剣を通してミレーヌさんに流れていった。
『アイテムボックス!・・・出来た♪』
ミレーヌさんはアイテムボックスを開くと1つの箱を取り出した。
『アナタ、コレをアナタや子供たちに何か遭った時に使って。』
そう言うと箱をハロルドさんに渡した。
「これは?」
「ミレーヌさんが渡したかった物だったみたいでハロルドさん達に何か遭ったら使ってほしいそうです。」
俺がそう言うとハロルドさんは箱を開け、涙を流していた。
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