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第59話 [神託]
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「シュウト、アレはお前のアイデアを俺が形にしただけだ。」
「でも2人で考えましたよね?」
「いや、お前のアイデアだ。」
「いや・・・」
「お前のアイデアだ。」
あっ、これ無理なやつだ・・・。
「なら、自分が貰う代わりになるか、分かりませんが、馬車の改良案を出すので、それで相殺にしませんか?」
「あ゛そりゃお前のアイデアだろ。」
「なら、自分も認めません。」
「はぁ何言ってんだ!それじゃあ俺の気がすまねぇだろ!」
「じゃあ自分の意見も認めて下さい。」
「なっ!・・・。」
「まぁ良いではないか。ガルン、シュウト様も折れそうにないからその辺で手を打つのじゃ。」
俺とガルンさんが平行線を辿ろうとしているのに気づいたのかハロルドさんが制止してくれた。
「チッしゃあねぇ。で、何だ改良案って。」
ガルンさんにそう言われたので俺は前輪が力の掛る方向に向く仕組みをガルンさんに紙と万年筆を借りて、描いて説明した。
「おっ!それなら何となく覚えているが、それって手元で動かす必要があるんじゃねぇのか?」
「ん?・・・あぁそれですか、それなら必要ないですよ。この仕組みだと、気を付けないと行けないのは馬車を停めておける仕組みが必要なくらいですね。出ないと坂で勝手に動く恐れが有るので。」
「あぁそれなら問題ねぇ。俺らの造る馬車は全て馬や従魔が停車中に暴走しようとしても大丈夫な様にある仕組みが施されてるんだ。」
「あぁサイドブレーキみたいなのが付いてるんですか。」
「あぁやっぱり分かるか。」
「じゃあゴムで造ってあるんですか?」
「まぁな。前世のゴムに代わるもんが在ったからな。」
「じゃあ何でゴム製タイヤじゃないんですか?」
ガルンさんは俺の質問に少し黙ったかと思うと話始めた。
「俺もそうしたいんだが、思い出せねぇんだよ。」
「何がですか?」
「タイヤが何で出来てるかだよ。」
「どういう事ですか?」
「強度が足りねぇんだよ。今、ブレーキ用に使ってるもんは柔過ぎてタイヤには使えねぇんだ。色々試したんだけどよぅ。」
「ゴムに色んな種類の木炭は使いました?」
「何でだ?・・・あっそういう事か!あの黒色は炭なんだな!」
「はい。それで強度は増すはずです。ただどれが合うのかは分かりませんけど、後は・・・鎖帷子みたいな物はこの世界に在りますか?」
「おう。在るぞ!なるほど、それで形を保つのか。」
「はい。後は補強剤とかタイヤコードが必要になってきますけど、この辺はこの世界に同じ物が在るかは分からないので、魔法でもいいんじゃないかなぁ。」
「なるほど補強剤はソニンが作ってくれたのが、使えるかもしれんなぁ。後は魔法かぁ・・・出来るかもしれん!ありがとなシュウト!」
ガルンさんはそう言うと机に紙を広げ何かを書き始め、以降は話し掛けても返事をしなくなった。
「シュウト様、申し訳ありません。こうなってしまうとガルンは強制的に止めない限り、此方が何を言おうと聞こえません。」
「あぁ大丈夫ですよ。」
「では、もう遅いですし、後はソニンに任せて我々は邸に戻りますか。」
「そうですね。」
俺がそう言うとハロルドさんは外にいた人にソニンさんに状況を説明する様に指示をしてから俺を馬車の方に促してきたので、俺達は邸に帰る事にした。
そして帰って食事が終わるとハロルドさんが声を掛けてきた。
「シュウト様、契約をしたいのですが、直ぐに終わると思いますが、この後行いますか?それとも明日に致しますか?」
「あぁ今からで良いですよ。」
「承知致しました。では、応接室の方へ行きましょうか。」
「はい。」
「真司、直ぐに終わるからその後、身体を綺麗にしてお前が眠くなるまで今日の話を聞かせてくれるか?」
『うん♪いいよ♪』
俺が応接室に着くとハロルドさんは2枚の契約書を出してきた。
「え?何で2枚なんですか?馬車の改良案を出すって事で話が決まってたと思うんですけど。」
「はい。確かに馬車の改良案で、高級馬車の方はシュウト様のアイデアに成りましたね。」
「ですよね。じゃあ1枚で良いと思うんですけど。」
「いえ、その後にタイヤでしたか、そちらのアイデアの方ですよ。」
「え?それも馬車の改良案じゃ?」
「いえ、話を聞く限り馬車だけに留まる物では無いと考えておりますので、別のアイデアでございます。」
まぁ確かに荷車にも門の開閉にも形や強度を変えれば様々な物に使えるけど・・・。
「御納得頂けた様なので、コチラは高級馬車で、コチラはタイヤとなります。2件とも契約金は無しで売上の25%という事で宜しいでしょうか。」
「あぁはい。」
「では、契約の方をお願い致します。」
俺は腑に落ちない部分はあったが渋々、契約書を確認し、契約を済ませ、身体を綺麗にすると部屋に戻った。
部屋に戻った俺達は今日の出来事を話して就寝した。
翌朝、息子のブラッシングを掛けていると《ピコン♪》と鳴ったのでステータスを確認した。
『そろそろ移動出来るわよね。今度はその国の王都に行ってちょうだい。』
そうかぁ・・・そろそろかなって思ってたけど今度は王都かぁ。
『後、王都の近くでスタンピードの兆しが有るから教えてあげて。』
「え!?それなら急がないと!」
俺が急に大きな声を上げた所為で息子がビックリして俺の方を向いた。
《ピコン♪》
『いきなりスタンピードになる事はないわよ。後、1週間は余裕があるわよ。』
そうかぁなら大丈夫なのか?まぁ王都だし、上位ランクの冒険者も強い騎士も居るだろうしな。ただ急いで教えないとな。
『お願いねぇ。』
了解。
『とうちゃん、どうしたの?』
「ん?あぁライヤ様から連絡が来たんだよ。今度は王都に行けって。とりあえず今日か明日には出るからな。」
『そうなんだ。さびしいね。』
「仕方ないさ。それが今生の運命なんだから。」
『そっかぁ。』
「まぁ俺はお前が居れば大丈夫だ。」
俺がそうやって元気づける言葉を掛けると息子は『そうだね。えへへ。』と言って元気になった。
「とりあえず、この事もそうだけどハロルドさんに急いで伝えないといけない事が有るから今日のブラッシングはここまでな。」
『わかったぁ。』
聞き分けの良い息子で良かったなぁと思いながら食堂に行く事にした。
食堂に入るとハロルドさんが丁度、食堂が終わり席を立とうとしていた。
「おはようございますシュウト様。」
「ハロルドさんおはようございます。今日は早いですね。」
「はい。今日は朝一番にガルンから昨日の商品が出来たと連絡が入ったので見に行こうかと思いまして。シュウト様も御一緒されますか?」
俺が「いいえ。」と真剣な表情になるとハロルドさんはそれを察して、真剣な表情になって席に座り直した。
「シュウト様、何か御座いましたか?」
「はい。神託が降りましたので、今日明日には王都に立たなくてはいけなくなりました。」
「承知致しました。では、道中役に立つであろう物を工房の方に用意してありますので、シュウト様の御食事が終わりましたら工房の方へ行きましょう。」
「分かりました。ありがとうございます。後、それよりも急ぎお伝えする事が有ります。」
俺がそう言うとハロルドさんは更に真剣な表情になり、俺を見てきた。
「何事でしょうか?」
「アストライアー様からの伝言です。」
俺がそう言うとハロルドさんは「ハッ!」と言うと立ち上がって跪き、頭を垂れたので、俺は一瞬驚いたがライヤ様の名前を出したのだから当然かと思いながら話を続けた。
「王都周辺にスタンピードの兆し有りとの事です。」
俺がそう言うとハロルドさんはガバッと顔を上げた。
「な、何ですと!!?それは何時頃と仰っていらっしゃいましたか!!!」
「1週間は猶予が有るとの事です。」
「い、1週間ですか、承知致しました。セバス!!!急ぎセルジュに王都へ報告せよと連絡をせよ!」
「御意!」
セバスさんはそう言うと一瞬で消えてしまった。
「シュウト様、それ以外は何か御座いますか?」
「いえ、後は何も聞いていませんよ。」
「そうですか。よかった。1週間も有れば問題ないでしょう。」
ハロルドさんは人心地が付いたのか席に座り直した。
「ハロルドさん、ところで王都までは急いでも20日は掛かるんですよねぇ。」
「そうですね。なので、1週間では此方からは何も出来ないので、王都に居る者で何とかしてくれる事を願うばかりです。」
「やっぱりそうですよねぇ。直線で行けばそれ程時間は掛からなそうですけど、途中何かあるんですか?」
「はい。魔物が跋扈する盆地が御座いま・・・まさか!シュウト様はスタンピードを鎮めに行こうとしていらっしゃるのですか!?」
「まぁ自分が行ってどうなるって事も無いでしょうけど、こればかりは性分なんで。」
「はぁ~。でしょうな。しかし、身バレすると思うのですが。」
「そこはホラ。コレを着て真司が白虎のままで行けば何とかなると思うんですよ。」
俺はそう言うとアイテムボックスから聖魔導合金製のフルアーマーともう1つの杖を取り出した。
「まぁ確かにそれならば顔がバレることは無いですが・・・。」
「ですよね。だから今後は何かあったらコレで行こうかと思うんですよ!しかも武器もこの武器をこうしてすれば、ホラ!棍棒になるんで、武器も違う!完璧でしょ?」
「はぁ、まぁ確かにそうですが・・・。」
ハロルドさんは何かを言いたそうにしていたが、俺がテンション高めに言うとそれ以上言うのを止めてしまった。
俺は食事を終えるとハロルドさんを促して工房へ向かった。
工房に着くとガルンさんがテンション高く近づいてきた。
「おう!シュウト!来たか!お前の言う通りやったら出来たぞ!」
そう言いながら持ってきたのはトレーラーのタイヤ並に大きいタイヤを指さしていた。
「大きいけどタイヤですねぇ。」
「そうだろ!耐久テストはまだ途中だが、上手く行けば、馬車に取り付け出来るサイズにしていく予定だ!」
ガルンさんはそう言いながら中へ案内しようとしたが、ハロルドさんが止めに入った。
「ガルン、今日はそうでは無い。シュウト様に例の物をお渡しする為に来たのだ。後、休んでる職人長を呼んでくれ。」
ハロルドさんの言葉で察したガルンさんは何も言わずに奥へ入っていった。
「でも2人で考えましたよね?」
「いや、お前のアイデアだ。」
「いや・・・」
「お前のアイデアだ。」
あっ、これ無理なやつだ・・・。
「なら、自分が貰う代わりになるか、分かりませんが、馬車の改良案を出すので、それで相殺にしませんか?」
「あ゛そりゃお前のアイデアだろ。」
「なら、自分も認めません。」
「はぁ何言ってんだ!それじゃあ俺の気がすまねぇだろ!」
「じゃあ自分の意見も認めて下さい。」
「なっ!・・・。」
「まぁ良いではないか。ガルン、シュウト様も折れそうにないからその辺で手を打つのじゃ。」
俺とガルンさんが平行線を辿ろうとしているのに気づいたのかハロルドさんが制止してくれた。
「チッしゃあねぇ。で、何だ改良案って。」
ガルンさんにそう言われたので俺は前輪が力の掛る方向に向く仕組みをガルンさんに紙と万年筆を借りて、描いて説明した。
「おっ!それなら何となく覚えているが、それって手元で動かす必要があるんじゃねぇのか?」
「ん?・・・あぁそれですか、それなら必要ないですよ。この仕組みだと、気を付けないと行けないのは馬車を停めておける仕組みが必要なくらいですね。出ないと坂で勝手に動く恐れが有るので。」
「あぁそれなら問題ねぇ。俺らの造る馬車は全て馬や従魔が停車中に暴走しようとしても大丈夫な様にある仕組みが施されてるんだ。」
「あぁサイドブレーキみたいなのが付いてるんですか。」
「あぁやっぱり分かるか。」
「じゃあゴムで造ってあるんですか?」
「まぁな。前世のゴムに代わるもんが在ったからな。」
「じゃあ何でゴム製タイヤじゃないんですか?」
ガルンさんは俺の質問に少し黙ったかと思うと話始めた。
「俺もそうしたいんだが、思い出せねぇんだよ。」
「何がですか?」
「タイヤが何で出来てるかだよ。」
「どういう事ですか?」
「強度が足りねぇんだよ。今、ブレーキ用に使ってるもんは柔過ぎてタイヤには使えねぇんだ。色々試したんだけどよぅ。」
「ゴムに色んな種類の木炭は使いました?」
「何でだ?・・・あっそういう事か!あの黒色は炭なんだな!」
「はい。それで強度は増すはずです。ただどれが合うのかは分かりませんけど、後は・・・鎖帷子みたいな物はこの世界に在りますか?」
「おう。在るぞ!なるほど、それで形を保つのか。」
「はい。後は補強剤とかタイヤコードが必要になってきますけど、この辺はこの世界に同じ物が在るかは分からないので、魔法でもいいんじゃないかなぁ。」
「なるほど補強剤はソニンが作ってくれたのが、使えるかもしれんなぁ。後は魔法かぁ・・・出来るかもしれん!ありがとなシュウト!」
ガルンさんはそう言うと机に紙を広げ何かを書き始め、以降は話し掛けても返事をしなくなった。
「シュウト様、申し訳ありません。こうなってしまうとガルンは強制的に止めない限り、此方が何を言おうと聞こえません。」
「あぁ大丈夫ですよ。」
「では、もう遅いですし、後はソニンに任せて我々は邸に戻りますか。」
「そうですね。」
俺がそう言うとハロルドさんは外にいた人にソニンさんに状況を説明する様に指示をしてから俺を馬車の方に促してきたので、俺達は邸に帰る事にした。
そして帰って食事が終わるとハロルドさんが声を掛けてきた。
「シュウト様、契約をしたいのですが、直ぐに終わると思いますが、この後行いますか?それとも明日に致しますか?」
「あぁ今からで良いですよ。」
「承知致しました。では、応接室の方へ行きましょうか。」
「はい。」
「真司、直ぐに終わるからその後、身体を綺麗にしてお前が眠くなるまで今日の話を聞かせてくれるか?」
『うん♪いいよ♪』
俺が応接室に着くとハロルドさんは2枚の契約書を出してきた。
「え?何で2枚なんですか?馬車の改良案を出すって事で話が決まってたと思うんですけど。」
「はい。確かに馬車の改良案で、高級馬車の方はシュウト様のアイデアに成りましたね。」
「ですよね。じゃあ1枚で良いと思うんですけど。」
「いえ、その後にタイヤでしたか、そちらのアイデアの方ですよ。」
「え?それも馬車の改良案じゃ?」
「いえ、話を聞く限り馬車だけに留まる物では無いと考えておりますので、別のアイデアでございます。」
まぁ確かに荷車にも門の開閉にも形や強度を変えれば様々な物に使えるけど・・・。
「御納得頂けた様なので、コチラは高級馬車で、コチラはタイヤとなります。2件とも契約金は無しで売上の25%という事で宜しいでしょうか。」
「あぁはい。」
「では、契約の方をお願い致します。」
俺は腑に落ちない部分はあったが渋々、契約書を確認し、契約を済ませ、身体を綺麗にすると部屋に戻った。
部屋に戻った俺達は今日の出来事を話して就寝した。
翌朝、息子のブラッシングを掛けていると《ピコン♪》と鳴ったのでステータスを確認した。
『そろそろ移動出来るわよね。今度はその国の王都に行ってちょうだい。』
そうかぁ・・・そろそろかなって思ってたけど今度は王都かぁ。
『後、王都の近くでスタンピードの兆しが有るから教えてあげて。』
「え!?それなら急がないと!」
俺が急に大きな声を上げた所為で息子がビックリして俺の方を向いた。
《ピコン♪》
『いきなりスタンピードになる事はないわよ。後、1週間は余裕があるわよ。』
そうかぁなら大丈夫なのか?まぁ王都だし、上位ランクの冒険者も強い騎士も居るだろうしな。ただ急いで教えないとな。
『お願いねぇ。』
了解。
『とうちゃん、どうしたの?』
「ん?あぁライヤ様から連絡が来たんだよ。今度は王都に行けって。とりあえず今日か明日には出るからな。」
『そうなんだ。さびしいね。』
「仕方ないさ。それが今生の運命なんだから。」
『そっかぁ。』
「まぁ俺はお前が居れば大丈夫だ。」
俺がそうやって元気づける言葉を掛けると息子は『そうだね。えへへ。』と言って元気になった。
「とりあえず、この事もそうだけどハロルドさんに急いで伝えないといけない事が有るから今日のブラッシングはここまでな。」
『わかったぁ。』
聞き分けの良い息子で良かったなぁと思いながら食堂に行く事にした。
食堂に入るとハロルドさんが丁度、食堂が終わり席を立とうとしていた。
「おはようございますシュウト様。」
「ハロルドさんおはようございます。今日は早いですね。」
「はい。今日は朝一番にガルンから昨日の商品が出来たと連絡が入ったので見に行こうかと思いまして。シュウト様も御一緒されますか?」
俺が「いいえ。」と真剣な表情になるとハロルドさんはそれを察して、真剣な表情になって席に座り直した。
「シュウト様、何か御座いましたか?」
「はい。神託が降りましたので、今日明日には王都に立たなくてはいけなくなりました。」
「承知致しました。では、道中役に立つであろう物を工房の方に用意してありますので、シュウト様の御食事が終わりましたら工房の方へ行きましょう。」
「分かりました。ありがとうございます。後、それよりも急ぎお伝えする事が有ります。」
俺がそう言うとハロルドさんは更に真剣な表情になり、俺を見てきた。
「何事でしょうか?」
「アストライアー様からの伝言です。」
俺がそう言うとハロルドさんは「ハッ!」と言うと立ち上がって跪き、頭を垂れたので、俺は一瞬驚いたがライヤ様の名前を出したのだから当然かと思いながら話を続けた。
「王都周辺にスタンピードの兆し有りとの事です。」
俺がそう言うとハロルドさんはガバッと顔を上げた。
「な、何ですと!!?それは何時頃と仰っていらっしゃいましたか!!!」
「1週間は猶予が有るとの事です。」
「い、1週間ですか、承知致しました。セバス!!!急ぎセルジュに王都へ報告せよと連絡をせよ!」
「御意!」
セバスさんはそう言うと一瞬で消えてしまった。
「シュウト様、それ以外は何か御座いますか?」
「いえ、後は何も聞いていませんよ。」
「そうですか。よかった。1週間も有れば問題ないでしょう。」
ハロルドさんは人心地が付いたのか席に座り直した。
「ハロルドさん、ところで王都までは急いでも20日は掛かるんですよねぇ。」
「そうですね。なので、1週間では此方からは何も出来ないので、王都に居る者で何とかしてくれる事を願うばかりです。」
「やっぱりそうですよねぇ。直線で行けばそれ程時間は掛からなそうですけど、途中何かあるんですか?」
「はい。魔物が跋扈する盆地が御座いま・・・まさか!シュウト様はスタンピードを鎮めに行こうとしていらっしゃるのですか!?」
「まぁ自分が行ってどうなるって事も無いでしょうけど、こればかりは性分なんで。」
「はぁ~。でしょうな。しかし、身バレすると思うのですが。」
「そこはホラ。コレを着て真司が白虎のままで行けば何とかなると思うんですよ。」
俺はそう言うとアイテムボックスから聖魔導合金製のフルアーマーともう1つの杖を取り出した。
「まぁ確かにそれならば顔がバレることは無いですが・・・。」
「ですよね。だから今後は何かあったらコレで行こうかと思うんですよ!しかも武器もこの武器をこうしてすれば、ホラ!棍棒になるんで、武器も違う!完璧でしょ?」
「はぁ、まぁ確かにそうですが・・・。」
ハロルドさんは何かを言いたそうにしていたが、俺がテンション高めに言うとそれ以上言うのを止めてしまった。
俺は食事を終えるとハロルドさんを促して工房へ向かった。
工房に着くとガルンさんがテンション高く近づいてきた。
「おう!シュウト!来たか!お前の言う通りやったら出来たぞ!」
そう言いながら持ってきたのはトレーラーのタイヤ並に大きいタイヤを指さしていた。
「大きいけどタイヤですねぇ。」
「そうだろ!耐久テストはまだ途中だが、上手く行けば、馬車に取り付け出来るサイズにしていく予定だ!」
ガルンさんはそう言いながら中へ案内しようとしたが、ハロルドさんが止めに入った。
「ガルン、今日はそうでは無い。シュウト様に例の物をお渡しする為に来たのだ。後、休んでる職人長を呼んでくれ。」
ハロルドさんの言葉で察したガルンさんは何も言わずに奥へ入っていった。
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