90 / 418
第89話 [本物]
しおりを挟む
俺がハロルドさんの言葉を聞いて狼狽えているとバトさんがハロルドさんに声を掛けた。
「ハロルド様、シュウト様が言い出せないと思いますので代わりに聞きづらい事を聞きますが宜しいでしょうか?」
「はい。問題ありません。」
「その若者が提示したウルシですが、作業工程を確認しましたでしょうか?」
「はい。それは勿論。」
「では、その工程を教えて頂いても?」
その瞬間、俺は生唾を飲んで、ただ聞いていた。
「はい。先ずは木を器の形に致します。その後、持ってきた液・・・」
「すいません。一旦ストップで。」
「はい?」
「その時点で、その若者は木の器が補強が必要かどうかを確認していましたか?」
「・・・いえ、してはいなかったと思われます。」
「承知致しました。では、続きをお願い致します。」
「はい。その若者は持ってきた液にそのまま器を沈め、ヒートで乾燥させて今度は別の透明な液体に沈め、またヒートで乾燥させて完成させていました。」
ハロルドさんの言葉にバトさんと見つめ合いお互い頷くと俺は声を掛けた。
「すいません。ハロルドさん凄く言い難いんですけど自分が用意したのもウルシで加工した漆器という物なんです。」
俺がそう言うとハロルドさんは嫌そうな顔をしていたので続きを話した。
「ただ、工程は全然違いますし、後、聞きたいのですが、その若者はその液に沈める時に素手で行っていましたか?」
「・・・はい。確かに素手でやっていました。」
「その若者は状態異常耐性をお持ちでしたか?」
「・・・いえ、その様な事は言ってはいなかったかと。」
「では、沈めていたとされる液体はコレですか?」
俺はそう言ってウルシを差し出した。
「何ですかコレは?」
「コレがウルシです。」
俺がそう言うとハロルドさんは素手で触ろうとした。
「駄目です!触らないで下さい!」
俺の言葉にハロルドさんはビクッとなって俺に話し掛けてきた。
「もしや状態異常耐性がないと触れない様な猛毒なのですか?」
「いえ、そこまでの毒性はありませんが、触ると被れて数日は痒みに襲われます。酷い人であれば夜も眠れない程です。」
「おぉそれは酷いですね。では触る時は耐性を持っているか、手袋で保護するしかないと。」
「いえ、10人に1人は平気だそうで、8人は被れますが次第に慣れて、その内平気になるそうなんで、耐性は付きやすいのではないでしょうか。それにこの後、工程を説明致しますが、とても繊細な作業なので手袋等はしないで下さい。」
「承知致しました。」
俺がそう言うとハロルドさんは真剣な表情で返答した。
「では、説明致します・・・」
俺は実際にハロルドさんに工程を記した物を渡し、身振り手振りをしながら説明をした。
「・・・という感じで完成します。」
「なるほど、それが本物のウルシなのですね。」
「はい。そしてウルシを使用した器を総称して漆器と言います。」
「シッキですか。しかし、話を聞いて1つ疑問に思うのですが、ウルシを塗っているのであればその商品は被れるのではないのですか?」
「確かにウルシを完全に乾かせていなかったりすると 少し痒みが出る方は居ると思います。ただ先程話した様にウルシとは水分で硬質化していく性質上、年数を重ねれば重ねる程硬質化し、被れる事はありえません。」
「なるほど、それは安心致しました。しかし、なんと言うか肌触りが心地好いですし、この離れで使うには良さそうですね。」
「そう感じて貰えるなら作った甲斐がありました。」
「しかもコレはまだ完成していないとの事でしたが、完成するとどの様になるのですか?」
「より艶やかに手に吸い付く様な感覚を覚え、使用すればする程、味わい深い色艶になっていきます。」
「ほう。それは面白い。」
「しかも、形は何を作るかによってかわりますので、箱や家具にする事も出来、途中で金を薄く伸ばした物を貼り付けたりして模様を描く事も彫りを施す事も可能です。」
「それは素晴らしい。」
「ただ家具等にする場合、強度が大事ですし、ウルシ自体もヤマトでは手軽に採取出来そうですが、此処だと自分が知っているのは、深緑の遺跡というダンジョンの深層でしかドロップする事はなく、強度のある木も中層でないとドロップしない上、手間隙が掛かる商品になるので、どうしても価値の高い商品になってしまいます。」
俺が申し訳なさそうに話すとハロルドさんは首を振って返答してきた。
「シュウト様、そこは問題ございません。確かにある程度、階級の高い者でないと売れないと思いますが、そこは私共、商人の腕の見せ所でございますので、お任せ下さい。」
「そうですね。あっそうだ!今回はある程度の湿り気が欲しかったのとただの実験でしたので、風呂場で行いましたが、実際にする時はそれ専用の気密性があり、風を起こせる魔道具や空気中の水分濃度を高い位置で保てる魔道具を完備した部屋を作る方が効率的に作れますよ。」
「なるほど、それも覚えておきます。では、シュウト様、此方のアイデアも私共に売って頂けるという事で宜しいでしょうか?」
「はい。ハロルドさん達なら間違いない物が出来上がると思いますので、よろしくお願いします。」
「では、後日、契約書の方を御用意致しますので、宜しくお願い致します。」
「はい。」
『もうおわった?』
「あぁ今、片付けるな。」
俺はそう言うとバトさんにクリーンを掛けてもらった。
「おや?もしや、シンジ様はこの匂いが苦手なのですか?」
「そうですね。最初に入ってきた時は涙目になっていましたから。」
「それは申し訳ない。私の所為で話が長くなってしまいましたな。」
「それは気にしなくても良いですよ。それにバトさんが工程の書類を用意してくれたお陰で説明も早く終わりましたし。」
「それならようございました。」
「それじゃあ遅くなりましたが、食事にしますか?バトさん汁物で良いのでコレに入れて貰えませんか?」
「そ、それをお使いに?」
「はい。完成では無いとはいえ、実際使うには問題ないので、実際使ってみて、評価をして頂こうかと。」
「承知致しました。商人として、厳しく評価させていただきます。」
「はい。お願いします。確実にこの離れの雰囲気にマッチした最高の器になっていると思います。」
こうして俺とハロルドさんは食事を待っていた。
「そういえば、1つ気になっていたのですが、シュウト様のそのお召し物は何と言う物なのですか?」
「コレですか?コレはヤマトにもあるそうなんですが、作務衣という作業着になりますね。」
「どおりで、この離れと合っていると思いました。なるほど、これは1度調べた方が良さそうですな。」
「あっそうだ!それならもう1つの方も着てきますね。」
俺はそう言うと脱衣場の方で着替えてきた。
「其方は?」
「コレは甚平と言いまして作業着では無く、部屋着ですね。まぁ作務衣も甚平も外出着として使用する人も居ましたね。」
「なるほど、その辺も調べた方が面白ろそうでございますな。」
俺達がそう話しているとサーシャさんが夕食を持って入ってきた。
「此方が本日の夕食でございます。」
そう言って並べられた食事の中には勿論、漆器を使用した汁物も用意されていた。
「ほう。なるほど、確かにシッキで食事をするのは趣がありますなぁ。」
ハロルドさんはそう言いながら漆器を色々な角度から眺めていた。
「ハロルドさん、そろそろ食べませんか?」
「おっと。申し訳ございません。」
「では、「いただきます。」」
俺達はそう言うと食事済ませた。
「最初に持たせて頂いた時もそうでしたが、軽さにあの光沢感、その上持った時に吸い付く感覚が相まって素晴らしい以外の言葉が見当たりませんなぁ。」
「そこまで喜んで頂けたなら良かったです。後、片付ける際に注意点が1つあります。」
「どのような事でしょうか?」
「はい。漆器というのは他の陶器や、鉄器に比べると柔らかいので、一緒には片付けない方が良いですね。」
「なるほど、手にした後も手間の掛かる物なのですね。」
「そうですね。だから前世でも漆器を普段使いとしている人々は金持ちの象徴の様な感じでしたね。」
「ほう。それは良い事聞きましたな。」
俺達が話に花を咲かせているとバトさんが声を掛けてきた。
「シュウト様、ハロルド様、お話の続きはお風呂に入られてからはどうてすか?」
「おぉそうでした。ハロルドさんにはお風呂も堪能してもらおうと思ってたんですよ。」
「シュウト様の移動式家屋に付けさせてもらったお風呂ですか?」
「此処のは一味違いますよ。お先にどうぞ。」
「ほう。では、お言葉に甘えてお先に失礼する事に致しましょうか。」
「では、ハロルド様、此方へ。」
「うむ。」
「セバスも此方に来なさい。ハロルド様と共にお風呂の説明をします。」
「ハッ!承知致しました。」
そう言うと3人は風呂場へ入っていき、説明が終わったのか、ハロルドさんを残して2人は出てきた。
俺は息子にブラッシングを掛けながら今後の予定を考えていた。
俺はブラッシングもやり終えたので、ふと懐中時計に目をやった。
「セバスさん、1ついいですか?」
「どうされましたか?」
「ハロルドさんってお風呂って普段は入りませんよねぇ。」
「そうですね。普段は湯浴みはせず、お湯で身体を洗うか、クリーンで済ませるぐらいです。」
「以前、温泉に行かれた時はどうでしたか?」
「その際もすぐ出ていらっしゃいました。ですが、どうされましたか?」
「少し拙いかもしれないので、ハロルドさんを見に行ってもらえませんか?」
「は、はい。」
セバスさんは不思議そうな顔をして、風呂場へ向かった。
「だ、だ、大旦那様!!!」
急いで連れて来られたハロルドさんは茹で蛸の様に真っ赤になっていた。
「セバスさん、とりあえずポーションを!バトさん、冷たい飲み物を!セバスさん身体を冷ますのに風を送る事は出来ますか?」
俺がそう言うと2人は俺の指示通り、迅速に対応してくれ、ハロルドさんの意識が戻った。
「わ、儂は何を・・・?・・・はっ!も、申し訳ありませんシュウト様!」
「いいですから少し休んで下さい。」
意識を取り戻してハッキリしたハロルドさんが謝ろうと立ち上がってこようとしたので、俺は身体を押えて、制止した。
「ハロルド様、シュウト様が言い出せないと思いますので代わりに聞きづらい事を聞きますが宜しいでしょうか?」
「はい。問題ありません。」
「その若者が提示したウルシですが、作業工程を確認しましたでしょうか?」
「はい。それは勿論。」
「では、その工程を教えて頂いても?」
その瞬間、俺は生唾を飲んで、ただ聞いていた。
「はい。先ずは木を器の形に致します。その後、持ってきた液・・・」
「すいません。一旦ストップで。」
「はい?」
「その時点で、その若者は木の器が補強が必要かどうかを確認していましたか?」
「・・・いえ、してはいなかったと思われます。」
「承知致しました。では、続きをお願い致します。」
「はい。その若者は持ってきた液にそのまま器を沈め、ヒートで乾燥させて今度は別の透明な液体に沈め、またヒートで乾燥させて完成させていました。」
ハロルドさんの言葉にバトさんと見つめ合いお互い頷くと俺は声を掛けた。
「すいません。ハロルドさん凄く言い難いんですけど自分が用意したのもウルシで加工した漆器という物なんです。」
俺がそう言うとハロルドさんは嫌そうな顔をしていたので続きを話した。
「ただ、工程は全然違いますし、後、聞きたいのですが、その若者はその液に沈める時に素手で行っていましたか?」
「・・・はい。確かに素手でやっていました。」
「その若者は状態異常耐性をお持ちでしたか?」
「・・・いえ、その様な事は言ってはいなかったかと。」
「では、沈めていたとされる液体はコレですか?」
俺はそう言ってウルシを差し出した。
「何ですかコレは?」
「コレがウルシです。」
俺がそう言うとハロルドさんは素手で触ろうとした。
「駄目です!触らないで下さい!」
俺の言葉にハロルドさんはビクッとなって俺に話し掛けてきた。
「もしや状態異常耐性がないと触れない様な猛毒なのですか?」
「いえ、そこまでの毒性はありませんが、触ると被れて数日は痒みに襲われます。酷い人であれば夜も眠れない程です。」
「おぉそれは酷いですね。では触る時は耐性を持っているか、手袋で保護するしかないと。」
「いえ、10人に1人は平気だそうで、8人は被れますが次第に慣れて、その内平気になるそうなんで、耐性は付きやすいのではないでしょうか。それにこの後、工程を説明致しますが、とても繊細な作業なので手袋等はしないで下さい。」
「承知致しました。」
俺がそう言うとハロルドさんは真剣な表情で返答した。
「では、説明致します・・・」
俺は実際にハロルドさんに工程を記した物を渡し、身振り手振りをしながら説明をした。
「・・・という感じで完成します。」
「なるほど、それが本物のウルシなのですね。」
「はい。そしてウルシを使用した器を総称して漆器と言います。」
「シッキですか。しかし、話を聞いて1つ疑問に思うのですが、ウルシを塗っているのであればその商品は被れるのではないのですか?」
「確かにウルシを完全に乾かせていなかったりすると 少し痒みが出る方は居ると思います。ただ先程話した様にウルシとは水分で硬質化していく性質上、年数を重ねれば重ねる程硬質化し、被れる事はありえません。」
「なるほど、それは安心致しました。しかし、なんと言うか肌触りが心地好いですし、この離れで使うには良さそうですね。」
「そう感じて貰えるなら作った甲斐がありました。」
「しかもコレはまだ完成していないとの事でしたが、完成するとどの様になるのですか?」
「より艶やかに手に吸い付く様な感覚を覚え、使用すればする程、味わい深い色艶になっていきます。」
「ほう。それは面白い。」
「しかも、形は何を作るかによってかわりますので、箱や家具にする事も出来、途中で金を薄く伸ばした物を貼り付けたりして模様を描く事も彫りを施す事も可能です。」
「それは素晴らしい。」
「ただ家具等にする場合、強度が大事ですし、ウルシ自体もヤマトでは手軽に採取出来そうですが、此処だと自分が知っているのは、深緑の遺跡というダンジョンの深層でしかドロップする事はなく、強度のある木も中層でないとドロップしない上、手間隙が掛かる商品になるので、どうしても価値の高い商品になってしまいます。」
俺が申し訳なさそうに話すとハロルドさんは首を振って返答してきた。
「シュウト様、そこは問題ございません。確かにある程度、階級の高い者でないと売れないと思いますが、そこは私共、商人の腕の見せ所でございますので、お任せ下さい。」
「そうですね。あっそうだ!今回はある程度の湿り気が欲しかったのとただの実験でしたので、風呂場で行いましたが、実際にする時はそれ専用の気密性があり、風を起こせる魔道具や空気中の水分濃度を高い位置で保てる魔道具を完備した部屋を作る方が効率的に作れますよ。」
「なるほど、それも覚えておきます。では、シュウト様、此方のアイデアも私共に売って頂けるという事で宜しいでしょうか?」
「はい。ハロルドさん達なら間違いない物が出来上がると思いますので、よろしくお願いします。」
「では、後日、契約書の方を御用意致しますので、宜しくお願い致します。」
「はい。」
『もうおわった?』
「あぁ今、片付けるな。」
俺はそう言うとバトさんにクリーンを掛けてもらった。
「おや?もしや、シンジ様はこの匂いが苦手なのですか?」
「そうですね。最初に入ってきた時は涙目になっていましたから。」
「それは申し訳ない。私の所為で話が長くなってしまいましたな。」
「それは気にしなくても良いですよ。それにバトさんが工程の書類を用意してくれたお陰で説明も早く終わりましたし。」
「それならようございました。」
「それじゃあ遅くなりましたが、食事にしますか?バトさん汁物で良いのでコレに入れて貰えませんか?」
「そ、それをお使いに?」
「はい。完成では無いとはいえ、実際使うには問題ないので、実際使ってみて、評価をして頂こうかと。」
「承知致しました。商人として、厳しく評価させていただきます。」
「はい。お願いします。確実にこの離れの雰囲気にマッチした最高の器になっていると思います。」
こうして俺とハロルドさんは食事を待っていた。
「そういえば、1つ気になっていたのですが、シュウト様のそのお召し物は何と言う物なのですか?」
「コレですか?コレはヤマトにもあるそうなんですが、作務衣という作業着になりますね。」
「どおりで、この離れと合っていると思いました。なるほど、これは1度調べた方が良さそうですな。」
「あっそうだ!それならもう1つの方も着てきますね。」
俺はそう言うと脱衣場の方で着替えてきた。
「其方は?」
「コレは甚平と言いまして作業着では無く、部屋着ですね。まぁ作務衣も甚平も外出着として使用する人も居ましたね。」
「なるほど、その辺も調べた方が面白ろそうでございますな。」
俺達がそう話しているとサーシャさんが夕食を持って入ってきた。
「此方が本日の夕食でございます。」
そう言って並べられた食事の中には勿論、漆器を使用した汁物も用意されていた。
「ほう。なるほど、確かにシッキで食事をするのは趣がありますなぁ。」
ハロルドさんはそう言いながら漆器を色々な角度から眺めていた。
「ハロルドさん、そろそろ食べませんか?」
「おっと。申し訳ございません。」
「では、「いただきます。」」
俺達はそう言うと食事済ませた。
「最初に持たせて頂いた時もそうでしたが、軽さにあの光沢感、その上持った時に吸い付く感覚が相まって素晴らしい以外の言葉が見当たりませんなぁ。」
「そこまで喜んで頂けたなら良かったです。後、片付ける際に注意点が1つあります。」
「どのような事でしょうか?」
「はい。漆器というのは他の陶器や、鉄器に比べると柔らかいので、一緒には片付けない方が良いですね。」
「なるほど、手にした後も手間の掛かる物なのですね。」
「そうですね。だから前世でも漆器を普段使いとしている人々は金持ちの象徴の様な感じでしたね。」
「ほう。それは良い事聞きましたな。」
俺達が話に花を咲かせているとバトさんが声を掛けてきた。
「シュウト様、ハロルド様、お話の続きはお風呂に入られてからはどうてすか?」
「おぉそうでした。ハロルドさんにはお風呂も堪能してもらおうと思ってたんですよ。」
「シュウト様の移動式家屋に付けさせてもらったお風呂ですか?」
「此処のは一味違いますよ。お先にどうぞ。」
「ほう。では、お言葉に甘えてお先に失礼する事に致しましょうか。」
「では、ハロルド様、此方へ。」
「うむ。」
「セバスも此方に来なさい。ハロルド様と共にお風呂の説明をします。」
「ハッ!承知致しました。」
そう言うと3人は風呂場へ入っていき、説明が終わったのか、ハロルドさんを残して2人は出てきた。
俺は息子にブラッシングを掛けながら今後の予定を考えていた。
俺はブラッシングもやり終えたので、ふと懐中時計に目をやった。
「セバスさん、1ついいですか?」
「どうされましたか?」
「ハロルドさんってお風呂って普段は入りませんよねぇ。」
「そうですね。普段は湯浴みはせず、お湯で身体を洗うか、クリーンで済ませるぐらいです。」
「以前、温泉に行かれた時はどうでしたか?」
「その際もすぐ出ていらっしゃいました。ですが、どうされましたか?」
「少し拙いかもしれないので、ハロルドさんを見に行ってもらえませんか?」
「は、はい。」
セバスさんは不思議そうな顔をして、風呂場へ向かった。
「だ、だ、大旦那様!!!」
急いで連れて来られたハロルドさんは茹で蛸の様に真っ赤になっていた。
「セバスさん、とりあえずポーションを!バトさん、冷たい飲み物を!セバスさん身体を冷ますのに風を送る事は出来ますか?」
俺がそう言うと2人は俺の指示通り、迅速に対応してくれ、ハロルドさんの意識が戻った。
「わ、儂は何を・・・?・・・はっ!も、申し訳ありませんシュウト様!」
「いいですから少し休んで下さい。」
意識を取り戻してハッキリしたハロルドさんが謝ろうと立ち上がってこようとしたので、俺は身体を押えて、制止した。
104
あなたにおすすめの小説
最強超人は異世界にてスマホを使う
萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。
そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた――
「……いや草」
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる