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第191話 [聖光石の扱い。]
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ガシュウさんはアイテムボックス改に入るなり、俺に声を掛けてきた。
「此方でされるのですか?」
「はい。流石にリーグさんの執務室を効果が切れるまで聖域に近い環境にする訳には行かないと思って。」
「あぁ、確かにそれは大変な事になりそうですね。」
「一応、魔力保有量の少ない物で体感してもらおうと思ってるんですけど、それでも半径10mは有るんで。」
「流石にそれでは余も家臣達に言い訳するのも難しいのぅ。」
「それはそれでリーグが狼狽えてるのを見るのは愉しそうだけどね。」
「何を言う。ガシュウも自室でその様な事があれば困るであろう。」
「そんな事ないよ。普通に使徒様に貰い受けたと言えばいいだけだしね。」
「そうじゃった、お主のところはそれで罷り通るどころか、お祭り騒ぎになるじゃろうな。」
「そうだね。敬虔な信者が多いからね。」
「では、シュウト殿お願い出来るかのぅ。」
「分かりました。」
俺はそう言うとBランクの魔石で作った聖光石を手に持った。
「発動は簡単です。聖光石に触れた状態で・・・いきます!・・・浄化!」
俺がそう言うと聖光石から目が眩むほどの光が発生し、聖光石を中心に光のドームが出来上がった。
「おぉ、突然の光で驚いたが、気持ちの良い空間が広がっておるのぅ。」
「・・・。」
リーグさんは聖光石が発生させる光を見て感動した様子で辺りを見回し、ガシュウさんは恍惚とした表情で固まっていた。
「ガシュウさん、大丈夫ですか?」
俺がそう言うとガシュウさんは涙を流しながら頷いていた。
2人は暫くの間、自分自身の状態を確認していたが元々正気だったリーグさんが話し掛けてきた。
「ガシュウは・・・もう暫くはこのままじゃな。それでシュウト殿、この聖光石でどの位持つのじゃ?」
「えぇと確か3日くらいですね。」
「ほう。この状態3日も維持出来るとな。」
「はい。コレは聖光石(中)なんでその位ですね。」
「では、他のはどうなのじゃ?」
「他は聖光石(大)が約19年、聖光石(極大)が約190年ってところですね。」
「ほう。それは凄いのぅ。その上、極大にもなるととんでもない年数じゃのぅ。効果はどうなんじゃ?」
「効果はどれも同じですよ。範囲が変わるだけですね。」
「なるほどのぅ。聖域の範囲が違うという事か。」
「正確には聖域に近いだけですけどね。」
「余からすれば差程変わらぬが、まぁそうじゃのぅ。それで魔力保有量や魔力消費量はどうなんじゃ?」
「魔力消費量はサイズに関わらずに毎分200ですね。後、魔力保有量は先程言った通り、聖光石の小は保有すること無く、その場で魔力を送っている間だけになり、中は30万で、大が1000万、極大は1億になります。」
「なるほどのぅ。そこから計算しての年数じゃったか。その上補充可能という事か。」
「そうですね。ただ途中で壊れない保証が無いんで正確なところは分かりません。」
「まぁ、そうじゃの。形あるものはいつか壊れるとも言うしのぅ。」
「そうですね。」
「それで消費量が変わらんのに範囲が変わるとはどの位変わるのじゃ?」
「極大が半径500m、大が半径100m、中は先程話した通りで小は半径50cmです。」
「極大に関しては小さなの街ならば範囲内に入りそうじゃのぅ。」
「そうですね。先程、ガシュウさんが話した聖女様の遺した聖光石がどの位のサイズかは分かりませんが、もし広い範囲をカバーしようとすれば、それなりの数か、自分とは違って聖女様特有のスキルで範囲を拡大させてたんじゃないですかね。」
「そうじゃのぅ。その辺は文献には載っておらんのか?」
リーグさんは俺の話を聞いていつの間にか正気に戻っていたガシュウさんに話を振った。
「・・・載っては無かったはず・・・シュウト様、その他の聖光石を見せてもらう事は出来ますでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うと大と極大をガシュウさんに見せた。
「おぉ、これは・・・。」
「ガシュウ。」
「申し訳ありませんシュウト様。此方の聖光石が国宝と同じです。」
俺が出した聖光石を見たガシュウさんがまた自分の世界に入ろうとした様でリーグさんに止められていた。
「コレだと聖光石(大)ですね。コレが幾つも在るんですか?」
「いえ、1つだけです。それに文献にも載っていませんでした。」
「という事は効果を上げる何かが在ったんでしょうね。」
俺がそう言うとガシュウさんは少し考えてから話し始めた。
「これは私の推測になりますが、世界樹様との共鳴で範囲を広げたのかもしれません。」
「そんな事が出来るんですか?」
「確証はありません。ただ、世界樹様の傍で聖魔法や光魔法を使うと効果を上げる事が出来るので。」
「なるほど、ならそうかもしれないですね。」
「はい。しかも聖女祭の時は元々祀られていた場所に戻すのですが、世界樹様の傍に造られた社に戻すので、効果を上げる為にそこに祀られたのかと。」
「そんなにも効果が上がるんですか。」
「代々聖女様は世界樹様と繋がりが強い傾向がありますので、伝説の聖女様ともなればその効果は計り知れないものになるかと。」
「凄そうですね。」
「恐らくは。それで話は変わりますがよろしいでしょうか?」
「はい。何でしょうか?」
「聖光石(小)に関してなんですが、其方も魔力を込めつつ、浄化と唱えれば発動致しますか?」
「はい。ただ此方も毎分200の消費があるので、その点は気を付けてもらう必要があります。」
「承知致しました。1度貸して頂いてもよろしいでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うとガシュウさんに手渡した。
「浄化!・・・ふむふむ・・・なるほど・・・上手く行けば使えるか?」
ガシュウさんは聖光石(小)を発動させると色々動かしてみたり手放した状態で魔力を送り込んだりしていた。
「どうされたんですか?」
「私の国に聖光石(小)をシンボルとして取り付けた鎧があるとお話したと思いますがその鎧は後付けされた物ではないのです。」
「その時代に造られた鎧という事ですか?」
「はい。」
「よく壊れませんね。」
「その鎧は魔力を流すと聖光石(小)を中心に修復効果があるので、これまでは強固で壊れ難く、修復される鎧という事で、不滅の鎧と呼ばれています。」
「なるほど、それなら現役で使用されても不思議じゃないですね。」
「はい。ですが、我々教国の者はその鎧の本当の効果を忘れてしまっていたようです。」
「本当の効果?」
「はい。シュウト様にお貸しいただいた聖光石(小)で色々行って解ったのですが、その鎧は最初こそ聖光石(小)に触れる必要が有りますが、どうやら聖域効果を維持しながら戦闘を行える鎧だった様です。」
「・・・なるほど、聖光石(大)で街や世界樹を守りつつ、その鎧を着た者で攻勢に出たという事ですね。」
「はい。その通りです。鎧自体が浄化魔道具なのだと推測出来ますので、その鎧を製作出来れば、対策の1つになるかと。」
「それは良いですね。Cランクの魔石だったら量産は可能ですし、急いで作・・・でもそれだと魔力量の多い人なら良いですけど、少ない人だと厳しいかもしれないですね。」
「それは私も思いましたが、今対策用の魔道具を創ってもらっている御三方に魔石や魔晶石を利用した鎧の製作依頼もお願いすれば何とか出来るかと。」
「確かにあの人達なら出来ると思いますけど、負担になりませんか?」
「いえ、逆に探知やその他の対策に役立つかと思われます。」
ガシュウさんの自信あり気な言い方が不思議に思い、聞いてみた。
「何故、そこまで言い切れるんですか?」
「ギール様が書いておられたメモに兵士や冒険者を守る魔道具の思案が書かれていましたので。」
凄いな。殆ど見る時間も無かったはずなのに。
俺がそう思っているとガシュウさんが話し掛けてきた。
「長年、教皇をしていますと一瞬で書類を読み解き、判断する事が自然と出来る様になりますよ。リーグもそうですよね。」
「そうだな。王はその程度出来ねば、休む暇もないからのぅ。」
2人のその言葉に引き気味で聞いていると2人は俺の顔を見て笑っていた。
「そうだ。この聖光石ってどう扱えば良いと思いますか?」
「そうじゃのぅ。余の王国では極大と大を1つずつ確保しておきたいかのぅ。」
「私もそうですね。」
「1つで良いんですか?」
「その様な国宝級・・・いや、それ以上の物を幾つも所持しておれば、他国に何を言われるか分からんからのぅ。必要最小限に抑えたいのじゃ。」
「私も同意です。ただ聖光石(中)に関しては探索部隊に持たせたいのである程度は確保出来れば幸いです。」
「そうじゃのぅ。中であれば他国もそこまで目くじらを立てる事は無いじゃろう。」
「聖光石(小)はどうしますか?」
「とりあえずは鎧や魔道具が出来てからじゃの。」
「そうですね。聖光石(小)だけでは扱える者は少ないでしょうし。」
「後はシュウト殿の領地を聖域にし続ける為に使うのが良かろう。」
「そうですね。その方が今居る者にもこれから産まれてくる命にも良い環境になる事でしょう。」
「そうなんですか?」
「当たり前です。聖域の近くで産まれる事が出来た子供の生存率はかなり高いので。」
へぇ~それは良い事聞いたなぁ。
俺がそう思っているとリーグさんから声が掛かった。
「嬉しそうじゃの。」
「子供は宝ですから。」
「そうじゃの。」
俺がそう答えると2人は嬉しそうな顔になった。
その後、2人には先に執務室に戻ってもらい、俺は急いで必要最低限の聖光石を作ってアイテムボックス改を出て、2人に聖光石を渡すと神殿に転送した。
「シュウト様、お帰りなさいませ。」
「ただいまバト。1つ聞いて良いか?」
「何でしょうか?」
「お孫さんはもう直ぐ産まれるのか?」
「いえ、5ヶ月後と聞いております。」
「そうか。なら産まれるまで此方に来て静養する事は出来るか?」
「・・・聞いてはみますが、恐らく難しいかと。」
「そうか。ならバルーサさんの住んでる場所は半径10m以上有るか?」
「はい。その程度であればございます。」
「そうか。なら此方で静養が出来なかったらコレを渡してあげてくれ。」
俺はそう言うと聖光石(中)をバトに手渡した。
「シュウト様、此方は何でしょうか?」
「聖光石って言うんだけど聖域に近い環境に出来るんだ。それで聖域の傍で産まれた子は元気な子供になるらしいから渡してあげて。」
「そ、そんな!私のような者にその様な・・・。」
「良いって気にするなトルバも世話になるし、それに俺から報酬は受け取るつもりは無いだろ?」
「・・・有り難く頂戴致します。」
「お、おう。それで使い方なんだが・・・・・」
俺からのプレゼントを渡されたバトが涙ながらにお辞儀をしてきた。俺は少し照れくさくなったので、矢継ぎ早に聖光石(中)の説明をした。
「此方でされるのですか?」
「はい。流石にリーグさんの執務室を効果が切れるまで聖域に近い環境にする訳には行かないと思って。」
「あぁ、確かにそれは大変な事になりそうですね。」
「一応、魔力保有量の少ない物で体感してもらおうと思ってるんですけど、それでも半径10mは有るんで。」
「流石にそれでは余も家臣達に言い訳するのも難しいのぅ。」
「それはそれでリーグが狼狽えてるのを見るのは愉しそうだけどね。」
「何を言う。ガシュウも自室でその様な事があれば困るであろう。」
「そんな事ないよ。普通に使徒様に貰い受けたと言えばいいだけだしね。」
「そうじゃった、お主のところはそれで罷り通るどころか、お祭り騒ぎになるじゃろうな。」
「そうだね。敬虔な信者が多いからね。」
「では、シュウト殿お願い出来るかのぅ。」
「分かりました。」
俺はそう言うとBランクの魔石で作った聖光石を手に持った。
「発動は簡単です。聖光石に触れた状態で・・・いきます!・・・浄化!」
俺がそう言うと聖光石から目が眩むほどの光が発生し、聖光石を中心に光のドームが出来上がった。
「おぉ、突然の光で驚いたが、気持ちの良い空間が広がっておるのぅ。」
「・・・。」
リーグさんは聖光石が発生させる光を見て感動した様子で辺りを見回し、ガシュウさんは恍惚とした表情で固まっていた。
「ガシュウさん、大丈夫ですか?」
俺がそう言うとガシュウさんは涙を流しながら頷いていた。
2人は暫くの間、自分自身の状態を確認していたが元々正気だったリーグさんが話し掛けてきた。
「ガシュウは・・・もう暫くはこのままじゃな。それでシュウト殿、この聖光石でどの位持つのじゃ?」
「えぇと確か3日くらいですね。」
「ほう。この状態3日も維持出来るとな。」
「はい。コレは聖光石(中)なんでその位ですね。」
「では、他のはどうなのじゃ?」
「他は聖光石(大)が約19年、聖光石(極大)が約190年ってところですね。」
「ほう。それは凄いのぅ。その上、極大にもなるととんでもない年数じゃのぅ。効果はどうなんじゃ?」
「効果はどれも同じですよ。範囲が変わるだけですね。」
「なるほどのぅ。聖域の範囲が違うという事か。」
「正確には聖域に近いだけですけどね。」
「余からすれば差程変わらぬが、まぁそうじゃのぅ。それで魔力保有量や魔力消費量はどうなんじゃ?」
「魔力消費量はサイズに関わらずに毎分200ですね。後、魔力保有量は先程言った通り、聖光石の小は保有すること無く、その場で魔力を送っている間だけになり、中は30万で、大が1000万、極大は1億になります。」
「なるほどのぅ。そこから計算しての年数じゃったか。その上補充可能という事か。」
「そうですね。ただ途中で壊れない保証が無いんで正確なところは分かりません。」
「まぁ、そうじゃの。形あるものはいつか壊れるとも言うしのぅ。」
「そうですね。」
「それで消費量が変わらんのに範囲が変わるとはどの位変わるのじゃ?」
「極大が半径500m、大が半径100m、中は先程話した通りで小は半径50cmです。」
「極大に関しては小さなの街ならば範囲内に入りそうじゃのぅ。」
「そうですね。先程、ガシュウさんが話した聖女様の遺した聖光石がどの位のサイズかは分かりませんが、もし広い範囲をカバーしようとすれば、それなりの数か、自分とは違って聖女様特有のスキルで範囲を拡大させてたんじゃないですかね。」
「そうじゃのぅ。その辺は文献には載っておらんのか?」
リーグさんは俺の話を聞いていつの間にか正気に戻っていたガシュウさんに話を振った。
「・・・載っては無かったはず・・・シュウト様、その他の聖光石を見せてもらう事は出来ますでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うと大と極大をガシュウさんに見せた。
「おぉ、これは・・・。」
「ガシュウ。」
「申し訳ありませんシュウト様。此方の聖光石が国宝と同じです。」
俺が出した聖光石を見たガシュウさんがまた自分の世界に入ろうとした様でリーグさんに止められていた。
「コレだと聖光石(大)ですね。コレが幾つも在るんですか?」
「いえ、1つだけです。それに文献にも載っていませんでした。」
「という事は効果を上げる何かが在ったんでしょうね。」
俺がそう言うとガシュウさんは少し考えてから話し始めた。
「これは私の推測になりますが、世界樹様との共鳴で範囲を広げたのかもしれません。」
「そんな事が出来るんですか?」
「確証はありません。ただ、世界樹様の傍で聖魔法や光魔法を使うと効果を上げる事が出来るので。」
「なるほど、ならそうかもしれないですね。」
「はい。しかも聖女祭の時は元々祀られていた場所に戻すのですが、世界樹様の傍に造られた社に戻すので、効果を上げる為にそこに祀られたのかと。」
「そんなにも効果が上がるんですか。」
「代々聖女様は世界樹様と繋がりが強い傾向がありますので、伝説の聖女様ともなればその効果は計り知れないものになるかと。」
「凄そうですね。」
「恐らくは。それで話は変わりますがよろしいでしょうか?」
「はい。何でしょうか?」
「聖光石(小)に関してなんですが、其方も魔力を込めつつ、浄化と唱えれば発動致しますか?」
「はい。ただ此方も毎分200の消費があるので、その点は気を付けてもらう必要があります。」
「承知致しました。1度貸して頂いてもよろしいでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うとガシュウさんに手渡した。
「浄化!・・・ふむふむ・・・なるほど・・・上手く行けば使えるか?」
ガシュウさんは聖光石(小)を発動させると色々動かしてみたり手放した状態で魔力を送り込んだりしていた。
「どうされたんですか?」
「私の国に聖光石(小)をシンボルとして取り付けた鎧があるとお話したと思いますがその鎧は後付けされた物ではないのです。」
「その時代に造られた鎧という事ですか?」
「はい。」
「よく壊れませんね。」
「その鎧は魔力を流すと聖光石(小)を中心に修復効果があるので、これまでは強固で壊れ難く、修復される鎧という事で、不滅の鎧と呼ばれています。」
「なるほど、それなら現役で使用されても不思議じゃないですね。」
「はい。ですが、我々教国の者はその鎧の本当の効果を忘れてしまっていたようです。」
「本当の効果?」
「はい。シュウト様にお貸しいただいた聖光石(小)で色々行って解ったのですが、その鎧は最初こそ聖光石(小)に触れる必要が有りますが、どうやら聖域効果を維持しながら戦闘を行える鎧だった様です。」
「・・・なるほど、聖光石(大)で街や世界樹を守りつつ、その鎧を着た者で攻勢に出たという事ですね。」
「はい。その通りです。鎧自体が浄化魔道具なのだと推測出来ますので、その鎧を製作出来れば、対策の1つになるかと。」
「それは良いですね。Cランクの魔石だったら量産は可能ですし、急いで作・・・でもそれだと魔力量の多い人なら良いですけど、少ない人だと厳しいかもしれないですね。」
「それは私も思いましたが、今対策用の魔道具を創ってもらっている御三方に魔石や魔晶石を利用した鎧の製作依頼もお願いすれば何とか出来るかと。」
「確かにあの人達なら出来ると思いますけど、負担になりませんか?」
「いえ、逆に探知やその他の対策に役立つかと思われます。」
ガシュウさんの自信あり気な言い方が不思議に思い、聞いてみた。
「何故、そこまで言い切れるんですか?」
「ギール様が書いておられたメモに兵士や冒険者を守る魔道具の思案が書かれていましたので。」
凄いな。殆ど見る時間も無かったはずなのに。
俺がそう思っているとガシュウさんが話し掛けてきた。
「長年、教皇をしていますと一瞬で書類を読み解き、判断する事が自然と出来る様になりますよ。リーグもそうですよね。」
「そうだな。王はその程度出来ねば、休む暇もないからのぅ。」
2人のその言葉に引き気味で聞いていると2人は俺の顔を見て笑っていた。
「そうだ。この聖光石ってどう扱えば良いと思いますか?」
「そうじゃのぅ。余の王国では極大と大を1つずつ確保しておきたいかのぅ。」
「私もそうですね。」
「1つで良いんですか?」
「その様な国宝級・・・いや、それ以上の物を幾つも所持しておれば、他国に何を言われるか分からんからのぅ。必要最小限に抑えたいのじゃ。」
「私も同意です。ただ聖光石(中)に関しては探索部隊に持たせたいのである程度は確保出来れば幸いです。」
「そうじゃのぅ。中であれば他国もそこまで目くじらを立てる事は無いじゃろう。」
「聖光石(小)はどうしますか?」
「とりあえずは鎧や魔道具が出来てからじゃの。」
「そうですね。聖光石(小)だけでは扱える者は少ないでしょうし。」
「後はシュウト殿の領地を聖域にし続ける為に使うのが良かろう。」
「そうですね。その方が今居る者にもこれから産まれてくる命にも良い環境になる事でしょう。」
「そうなんですか?」
「当たり前です。聖域の近くで産まれる事が出来た子供の生存率はかなり高いので。」
へぇ~それは良い事聞いたなぁ。
俺がそう思っているとリーグさんから声が掛かった。
「嬉しそうじゃの。」
「子供は宝ですから。」
「そうじゃの。」
俺がそう答えると2人は嬉しそうな顔になった。
その後、2人には先に執務室に戻ってもらい、俺は急いで必要最低限の聖光石を作ってアイテムボックス改を出て、2人に聖光石を渡すと神殿に転送した。
「シュウト様、お帰りなさいませ。」
「ただいまバト。1つ聞いて良いか?」
「何でしょうか?」
「お孫さんはもう直ぐ産まれるのか?」
「いえ、5ヶ月後と聞いております。」
「そうか。なら産まれるまで此方に来て静養する事は出来るか?」
「・・・聞いてはみますが、恐らく難しいかと。」
「そうか。ならバルーサさんの住んでる場所は半径10m以上有るか?」
「はい。その程度であればございます。」
「そうか。なら此方で静養が出来なかったらコレを渡してあげてくれ。」
俺はそう言うと聖光石(中)をバトに手渡した。
「シュウト様、此方は何でしょうか?」
「聖光石って言うんだけど聖域に近い環境に出来るんだ。それで聖域の傍で産まれた子は元気な子供になるらしいから渡してあげて。」
「そ、そんな!私のような者にその様な・・・。」
「良いって気にするなトルバも世話になるし、それに俺から報酬は受け取るつもりは無いだろ?」
「・・・有り難く頂戴致します。」
「お、おう。それで使い方なんだが・・・・・」
俺からのプレゼントを渡されたバトが涙ながらにお辞儀をしてきた。俺は少し照れくさくなったので、矢継ぎ早に聖光石(中)の説明をした。
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