転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

文字の大きさ
195 / 418

第194話 [魔動線。]

しおりを挟む
 予定通り1時間掛けて聖光石を作った俺はドラウ達の下へ戻った。

「どうだ?」

「問題ねぇぞ。魔力の吸収・放出も問題なく出来たぞ。」

「レイは見学してみてどうだった?」

「どうやってるのかは鍛冶師じゃないから分からない部分はあったけど、かなり繊細で熟練の技が必要な事は間違いなさそうだね。」

「新人には無理って事か?」

「う~ん・・・出来る工程も有るだろうけど、どうかなぁ。」

「そうか?そんな難しくねぇ様に爺様のやり方を改良したぞ?」

「それはドラウが基準だからだよ。確かに最初の制作方法だと熟練の鍛冶師でも難しかっただろうから改良してくれて助かるけどね。」

「へぇ~そんなに難易度が高かったのかぁ。」

「そうなんだ。だって最初の方法ってドラウ、魔力でミスリルと魔血石を糸状にしてたよね?」

「おう。その方が手っ取り早いし、初歩の初歩なんだが、人族の鍛冶師には無理みてぇだからな、別の方法を考えてやったんだ。」

「へぇ~どんな感じか見てみたかったな。」

「なら見せてやろうか?」

 ドラウはそう言うとミスリルのインゴットを取り出し、魔力を送り始めた。少しするとドラウの持つインゴットはまるで、つきたての餅の様にドラウの手から零れそうになり、ドラウはそのかなり柔らかそうなミスリルで麺を作る様な動きでドンドン細く絹糸の様にしてしまった。

「凄いな。けど魔力を送っただけで何でそんなに柔らかくなるんだ?」

「普通に送ってるわけじゃねぇからな。なんつうかなぁ・・・手を擦り合わせたら熱くなんだろ?」

「あぁ、それを魔力だけでやったのか?」

「あぁ、鍛治魔法とでも言やぁ良いのか、そんなんだ。」

「なるほどなぁ。」

 俺はそう言うと近くにあったミスリルインゴットを手に取るとドラウの言う方法でミスリルを温め様とした。するとミスリルインゴットは一瞬ひかっと思った次の瞬間、燃え尽きて消滅した。

「あれ?確かにこんなに簡単に燃え尽きるんじゃ、難しいだろうな。」

「いやいや、有り得ないからな!」

「へ?」

「ミスリルは魔鉄よりも火に強いからな!シュウト、お前が可笑しいだけだからな!」

「ん?」

「そうだよシュウト、ミスリルが消滅するだけの熱なら水や氷、鉱石で出来た魔物でも消滅しちゃうよ。」

「そうなのか?難しいなぁ・・・でも攻撃手段の1つとしては使えるか。」

「そうだね。後、人族ならそうやって魔力でミスリルを柔らかくする事も不可能だからね。」

「・・・そういう事か。なら新しい方法って?」

「今から見せてやるよ。」

 ドラウはそう言うとミスリルを鉄の壺の様な物を取り出すとミスリルインゴットを中に入れた。するとドラウはその壺を炉に入れて燃やし始めた。

「こっから普通の奴等は溶かす為に魔法で火力を上げるんだが、めんどくせぇし、俺はいつも通り精霊魔法で溶かすが良いか?」

「あぁ、時間が掛かるだけで結果は変わらないんだろ?」

「あぁ、変わらんな。」

「なら、任せる。」

「おう。」

 ドラウはそう言うと精霊魔法で火力を強め、少しすると炉から壺を出し、何かを取り出して、その壺を取り付けて回転させ始めた。すると壺から勢い良く何かが飛び出してきた。

「コレでミスリルの糸に出来る。」

「なるほど、これなら誰でも出来そうだな。」

「まぁな。一応、火に耐性がある様な鍛冶師・・・まぁ、新人でも耐性が有れば出来るわなぁ。」

「じゃあ、混ぜるというか魔血石の糸と合わせるのが難しいのか?」

「そうだね。素人がというか新人でも2つの糸を合わせる工程をしようとすれば糸がボロボロになって使い物にならないね。」

「難しいんだな。」

「あぁ、工程は簡単なんだが、2つの糸の特性を理解出来るくれぇの熟練の鍛冶師じゃねぇと無理だな。」

「なるほどなぁ。でもそれだとやってくれる鍛冶師を見つけるのが難しいんじゃないか?」

「その辺は大丈夫だよ。」

「何でだ?」

「鍛冶師になっても売れない、人気が無い鍛冶師は鍛冶師だけでは生活出来ない人が多いから片手間で尚且つある程度の賃金が見込め、鍛治スキルを上げれる方法があるなら飛びつくはずさ。」

「へぇ~。でも合わせるだけの作業で上がるのか?」

「あぁ、上がるみてぇだぞ。偶然かもしんねぇが合わせてる時に上がったからな。」

「そうなのか、でも他の人で試した訳じゃないだろ?」

「そこはこれからだけど、可能性としては有ると思うよ。」

「そうか、それで安く出来そうなのか?」

「そうだねぇ・・・魔血石とミスリルを溶かすのに必要な器が高額になりそうだからそれは自分達・・・いや、師匠に相談してみるけど、それでも火力を上げる為にある程度、魔法を使える鍛冶師にお願いしなくちゃいけないからそこがネックかな。」

「そうか・・・それって魔道具で代用は出来ないのか?」

「う~ん・・・あっ!出来るかも!それなら・・・魔動線を使えば・・・良いね!行けそうだね!」

「そうか、それなら良かった。」

「ありがとうシュウト。」

「気になったから聞いただけだから気にしなくて良いよ。上手く行くと良いな。」

「そうだね。」

「じゃあ取り敢えずお腹も減ったし、ドラウはどうする?」

「コレはどうすんだ?」

「取り敢えずは食べたらガルンさん達の所に持ってくかな。」

「兄貴が居るのか!?」

 俺がガルンさんの名前を出すとドラウが興奮気味で迫ってきたので押し退けながら答えた。

「あ、あぁ、居るから少し離れてくれるか?」

「あぁすまねぇ、んで兄貴の所に行くなら直ぐに連れてってくれ。」

「俺は良いけどニップルさんは良いのか?」

「あっ・・・。」

「それでニップルさんは何処だ?」

「食材の調達にシュウトの光の精霊の・・・。」

「フォースか?」

「そう。その精霊と一緒に調達に行ってる。」

「フォースが?調達?」

「あぁ、ニップルは光の精霊との親和性が高いから仲良くなってたからな。」

「そうなのか。仲が良いのはいいが、食事はどうする?ニップルさんが良ければ一緒に済ませるか?」

「あぁ、それでいい。」

 ドラウの返事を聞いた俺は誰かフォースとニップルさんを呼んできてくれとお願いするとアモネスが応答してくれて2人を連れて来てくれた。

「どうされましたか?」

「ドラウが今からガルンが居る所に行きたいみたいなんですけど、食事とかどうしますか?」

「ガルンさんがいらっしゃるんですか?」

「はい。あっ、そうかニップルさんもガルンさんに会いに行きますか?」

「御迷惑でなければ。」

「分かりました。食事はどうされますか?」

「そうですねぇ、恐らく2人が話し始めると長くなりそうなので、軽い物を今から作ろうかと思うのですが宜しいですか?」

 ニップルさんがそう言うとレイが話し掛けてきた。

「それならナビコに頼んで作った物を包んで貰ったら良いんじゃない?ダメかなシュウト?」

「ニップルさんが良いなら。」

「御迷惑じゃないですか?」

「それなら大丈夫ですよ。どうせ1度神殿前に出てからしか転送出来ないんで。」

「それでしたらお願い致します。」

「ドラウも少し待たせる事になるけど良いか?」

「あぁ、問題ねぇ。」

 そんな話をして俺達がアイテムボックス改を出るとナビコ以外の全員が揃っていた。

「おう。ドラウ、珍しいな何時も鍛治があるとか言って来ねぇのに今日はお前も此処で食べるのか?」

「いや、飯だけ貰ったら兄貴のとこに連れてって貰うつもりだ。」

「兄貴?」

「ルーク、ガルンさんの所だ。」

「ん?兄弟?」

「兄弟じゃねぇが兄貴は兄貴だ。」

「あぁ、なるほどな。」

 ルークとドラウが話してる間にナビコに頼んで来たのかニップルさんはナビコと共に奥から出てきた。

「食事は戻って来てからで良いのか?」

「おう。久々だからな、シュウトを待つぜ。」

「良いのか?先に食べてても良いんだぞ?」

「良いよな?」

 ルークがそう言いながらドラウ達以外を見ると全員が頷いた。

「そうか、悪いな・・・あっ、そうだ。全員揃ってるし、知ってる奴も居るけどもう一度紹介しとくな・・・・・。」

俺はそう言うと玄武の2人を紹介した。すると予想通り、様々な反応があったが結果的に人化時にはコクはフレンドリーにトルバは執事として対応していく事になり、ドラウ達の食事は容器に詰めるだけだったので、ニップルさんが、受け取ったのを確認すると2人を連れてリーグさんの所へ転送し、丁度帰ろうとしていたセドさんにガルンさんが居る場所へ案内して貰った。

「シュウト様、此方です。」

「ありがとうございます、セドさん。」

「いえいえ、私も御三方の様子を伺ってからと思っておりましたので。ではシュウト様、入りましょうか。」

「はい。」

俺達はそう言うと中に入った。

「皆様、進捗具合いは如何ですか?」

「これは宰相様、探知魔道具の方はベースが完成しましたわ。」

「おぉ~流石でございますね。」

「だかなぁ・・・。」

セドさんにギールさんが答えると横からガルンさんが渋い顔で声を掛けた。

「どうされたのですか?」

「う~ん。広範囲で大まかな位置の特定をする分には恐らく問題ねぇんだが、正確な位置の特定をするには問題がある。」

「ほう。ですが、大まかな位置の特定が出来るのであれば、かなり前進したと考えられるのではないですか?」

「まぁな。兵士なら軍で移動になるだろうから避けるか対処出来る様にしてから大規模で囲んでから中の魔物を対処すりゃあ良いが、冒険者や小規模な軍ではそれも難しいからなぁ。」

「それはどうしてですか?」

「探知魔道具を中心に半径500m先からしか位置の特定は出来んから方角しかわからんのだ。」

「・・・何故、500mよりも内側の探知は出来ないのですか?」

「邪の魔石の特性と探知魔道具に使ってる魔晶石のランクが問題なんだ。」

「と言いますと?」

「ランクが高い魔力を持った魔物に警戒されねぇ様に邪の魔力を隠蔽しやがるんだ。」

「厄介ですねぇ。ならば範囲の狭い物は創れないのですか?」

「創ってはみたが、魔力消費量が多くて、魔晶石が直ぐになくなっちまう。かといって魔石では安定しねぇから精度が落ちて使いもんになんねぇ。」

「なるほど、それは難しい問題ですね。」

「兄貴!それなら俺が今さっき造ったコイツが役に立つかもしれねぇぜ!」
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

最強超人は異世界にてスマホを使う

萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。 そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた―― 「……いや草」

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...