転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第264話 [残党?殲滅戦Part5。]

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「しかし師匠、執事協会と言う割にかなり派手な建物ですね。」

「王侯貴族や大商人の中には一つ一つが高価な物や煌びやかな装飾を好む方が多く、そこへ御奉仕させて頂く際に緊張する事でミスを犯さない様にという建て前で改装させたと聞いておるのぅ。」

「建て前という事は・・・。」

「現会長である彼奴の趣味じゃ。」

「趣味・・・ですか・・・。」

「昔から執事であるのにも関わらず、趣味が悪いのじゃよ。」

「左様でございますか、しかし大小様々な結界が施されているのですね。」

「1人で行っておる訳では無いが、そこの結界1つとっても防汚、衝撃により結界の中にある装飾を最低限抑える結界じゃ。」

「最低限ですか・・・。」

「トルバ、皆、お主の様に豊富な魔力がある訳では無いのでのぅ、その中で常時維持出来る結界を施してあるのじゃ。」

「勉強になります。それで隠蔽の結界で隠れている者も居ますが敵で御座いますでしょうか?」

「いえ、トルバさん。彼等は夫であるバトを恐れて隠れているのですよ。」

「師匠を?何故ですか?サーシャさん。」

「それは以前、今の会長であるバンディーの影響を受け、執事とは何か。という事を履き違えた者が多くおり、その事に腹を立てたバトが教育的指導を行っていましたので、それを見た者も恐れているのでしょう。」

「教育的指導?」

「トルバさんには分かりませんでしたね。バトの行った教育的指導とは暴力を伴った指導という事です。中にはその所為で廃人になった者も居たとか。」

「なるほど、ですが問題を起こす様な者で言う事を聞かない様な者は暴力や威圧で押え付けますよね。」

「あぁ、それは人族の世界では犯罪に取られる事もあるので、今後は気を付けて下さいね。」

「そういうモノなのですか・・・では師匠の行った行動は大丈夫だったのですか?」

「それは問題ない。此処は結界が常時施され、外部に漏れない様になっておるし、それをいい事によからぬ事を行っていた者を指導しただけじゃしのぅ。それによからぬ事を行っていた者は全て辞めてしまうか、捕縛されておるからのぅ。」

「左様でございますか。それで今隠れておる者はこのままで良いので御座いますか?」

「ふむ・・・貴方方出てきなさい。」

「・・・。」

私がそう言っても結界内に隠れている者は聞こえてないのか、私に怯えているのか、反応を示さなかった。

「ふむ、仕方がないのぅ・・・今から10数えるので、数え終えるまでに出てきなさい。出てこない者は強制的に結界を壊しますが、その際もしかしたら被害を受けてしまうかもしれませんので、その点はご了承ください。」

「・・・。」

「では、10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・」

私がそうカウントダウンしていくと結界で隠れていた方々は次々と結界を解いて外に出て私の前に整列し始めた。

「3・・・2・・・いっ・・・全員出ましたね。」

私がそう言うと1人の初老と思われる執事が声を掛けてきた。

「バトレルコンシェ様、お久しぶりに御座います。本日はどの様な用向きでしょうか?其方の方は・・・初めての方であれば登録でしょうか?」

「久しぶりですね、ケルビン。登録は致しません。此度はバンディーに用があって参りました。」

「バンディー様ですか・・・。」

「どうしました?」

「今は何方にも会う事はされないと思われます。」

「そういう指示でも出ているのですか?」

「いえ、1人になりたいと会長室に入り、強固な結界を張っている為、誰も出入りが出来ない状態になっております。」

「なるほど・・・。」

ワルダーの件、気付かれたのでしょうか・・・。

私がそう考えていると誰かに袖を引かれたのに気付いて、其方の方を見た。

「ん?サーシャですか、どうしました?」

「例の件については気付いてないと思われますよ。」

「サーシャ、何故そう思うのですか?女性の勘ですか?」

「勘もあるけど、彼なら気付いていれば、もう既に此処には居ないと思って。」

「なるほど、確かに奴は知っておれば、会長の座を捨てても姿を消す事を選ぶであろうな。」

私達そう話していると先程の様にケルビンが話し掛けてきた。

「バトレルコンシェ様、立ち聞きしてしまい申し訳ありませんが、会長にまで上り詰めたバンディー様が執事協会の会長の座を捨ててまで姿を消すとはバンディー様は何を犯したのでしょうか?」

「やはり他の者とは違い、執事協会副会長であるケルビンはバンディーが姿を消すと言っても驚かないのぅ。」

「当然で御座います。あの方が執事協会の品位を落とす行為をどれだけ見てきたか、その度に各地に奔走していたのは私ですから。何れは、何方かに捕縛されてしまうだろうと。」

「ではケルビンさんは何故、彼から会長の座を奪わなかったのですか?」

「サーシャ様、あの方には後ろ盾がおりまして、刃向かう者は姿を現さなくなってしまいました。まぁ、全て・・・という事ではありませんが、後ろ盾の中には闇ギルドが居るのではないかと愚考しておりましたゆえ、執事協会を潰してしまわない為にも副会長に収まり、協会を内側から守る為に私は居るのです。」

「ほう。流石ケルビン、バンディーと闇ギルドの繋がりに気付いていたのだな。」

「やはりそうでしたか・・・。」

ケルビンはそう言うと少し暗い顔をしていた。

「その様子、近しい者が?」

「はい。私は止めたのですが、恐らく弟はもうこの世には居ないでしょう。最後に会った時に執事としての在り方をバトレルコンシェ様の様にと言い残して、姿を消してしまいました。」

「アルビオンが・・・そうですか、惜しい人を亡くしました。」

「そう言って頂けるだけで弟は喜ぶと思います。」

ケルビンはそう言うと私に頭を下げた。

「・・・ケルビン、1つだけ間違えておるよ。」

「何の事でしょうか?」

「バンディーは闇ギルドと繋がっているのではなく、闇ギルド・ケルベロスのボスなのじゃ。」

「なっ!・・・しょ、証拠がお有りなのでしょうか?」

「うむ。証拠がある故、使徒様に此処を任せてもらえる様に進言したのじゃよ。」

「し、使徒様・・・そういえばバトレルコンシェ様はフォスエスペランサ国に仕えてらっしゃったのでしたね。」

「そうじゃ。闇ギルドのボスと思われる者をその拠点諸共消し去った際に調べ、使徒様がバンディーの事を見付けて下さったのじゃ。」

「使徒様が・・・では、執事協会も・・・。」

「いや、そうならんように私が来たのじゃよ。彼処は闇ギルドの上位陣が殆どであった上に使徒様の怒りを買う程の行いをしていた様でのぅその為、眷属総出で消滅させ、今はその闇ギルドのボスであるバンディーや他の残党を駆逐している最中じゃ。」

「では、一部が壊れるだけで済むという事ですか?」

「ふむ。確かに奴がいる会長室は壊れるじゃろうが、他に被害は出んじゃろう。」

「そうなのですか?」

「ボスであるバンディーは配下の者すら信じておらん様でこの建物の中に闇ギルドの者はバンディーしか居らん様じゃし、トルバがおる故、会長室から逃がす事もない。そうじゃのトルバよ。」

「お任せ下さい。」

「ですが、バンディー様・・・いや、バンディーはあの様な性格ですが、結界術も闇魔法もバトレルコンシェ様程では無いにせよ、かなりの使い手、逃げるだけならバトレルコンシェ様からでも逃げれるかと。」

「その心配はない。私は師であるからトルバと呼んではいるが、結界に関してはトルバより上の者など神様でない限り有り得ないのじゃ。」

「神様でない限りという事は・・・ハッ!数々の無礼、申し訳御座いませんでした。」

「お気になさらないで下さい。私は師匠に追従し、勉強しているだけですので。」

ケルビンがそう言いながら跪こうとするのを肩に手を当ててトルバが止めていた。

「ケルビン、バンディーの下へ行くが、問題ないかのぅ?」

「ハッ!」

ケルビンはそう言いながら引き下がると他の執事達に指示を出していた。

「では、行きますか。」

「ええ。」

「承知しました。」

「やっと行くのか。」

私達4人はそう言うと会長室へと向かった。

そうして暫く歩くと会長室に強固な結界が張られていた。

「トルバ、コク様、この結界をどう観ますかな?」

「私や師匠と比べると脆弱ですが結界としてはきちんと張られていると考えます。」

「人族にしてはまぁまぁじゃね。」

「やはりそう観えますか。ですが、コレが人族の高レベルの結界なのです。」

「この脆弱さでですか?師匠や兄弟子であるセバスが眷属に成られる前はもっと強固な結界だったはず。」

「ですので、敵を誘い込む際などに結界を利用するのであれば、この程度以下に抑える方が良いでしょう。」

「・・・。」

「へぇ~こんなに弱くねぇと騙せねぇって事か。簡単に張ってもコレより硬ぇのしか張れねぇ俺達には逆に難しいな。」

「そうでしょうね。人族はこの結界の範囲を狭めるか、人数を増やし魔力を同調させる事で強固にしていきますので、1人で張るのであれば、この程度が限界なのです。」

「そういやぁやたらと人数を増やして結界を張ってたな。」

「はい。では中に参りますか。」

私はそう言うと張ってある結界に手を触れて結界を破壊した。

「高威力の攻撃で破壊するんじゃなくて、同調させて魔力の流れを乱しての破壊か、凄ぇ技術だな。」

「あぁ、流石師匠だ。」

「この破壊の仕方ですと魔法士が自分のミスと勘違いしますので潜入には適しているのです。まぁもっとも今回は全員で入る為に破壊しましたが、1人で潜入の場合は一部だけを今回と同様に破壊する事で破壊された事すら気付き難い潜入が出来ます。」

「なるほどな。おもしれぇ事を考えるな。」

私達がそう言いながら扉を開けて中に入るとバンディーは唖然とした表情で私達を見ていた。

「何故貴様が此処にいるのだ!」

「おやおや、何をそんなに焦っているのですかな?」

「結界が壊れて・・・まさか貴様が破壊したのか!?」

「あの様な拙い結界など破壊するのは簡単でしたよ。」

「わ、儂が張った結界を拙いじゃと!?」

「それでは貴方とは話もしたくないので私共の目的も薄々は感じているでしょうし、始めましょうか。」
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