転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第275話 [失われた技術。]

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攻略組支部の最上階まで上がると枯山水の庭と御寺の様な建物があった。

何故、砦の最上階に御寺?

俺がそう思っているとドラウが声を掛けてきた。

「どうだ?シュウトがヤマト風の家が好きって聞いたからこんな感じにしてみたんだ。」

「好みではあるが、何で御寺なんだ?」

「オテラっていうのか、リョウマにヤマトで神聖な建物は何だって聞いたらこんな感じだったぞ。」

「まぁ確かに御寺とか、神社は神聖な場所・・・っていうかヤマトにも有るのか。」

「さぁな。リョウマに聞いて教えてくれたぐれぇだから有るんじゃねぇか?」

ドラウがそう言うとガシュウさんが声を掛けてきた。

「シュウト様、お話の途中で失礼致します。」

「ガシュウさん、何ですか?」

「私の記憶でもヤマトでは神様を祀る場所として、此方の様な建物が存在しております。」

神社とかじゃないのか。

俺がそう思っているとガシュウさんが話を続けた。

「ただ、地方によって形も形式も違う様で、神様を祀る建物と聖職者が修行や日々のお勤めを行う建物を分けている場所もございました。」

なるほど、神社と御寺の両方が有るのか。

「ただどうしてかは分かりませんが此方の様な建物の聖職者は皆、髪の毛を剃る事が必須の様でした。」

「なるほど。両方共、メモリーホルダーの権力者か、聖職者が広めたのかも知れませんね。」

「シュウト様がそう仰られるという事は前世では聖職者の方は皆様そうなのですか?」

「前世では、此方の世界の様に神様との距離が近くないというか、神様を見たという人は居たとしても詐欺師か妄想癖の強い人って感じなんですよ。」

「降臨されたりはしないのですか?」

「自分の記憶では一度もと言うか、ライヤ、いや。アストライアー様の話では自分が居た時にはもう既に神様は居なかったみたいなんで、色々な方が色々な宗教を信仰していたので、その宗教によって聖職者の衣装や姿は違ってましたね。」

「神が居ない!?それなのに神様を信仰されていたのですか!?」

「そうですね。」

「なんと信心深い方々なのだ・・・。」

「まぁ、困った時の神頼みって言葉もあるくらいには皆んな信じていたと思いますよ。」

「左様ですか・・・。」

ガシュウさんはそう言うとブツブツと何かを言いながら考え込んでいた。

「で、どうだ?気に入ったか?」

「あぁ。懐かしさも感じるし、いい感じじゃないか。」

「そうか。なら後は内装だな。部屋割りも決めねぇといけねぇな。」

「そんなに凝らなくても良いんじゃないか?」

「そうはいかねぇよ。なんせ中は神々の像が在る部屋以外は空洞だからな。」

「空洞?」

「あぁ、空間拡張はしてあるが、何にもねぇ。見るか?」

「あぁ。」

「シュウト殿、余達も同行して良いのか?」

「別に構いませんが・・・ドラウ、良いか?」

「良いが、本当に何もねぇぞ。」

「って事らしいですけど、どうされます?」

「何もないと言われると余計気になるのが世の常じゃ。」

「まぁ、リーグさん達がそれで良いなら自分は構いませんがガシュウさんはどうしますか?」

俺がそう言いながら未だに固まって考えに耽っているガシュウさんを見ているとそれに気付いたリリスさんが頭を叩いてガシュウさんを正気に戻してから俺達の会話を話していた。

「シュウト様、申し訳御座いません。聖職者として私はそこまでの高みに至る事が出来るのだろうかと考えておりました。」

「そこまでの事じゃないと思いますけど・・・それよりガシュウさんはどうされますか?」

「無論行かさせて頂きます。」

俺達はそう言うとドラウに案内されて中に入って行った。

「やっぱり靴は脱ぐのか?」

「中は一応、寝泊まり出来る環境にするつもりだからな。つっても戦時中なんかだとそうも言ってられねぇだろうから別の入り口からは靴のままで会議出来る部屋も造る予定だがな。」

「しかし言葉通り何も無いなぁ。」

俺がそう言ってしまうくらい上がり框の向こう側は遠くに部屋の襖が見えるだけで、壁も柱も何も無かった。

「そりゃそうだろ。これから造るんだからな。各部屋の配置とかを決めねぇと風呂やトイレの場所も決めれねぇだろ。」

「トイレもか。って事は下の階もか?」

「そんな訳ねぇだろ。用意してなかったら来てくれた奴らが困るだろ。」

「それもそうか。」

「一応、本部と両方行き来する奴らも困らねぇ様に同じ配置にして造ったからな。」

「それなら攻略組の皆んなもこれから仲間になる人達も困らなくて済みそうだな。」

「まぁな。構造が同じなら遠征でこっちに来ても煩わしくないだろうからな。」

俺達がそう話しているとリーグさんが周りをキョロキョロ見ていた。

「リーグさん、どうされましたか?」

「いや、余も建物に詳しい訳ではないが、これ程の建造物であるのにも関わらず柱1つ無いのにどうなっておるかと思うてな。」

「あぁ、確かにそうですね。ドラウ、大丈夫なのか?」

「何の問題もねぇぞ。下の砦と同様の工法で建てたからな。」

「けど、下の階は柱や壁が在ったぞ。」

「まぁ、向こうと合わせる為に在るだけだ。建物だけを支えるだけなら外側の精霊樹の抜け殻だけで十分な強度が有るぞ。」

「へぇ~凄いんだな。」

「まぁな。けど精霊どもの話じゃハイエルフの家は同じだって言ってたぞ。」

「そうなんですか?ガシュウさん。」

「・・・グフッ!・・・何をするんですか?リリス・・・。」

奥の部屋を凝視していたガシュウさんに話を突然振るとガシュウさんは話を全く聞いて無かった様でリリスさんに横腹を殴られて苦悶の表情をしながら蹲っていた。

「リリスさん、そこまでしなくても・・・。」

「いいえ、ガシュウはこうでもしないと直ぐに此方の話を聞く態勢にはなりませんの。」

「そうなんですかぁ・・・。」

悪い事したなぁ。と思いながらガシュウさんの方を見るとガシュウさんは自身に回復魔法を掛けてスっと立ち上がった。

「シュウト様、私が失礼な事をした様で申し訳御座いません。」

「いえいえ、自分の方こそ突然話し掛けてしまって申し訳ありません。」

「いえいえ、それでお話とは何でしょうか?」

ガシュウさんにそう言われた俺はドラウとの話をもう一度ガシュウさんに話した。

「今回ドラウ様が行った様な工法が私共の国でもされていたと・・・。」

ガシュウさんがそう言いながら考えているとリリスさんがガシュウさんの袖を引っ張っていた。

「リリス、どうしました?」

「私達の家ってもしかして。」

「あぁ、確かにあの家は代々受け継がれたにしてはどんな災害にもビクともしてませんでしたね。」

「そんなに丈夫なんですか?」

「はい。何かあった時には一時避難する場所としても提供しております。」

「なるほど、それだけ丈夫なら此処も安心だな。」

「いえ、この支部は更に頑丈だと思われます。」

「そうなんですか?」

「はい。私共の家ですが、大樹と同化した様な家ですので、大樹を破壊する様な攻撃、特に火属性の強力な攻撃を受けますと崩壊してしまいますが、この支部では弱点となるモノが存在しないように思われますので。」

「ドラウ、そうなのか?」

「あぁ、精霊から聞いた工法に俺独自の改良を加えたからな。まぁ、その所為で崩壊しても再生まではしないから多少のメンテナンスも必要だ。」

「そうなのか?」

「あぁ、凡百の属性の耐性を持たせる為に敢えて成長限界まで精霊に魔力を与えて精霊界に送ったからな。」

「なるほどな。それでメンテナンスはドラウだけでするのか?」

「そんな訳ねぇだろ。ある程度の知識と経験がありゃあ誰でも出来る程度だ。」

ドラウのある程度って事は出来る者は少ないんじゃないか?

俺がそう思っているとレイが中に入ってきた。

「ドラウのある程度ね・・・一応専属で雇う必要が有りそうだね。」

「なんだレイ、簡単なメンテナンスに専属なんて要らねぇだろ。」

「じゃあどう簡単なのか軽くで良いから教えてくれるかい?」

「基本的にはメンテナンスなんて要らねぇが50~100年単位で触診と音で調べて必要箇所を魔力で補修するだけだぞ。まぁ破壊される様な事があったらエルダードワーフじゃねぇと難しいかもしねぇけどな。」

「50年かぁ・・・それなら専属じゃなくて、その都度、ドラウの村の人に頼んだ方が良さそうだね。それに簡単って言ったけど、専門家でもないと触診と音で判断なんて出来ないと思うよ。」

「そうなのか?音を聞きゃあ分かるもんだがなぁ。」

「それはドワーフやエルダードワーフの常識でしょ。」

「そんなもんか。まぁいいや、なら日々の点検も出来ねぇって事だな。」

「音で判断って言うなら獣人族なら可能かもしれないけどドワーフやエルダードワーフの種族特有能力だとしたら無理だろうね。」

「なるほどなぁ、なら何か造るか。」

「そうだね。それなら点検くらいなら出来るかもしれないね。」

「そうか、まぁ補修が必要なら里の連中に言やぁやるだろうから点検する為の魔道具は考えてみるわ。」

「そうしてもらえると新たに雇う必要が無いから助かるかな。」

「分かった。」

「ドラウ、必要な素材が有ったら言ってくれ。」

「おう、シュウト。そんときゃ頼むわ。」

「それでレイはそれを言いに来ただけじゃないんだろ?」

「そうだね。一応、回復部隊の人達は直ぐにでも助けてあげたいって事だったから収容所の解体と新たな建物の外側だけでもやっておきたくて、シュウトとガシュウさんに聞きに来たんだよ。」

「外側だけって事は此処みたいに中は後から造るのか?」

「そうだな。解放される人達の事を考えると早い方が良いけど、無理はして欲しくないしなぁ。」

俺がそう言いながらガシュウさんの方を見ると横に居たリリスさんが前に出てきた。

「シュウト様、回復部隊の者はそれ程、やわな鍛え方はしていませんので何の問題も御座いません。」

突然の発言を不思議に思っているとガシュウさんが話し始めた。

「回復部隊を鍛えるのもリリスの担当ですので。」

「えっ?」

ガシュウさんの言葉に驚いてリリスさんの方を見ると自信満々に微笑んでいた。
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