転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第279話 [待遇と治療師達の実力。]

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「やはりこうなりましたか・・・では、行きましょうか。」

 レイはそう言うと全員を攻略組の支部へと案内していた。

「此処が支部となり、治療院が出来るまでは数日寝泊まりしてもらいます。治療師の方々から許可が降りた人達から居住区画に移り住んで貰います。」

 レイがそう言うと奴隷だった人が手を挙げた。

「どうしました?」

「俺達が住む事が出来る家が有るのか?」

「もう建設済みですよ。あっ、そうだ。この中でご家族もしくは、一緒に住みたい相手がいる方はいますか?」

 レイがそう言うと1割くらいの人達が手を挙げた。すると先程話し掛けてきた人が再び話し掛けてきた。

「家族用の家も有るのか?」

「はい。ご家族用には一軒家、お独り用には大きい家で住める様になってます。あぁ、大きい家の方はお独り用の住居スペースがありますので、寝食を行うのにストレスは感じないと思いますよ。」

 レイがそう言うと人々は感動の声を上げていた。レイはその光景を見て頷くと治療師達の方を見た。

「治療師及びそのご家族に関しては治療院が完成次第、場所や構造をお聞きした上で建てますので、もう暫くお待ち下さい。」

 レイがそう言うとトトが手を挙げた。

「どうしましたか?」

「我々の家ですが、場所だけ確保させて貰えるなら治療院に間借りさせてもらって、お金が貯まったら自分達で建てますが。」

「いけません。それこそ使徒様に怒られてしまいます。貴方方には治療に専念出来る様に十分な報酬や落ち着ける住居、休養を取ってもらった上でのレベリングを予定していますので、安心して治療に専念して下さい。それが使徒様の願いです。」

 レイがそう言うと治療師の皆さんは臣下の礼をしていた。

「では、これから回復するに当たり治す意欲が上がる一条になればと思い、住居を造りましたので、其方を見て、本日は解散とさせて貰いますね。」

 レイがそう言うと奴隷だった人の中から手を挙げる女性が居た。

「どうされました?」

「あのぅ~さっきから気になってたんですけど、あの人達は何で牢屋みたいな馬車に縛られて入れられてるんですか?あの人達の中には私達と同じ所に居た人も居るんですけど・・・。」

「あの方々は奴隷の時に御本人が耐えられない程の酷い扱いをされた所為で皆さんの様に普通に解放すると自分のされてきた事、してしまった事に耐え切れずに自害しそうな方、周りを巻き込んで自害しそうな方を仕方なく収容させて頂きました。」

「そうなんですね・・・でも何故分かったんですか?私も鑑定する事は出来ましたけど、彼等にはそんな事は何も・・・。」

「ほう。貴女は鑑定のスキルがあるのですか?」

「スキル・・・。」

 女性はそう言うと目を泳がせていた。

「あっ、なるほど、大丈夫ですよ。」

「何が大丈夫!?私はコレの所為で・・・。」

 女性はそう言うと悲しそうで辛そうな顔をしていた。

「失礼しました。言い方を変えますね。使徒様はいい意味でも悪い意味でも差別はされません。例えそれが誰からも蔑まれたり、畏れられたりしていても心が善良であればある程、良くして頂けますし、余程悪い方でなければ、改心されば問題ないと思われる方なので。」

「心・・・か・・・。」

「はい。ですので此処にいる人達は使徒様にとって種族や能力の有無は関係なく、平等に護り、幸せになる権利があると考えられていますよ。」

「そんな事誰も・・・。」

「それがアストライアー様の選ばれた使徒様という方です。他の方には真似出来ない事を平然とやってのける方なのですよ。」

 レイがそう言うと何故か皆んなが俺の像に向かって祈り始めた。

 レイは暫くその様子を見てチラホラと立ち上がってくる人達を確認すると住居の案内をしてから攻略組の支部に戻り、解散とした。

 トト達、治療師達は早速、奴隷だった人々を1列に並んでもらい、個人個人の身体的外傷の有無や病気、突然の環境の変化による体調不良の有無を検査し、何かのアンケートの様な事をしていた。

 俺は丁度戻って来たレイに彼等の様子を見せて気になる点を聞いてみる事にした。

「なぁレイ、どの程度の治療が出来そうなんだ?」

「う~ん、そうだなぁ。トト夫婦は流石、ガシュウさんがシュウトに紹介しようとしただけあって、欠損部位の再生も可能みたいだけど、他の人はそこまでじゃなくて、数人がかりなら大怪我の治療や範囲系の治療は可能かな。」

「病気はどうなんだ?」

「トト夫婦ならある程度の病なら治療出来るけど他の人は軽い病くらいだね。」

「熟練度の違いか?」

「それも有るけど、圧倒的魔力不足が原因かな。レベルもそんなに高くないし。」

「って事は魔力さえあれば、状況は変わるって事だな。」

「そうだね。熟練度は回復部隊に居た事もあってトト夫婦程ではないにしろ、結構高い人が多いからね。」

「って事はレベリングは急務って事だな。」

「まぁそうだけど、レベリングは直ぐには難しいかな。」

「何でだ?」

「軽傷とはいえ、治療が必要な人が多いし、元奴隷の人達の心境も考えるとね。」

「あぁ、休めないか。」

「せめて半数に減らないと交代で休暇を取るのは難しいかな。」

「トト達の判断か?」

「そうだね。1ヶ月ぐらいは休めないかもって言ってたよ。」

「そんなにか。ならガシュウさんにもう少し増やしてもらえる様に頼むか?」

 俺がそう言うとリーグさん達と話をしていたガシュウさんが近付いてきた。

「シュウト様、それには及びませんよ。」

「どうしてですか?」

「あの者達は分かっていない様ですが、それ程時間は掛からないと思われますよ。」

「何故そう言い切れるんですか?」

「環境です。あの者達の算出はおそらく私共の国でやっていた場合ですので。」

「環境ですか?」

「はい。此処もシュウト様の御力で聖域に近い環境となっており、聖域とは肉体的にも精神的にも回復効果があります。」

「そうなんですか?」

「はい。それになんと言ってもシュウト様の御膝元というのが1番の理由ですね。」

「自分ですか?」

「はい。シュウト様の御膝元であれば、支部には攻略組に所属している民が訪れ、魔物の心配も日々の食事の心配も無く、善き隣人に囲まれ、他では考えられない程の安心感に包まれ、何かあれば使徒様や眷属様が来て下さると考え、余計なストレスは無くなるでしょう。」

「そういう事ですか。それなら確かに良い環境なのかもしれませんね。」

「それに此処の方々は既にシュウト様、いえ使徒様への信仰が強く出ている様ですので、その方の国の民になれたという心の支えがありますので。」

「信仰・・・助けてくれてありがとうって事じゃなかったんですか?」

「それもありますが、これでも教皇です、感謝だけなのと信仰が含まれている祈りの違いは分かります。」

「はぁ・・・。」

 ガシュウさんにそう言われて俺は言葉を失ってしまった。

「あっそうだ。ガシュウさん、アレって何かのアンケートを取ってるみたいですけど、何をしてるか分かりますか?」

「アレは心的外傷後ストレス障害の検査ですね。あの様に奴隷の時に自身が何をされ、その時どう思ったかを回復術師、いえ、治療師が把握するのと同時に自分自身に思い出させるのです。」

「把握は治療方針を決める為って事は分かりますけど、思い出すのは辛くないですか?」

「心を癒し、安らかにする魔法を掛けながらなので、それ程辛くはないらしいですし、心に留めている事を吐き出す事でも心が軽くなるらしいとの事です。」

「らしいとは?」

「今回の様に解放し、回復させた元奴隷の方々に後々必要な事なので、という事でランダムにお聞きした結果ですね。」

「なるほど、それなら安心ですね。ガシュウさんから見て、どの位の期間だと思いますか?」

「そうですねぇ・・・今の状況が落ち着くまでというのであれば1週間程で交代で休みを取る事が出来る様になるのではないかと思われます。」

 その後、元奴隷の人々はガシュウさんの想定通り、大半の人々が住居からの週1だけの通いで良い事になった様で2週目からは一日交代で休みを取っていた。

「トト、そろそろ行けそうか?」

「このペースであれば、もう1~2週間あれば治療が必要な方が減り、通いの間隔も空けれると思いますので、そこまでいけば三交替にしていけると思われます。」

「なるほどな。ならレベリングに1週間使っても問題ないか?」

「そうですね。遠征先を何処にするのかは分かりませんがその位の期間は必要と思われますので問題ありません。」

「ん?あぁ、ある程度レベルが上がるまでは移動に時間は取られないぞ。」

「え?いや、此処のダンジョンでは私共には耐えられないと思われますが・・・。」

「ん?言ってなかったか?」

「何をでしょうか?」

「俺のダンジョンが攻略組の建物の中から行ける様になってるからそこの初級・・・って言っても分からないか、Cランク程度のダンジョンで先ずはレベリングだな。」

「そんな事まで!?」

「あぁ、お前達夫婦以外はルーク達に頼んでやってもらうつもりだ。」

「でしたら私共は・・・。」

「勿論、俺が連れて行く。」

「そ、その様な事を!?私共の為にシュウト様の御時間を頂く訳には!」

「気にするな。俺がやりたいからやるだけだしな。」

「そうは言っても・・・。」

「それにお前達の為だけって訳じゃないぞ。」

「それは自分達にも下の者のレベリングをさせる為でございますか?」

「いや、嫌な事をさせるつもりはないぞ。」

「では・・・?」

「今のところ、欠損部位を治せるのはトト達だけってガシュウさんから聞いたんだが、欠損部位を治すには相当量の魔力が必要でトト達でも1日1箇所が限界だと聞いたが?」

「確か・・・そういう事ですか!」

「あぁ、未だに多くの人が手足を失っている状況みたいだし、俺達だけが治せる状況は何とかした方が良いからな。」

「確かに幾ら攻略組の強者とはいえ、五体満足ではない時は可能性としてあり、その際に私共で治せたらより多くの人を救えるかもしれません。」

「その通りだ。それに聞いた話だと熟練度が100%で魔力が十分有れば、死んで間も無い人なら蘇生も可能らしいぞ。」

「そ、そんな事が!?」

「熟練度が100%になった後にでもガシュウさんにでも聞いてみろ。」

「教皇陛下が御存知なのですか!?」

「知っている人を知ってるみたいだぞ。ただ、今は心に仕舞っておけよ。」

「承知致しました。」
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