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第320話 [2人のルーク。]
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俺が部屋に戻ると外が騒がしかったので部屋を出てみた。すると直ぐにバトが現れた。
「どうしたんだ?」
「つい先程、ルーク様が頭を抱えながら御倒れに!」
「ルークは何処だ!?容態は!?」
「温泉の脱衣場にて横になっており、御倒れになった後は眠っており、レイ様、サスケ様が声を掛けておりますが反応がございません!」
「分かった直ぐ行く!」
俺はそう言うと脱衣場に転送で即座に移動した。
「レイ!サスケ!ルークは?」
「温泉に入って呑み直そうって言って来たんだけど、服を脱ごうとした瞬間、突然叫んだかと思ったら倒れてそのまま・・・。」
「今の状況って事か?」
「そうでござる。」
「分かった。一寸診てみる。」
俺はそう言うと神の瞳でルークの身体を隅々まで診ていった。
「毒なんかは無効化スキルが有るから何も反応しないし、身体の方も異常は見受けられないなぁ・・・。」
「じゃあどうしたんだろう・・・。」
「レイは昔から知ってるよなぁ?」
「そうだね。だけど、こんな事初めてだよ。」
「そうかぁ・・・とりあえず身体に問題も無いし、ステータスを見ても呪いの類いのバッドステータスも無いし、少し様子見だな。」
「そうだね。シュウトが見て分からないならどうしようも無いもんね。」
「じゃあ、とりあえず部屋に運ぶか。」
「そうだね。此処で寝かせておくのもなんだしね。」
「あぁ、とりあえずどの程度寝たままかは分からないが、もし明日までに1度も起きなかったら交代で様子を見てく事にするか?」
「そうだね。その方が良いかもね。」
「しかし何でこんな状態に・・・眷属化の所為か?」
「それは無いと思うよ。」
「じゃあ修行の所為か?」
「そうかもね。」
「そうかぁ・・・。」
「ウソウソ、魂の消費も温泉でなんとかなってる感じがするし、シュウトも誰かが倒れそうなら気付くでしょ?」
「そうだよな。って言うか、そんなの冗談にしては酷くないか?」
「普段のお返しだよ。なんてね。」
レイは笑顔でそう言うとそっとルークを運ぶ為の道具を取ってきたサスケの手伝いをしていた。
まぁ、良いか。
俺はそう思いながらルークの搬送を手伝い、ルークの部屋へ行くとドラウが何かの装置?を持って待っていた。
「やっと来たな。」
「何だソレ?」
「ルークが倒れたって聞いてな。しかも起きねぇんだろ?」
「そうだな。」
「まぁ、使わねぇ事に越した事はねぇが、もし明日までに起きねぇならと思ってな。体調を計測する魔道具と身体に必要なエネルギーを送り込む魔道具だ。」
前世でいう所のモニタリングシステムと点滴みたいな物か。
俺がそう思いながらルークをベッドに寝かせるとドラウが魔道具を設置し始めた。
「もう設置するのか?」
「一応どんな変化が有るか分からねぇってぇのも有るが、試作品を試してぇ、てぇのも有るな。」
「試すのがメインじゃないだろうなぁ?」
俺がそう言いながらドラウを見ると俺を見ない様にしながら作業を進めていた。
「まぁソレでルークのバイタルチェックが出来るなら良いか。」
俺がそう言うとドラウが魔道具をカチャカチャしながら首を振っていた。
「ん?どうした?」
「いやぁ、普通に寝てるだけなら頭の方で波紋が表示されるはずなんだが、何も出ないからよ。」
「ん?おかしいのか?寝てる時は2種の睡眠を交互にしてるからその所為じゃないのか?」
「あ~ぁ、だから違う波紋が有るのか・・・って今回は違ぇんだ。何度調整しても反応がねぇ・・・生き・て・るよなぁ?」
ドラウのその反応に焦った俺はルークの手を取ると神の瞳を併用しながら気を使い、診察をしてみる事にした。
「ん・・・身体に異常は無いか・・・いや・・・そうかぁ・・・しかしコレだと・・・やっぱり気の流れを調整しても意味無いか・・・。」
俺がそう言いながら診察していると俺の様子を見ていたレイが不安そうに声を掛けてきた。
「もしかしてだけど、シュウトは治療師の様な事も出来るのかい?」
「前世では弟子や近所の人達の診察もしてたからなぁ。」
「そうなんだね・・・それでルークは深刻なのかい?」
「深刻っていうより何故か2つの気がぶつかりながら混ざり合ってる所為で混乱・・・って言ったら良いのか、複雑な状態になってる所為で意識が無いのかもしれないなぁ。」
「それは大丈夫なのかい?」
「根本では・・・というか、魂は同じ様に感じるのに別人というか、兄弟?そこにルークのこの状況を打破する何かが有る様な気がするんだが、レイは何か知ってるか?」
「いや、僕はそんな事・・・もしかしたら機密扱いなのかも・・・。」
「って事なら・・・リーグさん達に聞いて・・・ん?」
俺がリーグさん達の下へ行こうとすると寝ているはずのルークに手を掴まれた。
「ん?起きたのか?」
「・・・。」
「寝てるなぁ・・・。」
「もしかしたら行かせたくないのかも。」
「いや、そう言ってもリーグさん達を今の此処に連れて来る訳にもいかないだろ?」
「そうだね。僕達の修行の為とか言ってシュウトの神気を解放してたもんね。」
「だろ?微々たるものでもリーグさん達には辛い環境のはずだ。」
「そうだね。此処には下位精霊すら近寄らないらしいから。」
「だな。カスミちゃんはアキトに守ってもらった上でだったが、それはアキト達に強い絆が合ったからで普通は無理だもんなぁ。」
「あっ!バト達の結界は?」
「それなら・・・イテッ!掴む力が強くなったなぁ・・・分かった、呼びにも聞きにも行かないよ。但し、あまりにも長い時間寝てるなら聞きに行くぞ?」
俺がそう言うとルークの掴む力が弱まり、手を離してくれた。
「寝てるのに聞こえてるんだなぁ。」
「そうみたいだね。」
「ドラウ、他の問題は無いのか?」
「ソレ以外は問題無く動いてんぞ。」
「それなら暫く様子見だな。」
「分かった。」
俺達はそう言うと一旦部屋を出て様子を見る順番を決めて解散する事にした。
それから数日後、カスミちゃんの力加減の修行も一段落したところで何となく3人でルークの様子を見に行く事にした。
「まだ起きないみたいだね。」
「そうだな。」
「なぁアキト。」
「ん?何だい?」
「この気・・・ウチ何か知ってる人の様な気がすんねんけど・・・?」
「そりゃルークだからね。」
「いや、ちゃうよ。もう1人の気や。」
「・・・ん?確かに懐かしい様な・・・誰だろう?」
「せやろ。何か懐かしい気がすんねん。」
2人の会話に記憶をフル回転させた。
「懐かしい?・・・あっ、まさか・・・いや、でも有り得るのか?」
「シュウト兄、誰か分かったんか?」
「あぁ、前世の記憶にな。でもそんな事有り得るのか?」
「有り得るかもよ。僕達だって転生したんだし。」
「そうか、そうだよな。」
「それで誰か分かったのかい?」
「あぁ、3人とも知ってるヤツだ。」
「・・・あっ、確かに。シュウト程、前世の記憶は無いけど、1人居るね。」
俺達はそう言うと笑い合った。
「何なん2人で?ウチにも教えてぇな。」
「教えるも何もカスミも知ってるよ。」
「そうなん?」
「そうだよ。だってシュウトの事をややこしなるってシュウト兄にしただろ?」
「も、もしかして・・・シュウ兄?」
カスミちゃんがそう言うとルークが大きな欠伸をして起き上がった。
「ん?お前達は誰・・・って、そうか、俺は転生したんだったな。よう。シュウト、アキト、それにカスミ。見た目は全然違うが、雰囲気が変わらねぇな。」
ルークはそう言うとウインクしながら拳を突き出した。俺は突き出した拳に拳を合わせながら話し掛けた。
「変わらないか、そうかもな。それで聞きたいんだが、お前はルークなのか?それともシュウマ?」
「どっちもだ。何かのきっかけで前世の俺が出て来ただけだ。もう少ししたら意識と記憶が融合して1つにはなるけどな。」
「そうなん?」
カスミちゃんはそう言うと少し悲しげな表情に変わった。
「心配しなくても1つになるだけで、俺は俺、昔を思い出しただけだ。要はお前達と一緒でメモリーホルダーって事だ。」
「そうなん?居らんくなるんちゃうって事?」
「そうだな。だから悲しむな。」
「うん。」
「それで、シュウマ?ルーク?」
「ルークで良いぜ。後々、めんどくせぇ事になりそうだしな。」
「そうか、ならルーク。」
「何だ?」
「お前の最後は覚えてるのか?」
「薄らとな。」
「それは良かった。しかし何だなぁ、ルークの前世が、シュウマで納得したよ。」
「何をだ?」
「ルークが色んな武器を使いたくなる理由だよ。」
「あぁ、そうだな。魂に様々な武器を使って戦う事が刻まれてるんじゃないか?」
「確かに。お前の家の無限流武装術も修行が大変だったもんな。」
「いや、シュウト程じゃねぇだろ。なぁアキト。」
「そうだね。」
ルークとアキトはそう言うと2人で笑っていた。
「お前らなぁ・・・まぁいいか。それで武芸も思い出したのか?」
「おっ、そうだな。一寸待って・・・あぁ、覚えてるな。ってか、思い出したお陰か、無限流武装術がスキルになってんな。」
「厄介な事まで覚えてそうだな。」
俺がそう言うとカスミちゃんが首を傾げながらアキトの袖を引っ張っていた。
「あぁ、カスミは知らなかったね。シュウマ、いや違ったルークの無限流武装術は剣や刀、様々な武器を使用する武術なんだけど、それだけじゃなくて銃火器やその他、凡百凶器になる物、ならない物全てを使用するから対戦相手からしたら凄く面倒な相手って事だよ。」
「そうなんや。」
「シュウマが死んで無限流武装術は絶えたけど、シュウトが1番苦手な武術だったよ。」
「そうなんや。ウチのイメージとはちゃうなぁ。」
「そりゃ、カスミの前では危ないから戦えないってシュウトとの乱取りは止めたからね。」
「へぇ~。」
カスミちゃんがそう言うとルークが再び頭を抱えて苦しみだした。
「ルーク!大丈夫か!?」
俺がそう言いながら近付くとルークは手を突き出して制止した。
「大丈夫だ。今1つになっただけだ。」
「そうか、それなら良かった。また倒れるかと思ったぞ。」
するとルークが起きたのを嗅ぎ付けたのか、レイとドラウが入ってきた。
「そうだな。おっ、そういえばレイ、倒れた所為で迷惑掛けたな。ありがとう。」
「気にしないで。誰でもする事だしね。」
「まぁ、一応ありがとうって言いたかっただけだ。それよりドラウ、頼みたい事があるんだが。」
ルークはそう言うとドラウの傍に行って俺達には聞こえない様に耳打ちした。するとドラウは「任せろ」と言いつつ、部屋を出て行った。
「どうしたんだ?」
「つい先程、ルーク様が頭を抱えながら御倒れに!」
「ルークは何処だ!?容態は!?」
「温泉の脱衣場にて横になっており、御倒れになった後は眠っており、レイ様、サスケ様が声を掛けておりますが反応がございません!」
「分かった直ぐ行く!」
俺はそう言うと脱衣場に転送で即座に移動した。
「レイ!サスケ!ルークは?」
「温泉に入って呑み直そうって言って来たんだけど、服を脱ごうとした瞬間、突然叫んだかと思ったら倒れてそのまま・・・。」
「今の状況って事か?」
「そうでござる。」
「分かった。一寸診てみる。」
俺はそう言うと神の瞳でルークの身体を隅々まで診ていった。
「毒なんかは無効化スキルが有るから何も反応しないし、身体の方も異常は見受けられないなぁ・・・。」
「じゃあどうしたんだろう・・・。」
「レイは昔から知ってるよなぁ?」
「そうだね。だけど、こんな事初めてだよ。」
「そうかぁ・・・とりあえず身体に問題も無いし、ステータスを見ても呪いの類いのバッドステータスも無いし、少し様子見だな。」
「そうだね。シュウトが見て分からないならどうしようも無いもんね。」
「じゃあ、とりあえず部屋に運ぶか。」
「そうだね。此処で寝かせておくのもなんだしね。」
「あぁ、とりあえずどの程度寝たままかは分からないが、もし明日までに1度も起きなかったら交代で様子を見てく事にするか?」
「そうだね。その方が良いかもね。」
「しかし何でこんな状態に・・・眷属化の所為か?」
「それは無いと思うよ。」
「じゃあ修行の所為か?」
「そうかもね。」
「そうかぁ・・・。」
「ウソウソ、魂の消費も温泉でなんとかなってる感じがするし、シュウトも誰かが倒れそうなら気付くでしょ?」
「そうだよな。って言うか、そんなの冗談にしては酷くないか?」
「普段のお返しだよ。なんてね。」
レイは笑顔でそう言うとそっとルークを運ぶ為の道具を取ってきたサスケの手伝いをしていた。
まぁ、良いか。
俺はそう思いながらルークの搬送を手伝い、ルークの部屋へ行くとドラウが何かの装置?を持って待っていた。
「やっと来たな。」
「何だソレ?」
「ルークが倒れたって聞いてな。しかも起きねぇんだろ?」
「そうだな。」
「まぁ、使わねぇ事に越した事はねぇが、もし明日までに起きねぇならと思ってな。体調を計測する魔道具と身体に必要なエネルギーを送り込む魔道具だ。」
前世でいう所のモニタリングシステムと点滴みたいな物か。
俺がそう思いながらルークをベッドに寝かせるとドラウが魔道具を設置し始めた。
「もう設置するのか?」
「一応どんな変化が有るか分からねぇってぇのも有るが、試作品を試してぇ、てぇのも有るな。」
「試すのがメインじゃないだろうなぁ?」
俺がそう言いながらドラウを見ると俺を見ない様にしながら作業を進めていた。
「まぁソレでルークのバイタルチェックが出来るなら良いか。」
俺がそう言うとドラウが魔道具をカチャカチャしながら首を振っていた。
「ん?どうした?」
「いやぁ、普通に寝てるだけなら頭の方で波紋が表示されるはずなんだが、何も出ないからよ。」
「ん?おかしいのか?寝てる時は2種の睡眠を交互にしてるからその所為じゃないのか?」
「あ~ぁ、だから違う波紋が有るのか・・・って今回は違ぇんだ。何度調整しても反応がねぇ・・・生き・て・るよなぁ?」
ドラウのその反応に焦った俺はルークの手を取ると神の瞳を併用しながら気を使い、診察をしてみる事にした。
「ん・・・身体に異常は無いか・・・いや・・・そうかぁ・・・しかしコレだと・・・やっぱり気の流れを調整しても意味無いか・・・。」
俺がそう言いながら診察していると俺の様子を見ていたレイが不安そうに声を掛けてきた。
「もしかしてだけど、シュウトは治療師の様な事も出来るのかい?」
「前世では弟子や近所の人達の診察もしてたからなぁ。」
「そうなんだね・・・それでルークは深刻なのかい?」
「深刻っていうより何故か2つの気がぶつかりながら混ざり合ってる所為で混乱・・・って言ったら良いのか、複雑な状態になってる所為で意識が無いのかもしれないなぁ。」
「それは大丈夫なのかい?」
「根本では・・・というか、魂は同じ様に感じるのに別人というか、兄弟?そこにルークのこの状況を打破する何かが有る様な気がするんだが、レイは何か知ってるか?」
「いや、僕はそんな事・・・もしかしたら機密扱いなのかも・・・。」
「って事なら・・・リーグさん達に聞いて・・・ん?」
俺がリーグさん達の下へ行こうとすると寝ているはずのルークに手を掴まれた。
「ん?起きたのか?」
「・・・。」
「寝てるなぁ・・・。」
「もしかしたら行かせたくないのかも。」
「いや、そう言ってもリーグさん達を今の此処に連れて来る訳にもいかないだろ?」
「そうだね。僕達の修行の為とか言ってシュウトの神気を解放してたもんね。」
「だろ?微々たるものでもリーグさん達には辛い環境のはずだ。」
「そうだね。此処には下位精霊すら近寄らないらしいから。」
「だな。カスミちゃんはアキトに守ってもらった上でだったが、それはアキト達に強い絆が合ったからで普通は無理だもんなぁ。」
「あっ!バト達の結界は?」
「それなら・・・イテッ!掴む力が強くなったなぁ・・・分かった、呼びにも聞きにも行かないよ。但し、あまりにも長い時間寝てるなら聞きに行くぞ?」
俺がそう言うとルークの掴む力が弱まり、手を離してくれた。
「寝てるのに聞こえてるんだなぁ。」
「そうみたいだね。」
「ドラウ、他の問題は無いのか?」
「ソレ以外は問題無く動いてんぞ。」
「それなら暫く様子見だな。」
「分かった。」
俺達はそう言うと一旦部屋を出て様子を見る順番を決めて解散する事にした。
それから数日後、カスミちゃんの力加減の修行も一段落したところで何となく3人でルークの様子を見に行く事にした。
「まだ起きないみたいだね。」
「そうだな。」
「なぁアキト。」
「ん?何だい?」
「この気・・・ウチ何か知ってる人の様な気がすんねんけど・・・?」
「そりゃルークだからね。」
「いや、ちゃうよ。もう1人の気や。」
「・・・ん?確かに懐かしい様な・・・誰だろう?」
「せやろ。何か懐かしい気がすんねん。」
2人の会話に記憶をフル回転させた。
「懐かしい?・・・あっ、まさか・・・いや、でも有り得るのか?」
「シュウト兄、誰か分かったんか?」
「あぁ、前世の記憶にな。でもそんな事有り得るのか?」
「有り得るかもよ。僕達だって転生したんだし。」
「そうか、そうだよな。」
「それで誰か分かったのかい?」
「あぁ、3人とも知ってるヤツだ。」
「・・・あっ、確かに。シュウト程、前世の記憶は無いけど、1人居るね。」
俺達はそう言うと笑い合った。
「何なん2人で?ウチにも教えてぇな。」
「教えるも何もカスミも知ってるよ。」
「そうなん?」
「そうだよ。だってシュウトの事をややこしなるってシュウト兄にしただろ?」
「も、もしかして・・・シュウ兄?」
カスミちゃんがそう言うとルークが大きな欠伸をして起き上がった。
「ん?お前達は誰・・・って、そうか、俺は転生したんだったな。よう。シュウト、アキト、それにカスミ。見た目は全然違うが、雰囲気が変わらねぇな。」
ルークはそう言うとウインクしながら拳を突き出した。俺は突き出した拳に拳を合わせながら話し掛けた。
「変わらないか、そうかもな。それで聞きたいんだが、お前はルークなのか?それともシュウマ?」
「どっちもだ。何かのきっかけで前世の俺が出て来ただけだ。もう少ししたら意識と記憶が融合して1つにはなるけどな。」
「そうなん?」
カスミちゃんはそう言うと少し悲しげな表情に変わった。
「心配しなくても1つになるだけで、俺は俺、昔を思い出しただけだ。要はお前達と一緒でメモリーホルダーって事だ。」
「そうなん?居らんくなるんちゃうって事?」
「そうだな。だから悲しむな。」
「うん。」
「それで、シュウマ?ルーク?」
「ルークで良いぜ。後々、めんどくせぇ事になりそうだしな。」
「そうか、ならルーク。」
「何だ?」
「お前の最後は覚えてるのか?」
「薄らとな。」
「それは良かった。しかし何だなぁ、ルークの前世が、シュウマで納得したよ。」
「何をだ?」
「ルークが色んな武器を使いたくなる理由だよ。」
「あぁ、そうだな。魂に様々な武器を使って戦う事が刻まれてるんじゃないか?」
「確かに。お前の家の無限流武装術も修行が大変だったもんな。」
「いや、シュウト程じゃねぇだろ。なぁアキト。」
「そうだね。」
ルークとアキトはそう言うと2人で笑っていた。
「お前らなぁ・・・まぁいいか。それで武芸も思い出したのか?」
「おっ、そうだな。一寸待って・・・あぁ、覚えてるな。ってか、思い出したお陰か、無限流武装術がスキルになってんな。」
「厄介な事まで覚えてそうだな。」
俺がそう言うとカスミちゃんが首を傾げながらアキトの袖を引っ張っていた。
「あぁ、カスミは知らなかったね。シュウマ、いや違ったルークの無限流武装術は剣や刀、様々な武器を使用する武術なんだけど、それだけじゃなくて銃火器やその他、凡百凶器になる物、ならない物全てを使用するから対戦相手からしたら凄く面倒な相手って事だよ。」
「そうなんや。」
「シュウマが死んで無限流武装術は絶えたけど、シュウトが1番苦手な武術だったよ。」
「そうなんや。ウチのイメージとはちゃうなぁ。」
「そりゃ、カスミの前では危ないから戦えないってシュウトとの乱取りは止めたからね。」
「へぇ~。」
カスミちゃんがそう言うとルークが再び頭を抱えて苦しみだした。
「ルーク!大丈夫か!?」
俺がそう言いながら近付くとルークは手を突き出して制止した。
「大丈夫だ。今1つになっただけだ。」
「そうか、それなら良かった。また倒れるかと思ったぞ。」
するとルークが起きたのを嗅ぎ付けたのか、レイとドラウが入ってきた。
「そうだな。おっ、そういえばレイ、倒れた所為で迷惑掛けたな。ありがとう。」
「気にしないで。誰でもする事だしね。」
「まぁ、一応ありがとうって言いたかっただけだ。それよりドラウ、頼みたい事があるんだが。」
ルークはそう言うとドラウの傍に行って俺達には聞こえない様に耳打ちした。するとドラウは「任せろ」と言いつつ、部屋を出て行った。
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