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第341話 [特殊迷宮:闘技場、開放式。]
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「じゃあ、準備は良いか?」
「あ、あぁ・・・。」
「ホントに大丈夫か?」
「・・・カメラの向こうに国民の皆んなが居ると思うとな・・・。」
俺がそう言うとルークは、あっ!って感じの表情で俺を見た。
「ん?・・・嫌な予感がするんだが、何を忘れてた?」
「いやぁ・・・そのよう、確かにカメラはお前を撮るぜ。皆んなに見せる為にな。ただなぁ・・・。」
「何だよ。」
「シュウトからも見える様にドラウの立体魔道具からの視線を映し出す魔道具もセットだ。」
「もしかして、カメラの後ろのやつか?」
俺はそう言いながらカメラの後ろに山積みになった正四面体を指さした。
「よく分かったな。」
「そりゃあ、ルークが前に言ってた正四面体だからな。」
「そういう事か。」
「けど、こっちから見える様にするのって必要な事なのか?恥ずかしいし、見えなくても良いんじゃないか?」
「まぁ、気持ちは分かるが、憧れや崇拝してる側に立ってみろよ。」
「・・・目が合うかもって事か・・・。」
「そう!それそれ!興奮しねぇか?」
「まぁ確かに・・・っていうか、何でルークが興奮してるんだよ。」
俺がそう言いながら興奮気味のルークに冷たい視線を送るとルークは少し恥ずかしそうにしていた。
「というかルーク、崇拝って・・・。」
「シュウトを信仰してるヤツらも居るんだから当然だろ?」
「そもそもそれだよ。」
「それ?信仰心か?」
「あぁ、俺はまだ亜神にすら成ってないんだぞ。」
「それと信仰心は別もんだろ?前世にだって居たじゃねぇか。」
「・・・そうかぁ・・・ってか、俺の銅像なんて建てるからそうなったんじゃないのか?魔物の進行を防いだとしても英雄止まりだったとは思わないか?」
「無いな。」
「何で言い切れるんだ?」
「そりゃ勿論、シュウトの普段の行いからだ。」
「行い?そりゃあまぁ確かに自分で言うのも何だけど、人は助けたと思うけど、それだけだろ?」
俺がそう言うとルークは人差し指を立てて揺らしながらチッチッチッと言ってきた。
「何だよ。」
「普段の行いは他にも有るだろ?例えば街が被害に遭っていて、シュウトが来るまでに討伐に参加していた人々にも死傷者が多数居ます。そして、足元にはシュウトが倒したSランクの魔物の死体がゴロゴロ落ちてます。シュウトならどうする?」
「慰めにはなるかは分からないが、死体を全て渡すなぁ。」
「だよな。」
「当たり前だろ?」
「そうなるだろうが普通は一部は渡したとしても全てを渡すなんて事はしねぇぞ。」
「そうか?別に生活するだけなら後からで、また倒せば良いじゃないか。」
「普通はそうじゃねぇんだって。」
「そうなのか?」
「街への貢献だ!知名度を上げる為だとか、理由はそれぞれ有るだろうが、兵士でもねぇ限り、魔物と戦えるのは冒険者や傭兵だ。何時怪我をして金が稼げなくなるか分かんねぇ生活をしてるのは分かるだろ?」
「まぁ、そうだな。」
「一応、冒険者だとBランクから保険を掛ければ、それまで年間で稼いでいた金額の10分の1は、受取人が亡くなるまで支払われるが、そうじゃねぇ場合は何もねぇ。傭兵に関してだとクラン毎で変わるが何もねぇ事が殆どだ。」
「稼ぎを残さないと心配って事か?」
「あぁ、それに大抵は今の生活水準を下げたくはねぇからな。」
「自分で手一杯って事だな。」
「そういう事だ。」
「しかし、冒険者の保険に掛かるのは何でBランクからなんだ?Cランクは人数が多いから出し渋るって事か?」
「いや、冒険者の保険とは言ったが、ギルドの保険じゃねぇぞ。」
「そうなのか?」
「あぁ、冒険者ギルドは言うなれば仲買人だ。そこに国からの補助金なんかは出ねぇ、だから緊急事態の時に冒険者を集める為の金をプールしたり、冒険者同士での争い事を治める部署の為の金だったり、必要経費が収益のかなりを占めるからなぁ。余裕はねぇ。」
「国からの補助金は出ないんだな。」
「補助金を少しでも貰ったら戦争なんかに強制的に駆り出されるかもしんねぇし、独立した組織にしねぇと色々しがらみも有るんだとよ。」
「じゃあ王侯貴族の命令は無視しても良いのか?」
「よっぽど酷いじゃねぇ無視する事はねぇだろうが、可能だな。」
「付き合いがある以上、断りづらいみたいな感じか。」
「そうだな。」
「じゃあ実際、無視したりはしてないって事か?」
「いや、無視はしたなぁ。」
「そうなのか?」
「あぁ、しかも現在進行形でな。」
「進行形?・・・もしかしてゲオルギ帝國か?」
「おうよ。何年前からかは知らねぇが、その頃から冒険者ギルドはゲオルギ帝國にはねぇんだってさ。」
「へぇ~ゲオルギ帝國はどんな要求をしたんだ?」
「俺が知ってるだけで、どんでも無いのが2つ有るな。」
「ルークが知ってるだけっていうのは冒険者ギルドでの周知の事実って感じか?」
「いや、王家だから知ってるって感じだな。」
「ギルドからの勧告か?」
「ギルドからはゲオルギ帝國が禁止条例に違反した為、冒険者ギルドは撤退しましたって来ただけらしいぞ。」
「じゃあ諜報部隊とかの情報か?」
「あぁ、1つは各国冒険者ギルドの冒険者を使って、内部から情報を探らせろってやつだ。」
「ん?ゲオルギ帝國にも諜報部隊は居るだろ?」
「国の情報じゃねぇよ。冒険者だからなぁ。各ダンジョンの正確な情報だよ。」
「それは禁止事項なのか?」
「知られると拙いダンジョンも在るし、冒険者の飯の種だからな。」
「なるほどなぁ。」
「2つ目はゲオルギ帝國の傘下に入れってやつだ。」
「傘下?国を離れた独立した組織なのにか?」
「あぁ、ゲオルギ帝國のやつらは何を考えてるんだかな。そんなもんどっちにしろアウトなのにな。」
「本当だな。そんな事をすれば冒険者ギルドが無くなるのは分かりそうなものだけどな。」
「まぁ、そこは俺独自の情報網に引っかかった情報だと冒険者ギルドに国から撤退させる事が目的だったみたいだぞ。」
「何でだ?」
「選民意識と独自のカースト制度を国民に植え付けるのとそのカースト制度で下の者に力をつけさせない為って事らしいぞ。」
「下克上を恐れてって事か。」
「奴等の中では1番下なのが、亜人だからな。身体能力や魔法を扱う上で、冒険者では上位になりやすいから抵抗されない様にしたかったのさ。」
「1番下か・・・確か扱いが最悪だったな。」
「おうよ。家畜以下、ただの道具だ。」
「反撃するか、国外逃亡しかないって事か。」
「そうだな。帝國民の中には納得出来ない人も居て、亜人が死んだ事にして国外へ逃がしてくれる人も居るがな。」
「そうなのか?それもルークの情報か?」
「まぁ俺っていうより、飲み仲間がそうなんだ。」
「あぁ、ルークの情報網ってソレか。」
「おうよ。冒険者ははぐれもんは多いが、良い奴も結構居るしな。飲みの席じゃあ暗い過去も話して楽になるってもんよ。」
「まぁ分からないではないな。」
「だろ?って事でそろそろ現実逃避してねぇで始めるぞ。」
「・・・少しでも先延ばし・・・まぁ、ルークと話して少しは楽になったし・・・やるか。」
俺が使徒仕様になりながら深呼吸をしてそう言うとルークはドラウに合図を出した。するとドラウは魔道具を起動した。
「もう良いのか?」
「まだだよ。先ずは各都市に俺とレイが行って、合図したらカメラの上にあるランプが点灯したら話し始めてくれ。」
「おぉ。」
「あっ、そうだ。威厳が有る喋り方でな。」
「わ、分かってるよ!」
「そうか。じゃあ俺達は迷宮の方から出てくるから一寸待っててくれ。」
「送らなくても良かったのか?」
「その格好だとアイテムボックス改から出た時点で問題になるかもしれねぇからな。」
「あっ、漏れてるのか。」
「おう。フィールド自体は格別した世界だから此処に居れば漏れねぇだろうが、直接開くのはなぁ・・・。」
「分かった。合図してくれ。」
「シュウトの映像が投影されるまでは焦点は合わせられないみたいだが、向こうは見る事が出来るから気持ちの整理でもしとけや。」
「お、おう。」
ルークがそう言うとカメラの後ろに各都市の映像が映し出された。すると各都市の広場には殆どの国民が勢揃いしていた。
「ルーク、前もって通達してたのか?」
「アキト達が満足するのは何となく分かってただろ?」
「それでか。」
「いくら10mのシュウトだとしても集めとかねぇと見えねぇだろうし、唐突にやっちまうと悲しむヤツも出るし、国王が話すのに御触れ無しなんて何処の国でも有り得ねぇからな。」
「まぁそうか。」
「ほんじゃあレイは先に行ったし、俺も行ってくるわ。」
ルークはそう言うと迷宮の門から外に出て行った。
暫くすると各都市の民衆の前に2人が出てきた。
「「皆の者、これより使徒様のお言葉である!」」
2人がそう言うと各都市の国民はルーク達が居る方向に平伏して俺の事を待った。
さてと、緊張するなぁ・・・まぁ気合いを入れるか。
俺がそう思っているとカメラのランプが点った。するとカメラの後ろでぼんやりと全体を移していたのが、焦点が合う様に1人ずつが見えた。
「うむ、ご苦労。皆の者、面を上げよ。」
俺がそう言うと集まってくれた、国民全員土下座したまま俺の方を見た。
「攻略組以外の者も一部は既に我が用意した初級を踏破した者もいる事から我が特殊なダンジョンを創り出せる事は周知しているであろう。」
俺がそう言うと国民は頷いて返してきた。
「これは我の国に居る以上、神敵や悪名高い国の侵略が考えられるゆえ、お前達に生き残って欲しいと考えたからだ。今後も有効に使う様に。」
俺がそう言うと会場全体が震えるくらいの熱量で「ハッ!」と返事が来た。
「そして攻略組の者は初級であっても生活出来るくらいにはなったと聞いた。そこで我眷属であるルークから更なる研鑽が出来る場所をという進言があったゆえ、新たな迷宮を創り上げたが、だがそこは報酬は無い!代わりに他者の実力を知り自身の戦闘に活かせる様にと安全に己に近い者の戦闘が見学出来る様にしておいた。それが我の後ろに見えておるのが、特殊迷宮:闘技場である!此処は報酬の代わりにランキングが表示される様になっておる。楽しんで強くなった姿を我も楽しみにしておる!以上だ!」
俺はそう言うとカメラを切って貰った。するとカメラの後ろに映る国民達は総立ちになり興奮冷めやらぬという感じで盛り上がっていた。
「あ、あぁ・・・。」
「ホントに大丈夫か?」
「・・・カメラの向こうに国民の皆んなが居ると思うとな・・・。」
俺がそう言うとルークは、あっ!って感じの表情で俺を見た。
「ん?・・・嫌な予感がするんだが、何を忘れてた?」
「いやぁ・・・そのよう、確かにカメラはお前を撮るぜ。皆んなに見せる為にな。ただなぁ・・・。」
「何だよ。」
「シュウトからも見える様にドラウの立体魔道具からの視線を映し出す魔道具もセットだ。」
「もしかして、カメラの後ろのやつか?」
俺はそう言いながらカメラの後ろに山積みになった正四面体を指さした。
「よく分かったな。」
「そりゃあ、ルークが前に言ってた正四面体だからな。」
「そういう事か。」
「けど、こっちから見える様にするのって必要な事なのか?恥ずかしいし、見えなくても良いんじゃないか?」
「まぁ、気持ちは分かるが、憧れや崇拝してる側に立ってみろよ。」
「・・・目が合うかもって事か・・・。」
「そう!それそれ!興奮しねぇか?」
「まぁ確かに・・・っていうか、何でルークが興奮してるんだよ。」
俺がそう言いながら興奮気味のルークに冷たい視線を送るとルークは少し恥ずかしそうにしていた。
「というかルーク、崇拝って・・・。」
「シュウトを信仰してるヤツらも居るんだから当然だろ?」
「そもそもそれだよ。」
「それ?信仰心か?」
「あぁ、俺はまだ亜神にすら成ってないんだぞ。」
「それと信仰心は別もんだろ?前世にだって居たじゃねぇか。」
「・・・そうかぁ・・・ってか、俺の銅像なんて建てるからそうなったんじゃないのか?魔物の進行を防いだとしても英雄止まりだったとは思わないか?」
「無いな。」
「何で言い切れるんだ?」
「そりゃ勿論、シュウトの普段の行いからだ。」
「行い?そりゃあまぁ確かに自分で言うのも何だけど、人は助けたと思うけど、それだけだろ?」
俺がそう言うとルークは人差し指を立てて揺らしながらチッチッチッと言ってきた。
「何だよ。」
「普段の行いは他にも有るだろ?例えば街が被害に遭っていて、シュウトが来るまでに討伐に参加していた人々にも死傷者が多数居ます。そして、足元にはシュウトが倒したSランクの魔物の死体がゴロゴロ落ちてます。シュウトならどうする?」
「慰めにはなるかは分からないが、死体を全て渡すなぁ。」
「だよな。」
「当たり前だろ?」
「そうなるだろうが普通は一部は渡したとしても全てを渡すなんて事はしねぇぞ。」
「そうか?別に生活するだけなら後からで、また倒せば良いじゃないか。」
「普通はそうじゃねぇんだって。」
「そうなのか?」
「街への貢献だ!知名度を上げる為だとか、理由はそれぞれ有るだろうが、兵士でもねぇ限り、魔物と戦えるのは冒険者や傭兵だ。何時怪我をして金が稼げなくなるか分かんねぇ生活をしてるのは分かるだろ?」
「まぁ、そうだな。」
「一応、冒険者だとBランクから保険を掛ければ、それまで年間で稼いでいた金額の10分の1は、受取人が亡くなるまで支払われるが、そうじゃねぇ場合は何もねぇ。傭兵に関してだとクラン毎で変わるが何もねぇ事が殆どだ。」
「稼ぎを残さないと心配って事か?」
「あぁ、それに大抵は今の生活水準を下げたくはねぇからな。」
「自分で手一杯って事だな。」
「そういう事だ。」
「しかし、冒険者の保険に掛かるのは何でBランクからなんだ?Cランクは人数が多いから出し渋るって事か?」
「いや、冒険者の保険とは言ったが、ギルドの保険じゃねぇぞ。」
「そうなのか?」
「あぁ、冒険者ギルドは言うなれば仲買人だ。そこに国からの補助金なんかは出ねぇ、だから緊急事態の時に冒険者を集める為の金をプールしたり、冒険者同士での争い事を治める部署の為の金だったり、必要経費が収益のかなりを占めるからなぁ。余裕はねぇ。」
「国からの補助金は出ないんだな。」
「補助金を少しでも貰ったら戦争なんかに強制的に駆り出されるかもしんねぇし、独立した組織にしねぇと色々しがらみも有るんだとよ。」
「じゃあ王侯貴族の命令は無視しても良いのか?」
「よっぽど酷いじゃねぇ無視する事はねぇだろうが、可能だな。」
「付き合いがある以上、断りづらいみたいな感じか。」
「そうだな。」
「じゃあ実際、無視したりはしてないって事か?」
「いや、無視はしたなぁ。」
「そうなのか?」
「あぁ、しかも現在進行形でな。」
「進行形?・・・もしかしてゲオルギ帝國か?」
「おうよ。何年前からかは知らねぇが、その頃から冒険者ギルドはゲオルギ帝國にはねぇんだってさ。」
「へぇ~ゲオルギ帝國はどんな要求をしたんだ?」
「俺が知ってるだけで、どんでも無いのが2つ有るな。」
「ルークが知ってるだけっていうのは冒険者ギルドでの周知の事実って感じか?」
「いや、王家だから知ってるって感じだな。」
「ギルドからの勧告か?」
「ギルドからはゲオルギ帝國が禁止条例に違反した為、冒険者ギルドは撤退しましたって来ただけらしいぞ。」
「じゃあ諜報部隊とかの情報か?」
「あぁ、1つは各国冒険者ギルドの冒険者を使って、内部から情報を探らせろってやつだ。」
「ん?ゲオルギ帝國にも諜報部隊は居るだろ?」
「国の情報じゃねぇよ。冒険者だからなぁ。各ダンジョンの正確な情報だよ。」
「それは禁止事項なのか?」
「知られると拙いダンジョンも在るし、冒険者の飯の種だからな。」
「なるほどなぁ。」
「2つ目はゲオルギ帝國の傘下に入れってやつだ。」
「傘下?国を離れた独立した組織なのにか?」
「あぁ、ゲオルギ帝國のやつらは何を考えてるんだかな。そんなもんどっちにしろアウトなのにな。」
「本当だな。そんな事をすれば冒険者ギルドが無くなるのは分かりそうなものだけどな。」
「まぁ、そこは俺独自の情報網に引っかかった情報だと冒険者ギルドに国から撤退させる事が目的だったみたいだぞ。」
「何でだ?」
「選民意識と独自のカースト制度を国民に植え付けるのとそのカースト制度で下の者に力をつけさせない為って事らしいぞ。」
「下克上を恐れてって事か。」
「奴等の中では1番下なのが、亜人だからな。身体能力や魔法を扱う上で、冒険者では上位になりやすいから抵抗されない様にしたかったのさ。」
「1番下か・・・確か扱いが最悪だったな。」
「おうよ。家畜以下、ただの道具だ。」
「反撃するか、国外逃亡しかないって事か。」
「そうだな。帝國民の中には納得出来ない人も居て、亜人が死んだ事にして国外へ逃がしてくれる人も居るがな。」
「そうなのか?それもルークの情報か?」
「まぁ俺っていうより、飲み仲間がそうなんだ。」
「あぁ、ルークの情報網ってソレか。」
「おうよ。冒険者ははぐれもんは多いが、良い奴も結構居るしな。飲みの席じゃあ暗い過去も話して楽になるってもんよ。」
「まぁ分からないではないな。」
「だろ?って事でそろそろ現実逃避してねぇで始めるぞ。」
「・・・少しでも先延ばし・・・まぁ、ルークと話して少しは楽になったし・・・やるか。」
俺が使徒仕様になりながら深呼吸をしてそう言うとルークはドラウに合図を出した。するとドラウは魔道具を起動した。
「もう良いのか?」
「まだだよ。先ずは各都市に俺とレイが行って、合図したらカメラの上にあるランプが点灯したら話し始めてくれ。」
「おぉ。」
「あっ、そうだ。威厳が有る喋り方でな。」
「わ、分かってるよ!」
「そうか。じゃあ俺達は迷宮の方から出てくるから一寸待っててくれ。」
「送らなくても良かったのか?」
「その格好だとアイテムボックス改から出た時点で問題になるかもしれねぇからな。」
「あっ、漏れてるのか。」
「おう。フィールド自体は格別した世界だから此処に居れば漏れねぇだろうが、直接開くのはなぁ・・・。」
「分かった。合図してくれ。」
「シュウトの映像が投影されるまでは焦点は合わせられないみたいだが、向こうは見る事が出来るから気持ちの整理でもしとけや。」
「お、おう。」
ルークがそう言うとカメラの後ろに各都市の映像が映し出された。すると各都市の広場には殆どの国民が勢揃いしていた。
「ルーク、前もって通達してたのか?」
「アキト達が満足するのは何となく分かってただろ?」
「それでか。」
「いくら10mのシュウトだとしても集めとかねぇと見えねぇだろうし、唐突にやっちまうと悲しむヤツも出るし、国王が話すのに御触れ無しなんて何処の国でも有り得ねぇからな。」
「まぁそうか。」
「ほんじゃあレイは先に行ったし、俺も行ってくるわ。」
ルークはそう言うと迷宮の門から外に出て行った。
暫くすると各都市の民衆の前に2人が出てきた。
「「皆の者、これより使徒様のお言葉である!」」
2人がそう言うと各都市の国民はルーク達が居る方向に平伏して俺の事を待った。
さてと、緊張するなぁ・・・まぁ気合いを入れるか。
俺がそう思っているとカメラのランプが点った。するとカメラの後ろでぼんやりと全体を移していたのが、焦点が合う様に1人ずつが見えた。
「うむ、ご苦労。皆の者、面を上げよ。」
俺がそう言うと集まってくれた、国民全員土下座したまま俺の方を見た。
「攻略組以外の者も一部は既に我が用意した初級を踏破した者もいる事から我が特殊なダンジョンを創り出せる事は周知しているであろう。」
俺がそう言うと国民は頷いて返してきた。
「これは我の国に居る以上、神敵や悪名高い国の侵略が考えられるゆえ、お前達に生き残って欲しいと考えたからだ。今後も有効に使う様に。」
俺がそう言うと会場全体が震えるくらいの熱量で「ハッ!」と返事が来た。
「そして攻略組の者は初級であっても生活出来るくらいにはなったと聞いた。そこで我眷属であるルークから更なる研鑽が出来る場所をという進言があったゆえ、新たな迷宮を創り上げたが、だがそこは報酬は無い!代わりに他者の実力を知り自身の戦闘に活かせる様にと安全に己に近い者の戦闘が見学出来る様にしておいた。それが我の後ろに見えておるのが、特殊迷宮:闘技場である!此処は報酬の代わりにランキングが表示される様になっておる。楽しんで強くなった姿を我も楽しみにしておる!以上だ!」
俺はそう言うとカメラを切って貰った。するとカメラの後ろに映る国民達は総立ちになり興奮冷めやらぬという感じで盛り上がっていた。
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