転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第344話 [親子の別れ。]

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「う゛ぉい!ジン!なに・・・おい!ラム!大丈夫か!!!」

ウォッカは一瞬俺に突っかかってきたが、俺達の視線の先に倒れてるラムを見付けて駆け寄っていた。

「ご、ごめんねウォッカ。私の所為で・・・Bランクやのに中断させちゃったわね。」

「気にすんな。それより大丈夫なのか?」

「悔しいけど、ジン達のお陰で怪我は殆どあらへん。・・・けど魔力が枯渇しちゃって立てへんかな。」

「そうか、しゃあねぇな。」

ウォッカはそう言うとラムを抱き上げた。

「ウォッカ、せめて魔力回復薬、回復薬、それに状態異常の丸薬は持ってくるべきだったな。」

「そうだな。俺が軽率だった。2人ともすまん。」

「気にするな。俺も必要無いと思ってウォッカに賛成したんだ。ウォッカ1人が悪い訳でも無い。」

「せやよ。ウチらなら行けると思たから挑戦したんやし。けど、魔物が戦略的に攻めてくるんが、こない大変やとは思わんかったわ。」

「そうだな。取り敢えず・・・出るか。」

「せやね。」

「そうだな。最低限の準備は必要だな。」

ウォッカは悔しそうな顔をしながら外に出てくるとステージの入り口が光り、3人を包んだ。

「な、何だこれ!?」

「ウォッカ、ホールにあった掲示板をちゃんと見てなかったのか?」

「なんだよ。ジンは何か、知ってるのか?」

「ステージを中断した場合は死んだ場合とは違って、ペナルティ無しで戦闘を中断出来て、ステージを出たら身体は全回復するって載ってあったぞ。」

「ならコレはそういう事なのか?」

「あぁそうだ。」

「!!?」

俺達がそう話していると誰も居ないはずの場所からルーク閣下が現れた。

「閣下!」

俺はそう言うと跪いた。

「やめろって何時も言ってるだろジン。」

「そうだって事はルークさんは俺達の戦いを観てたんですか?」

「おう。使徒様とな。つうか、ウォッカ、何時も言ってるだろ?勇猛と無謀は違うから履き違えるなよってよ。」

「すいません。」

「まぁ、ジンに煽られて引けねぇ気持ちも分からなくはねぇが、そんな事してたら、お前らは問題無くても武器や防具が持たねぇぞ。後なぁ、使徒様のダンジョンならいざ知らず他のダンジョンなら死んじまうぞ。」

「あっ、はい。他のダンジョンでは気を付けて・・・。」

ウォッカがそう言った瞬間、ルーク閣下に睨まれたウォッカは固まってしまった。

「ウォッカ、使徒様のダンジョンなら多少無謀でも良いってか?あぁあ?」

「い、いえ、その様な事は・・・。」

「分かってりゃあ良いが、まだその金棒を使ってるのか?」

「コレは俺のトレードマークというか、常に鍛える為といいますか・・・。」

「あぁ、前もそんな事言ってたなぁ。だが、鍛えるって理由ならもう必要ねぇだろ?」

「そ、それは・・・。」

「固執してたらこれ以上は強くなれねぇぞ。ほらよっ!」

ルーク閣下はそう言うと三節棍をウォッカに投げた。

「コ、コレは・・・?」

「特殊合金で出来た三節棍って武器だ。俺のお古だが、お前なら使いこなせるはずだって使徒様から言われたからやるよ。」

「し、使徒様!?国王陛下がそのような事を!?」

「あぁ、ウォッカの動きとスピリッツの戦闘風景から見て、テキーラの様に前線のみで戦うより、近距離、中距離を自在に移動して戦う方が合ってんだとよ。」

「ほ、本当ですか!?」

「何だ?俺や使徒様が嘘をついてるとでも言いたいのか?」

「い、いえ、そうではありません!使徒様が俺なんかにアドバイスをして下さったのかと思いまして。」

「あぁ、そういう事か。そういう人だ。無謀だが、誰も挑戦していないものに挑戦した心意気が気に入ったが、今のままだとここが限界だろうが本来使用していた武器ならば限界を超える事が出来るだろうって事らしいぞ。」

ルーク閣下がそう言うとウォッカはルーク閣下から下賜された三節棍を握りしめながら涙を流していた。

「使徒様はこうも仰られていた。ウォッカよ、過去の贖罪の為に自分に合わない武器で戦い、己の生命を脅かすのは金棒の元の持ち主も望んではおらんぞとな。」

「・・・。」

「実際に本人に聞かないと納得出来ねぇって顔だな。」

「・・・使徒様のご厚意には・・・」

『まだそんな事言ってるのか?』

ルーク閣下が話をし、ウォッカが答えようとするとウォッカの親父さんらしきゴーストが現れた。

「親父!何したんだよ、俺の知らねぇ悪事を犯して魔物になっちまったのか?」

『バカヤロウ!俺がそんな事する訳ねぇだろ!』

「じゃあなんでゴーストなんだ?」

『使徒様が転生する前に心残りはないのか聞かれてお前の話をしたら此処に連れて来て頂けたんだが、お前が俺の金棒で悩んでるのを見て、お前と話せる様にこの身体をくださったんだ。』

「じゃあ魔物になった訳じゃねぇのか?」

『当たり前だろ。俺はお前の成長を観たら逝くつもりだったのにお前ときたら・・・。』

「だってよぅ、俺らの家系はコレを使って皆んな大成したって言ってたじゃねぇか。」

『あぁ、鍛える用のやつだからな。』

「鍛える用?いやいやいや、親父もコレで魔物を倒してたじゃねぇか。」

『・・・そういやぁそうだったな。俺の本当の武器は大剣だぞ。それも2本使ってな。』

「えっ?そんな姿見た事ねぇぞ。」

『当たり前だろ。お前が生まれた時に冒険者は辞めたからなぁ、だが家の納屋に置いてあったんだぞ。』

「そうなのか?」

『見せた事は無かったが、今でも生家は残ってるのか?』

「一応な。今は俺の稼ぎで孤児院を家の隣りに建てたからそこの人達に家の維持もお願いしてあるぞ。」

『おっ、そんなに稼いでるのか?』

「まぁな。使徒様が1割しか受け取らないってお決めになったし、それなら俺に出来る事をと思ってな。」

『凄ぇじゃねぇか。俺が冒険者だった頃より稼いでるんじゃねぇか?』

「まぁ親父が本当に冒険者だったかは、疑わしいが、使徒様の民になって、攻略組に入ってからは、かなり稼げてるのは確かだな。」

『俺が冒険者だった事を疑ってるのか?』

「俺が知ってるのは猟師をやってるか、ボロい道場で門下生を鍛えてる親父しか見た事がねぇからな。しかも最後は俺を逃がす為に魔物の群れに突っ込んで行ったしな。」

『そうだったな。まぁ、俺からしたらお前が元気にしてるだけで本望だがな。ってか、俺の事を知りたかったら冒険者ギルドで鬼王って調べれば、少しは情報が手に入るんじゃねぇか?』

「キオウ?」

『鬼の王って書いて鬼王だな。』

「何だソレ?」

『俺の異名だ。自分で言うのも何だが、Aランクでも相当強かったからな。いつの間にか付いてたぞ。』

「へぇ~。」

『あっ!お前全然興味ねぇな!』

「そら現実味が・・・なぁ、ジン。」

「そこで俺に振るのか?」

「いや、一番弟子だったお前もそう思うだろ?」

「まぁ、鬼っていうのは何となく納得出来るけど、有名な冒険者っていうのは俺達が冒険者だった頃に話にも出なかったしなぁ。」

『マジで?いや、ありえるのか。50年前だと今は誰も知らねぇか。』

「まぁ、調べてみるが、それで良いのか?」

『何がだ?』

「コレだよコレ。」

ウォッカはそう言うと金棒を持ち上げて見せた。

『だから鍛える用だって言っただろ?』

「あっ・・・そうだったな・・・。」

『まぁ俺も使ってくれてて嬉しいっちゃ嬉しいが、ソレ両方装備する事で10倍くらい負荷が掛かるぞ。』

「え゛っ!?・・・だから1本で使ってる時の方が楽だったのか・・・。」

「ウォッカ?そんなに負荷が掛かって気づかなかったのか?」

「いやぁ、2本だから重いのかと思ってた。」

『自分の息子ながらバカは治らんかったかぁ・・・。』

「何がバカだ!親父だっておふくろにバカってしょっちゅう言われてたじゃねぇか!」

『親に向かってバカとは何様だ!このバカ息子!』

「バカって言うやつがバカなんだよ!」

『何を~・・・・・。』

2人はそう言うと言い争いを始めたが、横から恐ろしいオーラが漂ってきたのを感じた俺はびっくりして、その方向を見るとルーク閣下が鬼の形相で2人を見ていた。

「お、おい、やめ・・・。」

「お前ら!!!何してんだ!!!」

ルーク閣下が大声でそう叫ぶと2人はビクッとなって直立不動でルーク閣下の方を向いた。

「ウラジミールだったか?息子と喧嘩する為に使徒様に身体を造ってもらったのか?」

『い、いえ。』

「そうだよな。息子に強く生きて欲しいのと自分の所為で息子の成長を阻害したくないって話だったよな?」

『は、はい。』

「分かってるじゃねぇか。それでウォッカ、父親との最後の別れが喧嘩で良いのか?」

「い、いえ。」

「だよな。折角、使徒様のご厚意で実現したのに申し訳ねぇよな?」

「は、はい。」

「なら喧嘩は終わりで良いな?」

「『はい。勿論です。』」

『ウォッカ、すまんな。』

「俺の方も熱くなって悪かったよ親父。」

『それより折角、今以上に強くなれるって太鼓判を押してくれた使徒様や武器を譲ってくれたルークさんに報いる為にもその武器で頑張れよ。』

「おう。久しぶりだから上手く使えるかは、分かんねぇけど頑張ってみるさ。」

『なら安心だ。ジン、息子の事を頼むぞ。』

「はい。師匠。」

『じゃあな。』

師匠はそう言うと光の中に消えて行った。

「さてと、後はジンだな。使徒様からの伝言だ。」

「はい!」

「生き残る為に慎重なのは分かるし、他のダンジョンならそれが正解だ。だが、我の世界では挑戦する心を持ち続けろ。そうすれば自分の生命も仲間の生命も助けられるって事だ。分かったか?」

「はい!」

「ならもう1つ、仲間を信じて突き進め、さすれば爆発的に強くなれるだろうって事だ。」

「はい!ありがとうございました!」

「よし!よく言った!全員後で訓練所に来い!俺が鍛えてやる!」

「・・・。」

「ん?返事は?」

「「「「「「「御意!」」」」」」」

「よ~し!取り敢えず先にウォッカ達は着いて来い!ジン達は準備が出来次第Bランクに挑戦な。それが終わったら来い!」

「分かりました!」

俺がそう返事をするとルーク閣下は肩を落としたウォッカ達を連れて門から出ていった。
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