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第348話 [海龍の墓。]
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俺達は海底に向かってグングン進んでいた。
「結構深くまで潜るんだなぁ。もう光が届かないから真っ暗だなぁ。」
「そうだよ父ちゃん。まだまだずーっと深く潜るけど、何か道が違うようなぁ・・・?」
「メグミ、そうなのか?」
「はい。シュウト様には申し訳ありませんが、少し寄り道を。」
俺がメグミに相談するとリヴィアタンがメグミの代わりに返答してきた。
「早いに越したことはないですが、急ぐ事でもありませんし、アストライアー様からの使命が有っても直ぐに移動出来るんで。」
「そう言って頂けると有り難いです。」
「それで、差し支えなければ、何方へ向かっていらっしゃるか教えていた・・・凄い・・・。」
俺がリヴィアタンに質問を終える前に辺り一面、光り輝き荘厳な雰囲気を醸し出す光景が現れた。その光景に大人組は見惚れ、子供組は、はしゃいでいた。
「それにしても凄い光景ですね。」
「ある一定の位置から下へと潜って行くと時折この様な光景が広がっているのです。」
「では、この光景を見せる為に連れて来て頂けたんですか?」
「いえ、コレは微細な魔物の集合体が作り出したモノで海底を漂っていますので、偶然です。」
「あっ、そうなんですね。」
「はい。目的地は別に在りますが、こやつらは無害ですし、我々でも見付けるのが、難しい程の稀な光景でしたのでお連れ致しました。」
「ありがとうございます。皆んなも喜んでるみたいです。」
「元精霊の方々は見慣れた光景だった様ですが、他の方々には喜んで頂けた様で良かったです。」
リヴィアタンにそう言われた俺が幻精霊の皆んなを見るとリヴィアタンに言われた様に幻精霊達は荘厳な光景を見ようともしていなかった。
「あぁ・・・すいません。」
「いえいえ、シュウト様が悪いのでありませんから謝罪は要りませんよ。恐らくは精霊の回帰の際に近しい光景を見ていたのでしょう。」
「回帰の際というと世界樹に戻る時にですか?」
「はい。中級精霊になる頃には、かなりの回数を回帰するそうですし、見慣れた光景なのでしょう。」
「なるほど。しかし、よくご存知ですね。」
「遠い昔に、今は居ませんが、知り合いの精霊が教えてくれましたから。ただ、何分かなり昔の話でしたので、今もそうなのかは分かりませんが・・・。」
「なるほど、だから恐らくは、なのですね。」
「はい。ですが、あの方達の様子を見る限り変わりはない様ですね。」
「そうみたいですね。」
「では、そろそろ先に進まさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ありがとうございます。お任せします。」
「承知致しました。」
リヴィアタンはそう言うと先を急ぐ様にグングン進んで行き、ぼんやりと蒼く光る場所に到着した。
「此処は・・・お墓ですか?」
「はい。我々海龍が寿命を迎える際に先祖と共に眠る場所となっております。」
「聖獣には寿命は無いのでは?」
「全ての者が聖獣と成れる訳ではありませんので。」
「そういう事・・・ん?アレは・・・。」
「はい。数年前にシュウト様が向かわれるダンジョンでの修練で深手を負ってしまい、亡くなった者でございます。他の者は転生したのですが、彼だけは何故か転生出来ずに現世に残ってしまったのです。」
「なるほど、だから自分を此処に。」
「はい。このままでは彼が魔物に成ってしまうと思い、シュウト様には申し訳ありませんが来て頂いたのです。」
「自分の使命ですし、それは構いませんよ。」
「ありがとうございます。」
「それで1つ質問なのですがよろしいでしょうか?」
「何なりと。」
「失礼になるかと思われますが、あの方は生前、お話する事は出来たのでしょうか?」
「はい。成龍に成った者は全てではありませんが、ある程度の種族と会話するスキルを取得する事が出来ますので。」
「そうなんですね。失礼しました。では確認します。」
俺はそう言うと海龍の霊に転生スキルで確認した。
「ん?・・・もしかして・・・。」
「はい。シュウト様のお考えになられている様に私の末息子です。」
「ご愁傷様です。」
「いえ、これも運命ですし、息子や娘が亡くなるのは初めてではありませんので。」
「しかし・・・。」
「辛くないといえば嘘では無いですが、先程もお話した通り、数年経っていますので。」
「・・・心中は流石に分かりかねますが、リヴィアタンさんがそう言うのであれば、これ以上は黙っておきます。」
「・・・多少は思うところもありますが、種族の違いだと私は感じますね。100年毎に卵を産みますし、幼龍であれば気持ちが違うと思われますが、成龍になれば他の眷属と変わらないですしね。」
「そうなんですか?」
「はい。海龍という種族は最強の者が番いになる事が多く、今の番いは数100年前に産み落とした子ですしね。ですから成龍に成った時点で親子という感覚は殆ど無くなります。」
「あぁそういう事ですか。」
「それでは彼に近付きますか?それともこの場で、転生して頂けますか?」
「近付いても問題なければお願いします。」
「承知致しました。」
リヴィアタンはそう言うと海龍の霊に近付いて行った。
『リヴィアタン様に乗せて頂くとは何者だ?』
「アストライアー様の使徒をしていますシュウトと申します。」
『!!?』
海龍の霊は俺の言葉を受けるとビクッと身体を震わせて海底スレスレまで頭を下げていた。
「ダルクさん、頭を下げる必要は無いですよ。」
『!!?我が名をご存知で!?』
「申し訳ないとは思いますが転生させる為に必要な事でしたので、スキルで鑑定しました。」
『いえ、使徒様がされる事で否定など有り得ません。しかし無礼を承知の上でお聞きしたいのですが、使徒様はこの様な場所へ何をしに来られたのでしょうか?』
「先程も申しました通り、貴方を転生させに参りました。」
『転生ですか・・・。』
「それが自分の使命ですので。ところでダルクさんは転生する事を望んではいらっしゃらない様子ですが、ダンジョンに残った仲間を思っての事ですか?」
『!!?何故それを!!?』
「全容を見る事は出来ませんが、スキルで貴方の最後を知る事は可能でして、経験から“仲間を残して”と記載されている方は親友を残して亡くなった後悔か、愛する方を残して亡くなった後悔かに分かれる事が多いのです。」
俺がそう言うとダルクさんは目を瞑り、しばらく考えた様子で再び目を開くと話し始めた。
『・・・我と共に潜ったのは・・・番いです。我の遺体を皆が此処に運んでくれた時、我の番いの姿はそこには無かったんです。』
「だからダンジョンにまだ居るかもって事ですか?」
『いえ、まだ居るのであれば、もうこの世には・・・。』
「では、里に居るけど来てくれないのが、悲しい?悔しい?それとも苛立ちですか?」
『悲しい気持ちは無くはないですが、我に対しての悔しさや苛立ちはあっても彼女に対してはありません。ただ・・・。』
「ただ、どうされたのですか?」
『・・・無事なのか?数年経っても我を想ってくれているのか?が気になって転生するのは・・・。』
「それは・・・生死を確認したいのは自分の所為で亡くなったと思っているからですか?」
『・・・はい。我が・・・自尊心や功名心が強く、自分の力を過大評価していたのだと思います。その所為で番いを・・・。』
「なるほど・・・それで無事だったとして、今でも自分を想っていて欲しいと?」
『いや、我と番いのスピアは我が言うのもなんですが、仲は良い方だったと思います。もし無事で元気でいるなら我の事を忘れて先に、未来に進んで欲しい。だからまだ我を想い続けているのであれば、その事を伝えたい。』
「・・・リヴィアタンさん、1つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「彼の番いの事でしょうか?」
「はい。」
「何故来ないのか?とでも聞かれているのですか?」
「それよりも無事かを聞かれました。」
「無事ですよ。確かに彼を此処に運んだ時は身体の半分は機能しない状態で助け出されたので。」
「今は大丈夫なんですよね?」
「はい。ですが、ダンジョンに残してきた物を探しに毎日潜っています。」
「残してきた物?」
「分かりません。」
『まさか・・・。』
リヴィアタンがそう言うとダルクさんが驚いた様に呟いた。
「何か思い当たる事でも?」
『はい。多分、我と番いの思い出の品かと。』
「思い出の品ですか・・・。」
『はい。番いになった時に初めて手に入れた物なんです。』
「・・・ダンジョンで、ですか?」
『はい。対の剣です。それをお互い1つずつ持っていました。』
「対の剣だそうです。」
「対の剣ですか・・・確か、彼女は1本の剣を持っていましたね。」
『それは赤いのか?青いのか?』
リヴィアタンがそう言うとダルクはリヴィアタンに迫りながら言ったが、リヴィアタンにその言葉は届かなかったので代わりに質問する事にした。
「リヴィアタンさん、剣の色は分かりますか?」
「剣の色ですか・・・確か、赤色だったと思います。」
『我のを探しているのか・・・。』
ダルクはそう言うと悲しそうにしていた。
「今も想われてるが悲しいんですか?」
『そうです。スピアは立ち直ってないって事ですよね。』
「それはどうでしょう。確かに今は探す事で貴方を失った事を忘れようとしているのかも知れません。ですが、探す事で未来を見ているのかも知れませんよ。」
『どうしてそう言えるのですか?スピアの心は分からないはずだ。』
「確かに分かりません。それはダルク、貴方も同じだ。」
『なら・・・。』
ダルクが反論しようとしたが、俺は手を翳して言葉を遮った。
「確かに分かりませんが、これだけは分かります。」
『何が分かるんですか?』
「貴方の番いであるスピアさんは生きてダンジョンに何度も潜り、毎日帰ってきている。そうですよねリヴィアタンさん?」
「そうですね。」
「という事はキチンと計画を立て、レベルを上げて、2人で踏破した道を1人でも踏破出来る様にしている。」
『それが?』
「ダルクさん、スピアさんは貴方の事は忘れてはいないが、今をしっかり生きているという事です。自分も色々な人を見てきましたが、そういう方は生涯、亡くなられた方は忘れません。ただ忘れずに前を向き、亡くなられた方の分まで幸せに生きようとしていました。」
『スピアもそうだと?』
「会った事は無いですが、ダルクさんの表情からそうだと確信しました。」
俺がそう言うとダルクさんは穏やかな表情に変わった。
「結構深くまで潜るんだなぁ。もう光が届かないから真っ暗だなぁ。」
「そうだよ父ちゃん。まだまだずーっと深く潜るけど、何か道が違うようなぁ・・・?」
「メグミ、そうなのか?」
「はい。シュウト様には申し訳ありませんが、少し寄り道を。」
俺がメグミに相談するとリヴィアタンがメグミの代わりに返答してきた。
「早いに越したことはないですが、急ぐ事でもありませんし、アストライアー様からの使命が有っても直ぐに移動出来るんで。」
「そう言って頂けると有り難いです。」
「それで、差し支えなければ、何方へ向かっていらっしゃるか教えていた・・・凄い・・・。」
俺がリヴィアタンに質問を終える前に辺り一面、光り輝き荘厳な雰囲気を醸し出す光景が現れた。その光景に大人組は見惚れ、子供組は、はしゃいでいた。
「それにしても凄い光景ですね。」
「ある一定の位置から下へと潜って行くと時折この様な光景が広がっているのです。」
「では、この光景を見せる為に連れて来て頂けたんですか?」
「いえ、コレは微細な魔物の集合体が作り出したモノで海底を漂っていますので、偶然です。」
「あっ、そうなんですね。」
「はい。目的地は別に在りますが、こやつらは無害ですし、我々でも見付けるのが、難しい程の稀な光景でしたのでお連れ致しました。」
「ありがとうございます。皆んなも喜んでるみたいです。」
「元精霊の方々は見慣れた光景だった様ですが、他の方々には喜んで頂けた様で良かったです。」
リヴィアタンにそう言われた俺が幻精霊の皆んなを見るとリヴィアタンに言われた様に幻精霊達は荘厳な光景を見ようともしていなかった。
「あぁ・・・すいません。」
「いえいえ、シュウト様が悪いのでありませんから謝罪は要りませんよ。恐らくは精霊の回帰の際に近しい光景を見ていたのでしょう。」
「回帰の際というと世界樹に戻る時にですか?」
「はい。中級精霊になる頃には、かなりの回数を回帰するそうですし、見慣れた光景なのでしょう。」
「なるほど。しかし、よくご存知ですね。」
「遠い昔に、今は居ませんが、知り合いの精霊が教えてくれましたから。ただ、何分かなり昔の話でしたので、今もそうなのかは分かりませんが・・・。」
「なるほど、だから恐らくは、なのですね。」
「はい。ですが、あの方達の様子を見る限り変わりはない様ですね。」
「そうみたいですね。」
「では、そろそろ先に進まさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ありがとうございます。お任せします。」
「承知致しました。」
リヴィアタンはそう言うと先を急ぐ様にグングン進んで行き、ぼんやりと蒼く光る場所に到着した。
「此処は・・・お墓ですか?」
「はい。我々海龍が寿命を迎える際に先祖と共に眠る場所となっております。」
「聖獣には寿命は無いのでは?」
「全ての者が聖獣と成れる訳ではありませんので。」
「そういう事・・・ん?アレは・・・。」
「はい。数年前にシュウト様が向かわれるダンジョンでの修練で深手を負ってしまい、亡くなった者でございます。他の者は転生したのですが、彼だけは何故か転生出来ずに現世に残ってしまったのです。」
「なるほど、だから自分を此処に。」
「はい。このままでは彼が魔物に成ってしまうと思い、シュウト様には申し訳ありませんが来て頂いたのです。」
「自分の使命ですし、それは構いませんよ。」
「ありがとうございます。」
「それで1つ質問なのですがよろしいでしょうか?」
「何なりと。」
「失礼になるかと思われますが、あの方は生前、お話する事は出来たのでしょうか?」
「はい。成龍に成った者は全てではありませんが、ある程度の種族と会話するスキルを取得する事が出来ますので。」
「そうなんですね。失礼しました。では確認します。」
俺はそう言うと海龍の霊に転生スキルで確認した。
「ん?・・・もしかして・・・。」
「はい。シュウト様のお考えになられている様に私の末息子です。」
「ご愁傷様です。」
「いえ、これも運命ですし、息子や娘が亡くなるのは初めてではありませんので。」
「しかし・・・。」
「辛くないといえば嘘では無いですが、先程もお話した通り、数年経っていますので。」
「・・・心中は流石に分かりかねますが、リヴィアタンさんがそう言うのであれば、これ以上は黙っておきます。」
「・・・多少は思うところもありますが、種族の違いだと私は感じますね。100年毎に卵を産みますし、幼龍であれば気持ちが違うと思われますが、成龍になれば他の眷属と変わらないですしね。」
「そうなんですか?」
「はい。海龍という種族は最強の者が番いになる事が多く、今の番いは数100年前に産み落とした子ですしね。ですから成龍に成った時点で親子という感覚は殆ど無くなります。」
「あぁそういう事ですか。」
「それでは彼に近付きますか?それともこの場で、転生して頂けますか?」
「近付いても問題なければお願いします。」
「承知致しました。」
リヴィアタンはそう言うと海龍の霊に近付いて行った。
『リヴィアタン様に乗せて頂くとは何者だ?』
「アストライアー様の使徒をしていますシュウトと申します。」
『!!?』
海龍の霊は俺の言葉を受けるとビクッと身体を震わせて海底スレスレまで頭を下げていた。
「ダルクさん、頭を下げる必要は無いですよ。」
『!!?我が名をご存知で!?』
「申し訳ないとは思いますが転生させる為に必要な事でしたので、スキルで鑑定しました。」
『いえ、使徒様がされる事で否定など有り得ません。しかし無礼を承知の上でお聞きしたいのですが、使徒様はこの様な場所へ何をしに来られたのでしょうか?』
「先程も申しました通り、貴方を転生させに参りました。」
『転生ですか・・・。』
「それが自分の使命ですので。ところでダルクさんは転生する事を望んではいらっしゃらない様子ですが、ダンジョンに残った仲間を思っての事ですか?」
『!!?何故それを!!?』
「全容を見る事は出来ませんが、スキルで貴方の最後を知る事は可能でして、経験から“仲間を残して”と記載されている方は親友を残して亡くなった後悔か、愛する方を残して亡くなった後悔かに分かれる事が多いのです。」
俺がそう言うとダルクさんは目を瞑り、しばらく考えた様子で再び目を開くと話し始めた。
『・・・我と共に潜ったのは・・・番いです。我の遺体を皆が此処に運んでくれた時、我の番いの姿はそこには無かったんです。』
「だからダンジョンにまだ居るかもって事ですか?」
『いえ、まだ居るのであれば、もうこの世には・・・。』
「では、里に居るけど来てくれないのが、悲しい?悔しい?それとも苛立ちですか?」
『悲しい気持ちは無くはないですが、我に対しての悔しさや苛立ちはあっても彼女に対してはありません。ただ・・・。』
「ただ、どうされたのですか?」
『・・・無事なのか?数年経っても我を想ってくれているのか?が気になって転生するのは・・・。』
「それは・・・生死を確認したいのは自分の所為で亡くなったと思っているからですか?」
『・・・はい。我が・・・自尊心や功名心が強く、自分の力を過大評価していたのだと思います。その所為で番いを・・・。』
「なるほど・・・それで無事だったとして、今でも自分を想っていて欲しいと?」
『いや、我と番いのスピアは我が言うのもなんですが、仲は良い方だったと思います。もし無事で元気でいるなら我の事を忘れて先に、未来に進んで欲しい。だからまだ我を想い続けているのであれば、その事を伝えたい。』
「・・・リヴィアタンさん、1つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「彼の番いの事でしょうか?」
「はい。」
「何故来ないのか?とでも聞かれているのですか?」
「それよりも無事かを聞かれました。」
「無事ですよ。確かに彼を此処に運んだ時は身体の半分は機能しない状態で助け出されたので。」
「今は大丈夫なんですよね?」
「はい。ですが、ダンジョンに残してきた物を探しに毎日潜っています。」
「残してきた物?」
「分かりません。」
『まさか・・・。』
リヴィアタンがそう言うとダルクさんが驚いた様に呟いた。
「何か思い当たる事でも?」
『はい。多分、我と番いの思い出の品かと。』
「思い出の品ですか・・・。」
『はい。番いになった時に初めて手に入れた物なんです。』
「・・・ダンジョンで、ですか?」
『はい。対の剣です。それをお互い1つずつ持っていました。』
「対の剣だそうです。」
「対の剣ですか・・・確か、彼女は1本の剣を持っていましたね。」
『それは赤いのか?青いのか?』
リヴィアタンがそう言うとダルクはリヴィアタンに迫りながら言ったが、リヴィアタンにその言葉は届かなかったので代わりに質問する事にした。
「リヴィアタンさん、剣の色は分かりますか?」
「剣の色ですか・・・確か、赤色だったと思います。」
『我のを探しているのか・・・。』
ダルクはそう言うと悲しそうにしていた。
「今も想われてるが悲しいんですか?」
『そうです。スピアは立ち直ってないって事ですよね。』
「それはどうでしょう。確かに今は探す事で貴方を失った事を忘れようとしているのかも知れません。ですが、探す事で未来を見ているのかも知れませんよ。」
『どうしてそう言えるのですか?スピアの心は分からないはずだ。』
「確かに分かりません。それはダルク、貴方も同じだ。」
『なら・・・。』
ダルクが反論しようとしたが、俺は手を翳して言葉を遮った。
「確かに分かりませんが、これだけは分かります。」
『何が分かるんですか?』
「貴方の番いであるスピアさんは生きてダンジョンに何度も潜り、毎日帰ってきている。そうですよねリヴィアタンさん?」
「そうですね。」
「という事はキチンと計画を立て、レベルを上げて、2人で踏破した道を1人でも踏破出来る様にしている。」
『それが?』
「ダルクさん、スピアさんは貴方の事は忘れてはいないが、今をしっかり生きているという事です。自分も色々な人を見てきましたが、そういう方は生涯、亡くなられた方は忘れません。ただ忘れずに前を向き、亡くなられた方の分まで幸せに生きようとしていました。」
『スピアもそうだと?』
「会った事は無いですが、ダルクさんの表情からそうだと確信しました。」
俺がそう言うとダルクさんは穏やかな表情に変わった。
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