15 / 280
喫茶店始めました
②
しおりを挟むウィルさんが帰ってからちらほらとお客さんが来たり、冷やかしみたいな感じの人が来たりしたけど初日はこんなものでしょ。
1日に何十時間も働けないし、キリがよくなったら閉めよう。
「アルフ、もう少しで終わるからそうしたら一緒に魔法の勉強しようね」
「うんっ、勉強するー!」
アルフはいい子だ。
カランカランとまた入り口の鈴が鳴る。
さて、今回はお客さんか冷やかしかどっちだろうと思いながらドアの方を見ればまさかの昨日の主人公。
「卑怯だぞ!」
「はい?」
えっ、何が?
お客さんでも冷やかしでもなくて営業妨害ですか?
「城に帰ってルナに話を聞いたけどルナは何もしていないのに君がルナに罪を被せたらしいじゃないか!」
どっからそんな妄想話が出てきた。
てか、あの状況だったのによくその話信じたね。
主人公って馬鹿なの?
「1人の話しか聞かずに営業妨害ですか?」
「ルナが嘘をつく必要ない!」
いや、君に嫌われたくないから嘘をつくってのはあるだろ。
これが恋は盲目ってやつか。
「で、それだけを言いにわざわざ?」
若干……いや、思いっきり呆れながらも主人公に問う。
……本当にそれだけなら営業妨害で訴えてやる。
「ああ、それとルナに謝れ。 ルナは罪を被せられて泣いてたんだぞ!」
罪って何だ、罪って。
私がアルフに水を掛けたって言いたいのか。
あ り え な い っ !
「ふざけないで下さい。 大体罪って何ですか? 何故初めて会った人に罪を被せなきゃならないんですか? お姫様は嘘をつかないって誰が決めたんですか?」
「どうせルナが可愛いから嫉妬したんだろ。 ルナの事を罵倒してわざわざその子に水をかけたらしいなっ。 虐待は犯罪だ!」
話にならない。
お姫様を罵倒なんてする訳ない(村人D的な存在で居たいのに)
それに、私が可愛いアルフを虐待する?
ないない。
「私がアルフを虐待した証拠でもあるんですか?」
「ルナが証人だっ!」
いや、あのお姫様では証人にならないだろう。
主人公って馬鹿なの?(2回目)
てか、アルフがのんびりケーキを食べてるのが見えないのだろうか。
虐待されてるならこんなにのんびりケーキ食べてないだろ。
「もう何でもいいですから出て行って下さい。 営業妨害で訴えますよ?」
相手してる暇ないんだって。
残ったケーキの処理もしないといけないし(捨てるのは勿体無いからおばちゃん達にお裾分け)
「逃げるのかっ」
もう主人公嫌いになりそう。
あまり主人公組に関わらないようにしよ。
「逃げる? ここは私の店ですけど? それに商売の邪魔をしているのは貴方ですよね? 店で大声上げられると邪魔なんです」
まだ納得していないのか私を睨みながらも黙っている。
本当に邪魔なんだけど……。
「くっ……覚えていろ。 証拠を掴んでその子を助け出すからなっ!」
しばらくの睨み合いが続けば主人公が折れたのか捨て台詞を吐いて店から出て行ってくれた。
まだ虐待してると思っているのか。
大体何を言われても私はアルフを離す気はないよ。
「アヤ姉?」
ケーキを食べ終わったのか頬に生クリームをつけたまま見上げてくるアルフ。
「何でもないよ」
ハンカチを取り出せばアルフの頬についた生クリームを拭き取る。
魔法の修行はどうやってやろうか…。
知識はあるけどイマイチよく出来ないんだよな。
誰かに習うとか?
でも、こっちに知り合いは居ないし……。
売れ残ったケーキを箱に詰めれば小さな溜め息をつきながらこれからする修行の事を考える。
ギルドに依頼してみような。
きちんとガラスケースも拭き、アルフの食べた後も片付ければ早速行ってみようと笑みを浮かべる。
初めての魔法、お姫様は杖は使ってなかったし他に必要な物はないだろうか。
まあ、よくわかんないからこのままでいいや。
アルフの手を握り店に鍵を掛ければアルフの手を引いてまたギルドにと向かう。
……修行って事は戦闘ギルドだよね、ちょっと憂鬱かも。
26
あなたにおすすめの小説
竹林にて清談に耽る~竹姫さまの異世界生存戦略~
月芝
ファンタジー
庭師であった祖父の薫陶を受けて、立派な竹林好きに育ったヒロイン。
大学院へと進学し、待望の竹の研究に携われることになり、ひゃっほう!
忙しくも充実した毎日を過ごしていたが、そんな日々は唐突に終わってしまう。
で、気がついたら見知らぬ竹林の中にいた。
酔っ払って寝てしまったのかとおもいきや、さにあらず。
異世界にて、タケノコになっちゃった!
「くっ、どうせならカグヤ姫とかになって、ウハウハ逆ハーレムルートがよかった」
いかに竹林好きとて、さすがにこれはちょっと……がっくし。
でも、いつまでもうつむいていたってしょうがない。
というわけで、持ち前のポジティブさでサクっと頭を切り替えたヒロインは、カーボンファイバーのメンタルと豊富な竹知識を武器に、厳しい自然界を成り上がる。
竹の、竹による、竹のための異世界生存戦略。
めざせ! 快適生活と世界征服?
竹林王に、私はなる!
俺の彼女がウブすぎる ~初々しい二人は一緒に帰ったことをきっかけに仲を深める~
空野進
恋愛
三島卓人(みしまたくと)は放課後、思い切って柏木結衣(かしわぎゆい)に告白をして、二人は付き合うことになった。
ただ、数日経った今も二人の仲は一切進展していなかった。
行きと帰りに学校で挨拶をする程度でそれ以外何もしていない。
キスや手を繋ぐことはおろか、恋人らしくどこかに出かけたこともない。登下校すら別々という始末だった。
ウブな彼女との仲を深めるために三島は思い切って告げる。
「今日、一緒に帰らないか?」
その言葉をきっかけに休日に出かける約束をしたり、一緒に昼食を取るようになったり、ゆっくり二人の距離は縮まっていく。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる