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修行……出来るかな?
①
しおりを挟む「すみませーん、依頼ってどうすれば提出出来ますか?」
ギルドに着けばこっちのギルドマスターには会いたくないけど修行は商業ギルドではないしね。
商業ギルドの受付さんは美人だったけど戦闘ギルドの受付さんは格好いい男の人なんだ……。
受付さんが男の人なんて珍しい。
「戦闘ギルドには登録してんのか?」
「してないと駄目ですか?」
今思ったけど受付って会社の顔だよね?(会社じゃなくてギルドだけど)
タメ口でいいのだろうか……。
ギルド員になる人は同僚になるから問題ないのかな。
でも、依頼する人はお客さんになるんじゃ……?
「別にしてなくても構いやしねぇけど。 それじゃ、この紙に書いてくれよ」
えっと……、名前はアヤミ・ファレス。
依頼内容は私と弟の修行をつけて欲しい。
依頼金額は銀貨3枚(3万円)で(多いかな?)
「じゃあ、これで」
「了解。 じゃあ、また数時間後に戻って来いよ。 依頼を受ける奴が居たら待たせとくからよ」
「わかりました」
依頼をするのに身分確認とかは必要ないのね。
依頼を受ける人が現れるまでご飯食べたりケーキ配って来よ。
ご飯は昨日無理だったレストランに行ってみようかな。
アルフの手を握り締めればギルドを出て行く。
まずは店に帰ってケーキ配ろう。
「……行ったかな?」
「あっ、マスター」
彩美が出て行った後にシェイルは現れた。
いきなり出て来たギルドマスターのシェイルに受付の男はビクッと肩を震わせる。
「君、依頼者にはキチンと敬語を使うように指導したはずだけど?」
「も、申し訳ございませんっ!」
「以後気をつけるように」
「はいっ!」
シェイルは受付の男に注意すれば先ほどアヤミが書いていた依頼書を手に取る。
そこに書いていた内容を見れば口元に笑みを浮かべた。
「これは僕が預かるよ、それじゃあ」
依頼書を綺麗に折ればポケットにしまい受付の男に告げればマスター室にと転移する。
マスター室の自分の椅子に座れば持ってきた依頼書を取り出し、眺めた。
しばらくするとドコッと音を立て、マスター室の扉が壊れる。
現れたのは黒髪の肩までの長めの髪、切れ長で赤い瞳の少年と言えるくらいの男の子が立っていた。
「何の用だ」
「君に受けて欲しい依頼があってね」
カツカツと歩きながらシェイルが座っている椅子の机の前までやって来る少年。
シェイルは扉を壊されたのも気にせず笑みを浮かべ少年に先ほどの依頼書を渡した。
依頼書を見た途端に少年の綺麗な顔の眉間に皺が寄る。
「Bランクの依頼をわざわざ帝である俺に?」
「この依頼者は相当な力を秘めているはずだよ。 だけど、商業ギルドの方に登録したけどこっちには登録しないみたい。 だからこそ全帝である君に……クロス・リストルにやって貰いたいんだ、因みにこれはギルドマスターとしての命令だ」
クロスと呼ばれた少年は“命令”の言葉に眉をひそめる。
帝の中でも最も強く最強と呼ばれる全帝。
その全帝が帝の中では一番年下でまだ学園に通っている。
しかし、ギルドにおいてギルドマスターの言葉は絶対。
クロスは小さな溜め息をつきながら依頼書を降り懐にしまった。
「わかった」
「彼女を強くしつつ勧誘もお願いするよ。 僕にはわかるんだ、彼女はこのギルドには必要なんだって!」
熱く語るシェイルだがクロスにはどうでもいいのかあまり聞いていない。
だが、シェイルは気付いていないのかまだアヤミの事を熱く語っている。
クロスはまだ見ぬアヤミに少し同情した。
「(こんな馬鹿にどんな意味であれ好かれるなんて最悪だな)」
「ああ、早く僕のギルドに登録に来て欲しい……。 力のある人は世界を平和にするべきだろう」
マスター室で待つよりはマシだとクロスはシェイルに声をかけることなく受付に向かった。
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