ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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旅の道中

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音のする方に近付いて行ってるのか、私にも戦っている様な音が聞こえてきた。





「冒険者の人かな?」




森の中で戦ってるなんて冒険者ギルドの人か、それとも森の中にあるって言ってた村の人か。
盗賊とかも森の中にとか洞窟とか拠点にしてそうだけど大人数って感じではないから違うとは思うけど。




「……声が聞こえるな」




クロスの歩みが止まったので私達も止まる。
先ほどのグレートベアと似たような唸り声に男の人の声。

すると、私の腕の中に居たルルーゼちゃんがぴくりと動いた。




「お兄ちゃんの声だ」





ルルーゼちゃんのお兄ちゃん?
はぐれてしまったルルーゼちゃんを探してる内に魔物と出会ってしまったのかな。
でも、ルルーゼちゃんが声だけでもお兄ちゃんって判断したのなら助けて上げないと。




「クロス、お願い」


「わかった」




私はルルーゼちゃんを抱きかかえてるし、あんなのと接近戦でなんて絶対戦えないのでクロスにお願いする。
助けるのは冒険者の掟とかなんか色々あるらしいけど、クロスなら大丈夫でしょ。

クロスが出て行けば男の人の驚いた声が聞こえてくる。




「リストルかっ!?」


「……マグライナ?」





どうやら知り合いだったみたい。

ちらっと木の間から覗けばグレートベアの引っ掻く攻撃を避けている男の人って言うか男の子は険しい表情をしながらも、クロスと対話している。

ルルーゼちゃんがお兄ちゃんの所に行きたそうにしているがグレートベアを見て先程の恐怖が浮かび上がっているのか腕の中で震えている。





「チッ、こんな所でリストルと会うとはな」


「助けはいるか?」


「いらねーよ!」




あんまり仲は良くないのか不機嫌そうなマグライナ君。
助けを求められなければ手出しはしてはいけないって冒険者の掟があるらしいからクロスはグレートベアを警戒しながらも何もしない。

よくよくマグライナ君を見てみると所々怪我をしているのか血が流れていたり、足を痛めてるのかどこか庇っている様子で攻撃を避けてる。





「お兄ちゃんっ!!」




グレートベアの大きな爪がマグライナ君に当たりそうになったのを見てルルーゼちゃんが悲痛さうな声を上げた。
マグライナ君は今、ルルーゼちゃんに気付いたのか先程よりも驚愕している。




「ルルっ!」


「……つい先程、雄のグレートベアに追われていた所を助けた。 今マグライナが戦ってるのは雌だからつがいだったのかもしれないな」




クロスは冷静に話しているが雄雌なんて外見から判断出来るの?
魔物のことはさっぱりわからないけど。

飛び出しそうになってるルルーゼちゃんをしっかり抱えながらマグライナ君を見る。




「食堂の姉さんまで……」




……私のことを知ってるみたいだけど、私にはさっぱり思い出せない。
食堂ってことは学園でちょっと働いてる時に来てた子なのかな?



 
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