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ルーヘン村の攻防
⑤
しおりを挟む……やっぱグロい。
ゴブリンが人型だから余計にそう思うのかもしれないけど。
けど、覚悟は決めたんだ。
守りたい者の為に手を汚す覚悟も、殺されるかもしれない覚悟もした。
「嬢ちゃん! 家の中に入った方が!」
「大丈夫です、まだそんなに魔法使えませんが少しでも」
相手がゴブリンだからなのか、私が女だからなのか門番の方が心配してくれるけど。
屋根の上にはゴブリンだって登って来れないだろうし、クロスが帰ってくるまで頑張れば勝ちだ。
私はまた水球を作り出し危なそうな人の近くに居るゴブリンや、油断してるゴブリンに当てていく。
多少は修行したんだからね!
「くそっ、まだ居やがるぜ」
結構倒したつもりだったけど森の中からはまだぞろぞろとゴブリンがやってくる。
ゴキブリじゃあるまいし、そんなに来ないでよ!
村の人達も疲労や怪我をしてる人も増えてきていた。
「おい! アイツはっ!」
声が聞こえてきた方を見ればゴブリンよりも体が五倍くらいありそうで大きな牙と角がある緑色のバケモノが現れた。
人よりも何倍も大きいし、むしろさっきのグレートベアより大きいんじゃない?
ゴブリンより凶悪そうな顔をしてるけどゴブリンの進化形みたいな感じかな。
「ゴブリンキングまで居るとか最悪な状況じゃねぇか」
「だが、ここで諦めたら村はっ……」
ゴブリンの習性を考えれば男の人は殺され、女の人は犯される。
ゴブリンキングがどんなに強いのかなんて私にはわからない、村の人だって怖がってはいるけど逃げる様子はない。
それだけ、この村を、大切な人を守りたいんだ。
「雷よ」
魔法の修行していた時にクロスは想像力が大事だって言ってたし、想像力だけなら誰にも負けない!
今度は水球ではなく雷球を作り出し、ゴブリンキングに放つ。
的が大きいから顔ら辺を狙えば当たるでしょ。
私が放った雷球はゴブリンキングに当たったが……。
「……全然効いてない……」
ゴブリンキングの顔面に命中したのはいいけど皮膚が強すぎるのか、私の魔法が弱すぎるのか少し赤くなった程度だった。
……ってか、緑過ぎて赤いってかほんのり黒っぽい程度なんだけど。
ゴブリンキングは当てられたことが気に入らなかったのか持っていた大きな棍棒を振り回しながら私の方へと歩き出す。
棍棒が当たり吹っ飛んだ村の人もいるみたいだけど、生きてはいるみたいでよかった!
ゴブリンキングは私が弱いってわかってるのかにやにやしてるし。
村の人達がゴブリンキングに向かって行くが剣が当たってもガキンッと硬い音が聞こえるだけ。
どんなけ硬いわけ!
RPGでレベル1の勇者がラスボスに挑むくらい無謀なんじゃないかと思えてくるけど!
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