ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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第三皇子

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「ああ、そうだったんだな」


「一応21なので先輩ですけど?」


「……すみません」



私と普通の話をしてて落ち着いてきたのかそわそわしてた体が大人しくなっていく。
けど、体は大人しくなったけど今が夢じゃなくて現実だとわかったのか見て分かるくらいに落ち込んでいる。

……そこまで落ち込むってことは結構色々やってきたんだね。



「俺って……」


「今落ち込むよりこれからのこと考えたらどうですか? 今は皇子なんですよね?」


「はい……」



落ち込んでるけど、今は立ち直ってもらわないと困る。
やっと現実だとわかってくれたんだから彼が皇帝になってくれたら戦争が回避出来るかもしれない。
彼の意志を無視して無理矢理皇帝には出来ないからちゃんと説明しないと。



「お前、このままだと死ぬぞ」


「え?」


「え?」



どう説明すればいいか悩んでいるといきなりのクロスの言葉に佐藤さんも私もビックリしてしまう。
え? 死亡フラグなんてどっかにあったっけ……?


「今は跡目争いをしてるだろう? 皇帝にどの皇子がなるかは分からないが後々問題になるかもしれない皇子を生かしておくわけないだろう」



私もビックリしてるのが分かったのかクロスが説明してくれているけどそこまで殺伐としてるの?
何かふんわりとしてしか分からないけど臣下に下るとかそんな感じになるのかと思ってた。



「俺死ぬの!?」


「聞いてないのか?」


「いや、兄さんや弟が何か言い合ってるのは聞いたことあるが俺には関係ないと思って……それにその前に目覚めると……」



夢だと思っていたのなら仕方ないのかもしれないけど……殺される前に現実って分かったからよかったのかな。
死んでしまってからだと何もかも遅いからね。



「私たちは別の用で貴方に会いに来たんです」


「そう言えば……何か話があったみたいっすね」



そう、私たちが皇子を探していたのは戦争を止めたいってのはあるけど一番はキースとリーフィを助けたいから。
二人を助ける為に私は皇子を利用する。

日本人だから多少の情はあるけど私には二人の方が大事だから、二人の為なら非情にでもなれるよ。



「私の大切な人たちが帝国の奴隷なんです。 だから、第三皇子である貴方が会ってまともであったなら皇帝になるのを考えてもらえないかと」


「あー、さっきの俺はまともじゃなかったっすからねー」



自分でも納得出来るのか苦笑いしながらもうんうんと頷いている。
……いくらあれだったからって自分で納得しちゃうのね、本当にそれでよかったわけ?



「後は他の皇子は王国との戦争に賛成派だって聞いたんで」


「そんな話なんかしてたなー。 よく分かんなかったですけど」



彼に皇帝になってもらおうとするのは無謀だったかな……。
頭があまり良くないってか、何かを考えて動くのは苦手そうな感じ。


 
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