ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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内緒話は密室で

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次の日、私たちは宿で朝ご飯を食べてから部屋で三人を待っていた。
昨日のことでちょっとクロスの顔を見れなかったけど、それ以外は特に問題なく過ごせてる。

コンコンと部屋がノックされたのでドアを開けるとレイファ、キース、リーフィの三人が立っていた。
レイファはにこにこしていたがキースとリーフィの表情は硬い。



「俺様自ら来てやったぞ、感謝するが良い」



……素を知ってるだけあって皇子なレイファを見てると笑えてきちゃうけど、我慢我慢。



「どうぞ、お入り下さい」



三人を中に入れるとリーフィが心配そうに私をチラチラと見ているのが分かる。
ソファーにレイファが座るとリーフィとキースは付き人のように後ろに立っている。



「リーフィとキースも座って、今日は二人に話があるの」


「アヤミ、分かって居るのか?」



キースの表情は未だに硬く何か言いたそうにしてる……きっとレイファのことだろうけど。
アルフが注いでくれたお茶を飲んでるレイファを見る。



「レイファ、どう言って連れて来たのよ」


「ん? もちろん、何も言ってないっす! だって、俺が説明するよりアヤミさんのが説明上手いじゃないっすか!」



……にこにこしながら話すことじゃないけどね。
そりゃあ、何も言われずにここに連れて来られたら訳が分からないのも当然だよ。

ほら、私とレイファの会話にリーフィはビックリしてるしキースは訝しんで見てるじゃない。



「リーフィ、キース、説明するから一旦座ってほしいの」



二人は私の言葉に素直に従って座ってくれた、まだ警戒はしてるけど。
レイファの話を聞きたいだろうけど先に私の話からしなきゃ訳が分からないからね。

……二人がどんな反応するのかちょっと怖い……。



「レイファのことが一番気になるとは思うけど、まずは私のことを説明させてほしい。 その方がレイファのことも分かりやすいと思うから」


「ああ」


「……わかりましたわ」



けど、これでよかったのかも。
元々王国に帰ったら話す予定だったんだから、引かれるなら今のがまだマシだよね。



「二人は転生者って知ってる?」


「転生者? 何だそれ?」



あー、クロスは知ってたけど知らない人は知らないよね。
どう説明すれば分かりやすいだろうか……。



「知ってますわ。 噂でしかありませんが特別な力を持った者たちがそう自分で呼んでいたそうで、帝国は今その転生者を探していますもの」


「え? そうなの?」



いや、何で皇子であるレイファが何もしらないのよ。
遊び惚けて居たからって王宮に居た時に話くらいは聞いたことあるでしょうに。

夢だと思ってたから何も聞いていなかったのかな?


 
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