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第2章
信用を示せsideエイデン
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「ルグノス。俺は悪魔は快楽主義で、見返りもなく不利益な事はやらないという認識だがそちらの御仁は信用するに値する何かがあるのか?失礼を承知で物申すが、俺はマルコシアス殿やこれから頼るというバグ殿、そして精霊であるルゲイエ殿もいまいち信用ならん。」
協力を申し出てくれている他種族の機嫌を損ねることは覚悟の上でルグノスに投げかけた言葉に、ホルス殿や他種族の者が顔を顰めることはなかった。
精霊はオロオロとしているが、ホルス殿は目を瞑り落ち着いた様子でマルコシアス殿はニコニコと微笑むだけ。
これから対当しようっていう相手が悪魔族であるだけに、同じ悪魔族が快く協力をするっていうことが納得いかない。
元が天使であろうが、今は悪魔の一人。
それも下級の悪魔ではないだろう者が何の利益もないことへ協力をするということに不信感を拭えない。
「まずルゲイエ殿に関してだが…ルナイスが信用しているホルス殿の友人であってホルス殿が心配ないと言われている。ルナイスの他者が自身へ向ける感情への敏感さを知っていればホルス殿が信用できる人物であると言える。そしてそのホルス殿が心配はなく、もし裏切りが発覚した場合は精霊王をもこの場に引き釣り出し、処罰を与えると断言された。ルゲイエ殿はその言葉に何度も頷き、信用を示された。故にルゲイエ殿については信用できると私は判断した。」
そう言ったルグノスの言葉に一応はルゲイエ殿については納得をする。
「で?マルコシアス殿はどう信用したらいい?」
「では私が貴方達に協力する理由を私からお話致しましょう。まず一つ。今回の愚かな夢魔の行いが悪魔側でも見過ごせないレベルになり、夢魔を処分しようと考えている友が丁度居りましたので、奴にくっついている厄介な人間を処理してくださると悪魔側も助かるのです。二つ。ルグノス殿もそうですが、貴方も私を簡単に信用せず縋ってこないところに好感を抱きました。三つ。ルゲイエ殿からの頼みなので。四つ。今回の被害者であるルナイス殿にとても興味があります。あのような暗く歪で綺麗な魂はなかなかお目にかかれないので。以上が私が貴方達に協力する理由です。どうでしょう?」
俺の問いに答えたのはルグノスではなく、マルコシアス殿自身だった。
三つ目まではなるほどっと思って聞いていたが、四つ目はルグノスも聞いていないことだったらしい。
綺麗な顔が鋭い目つきでマルコシアス殿を睨みつけている。
「もちろんルナイス殿を害するようなことはいたしません。不安でしたら誓約を交わしても構いません。ルナイス殿のことは随分前から悪魔でも噂になっておりますよ?闇魔法を使える人間は少ない。何度か雑魚がルナイス殿のところへ向かったようですが、全て消滅しています。大変興味深い。自身の命を狙う者への容赦のなさは惚れ惚れ致します。我等が彼に抱く感情は友好的なものですよ。ほとんどはね…。」
鋭い目を向けられたマルコシアス殿はにこりと微笑んだまま、こちらが問いを投げかける前に俺達が抱いた疑問に答えた。
最後の方は青白い色をした顔の頬を仄かに赤く染めて言葉通り恍惚とした表情をしていたことから、彼が言ったことが嘘ではないだろうことが伺える。
「あ、あの!マルコシアス殿は今でこそ悪魔ですが、本質は限りなく天使に近いのです!!そもそもマルコシアス殿は望んで堕ちたわけではなく」
「ルゲイエ殿。あまり人のプライベートをぺちゃくちゃと喋らないで頂きたい。」
「あ!ご、ごめんなさぃぃぃ!!!」
「あぁ、怒っていませんよ。まだ、ね。」
「ひぃぃ!!」
まだ疑いが晴れない俺達へルゲイエ殿が声を掛けるが、マルコシアス殿がそんなルゲイエ殿の言葉を遮った。
こいつら本当に友人なのか?
「あまり疑うばかりではチャンスを逃すぞヒル家の。安心せい。こ奴らが我等を騙し弄んだと分かれば我が容赦なく喰らってやるでの。」
ぐわっと伸びをしたホルス殿がそう言って真っ直ぐ俺を見て来た。
その瞳は鋭く背筋がビリビリとする。
「こんな無駄な時間を過ごす余裕はないぞ。我等が愛し子がいくら強いとはいえ、まだ幼い。一刻も早く救出しなければならんと思うがな。」
微かに怒りを含んだ声に思わず抜刀しそうになったが、ホルス殿が言うことはもっともな正論でこれ以上マルコシアス殿達を疑うのは確かに時間の無駄であるように感じる。
「…そうだな。」
一応納得はしたが疑ったことを詫びはしない。
まだ俺の中で疑いは晴れ切っていないのだからな。
それにアーバスノイヤー家のものを…友の家族を害するというのならば俺が始末すればいい。
side end
協力を申し出てくれている他種族の機嫌を損ねることは覚悟の上でルグノスに投げかけた言葉に、ホルス殿や他種族の者が顔を顰めることはなかった。
精霊はオロオロとしているが、ホルス殿は目を瞑り落ち着いた様子でマルコシアス殿はニコニコと微笑むだけ。
これから対当しようっていう相手が悪魔族であるだけに、同じ悪魔族が快く協力をするっていうことが納得いかない。
元が天使であろうが、今は悪魔の一人。
それも下級の悪魔ではないだろう者が何の利益もないことへ協力をするということに不信感を拭えない。
「まずルゲイエ殿に関してだが…ルナイスが信用しているホルス殿の友人であってホルス殿が心配ないと言われている。ルナイスの他者が自身へ向ける感情への敏感さを知っていればホルス殿が信用できる人物であると言える。そしてそのホルス殿が心配はなく、もし裏切りが発覚した場合は精霊王をもこの場に引き釣り出し、処罰を与えると断言された。ルゲイエ殿はその言葉に何度も頷き、信用を示された。故にルゲイエ殿については信用できると私は判断した。」
そう言ったルグノスの言葉に一応はルゲイエ殿については納得をする。
「で?マルコシアス殿はどう信用したらいい?」
「では私が貴方達に協力する理由を私からお話致しましょう。まず一つ。今回の愚かな夢魔の行いが悪魔側でも見過ごせないレベルになり、夢魔を処分しようと考えている友が丁度居りましたので、奴にくっついている厄介な人間を処理してくださると悪魔側も助かるのです。二つ。ルグノス殿もそうですが、貴方も私を簡単に信用せず縋ってこないところに好感を抱きました。三つ。ルゲイエ殿からの頼みなので。四つ。今回の被害者であるルナイス殿にとても興味があります。あのような暗く歪で綺麗な魂はなかなかお目にかかれないので。以上が私が貴方達に協力する理由です。どうでしょう?」
俺の問いに答えたのはルグノスではなく、マルコシアス殿自身だった。
三つ目まではなるほどっと思って聞いていたが、四つ目はルグノスも聞いていないことだったらしい。
綺麗な顔が鋭い目つきでマルコシアス殿を睨みつけている。
「もちろんルナイス殿を害するようなことはいたしません。不安でしたら誓約を交わしても構いません。ルナイス殿のことは随分前から悪魔でも噂になっておりますよ?闇魔法を使える人間は少ない。何度か雑魚がルナイス殿のところへ向かったようですが、全て消滅しています。大変興味深い。自身の命を狙う者への容赦のなさは惚れ惚れ致します。我等が彼に抱く感情は友好的なものですよ。ほとんどはね…。」
鋭い目を向けられたマルコシアス殿はにこりと微笑んだまま、こちらが問いを投げかける前に俺達が抱いた疑問に答えた。
最後の方は青白い色をした顔の頬を仄かに赤く染めて言葉通り恍惚とした表情をしていたことから、彼が言ったことが嘘ではないだろうことが伺える。
「あ、あの!マルコシアス殿は今でこそ悪魔ですが、本質は限りなく天使に近いのです!!そもそもマルコシアス殿は望んで堕ちたわけではなく」
「ルゲイエ殿。あまり人のプライベートをぺちゃくちゃと喋らないで頂きたい。」
「あ!ご、ごめんなさぃぃぃ!!!」
「あぁ、怒っていませんよ。まだ、ね。」
「ひぃぃ!!」
まだ疑いが晴れない俺達へルゲイエ殿が声を掛けるが、マルコシアス殿がそんなルゲイエ殿の言葉を遮った。
こいつら本当に友人なのか?
「あまり疑うばかりではチャンスを逃すぞヒル家の。安心せい。こ奴らが我等を騙し弄んだと分かれば我が容赦なく喰らってやるでの。」
ぐわっと伸びをしたホルス殿がそう言って真っ直ぐ俺を見て来た。
その瞳は鋭く背筋がビリビリとする。
「こんな無駄な時間を過ごす余裕はないぞ。我等が愛し子がいくら強いとはいえ、まだ幼い。一刻も早く救出しなければならんと思うがな。」
微かに怒りを含んだ声に思わず抜刀しそうになったが、ホルス殿が言うことはもっともな正論でこれ以上マルコシアス殿達を疑うのは確かに時間の無駄であるように感じる。
「…そうだな。」
一応納得はしたが疑ったことを詫びはしない。
まだ俺の中で疑いは晴れ切っていないのだからな。
それにアーバスノイヤー家のものを…友の家族を害するというのならば俺が始末すればいい。
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